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ここは第46番アーコロジー。愚かにもマスターに手を出し、死の吐息が充満することになった。その施設をマスターが購入して浄化し、一大食料生産地となっている。
「メイド長、おはようございます」
「ああ、おはよう。施設の稼働状況はどうなっている?」
「問題ありません」
「そうか。では食事と十分な休息を取るように」
「はっ」
彼等はこのアーコロジーの外で過ごしていた貧民層の者達だ。そんな彼等はいい服を着て仕事である食糧生産に勤しんでいる。皆は笑顔で働いているが、ここは福利厚生がしっかりしているホワイト企業だからだろう。他とはかなり違う。そもそもこのアーコロジー内では自然が普通にあり、まるで地球環境が再生したかのような世界だ。
各施設を確認して塵掃除を行ってから施設の中央部、空中に浮いている多面体の中に飛び上がって入る。
廊下を歩いていると中央の部屋に到着できた。そこには出勤してきた社長の少女がいる。彼女こそ、私のマスターだ。
「マスター、ご機嫌麗しく」
「ええ。施設の状況は順調?」
「うむ。何も問題はない。今日も元気に働いている」
「そう。ならいいわ。ごみ処理はどうなの?」
「問題ない」
マスターの背後の影が揺れて大きな骸骨のような人が現れる。奴の実力はかなり高い。
「情報は引き出して全てくべた」
「そう。ならいいわ。私とアーサーの邪魔をする奴等は有効利用してあげましょう」
ここの下には泥のような物が沢山ある。そこから人の手がでてもがき苦しんでいる姿がみえる。
「4364人の生命で聖杯は順調に稼働中か」
「そうよ。いきの良い魔力を作ってくれているわ」
こいつらはこのアーコロジーに住んでいて弱者から搾取していた連中だ。マスターが殺した連中全ての魂を手に入れて聖杯を作った。そこから私達、英霊を呼び出した。
「しかし、これはいいのか?」
「何がかしら?」
「お前の夫は嫌がったんだろ?」
「あら、アーサーが言っていたのは無関係の人間に手を出すのは止めろって言われたの。でも、自衛は許してもらえているから、私達を襲ったりする連中は自衛の内に入るでしょう?」
無邪気に微笑みながら数千を殺し、魂すらも魔力炉に変えて商品を作る動力に変えてしまった。私達、サーヴァントも呼び出されて会社の護衛についている。特に山の翁をはじめとしたハサン達が護衛と諜報部隊として動いている。
施設内の管理は私とメディアで行っているので問題ない。
「あっ、定時だから帰るわ」
「三時間労働とはいい身分だな、マスター」
「当然よ。浮気させないためにもアーサーを家から出さずにいるのよ。それがユグドラシルなんて始めちゃったんだから、気が気じゃないわ」
「監視をつけているんだろ?」
「一応、アビーに頼んであるわ」
アビーは確かアビゲイルという二人の娘だったわね。マスターの方からさっさと襲って子供をなしたらしいが、その子供にも色々と細工しているみたいだ。
「それに早く帰るのはここに新しい子がいるからよ」
「お盛んなことだな。しかし、閉じ込めておいたところで娘に父親が取られる場合が……」
「っ!?」
カランカランと手に持っていた物が床に落ちる。青ざめだしたマスターに私はニヤニヤと見詰める。
「帰るわっ!」
一瞬で転移していく。
「からかうのも大概にせよ」
「構わないではないか。どうせ暇つぶしだ。それに可能性がないわけではない。マスターの娘なのだからな」
「そうか」
「どこに行く?」
「仕事だ」
「また供物がきたか。ではメイドとして掃除をするとしよう」
やれやれ、ここに喧嘩を売りにくるなんて愚かな奴等だ。しかし、ユグドラシルか。私もやってみてもいいかもしれない。静謐でも誘ってやってみるか。