ビルの屋上、風に白いマフラーを靡かせて立つ人影があった。フルフェイスのヘルメットを被った顔は、スモークシールドに遮られて隠されている。だが赤いライダースーツに包まれた丸みをおびた細い体から、その人影が女性だと分かる。
ライダースーツの女性は先ほどから微動だにせず、ただ一点を凝視していた。
その視線の先には、病院の屋上でベルトのバックルに右手をかけて立ち上がった青年の姿があった。
バックルを反転させようとする青年に向かって、蜘蛛男が駆け出す。だが、もう遅い。
右に振り切る形でバックルを反転させた青年は、光に包まれ、黒いボディに濃緑色のプロテクター、赤く輝く大きな目を持つヘルメットを纏った姿へと変身していた。
構えをとった仮面の戦士の姿を見て、ライダースーツの女はマフラーを翻して背を向ける。そして、その腰にある銀色のベルトを輝かせ、ビルの屋上から飛び降りた。
※ ※ ※
変身した健の姿に、蜘蛛男は踏み込みを止める。
「チッ……! 変身前に片づけるつもりだったが……」
呟き、警戒心を露わにする蜘蛛男。それに対し、今度は健から踏み込む。
「イヤアッ!!」
瞬時に間合いを詰め、左肘を基点にした裏拳を繰り出す。
「クソ……ッ!?」
蜘蛛男が身を反らし、拳は鼻先すれすれをかすめる。そしてそのまま勢いに乗せて、右拳で追撃をかける。それは左腕でブロックされたものの、腕が上がり姿勢を崩す。
「エヤアアアッ!!」
健はそこを逃さず、本命の右回し蹴りを叩き込む。確かな手応えを残して後ずさる蜘蛛男に対して、構えを整える。
「よしッ!」
『何故かは知らないけど、戦える! 理由はともかく、今はこの力でッ!』
勢いに乗って追撃をかけるべく、健は大きく右拳を引いて踏み込む。
「調子に、乗るなァッ!!?」
だが、蜘蛛男の怒号と共に、肩から胸にかかるプロテクターが動き、健の拳を払いのける。
「なにッ!?」
そこで生まれた隙に、蜘蛛男の拳が襲いかかる。
「グゥ……ッ!?」
辛うじて防御はしたものの、半ば押しのけられる形で間合いを開けられてしまう。両足を踏ん張って勢いを殺し、構え直す健。しかしその刹那、前に出していた左腕に何かが当たる。
「な……ッこれは!?」
白く粘ついた糸に覆われた腕を見て、健は思わず声をあげた。その糸を辿れば、蜘蛛男の手首に繋がっている。
「ふんッ!」
「う……ッ!? グゥッ!」
蜘蛛男に引かれ、健はとっさに両足に力を込めて堪える。ぎりぎりと拮抗する力比べの中、今度は右足に糸をつけられる。
「……しまったッ!?」
健がそう言うや否や、その体は宙を舞って蜘蛛男へ引き寄せられる。そして引き寄せられるままに、胸部の一部に扮していた四本の隠し腕の連撃を受ける。
「うわああああああああッ!!?」
糸は切れたものの、全身から次々と火花を散らしながら、吹き飛び転がる健。
「グ……!」
腕を支えに顔を上げた健の目に、粘糸の狙いをつける蜘蛛男の姿が飛び込んできた。眼前に迫る粘糸を、とっさに転がってかわす。次々と追い立てるように発射される糸から逃れ、洗濯物の陰に転がりこむ。
「奴を倒すためには……」
膝立ちになって、腰のベルトに目を落としていた健は、深く息を吐き出して、意を決したように顔を上げる。そしてシーツの一枚を引っ掴んで遮蔽物の陰から蜘蛛男に向けて駆け出す。
「イィヤアアアアアアッ!!」
「特攻か!」
迎撃に放たれた糸を、左手のシーツで受け止める。そして盾にしたシーツの陰でバックルを横に引っ張る。
