なかなか自分の妹に素直になれない紗夜。日菜は積極的にアピールするが…

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ぴく〇ぶからきました。これが自身で初めて書くSSですが、読んでいただけると嬉しいです!
初心者のグダ文章注意です。


私の妹

私の妹

 

 

たった5分差で産まれた私たちは、小さいころから同じ服を着て、同じことをして、二人ずっとくっついて生きてきた。

でも、何をするにも【比較】がついてきた。なんでも簡単にやってのけてしまう日菜。追いつこうと必死に頑張る私。

当然日菜のほうがすごいと褒められる。だんだんとうんざりしてきた私は、妹である日菜と少しずつ距離を置いてしまっていた。

比較されたくない私は、日菜とは違うことをすればいい、そう考えた。しかし日菜は私のやることなすこと全部を真似して私の上を行った。

私から全てを奪っていくようにしか見えなかった。こんなことが続き苛立ちさえ覚えた。

何度日菜に話しかけられても不機嫌そうにあしらい、ただただ日菜を悲しませていた。

ある日私が唯一心を落ち着かせてできるギターを弾いていた時、日菜がギターを持って嬉しそうに私の部屋へ入ってきた。

ギターの練習だけはどうしても邪魔されたくなくて、日菜に追いつかれたくなくて、とついに言葉にしてしまった。

「なんであなたはいつも私の真似をするのよ!」

「...えっ?」

「私の上をいけば飽きた、とやめて私から全部奪ってやめていく。そんなに私が嫌いかしら?」

「あ、あたしはそんなつもりじゃ...」

そう、本当は分かっていた。日菜は気まぐれで、自分の好きなことをやっているだけ。ものすごい天才肌で何をしても上達が早い。

しかし、日菜の才能も自分の至らなさも認められず、私はずっと逃げ続けていただけ。それを分かっていても尚、素直にはなれなかった。

姉であるにもかかわらず妹の事を1度でも褒めた事などなかった。

どれくらいの時間静寂に包まれただろうか。嫌な空気の中日菜が切り出した。

「...おねーちゃん..」

「...なに?」

「ごめんね...」

「...」

振り返って出ていく瞬間一滴の涙をこぼしたようにも見えた。

また、日菜を悲しませてしまった。いつも明るく「おねーちゃん!」と

話しかけてくれるのに、すべて流してしまいチャンスをつぶしている。

日菜を、自分を受け入れて素直に接しようなんて心で思うだけで、全くできていない。

本当に自分が嫌になる。いつまで日菜を悲しませればいいのか。

どうすれば素直になれるのか。

考えても何も思いつかない。気づけば夜も遅かったので今日は寝ることにした。

翌朝母が食卓に朝食を持ってきたとき、少し影のかかった表情で話しかけてきた。

「ねぇ、紗夜。昨日日菜がアイドルバンドのオーディションに受かったって喜んでたのよ。

おねーちゃんと一緒にできるかもー、なんて。」

「...そう」

「でも、おねーちゃんはすごく嫌そうだった、ってすぐ落ち込んじゃって。あなた達、大きくなってからあまり関係よくないでしょ?これ、いい機会なんじゃないの?」

「ッ..!」

悪くはない話だった。ギターで今までの溝を少しでも埋められるなら、関係がよくなるのなら。

でも、本当はギターで追い越されたくない。負けたくない。ギターすら無くなったら私は...‼

「紗夜、あなたギター上手じゃない。それともあれだけ磨いた自分に自信がないの?」

「...えっ?」

空いた時間には欠かさず自主練習をして、Roseliaに入ってお互いを高め合う仲間がいて、ここまで来てそれでも自信がない?

いや、それは違う。自分に自信がないんじゃない。日菜をどこかで恐れてしまっているだけ。

面と向かい合うのを私が恐れているだけ。自分が小さく見えて、追いつけなくなって、それが自分だと認めたくなかった。

それでもギターなら追い越されても背中は見え..いや、そうじゃない。ギターなら手を引いてあげられる。それぐらい私は練習したのだから。

ここで向き合えなかったらこの先ずっと向き合えない。日菜を悲しませたくない。だから...

