この素晴らしい中二病に祝福を!   作:アホを極めたらこうなる

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終焉の…黒の冷戦《ブラック・コールドウォー》

「お前を倒す!」

 

 そう宣言した少女はを、冬将軍は一瞥すると。

 

 ダクネスさんに向けていた刀を六花に向けて。

 

 ――――――ブオッ!!

 

 風邪を切る音とともに、一瞬で六花に近づき刀を振り下ろした。

 

「はあっ!」

 

 それを魔法でいとも簡単に防ぎきる六花。

 

 勝負は、ここから始まった。

 

 周りの雪を巻き上げるほどの斬撃が、何発にもわたって六花に振り下ろされる。

 

 六花は一瞬で、まったく動かずにそれを防ぐ。

 

 刀が魔法にぶつかり、高い金属音を立てる。

 

「地獄の業火よ、すべてを喰らい尽くせ!!」

 

 六花の叫びとともに、冬将軍の足元に魔法陣が展開されると。

 

「獄炎減天波!!」

 

 真っ赤な火柱が冬将軍を襲う。

 

「……すげえ」

 

 カズマの口から、そんな言葉が漏れる。

 

――――――ブンッ!!!

 

 そんな攻撃では倒れまいと、火柱を斬撃でかき消す冬将軍。

 

 そのままの勢いで六花に切りかかったが。

 

「ほっ」

 

 そんな軽い掛け声とともに、簡単に上空に逃げられてしまった。

 

 上空にいる六花を見てチャンスと思ったのか、切りかかろうとするも。

 

「ブラッティ・プリズン!!」

 

 魔法で出てきた鎖に拘束され、逆に地面に叩き落とされてしまった。

 

 着地した六花は、冬将軍に手を向けて。

 

「獄炎の牢に喰われて眠れ!」

 

 冬将軍が周りを既視感のある何かで囲まれる。

 

「アッロスティーレ!!」

 

「「「あろすてぃーれ?」」」

 

「オーブン焼きのことだ!!!」

 

 これまた既視感のあるセリフとともに、冬将軍が炎で見えなくなった。

 

「我がお姉ちゃん《プリーステス》を……舐めないほうがいい」

 

 そんなかっこいいのか悪いのかわからないセリフとともに。

 

「終わった……?」

 

「邪王真眼にかかればこんなもの」

 

 あの巨大でどう考えても倒せないようなモンスターを。

 

「すっげえ……」

 

 いとも簡単に倒して見せた。

 

「うおおおお! 六花すげえ!」

 

「ふっ、邪王真眼は最強」

 

「ほんと最強だよ……」

 

「やばい……なんか怖い……」

 

 邪王真眼ってかなりえげつないんだな……。見てよくわかった。

 

「す、すごいぞ六花! 今まで誰も倒せなかった冬将軍をあっさりと!」

 

「ふふふ……」

 

「なんか……爆裂魔法よりも……強かったような……」

 

 めぐみんさんだけ青い顔をしてるけど、まあとりあえず良かった!

 

「ふう……とりあえず帰るか。ギルドにも討伐報告をしないといけないしな」

 

「あ、ああ」

 

「討伐の報酬はとんでもないわよ! もしかしたら家が買えるくらいは……」

 

「なっ!?」

 

 さっきまでは冷静を保っていた六花が素っ頓狂な声をあげる。

 

 ……なんか、落ち着いてきたな。

 

「さて、帰るか」

 

「そうだな」

 

 六花がめぐみんさんに質問攻めにされながらアクアさんにお金の相談をされるという大変なことになりながらも、家に向けての一歩を踏みだ――――――

 

 ――そうとした直後。

 

 ――――シュコー

 

 倒れたはずの冬将軍の声が聞こえたかと思うと。

 

 雪を巻き上げながら、恐らく最後の力を使ったであろう突進攻撃を行ってきた。

 

 まっすぐに突き出された刀の向かう先は、六花。

 

 自らをここまで追い込んだものへの復讐。

 

 半端ではない殺意を含んだその目を見た俺は。

 

 瞬間的に六花を守ろうと体が動いて。

 

 ――――気が付いたら、六花を突き飛ばし、いつの間にか自分が切られていた。

 

「がっ!?」

 

「「「!?」」」

 

 意識が薄れていく。

 

 痛みは感じなかった。耳から入ってくる雑音すら処理できない。

 

 そんな俺の薄く細い意識は。

 

 ――――驚くことに、途切れはしなかった。

 

 しっかりと地面に立っている。

 

 なぜ? あのとき六花をかばって確実に切られたはずなのに。

 

 そこで俺は、違和感に気づく。

 

 ……なにかに繋ぎ止められている?