《Full Open》
無機質な声と共に展開したベルトから光が溢れ、健の全身に熱い力が渦巻く。
「イヤアッ!!」
裂帛の気合と共にシーツの陰から飛び出した健は、力の塊となって蜘蛛男へ真直ぐに突っ込んでゆく。
「こ、小賢しい真似を……ッ!」
蜘蛛男は慌てて糸を切り離す。だが、すでに遅い。
「デエヤアアアアアアアアッ!!」
健の全力を込めた拳が、蜘蛛男の胸に吸い込まれるかのように突き進む。隠し腕が盾となるが、拳はその全てを圧し折って胸の中心部を貫いた。
衝撃が爆発し、蜘蛛男が一歩、二歩と後ずさる。
「う……ぐ、おおおおお……ッ!?」
口からは苦悶の声、手で押さえた胸からは煙を漏らしながら、蜘蛛男はよろよろとフェンスへ向かう。
そんな蜘蛛男を、健は拳を突き出したままの姿勢で見据えている。しかし頭部クラッシャーが自動的に開き、体内で未だ渦巻く熱気を吐き出すと、どっと襲い来る疲労感に膝をつく。
「おのれ……単なる試験体と思って甘く見ていた……次は、こうはいかんぞ……ッ!?」
蜘蛛男はそんな言葉を残して、フェンスを飛び越えて去って行った。
健は蜘蛛男の撤退を見送ると、その場で仰向けに転がり、ベルトのバックルを元の向きに戻した。すると、健の姿は仮面の戦士から元の青年へ戻る。傷だらけの体で荒い息を繰り返しながら、健は、ただ青空を眺めていた。
※ ※ ※
喫茶店スカーレットジョーカー。蜘蛛男の病院襲撃から数日、すでに健は仕事に復帰していた。
『亮子さんと薫には休んでるように言われたけど、もう治ってるんだよな……』
あの後、戦闘で負った傷も軽傷と診断され、半ば追い出されるような形で退院。そしてその翌朝にはほぼ完治していた。
ごまかし以外の何物でもない、頬の絆創膏。それを触りながら健は、スパゲティを茹でている鍋の前で、改めて自身の異常を振り返る。
『恐ろしく早い傷の治り……知らないはずの戦い方や、力の使い方……そして何よりも、あのベルト』
知らぬ間に身に着けていた銀色のベルト「リバースドライバー」。その名前もいつの間にか頭の中に入っていた。
『あれで変身した後の力……あの力で助かりはしたけど、俺の体、明らかに「普通」じゃあなくなってる』
そうして健は、蜘蛛男が引き際に残した言葉を思い出す。
『おのれ……単なる試験体と思って甘く見ていた……次は、こうはいかんぞ……ッ!?』
『試験体……俺は何らかの実験に使われて、おそらくこの異常はその結果。しかもあの蜘蛛男は俺を狙っている……』
異常な自分の象徴とも言えるリバースドライバー。しかし、状況から考えて手放すわけにもいかず、手放して元の体に戻るわけでもない。
『それは、頭の中に入ってる『説明書』で今確認出来ちゃったからなぁ……』
己を取り巻く理不尽な状況に、健は深いため息をついて、茹で上がったスパゲッティをトマトソースの入ったフライパンへぶち込む。麺とソースが馴染むまで絡めながら炒めると、オリーブオイルをまわしかけ、先に麺を皿に乗せ、その上に残ったソースをかけていく。
そうして出来上がったプッタネスカを、注文した客の元へ運んでいく。
夕日射す窓際の席に、その客は座っている。真直ぐなセミロングの黒髪に、鋭い切れ長の目。細い指でスラリとした顎を支えながら、窓の外を眺める赤いジャケットの女性。
その女性客の姿に、健は一瞬見惚れてしまう。だが、彼女の座る席に建設された食器の摩天楼を見て、思わずひきつった笑みが浮かぶ。
