異世界か……なんか変な展開で行くことになったけど、どんなところなんだろうか。
まあ、大事なところはそこじゃなくて。中二病のころに妄想していた『ダークフレイムマスター』の力が本物になるというのが、内心楽しみで仕方がない。
そりゃそうだよな、ある意味夢がかなうわけだし。
六花も、めちゃくちゃ楽しみにしてるっぽいし、早く異世界に着かないかなー!
そんな俺の思いなんてつゆ知らず。
「誰だお前ら!」
と、女の人の声が聞こえたので、目を開けると。
「ひいいいい!?」
金髪鎧騎士さんが、こっちに剣を向けていた。
「急に魔法陣から出てきたが……」
「我は邪王真が……ふごっ」
「やめろ六花、ここは異世界なんだ。もし失礼なことをしたら死ぬかもしれない」
「し……!?」
「そうだ。死ぬかもしれないんだ。きっとこの人は国の騎士とかそこら辺の人だから、機嫌を損ねないように努めよう」
「わ、わかった」
と、とりあえず作戦会議を終えた俺達は。
「「はは~!」」
とりあえず崇めることにした。
「おいダクネス、俺の客に何してくれてんだ」
「カズマ!? もう傷は大丈夫なのか!?」
「傷というか……カエルに丸のみされて息ができなくて死んだだけだし、別に何ともないよ」
「そ、そうなのか……ならよかった」
うーん、俺達はとってもよくない状況なのだが……。
「勇太、六花、もうそんなことしないでいいