「……ということなんですけど」
「エリス様何してるんですか……」
「お願いします! しばらくの間、カズマさん宅に泊めてあげてください!」
「まったくかかわりのない人を自分の家に泊めるほど、俺は聖人じゃないですよ」
エリス様がお願いすると、カズマさんは断る。当たり前だよな、まったく知らない人を家に泊めるとか俺も嫌だし。
「うう……だめ、ですか?」
エリス様が目をうるうるさせて上目づかいで聞いている。
「うっ……いやでも……」
「お願いします……カズマさん……!」
「……しょうがないですね! 引き受けますよ! ええ引き受けますともこのカズマの名に懸けて!」
「本当ですか!? ありがとうございます!」
「はあ……」
今エリス様が計画どうりという顔をした気がしたけど、きっと気のせいだよな。うん。
「ゆうた、あの人ちょろい」
「ちょ!? そんなこと言ったらダメだって!」
「いいんだ……俺はちょろいんだよ……」
カズマさんがめっちゃ落ち込んでる。こんな時、なんて言ってあげればいいのだろうか……。
「……まあいいや、とりあえず自己紹介しとくよ。俺は佐藤カズマ。カズマって呼んでくれ」
「えーっと、俺は「我は邪王心眼の使い手、小鳥遊六花!」
「…………えっと」
「そして隣にいるのがダークフレイムマスター・ゆうた」
「ちげえよ! 俺は富樫勇太だ! ……はあ、勇太って呼んでくれ」
「あ、うん……お前も苦労してるんだな」
「分かってくれるのか……?」
「俺のパーティーなんかな……もう最悪なんだよ」
「なにがあるのかは知らないけど、お互い苦労してるんだな……」
「お互い頑張ろうな……」
「ああ、よろしく」
どうやら、俺とカズマさん――改めカズマは、結構馬が合うようだ。
「その……六花さんもよろしく」
「六花」
「え?」
「六花って呼んで」
「お、おう……よろしく六花」
「よろしく」
と、自己紹介が終わったところで。
「では、あちらの世界に転生させますね!」
「あ、はい。よろしくお願いします」
「んじゃ、あっちに着いたらギルドの前で待っててくれ。結構でかいから、すぐ見つかると思うぜ」
「あれ? カズマは一緒に行かないのか?」
「いやあ、アクア――俺の仲間が復活魔法かけてくれるまで、復活できないんだよ」
「あ、そうなのか」
「では、またあとで」
「おう、またあとでな」
「では、転移魔法を――」
と、異世界に出発しようとした瞬間。
「カズマーー? 復活魔法かけたから戻ってきなさーい!」
「あ、アクア。分かったー!」
「今のがカズマの仲間?」
「ああ、一応仲間だ」
「一応……?」
「ちょっとカズマ! 一応って何よ一応って!」
「あ、聞こえてたんだ」
「あはは……」
「つーわけで、いっしょに行けることになったわ。エリス様、よろしくお願いします」
「はい、了解しました。ではみなさん、お気をつけて!」
エリス様がそういうと。
地面に大きな魔法陣が現れ、俺達の体が宙に浮いた。
「うおおお! すげえ!」
「浮いてる! ゆうた、浮いてる!」
「では……転移!」
そうエリス様が叫ぶと、俺達は光に包まれた。
どんなところなんだろうとわくわくしながら、俺は目を閉じるのであった。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
更新遅いって言っているにも関わらず更新が早くなってしまったのは、初のコメントをもらって嬉しくて頑張ってしまったからです。
次回からは本当に更新が遅くなると思いますので、気長に待っていただけると助かります。
では、次回も読んで頂ければ幸いです。