『さっきからの注文のほとんどはこの人か……』
「お、お待たせいたしました」
ごく自然なスマイルに切り替えながら、健は湯気の立つ料理の皿を女性客の前に置く。すると、女性客はちらりと健を一瞥してフォークを手に取る。
「ここの料理はキミが……?」
スパゲッティをフォークに巻きつけながらの質問に、健は頷いて肯定する。
「はい、主に担当しているのは私ですが、何か?」
健の返事を聞きながら、女性客はスパゲッティを口に入れ、じっくりと味わいながら、何度も頷く。そして口の中のものを胃袋へ送ると、次をフォークで巻き取り始める。
「いや、どれも温かな味だったからね……特にこれはいい。締めの一品に頼みたくなった位だ」
静かな声音ではあったが、真直ぐな褒め言葉に、健は思わず頬を緩めた。
「ありがとうございます。では、ごゆっくり」
健はそう言って、厨房へ戻ろうと上機嫌に踵を返した。その背中を女性客の声が引きとめる。
「すまないが、あとホットドッグを10本持ち帰りたい」
女性客の底抜けの食欲に、健は驚きを隠せずに振り返っていた。
※ ※ ※
赤いジャケットの女性客が20本のホットドッグを抱えて帰った後、健は山積みの食器を片っ端から洗っていた。
「結局、倍の数買っていったな、あの人」
店を出ていく時の様子を思い出して、苦笑する健。そうして食器を片づけていく健の後ろに、亮子が近づいてくる。
「あれ、どうかした?」
「ああ、悪いんだけどさ。薫を迎えに行ってやってくれない? ほら、最近物騒だろ?」
そう言って亮子は、未着火タバコを揺らしながら、山積み食器の一枚を取って洗い始める。それに対して健は手を振って水を切りながら頷く。
「オッケー。任せてよ」
「ありがと。新車も事故の詫びで贈られてきたわけだし、慣らしておきな」
「そうだね。じゃ、行ってくるよ」
健はエプロンを外してジャケットを掴むと、右手をひらつかせて店の外へ出る。そしてガレージに置いてある真新しいバイクに目を向ける。
黒を基調としたフルカウルの大型オンロードバイク。前のめりになって跨る形のボディの先端には、赤い楕円のヘッドライトが二つ。流線形のボディの両サイドには銀色の渦が後へ引かれる形で描かれている。
健をはねたトラックの持ち主である企業「ブルーローズ」から贈られた「マシン・オーバーカム」。健の新しい愛車である。
『前のバイクを壊されたことや、変身のこととか、気に入らないことは多いけど……バイクに罪はないからな』
健は胸の内で呟きながら、フルフェイスのヘルメットを被り、オーバーカムのシートに跨る。そして前傾姿勢でハンドルを握ると、エンジンをかけて、ハンドルとシートから感じる猛々しい息吹を受け止める。
「へえ、パワフルでいいな!」
健はそう言って頷くと、唸りを上げるオーバーカムを発進させる。
暗くなり始めた商店街を、橋とは逆方向へ抜け、緩やかな下り坂を下る。そして右手側に真新しい集合住宅と、寂れた田畑を見ながら進むと、薫の通う市立永江中学校の校門前に到着する。
「懐かしいな。卒業以来だっけ……」
健はオーバーカムのエンジンを切ると、メットを外して懐かしい母校の姿を眺める。
年季の入った校舎と校門は通っていた頃と変わらず、どっしりと構えて、生徒たちを包み込んでいた。
そうしているうちに、下校する女子生徒がこちらに気がついて、足早に向かってくる。
「お兄ちゃん! 迎えに来てくれたの?」