「おはよー...」

眠そうな目をこすりながら日菜が2階の部屋から降りてきた。

「おはよう」

「おはよう、日菜。これ朝ごはんよ」

もう自分から逃げない。

「ねぇ、日菜」

「どーしたの?おねーちゃん」

日菜を悲しませたくない。

「今日の放課後、時間空いてるかしら?」

「え?空いてるけど何かあったの?」

姉らしく手を引いてあげよう。

「私の部屋で少し付き合ってくれないかしら、ギターの練習。」

母はこちらを見て微笑んでいる。

日菜はさっきまで眠そうだった目は、パッチリ開きこちらを見たまま静止している。

「ダメかしら?」

「だ、だめじゃないよ!でもなんで急に...?」

「理由なんていいじゃない、姉妹なんだし練習くらい。それより二人とも早く学校行ったほうがいいんじゃないの?」

と母が機嫌良さそうに横からはいる。

時計を見ればもう8時を回っている。家からさほど遠くないとはいえ、風紀委員の私が時間ぎりぎりでは模範にはなれないわね。

「それじゃあ先に出るわね。行ってきます」

「~~~~~~~!!」

口に朝ごはんを詰め込み、もはや何を言っているか分からないが、こっちに向かってくるなら、一緒に行こうということだろう。

私たちは学校が違うからすぐに分かれてしまうというのに。

「二人とも気を付けて行ってらっしゃい」

日菜と同じ時間に家を出るなんていつぶりだろうか。小学生以来かもしれない。

「どうせすぐ分かれるのよ?朝ごはんくらいゆっくり食べればよかったのに...」

ため息交じりに言うと、無理やりご飯を飲み込んだであろう日菜が言う

「おねーちゃんからあたしに話しかけてくれるの久々だったからなんか、るん!ってきて一緒に行きたくなったの!」

散々酷い対応をしてきた私に、たった一回の誘いでこんなに明るく接してくれる素直で優しい妹。

「日菜の言葉は今でも分からないことが多いけれど、一緒がいいならいいわよ。」

「おねーちゃん大好き!」

そういいながら日菜が突然手を握ってきた。こんな外で、と恥ずかしさもあるが、それよりも日菜の手のぬくもりがとても暖かかった。

今日くらいは、と握り返した。

途端目を輝かせた日菜がこちらを一度こちらを見て、とても嬉しそうに歩いている。こんなに幸せそうだと私も自然と笑みがこぼれてしまう。

「もうこの交差点かー、おねーちゃんと一緒の学校ならずっとくっついていられるのになー。」

「それは恥ずかしいから嫌よ...とにかくまた放課後にね。」

「はーい!またねーおねーちゃん!」

少しの間ではあるがいい姉でいられただろうか。といってもこんな事を考えてる間はまだまだ半人前ね。

考え事をしていたら時間はあっという間に過ぎ、帰宅の時間になった。

今日の授業は朝のことや放課後のことを考えてしまいあまり集中できなかった。

「ただいま」私が帰ってくる時間は両親はまだ仕事なので小さくつぶやいた。

玄関で下を見ると日菜の靴が適当に放られていた。私も帰ってくるのは早いと思ったのだが、それ以上だったようだ。

自分の脱いだ靴とついでに日菜の靴も整えて部屋へ向かう。

ただ妹とギターを練習するだけなのになぜか緊張してしまう。いざやるとなると、やはり追い抜かれてしまうのではないか、という恐怖はぬぐい切れない。

お昼休みにメールで送った予定の時間まではあと30分ほど。

ギターの手入れや、気持ちのリラックスなどしていたらもう日菜が部屋に来てもおかしくない時間になっていた。

直後コンコンとノックの音が響いた。

「おねーちゃん、あたしだよ。」

日菜が落ち着いた声で、ノックまでしている。数年ぶりの二人きり、となると日菜でも少し緊張するのだろうか。

「いいわよ」

ギターの入ったケースと共に部屋に入った日菜は隅っこにちょこんと座ってしまう。

「そんな端じゃなくてもっとこっちに来てもいいのよ」

「う、うん」

手で誘導してベッドに座ってもらい何から話そうかと考えていたところに

「おねーちゃん、今日は一緒にギターしよって誘ってくれてすごい嬉しかったんだ。で、でも、おねーちゃんはあたしのこと嫌いじゃなかったの?」

言われるもでもなく今まではいろいろなことから逃げていて、日菜のことも嫌いだった。そう今までは。

「日菜の言う通りだわ、私は姉の自分ができないのに妹のあなたが何でもできてしまうのがとても嫌だった。」

「...」

でも

