オレの個性は地怨虞……地怨虞!?あの角都さんの!?   作:ベニヤ板

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心臓七十八個目 最強クラスの親子喧嘩

 

「はーい絶賛ピンチうぼっ!!」

 

ああ、(物理的な攻撃によって)お腹痛い角都です。

親父が気配消すのうますぎてやばいです\(^o^)/

まるでどこにいるのかわからん。

全然わからん(ジャガー並感)

 

「ふむ・・・・・・・・・母さんがこの前ベッドの下に隠してあった奴処分したって言ってた!!」

 

「・・・・・・・・・・」

 

だんまりか。

まるでここにいないかのように気配が無い。

こっち向いてるアザゼルさんになら攻撃できるだろうが、妨害されないとも限らない。

切島君と素直に協力しときゃよかった・・・・・・・・・あとどんくらいで来るかな・・・・・・

なんとか時間を稼がないとな・・・・・・・・・・・

攻めてくるのに時間の差が結構あるのは恐らく連続攻撃した場合位置がバレて触手に捕らえられるのが恐いからだ。

だから連続で撃ってこずに一発ずつ鋭いのを叩き込んできていてる。

 

「イタイッ!!」

 

クソ、また腹に膝蹴りか。

オレが女だったら赤ちゃんできなくなっちゃう。

肩を掴んで抑えつけてからの膝蹴りまでの動作がやけに速い。

もうグラップラーにでもなって世界最強の生物とでも戦って来いよ・・・・・・・・・

 

「イッ↑タイ↓メガー↑!!」

 

盲目だったけど視力がちょっぴり回復した息子に目つぶしとは何事か!!

あー、でも日光から目を守るという意味でも今度からグラサンでもつけるか・・・・・・・・

ていうか攻撃方法変えやがってこの野郎!!

ずっと膝蹴りしてくれりゃなんとかなったかもなのに!!

あー、どうすっかな~・・・・・・・・・・・

ん?そういえば親父と思ってた化け物燃やしたときに、後方で砂ぼこりが舞ってたっけ。

と、なるとだ。

ちょっと攻略法がわかったかも。

左手首を口元に持っていく。

そして血管をかみちぎり、出血させる。

後は左手を振り回して血を辺り一面にまき散らす。

当然ちょっとした水たまりを作るレベルの血液の塊は躱せるだろう。

しかし、しずく程度の量ならばどうだ?

死角から、いや死角じゃなくとも一つ一つ避けれるはずがない。

そして音がするはずだ。

血液が肉体に当たった際、飛び散る音が。

 

「・・・・・・・・・見つけた。

いや、聞きつけた?まあ、どっちでもいいか。」

 

「・・・・・・・・・」

 

「そこだな、親父。

もう逃げられないぜ。

軽くだが、血の匂いもついたしな。」

 

左手首の傷口に触手を巻き付けて圧迫、止血する。

もう見失ってなるものか。

 

「・・・・・・・・・角都よ」

 

「ん?なんだ親父?血が付いて気持ち悪かったか?」

 

「なんだ!!今の戦法は!!!?」

 

「は!?いや、何だよ急に!?」

 

「何だではない!!!!」

 

いや、本当になんだだよ!?

なんで突然こんなにキレたんだ・・・・・・・・?

 

「自身の手首に傷をつけて血をまき散らすなど、死にたいのか!!!」

 

「・・・・・・・・・いや、別に?

オレは四回までなら蘇生できるだろ?

だから別に出血多量になろうが問題はないと思った。」

 

「問題多ありだ!!

そんな無駄に傷つかなくとも砂ぼこりを巻き上げるなりあったはずだ!!!」

 

ん・・・・・・・・親父はヒーローとしての知識として何が言いたいんだ?

わからん。自己犠牲はヒーローの基本だというのに。

 

「自己犠牲はヒーローの基本!

俺一人が貧血になってヴィランを捕らえられるならばそれでいい。」

 

「貧血?貧血だと!一歩間違えばそれがもとで死んでいたんだぞ!!?」

 

「別にいいさ。

蘇生できるし、何よりオレの命で一時でも町が平和になるなら本望だ。

どうせ終わらない物なんてこの世に無いんだ。

オールマイトのような人がいても、な。」

 

「ほんの16年しか生きてない若僧が悟ったようなことを言うな!!!

ああクソ!どうしてお前はそうも強いんだ!!!」

 

「・・・・・・・・・強くて何が悪いってんだ。」

 

「お前の場合は強すぎたんだ!!!

あんな無茶な戦い方して、それを怒ったら自己犠牲はヒーローの基本だと?

自分の命で一時でも町が平和になるなら本望だと!!?

ふざけるな!!!

こんなことになるなら、お前が弱かった方がずっと良かった!!!」

 

・・・・・・・・・・は?

 

「いまのは聞き捨てならねぇな・・・・・・・・・

オレが弱かった方がよかった?

オレがどれだけ強くあろうとしていたか、どんな努力をしていたか知らんでもないだろう。」

 

「ああ、知っているさ!!

そのうえで言ってやる!!

オレは今、お前が弱く、ただ守られてるだけでいい存在だった方がよかったと考えているよ!!!」

 

「・・・・・・・・・親父といえど、言っていい事と悪いことがある。

オレの強さは芦戸さんや切島君と共に積み重ねてようやく手に入れた人を守る力だ。

誇りなんだよ。

オレのこの人間なのかそうじゃないのか迷わせるクソみたいな個性が他人のために役立たせられるんだ。」

 

「だったら言ってやろう!!

人以外の動物で自殺及び自傷する生物というのはそういない!!

なぜか?弱いからだ!!

弱いからこそそんなことをしている暇はない!!

動物というのは個人よりも種の繁栄をそれぞれが優先している!!

自分で死ぬということは自身の種の数が減る、天敵の餌となる、損しかしないからだ!!!

自傷しない分人間じゃない方がずっといいさ!!!」

 

「ならば返させてもらうが動物というのは時に仲間を囮にする!!

天敵などから逃げる際にな!!

一体が死んで群れが生き残ればそれでいいんだ!!

もし市民が天敵となりうるヴィランに襲われたならば喜んで囮役を引き受けよう!!!」

 

「そこだ!!なぜお前はそうも自分を犠牲にしたがる!!?

死に場所でも探してるのかクソッタレ!!!」

 

「一度はこの世のクズだと信じたこの命、捨てることになにも躊躇はない!!!

当然だ、自分で価値のないと判断した物を捨てるのになんの戸惑いがある!!?」

 

「クソが!!!いい加減にしろ!!!」

 

親父が殴りかかり、それが頬に命中する。

乾いた音が辺りに響き渡り、鈍い痛みが頬を襲う。

 

「自分の命を価値のないものだと!!?

お前は取り換えのきく機械じゃないんだ!!!

それにお前の命はもはや、いや初めからお前ひとりの物じゃないんだ!!!

勝手に捨てるなんて言うな!!!」

 

「親父こそ、オレは昔から強くあろうとしていた!!!

今もそうだ!!!

努力も労力も時間も惜しまなかった!!!

オレの強さはオレのすべてといっても過言じゃない!!!

あんたは今、それを否定したんだ!!!」

 

こちらも腕にうなりをつけて、親父を殴りつける。

もう一度乾いた音が辺りに響き渡った。

 

「・・・・・・・・・やれやれ、まさか親子喧嘩の立ち合いをすることになるとはな。」

 

赤い悪魔のような男は、ただその様子を眺めていた。

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