嬉しそうに笑顔を浮かべて寄ってくる薫に、健は右手を上げて応える。
「ああ。新車の慣らしがてらにね。さ、乗って」
そう言って健は、予備のメットを出そうとマシンの収納スペースを開ける。
「きゃあああああッ!!?」
「薫ッ!?」
その瞬間、薫の悲鳴が響き、健は急いで振り返る。そこには薫を脇に抱えて跳躍する蜘蛛男の背中があった。
「薫ッ!? ……クソッ!」
健は急いでオーバーカムに跨ると、エンジンを始動。ジャケットに入れていたリバースドライバーを腰に巻く。そしてバックルを反転させるとほぼ同時にアクセルをかける。
「変身ッ!!」
《Ride ON》
唸りを上げて駆け出すオーバーカムの上で、健の姿が瞬時に黒いボディに濃緑のプロテクターを纏った仮面の戦士の姿に変わる。
戦士へと変わった健は、さらにアクセルをかけ、愛車を加速させる。
建物から建物へと跳んで逃げていく蜘蛛男との差を、ぐんぐん縮めていくマシン・オーバーカム。
「よし、このまま追いついて……ッ!?」
健がそう言って、さらに追跡の速度を上げようとした瞬間、蜘蛛男はこちらに何かを放つ。それをとっさに車体を傾けてかわす。
「クッ……!?」
しかし、一発目をかわしたのも束の間、立て続けに蜘蛛男は射撃を見舞ってくる。
健はそれらを車体を傾け、あるいは加速などしてかわしつつ、差を開けずに食い下がる。
十発程かわし終えたところで、前方を跳ぶ蜘蛛男からパラパラと何かかこぼれ落ちる。不規則に地面を跳ねるそれは、健の行く手を塞ぐように迫ってくる。
「なんだこいつらッ!?」
健は跳びかかってきたそれを、右拳で払い飛ばしながら嫌悪感に声を上げる。それは黄色と黒の縞模様を持つ、バレーボールほどの大きさの蜘蛛であった。
後方へ錐揉みして飛んで行った子蜘蛛を尻目に、健は二匹目の蜘蛛を叩き落す。それと同時に、後方から爆音と突風が背中を叩く。
「なにッ!?」
ミラーを見れば、煙を上げる焼け焦げた道路があり、払い落した二匹目も火花を上げ出していた。
「チッ……!!」
爆発から逃れるためとっさにマシンを加速させる健。辛うじて爆炎からは逃れたものの、爆風に煽られてわずかに車体がぶれる。そこへ蜘蛛男からの射撃と、爆弾子蜘蛛たちが一斉に襲い来る。
『ここはベルトを開いて一息に……いや、ダメだッ!!』
力を全開にした後の強制廃熱と脱力感を思い出し、切り札を切るには早すぎると健は頭を振る。
『まだアレは使えない……ならッ!!』
腹を決めた健は、正面を見据えて、マシンを加速させる。身を屈め、子蜘蛛の間をすり抜けると、真後ろでの爆発の勢いに乗って飛ぶ。
唸りを上げて宙を舞った健とオーバーカムは、空中で蜘蛛男に追い越す。そして、地面にタイヤ痕を残して着地すると、蜘蛛男の行く手を阻んで立ちはだかる。
着地した蜘蛛男は、気を失った薫を盾にして健に向き合う。それに対して健は、オーバーカムから降りて、左肘を前に、右拳を顔の横に置いた構えを取る。
「追いつめたぞ……さあ、薫を放せッ!」
「フンッ! 貴様を潰すまでは、放してやるわけにはいかんな」
蜘蛛男はそう言って、薫の喉元に爪を近づける。それを見て健は拳を強く固める。
「……俺が死ねば薫を無事に放してくれるんだろうな……ッ!?」
「ああ。俺は元々、この娘もお前個人もどうでもいい。だが、そうなってしまったお前を生かしておくわけにはいかん。それだけだからな」
