「六花急げって!」
「待ってゆうたリボンがない! まさか黒の
機関に……!」
「そんなわけないだろ!? ああもう、だから前もって準備しろってあれほど……!」
あと十分で家を出ないと学校に遅れる!
「あ、あったぞ六花! ほらリボン……」
「あ」
「おい」
六花さん? あと十分ですよ? なんで腕に魔法陣書いてるんですか?
「あ、あのゆうた! こここれはそのあの……そう! 宿題! 宿題で!」
「……そんな言い訳が通用するかあああ!」
「あうっ」
「ほら腕洗ってこい!」
「あううううう!」
まずいまずい! もうあと五分!
「ゆうた、準備完了。これより邪王真眼ブーストモードに移行……」
「六花早くしろ!」
「あう、待ってゆうたー!」
俺は急いでいた、というより焦っていた。
そう、焦っていたのだ。横断歩道を渡る寸前まで、こちらに猛スピードで走ってくるトラックに気づかないほど。
「六花あぶな――」
全速力で走っていた俺たちの体が急に止まれるはずもなく。
六花をぎりぎり俺の体で包んだところで、ドンッという鈍い衝撃とともに、俺の意識は吹っ飛んだのであった。
「ようこそ、生と死の狭間の部屋へ」
「うおっ!?」
あ、あれ? ここどこ? 真っ白い部屋なんだけど……。俺はさっきトラックにはねられて……え?
「ふふふ……戸惑っているようですね。まあ当たり前です、さっきあなたは死んでしまったのですから」
「死んだ……」
まあ当たり前だよな。あんなにスピードが出てたし、死なないほうが不思議だろうな……。
「そ、そうだ、六花は!? 六花はどうなったんですか!?」
「りっか? ああ、あの隣に居た女の子の事ですね」
「そうです! 六花は大丈夫なんですか!?」
「ああ、その女の子なら……」
「ゆうた、私はここに居る」
「六花! ……六花がここに居るってことは、やっぱり」
「そうですね、六花さんも死んでしまいました」
「六花……ごめんな、俺が急げって急かして走らせたせいで……」
「いいや、私が気づかなかったせい……ゆうたが気に病むことはない」
と、俺達が慰め合っていると。
「お二人は仲がよろしいですね……夫婦ですか?」
「夫婦じゃないです!」
「じゃあ恋人?」
「まあそんなとこ「ゆうたと私は契約者。それはもう強い契約で結ばれている」
「契約者? えーっと……」
「今のは忘れてください! 俺達は恋人! 恋人ですから!」
「そ、そうですか……」
若干引いている。悲しくなってきた……。
「なに言ってるのゆうた、私たちは契約者」
「六花、ほら目の前のお方を見てみなさい、引いていらっしゃるでしょ?」
「安心して、一般人には理解不可能」
「安心できない……」
「おっと今のは聞き捨てなりませんね。私は一般人ではなく神ですよ?」
「か、神? ……まあそうですよね、そうじゃなきゃ俺が死んだとかいう話は出てきませんよね」
それにこんな変なところに居るわけないもんな。改めてみると、物なんて机と椅子ぐらいだし。
「おお! 本物の神様! ……フフッ、我は邪王真眼。さあ今すぐ我と勝負を!」
「あほ」
「あうっ」
「あはは……おっと、話が一向に進まないのでごり押させていただきますね」
「は、はい」
ごり押させてという表現にびっくりしつつ、話を聞く姿勢を整える。
俺達、これからどうなるんだろ……。
「あなた達には、二つの選択肢があります」
「二つ……」
「はい、一つ目は天国に行くという選択肢。二つ目は生まれ変わるという選択肢です」
「もっと詳しく教えて貰ってもいいですか?」
「はい。一つ目の選択肢ですが、あまりお勧めはしません」
「私もそう思う。邪王真眼の使い手である以上、やはり地獄に……」
「地獄? そんなのありませんよ?」
「ええ!? でも天国があるって」
「……人が足りないんです」
「え?」
「人が足りないんです……。昔は地獄システムが稼働してたんですけど、懲役五百年とかやってると地球の人口がどんどん減って行って。結局地獄はただの人くい虫となって、どんどんすたれていったんです」
「そんな……私の知らないところで地獄が崩壊してたなんて……! よし、私が地獄を再建する!」
「なにいってんだ……すいません、続きをお願いします」
「ちょ、ちょっと待ってください……」
と、神様がなにか焦った様子で、耳元に手を当ててボソボソ言っている。
「まさか、私の邪王真眼を恐れて……?」
「そんなわけないだろ」
「大丈夫、ダークフレイムマスターも強い」
「そういうことじゃねえよ!」
「邪王真眼解放……! 今から神を殲滅する!」
「縁起でもないこと言うなよ……」
と、俺達が茶番を繰り広げていると。
「すみません、ちょっと予定が変わりました!」
「えっと、どういうことですか?」
「詳しい話はエリス先輩に聞いてください、それではっ!」
「え? え?」
「転移魔法陣展開、テレポート!」
「え? え!?」
「見てゆうた! 魔法陣! かっこいい!」
「言ってる場合か! うわ、周りが光って……!」
「さようならー!」
「一体どういうことなんだああああああ!?」
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
この小説は、中二恋とこのすばのクロスオーバーとなっております。
あらすじの所に書いてある通りですので、一度読んで頂ければ。
では、次回も読んで頂ければ幸いです。