 

 アクアさんか? 回復魔法でも使って……いや、あの一瞬でそれはないだろう。

 

 じゃあ六花……でもない。俺が突き飛ばした瞬間に切られたから魔法を使う暇なんてなかったはず。

 

 じゃあなんなんだ?

 

 なにかこう、昔から知っている、なじみのあるような物……。

 

「無様だな」

 

 どこからかそんな声が聞こえる。

 

「力を手にしたと思ったらまともに使わず切られて終わりか。情けない」

 

 ……なんだ、これ。

 

「気づけ。お前が生み出したものだ」

 

 気づく……いったい何に?

 

「力に、だ。お前の持っている力に気づくのだ」

 

力に気づく……?

 

「まだ分からぬか貧弱もの目が」

 

 そこで、急に頭が冴えてきた。

 

 この声。どこかで聞いたことがある。最近に……確か、カズマの家で……寝ているとき……。

 

 いや、それ以前にも俺は聞いたことがある。

 

 なんだ? 誰の声だ?

 

「気づけ。ダークフレイムマスターよ」

 

 そのセリフを聞いた瞬間。

 

「まさか……嘘だろ」

 

「これはお芝居でもなければ夢でもない」

 

「…………」

 

 まさか……。

 

暗炎竜、なのか?

 

「ふむ。やっとか」

 

 ど、どういうことだ? 意味が分からない。

 

「分からなくていいのだ。お前は強い。だからこそ理解できなくてよい」

 

 ど、どういうことだよ。

 

「とにかく、だ。お前は敵を倒さなければいけない。今すぐにだ」

 

 あ、ああ。

 

「それでは、行って来い。健闘を祈る」

 

「ちょ、ちょっとまってくれ!」

 

 俺の叫びは何も聞こえなかったかのように、奴は去って行った。

 

 それと同時に、俺の意識もまた、現実に引き戻された。

 

「ぐうっ!?」

 

 目の前には刀を構えた冬将軍がいた。

 

「ゆうた!?」

 

「下がってろ!」

 

 自然と、そんな言葉が口から飛び出す。

 

「爆ぜろリアル、弾けろシナプス……」

 

 いつもなら恥ずかしくて言えないようなセリフが、今はぽんぽんと出てくる。

 

「バニッシュメント、ディス、ワールドッッッッ!!!」

 

 そんな決め台詞を吐くと。

 

 いつの間にか、中二病のころの衣装を身にまとっていた。

 

 抵抗は感じない。ただ、目の前にいる敵を倒さなければいけないと、それだけしか頭に入らない。

 

「闇の炎に……」

 

 目の前にいる敵を。

 

「抱かれて……」

 

 目の前のモノを。

 

 

 

 

 消す。

 

 

 

 

「消えろオオオオオッッッッッ!!!!」

 

 冬将軍に放った一撃が、目の前を焼き払う。

 

 最大限の火力で、最高の一撃で。

 

 冬将軍は、なすすべもなく蹂躙されて。

 

 その場に残っていたのは、守られた五人の冒険者と。

 

 一人の、バケモノだった。




ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

今回、気持ち悪いほど中二病感ましましです。

まさかこんなに黒歴史感満載な回(タイトルも含め)になるとは思ってませんでした…。こういうのは書いてみるまで分からない物ですね。

では、次回も読んで頂ければ幸いです。

※操作ミスで、一度夜中に投稿してしまいました。投稿時間を昼間の12:00に揃えたいので、再投稿という形を取らせてもらいました。ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。
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