その言葉に、健は拳をほどいて構えを解く。それを見て蜘蛛男は大きく頷き、背中から子蜘蛛を生産する。一匹、一匹と数を増やし、計六体の子蜘蛛が健の周囲を取り囲む。
「……やれッ!!」
蜘蛛男の号令と同時に、子蜘蛛が一斉に健の腕や脚、胸と背に取りつき、爆ぜる。
「グウゥアアアアアアアアアアアッ!!」
身を引き千切らんばかりの衝撃と熱に、健は叫び、膝をつく。だが、全身から煙を上げながらも、腕を支えにして蜘蛛男を睨みつける。
「さすがにしぶとい。今度はさっきの倍で行くとするか」
蜘蛛男がそう言って、再び子蜘蛛を生産し始める。今度は宣言通りにさっきの二倍、十二匹の子蜘蛛を健の周囲に陣取らせる。
「さて、トドメだッ!!」
蜘蛛男が手を上げた瞬間、風を切る音が健の耳に入る。そしてその直後、一陣の赤い烈風が駆け抜ける。
白い尾を引いた赤い風は、子蜘蛛の数匹を撥ね飛ばすと、勢いを殺さぬままターンして戻ってくる。
その風の正体、赤いライダースーツに同色のフルフェイスヘルメット、白いマフラーを巻いた女は、地面をまるで氷上のように滑りながら、残る子蜘蛛を蹴散らす。そして爆光を背に、スピンジャンプで跳びあがり、蜘蛛男を蹴り飛ばす。
「ぐおあっ!?」
その拍子に、蜘蛛男の腕から薫が解放され、ライダースーツの女がそれを抱きとめる。
「……あなたは、いったい?」
「通りすがりのお節介焼きさ……それよりも……」
そう言ってライダースーツの女は、ある方向を顎で示す。健がそれにつられて目を向けると、立ち上がりそこなっている蜘蛛男の姿があった。
「ここで逃がす手は無いんじゃないかな、仮面のライダー君?」
トドメを刺すように促すライダースーツの女の言葉に、蜘蛛男は膝をついたまま叫ぶ。
「おのれ……ミゼンッ!? 貴様さえ来なければ、そこの試験体を小娘もろとも始末できたものを……ッ!!」
その蜘蛛男の言葉を聞いて、健は両足に力を込めて地面を踏みしめる。そしてリバースドライバーのバックル部を外すと、前に出した右脛に取り付け、展開する。
『こいつ……結局薫も殺すつもりだった……ッ! しかも、理由もなく理不尽にッ!!』
《Full Open》
機械音声と共に溢れ出した光が、右足を包むように渦巻く。そして健は全身のバネを溜めるように腰を落とす。
「お前が振り撒こうとする理不尽……俺がひっくり返すッ! そうだ、俺は……理不尽を逆転させる、仮面ライダー・リバースッ!!」
その名乗りに続いて、健、否、仮面ライダー・リバースは溜めこんだバネを解き放って跳ぶ。
「イヤアアアッ!!」
「う、うおおおおおッ!?」
立ち上がって逃げ出そうともがく蜘蛛男目がけ、リバースは輝く右足を突き出して急降下する。
「デェエヤアアアアアアアアアアアアッ!!!」
彗星のような飛び込み蹴りは、真直ぐに蜘蛛男の腹を貫き、風穴を開ける。
「うっ、ぐお、ああああああああ!?」
リバースはキックの反動に乗って宙返りし、膝をついて着地。それと同時にクラッシャーから熱気を吐き出す。
「ライダー……キック!!」
技の名前を告げた直後、リバースの頭部クラッシャーが音を立てて閉じる。そしてそれと同時に、蜘蛛男の体が爆ぜる。
「ギィヤアアアアアアアアッ!!?」
爆風が止み、リバースはミゼンと薫のいた方向を見る。しかし、すでにミゼンの姿はなく、壁にもたれて座る薫がいるだけであった。
「薫ッ!?」
変身を解除し、重い体を引きずって薫の許へ急ぐ健。そして従妹が穏やかな寝息を立てているのを確認して、ホッと安堵の息をついた。