「私が何かをやっているとあなたが来て、同じことを始める。そして私よりうまくなってあなたが褒められる。これの繰り返しで私の存在が薄れていっていくのが嫌だった。」

「...」

本当は

「だからあなたとは違うことをして自分だけの居場所を作りたかった。」

「...」

あなたの事が

「本当はギターも私よりうまくなって遠くへいってしまうのが、私からギターすらも持っていかれるのが、怖かった...っ!」

「おねー...ちゃん...」

とても大切で

「私はいらなくなっちゃうんじゃないかって思って怖かったの!」

「おねーちゃん!!!」

「…なに...?」

「あたしはおねーちゃんと遊びたくて同じことをして、新しいことを始めたらあたしも一緒にやった。おねーちゃんについていくように。あたしは人のを真似する事はできるけど、見たことないものは何にもできない。おねーちゃんができたからあたしもできた。だからおねーちゃんがいらないなんてあり得ないよ!!」

「...ぅっ..」

「ギターだっておねーちゃんが上手にできるからできるようになったんだから!」

「っっ..日菜...」

「でもね、おねーちゃんの真似でもできないことだってたくさんあるんだよ。」

「日菜ができないこと..?」

「あたしは他の人の気持ちが全然分からないからおねーちゃんみたいに気を使ったりできないし、毎日しっかり起きたりもできないもん。」

「それくらいやろうと思えばでき...」

「あとね!!」

「ど、どうしたのよ、いきなり声出して」

「おねーちゃんの音!」

「私の音?」

「あの正確で綺麗でるんってくる優しい音!何回練習しても、何回見てもできないの。」

「...」

「だからやっぱりおねーちゃんはすごいなーって。」

「でもあなたなら少しやればできるようになるんじゃないの?」

「ううん。あたしじゃできない。おねーちゃんだから出せる音。おねーちゃんの音だから!」

「私だから出せる音..」

「あたしじゃできないことができるおねーちゃんは自慢のおねーちゃんだし、大好きだよ!!」

「ひ、日菜...私もあなたが...」

世界でたった一人の私の妹だから

「おねーちゃん...なんで泣いてるの?」

どんなに遠回りしても

好きになっちゃうのよ

「...大好きだから……」

「お、おねー..ちゃん...」

涙が溢れてくる。続く言葉は涙とともに流れ、思い出す事もままならない。

「ごめんなさい日菜っ...あなたはずっと私に優しくしてくれたのに、傷付けてばっかりで...!」

「うぅ...ぐずっ..だいじょーぶだよ、おねーちゃん..傷付けてたのはあたしのほうだから..」

その言葉に思わず日菜を抱きしめてしまう。感情を抑えきれず声を出して泣いてしまった。

「日菜…!!」

「おねーちゃん…!」

しばらく抱き合ったまま2人で泣き続けた。私は少し落ち着いた所で、そっと話しかけた。

「結局、泣かせてしまったわね…こんな姉でいいのなら、これからもずっとあなたの姉でいさせてくれるかしら?」

「うん…うん…っ!!ずっとずっとあたしのおねーちゃんでいてね…!」

私の胸の中で泣く『私の妹』。その暖かさは懐かしいような気もした。日菜の、私の妹の体温。手で優しく包み一層抱きしめる。

私達の名前は日と夜。これはお互い気にしていたこと。絶対に交わらないって、日菜なんて自分の名前が嫌いとすら言っていた。でも、今は2人とも考えは同じ。日も夜も常に隣で繋がってる。これからの私達がそうであるように。

結局私から切り出して好きって言えなかったけど、きっと伝わったと思いたい。

いつの間にか泣き声も止んでいた。寝てしまっていたのだろうか。

「大好きよ、日菜。これからもずっと、一緒に進みましょうね。」

私の手の中の何かが動いた気がした。

突然日菜が顔を上げて満面の笑顔で

「えへへ、あたしもだーーいすき!!おねーちゃーーん!!」

そういうと、私にぎゅっと抱きついてきた。なんだか仲良くなったと実感出来たような気もしたが

「えっ!?」

聞かれていたのかと思うと恥ずかしさで今すぐ立ち去りたい気分よ。でも、抱きついてきた日菜を振り払うのは無理そうね。

私は日菜に添うように身体を寄せた。

「ありがとう、日菜。あなたは一生私の妹よ。」




お読み頂きありがとうございます!これからも練習を積んでいきますので、温かい目で見守っていただけると幸いです。

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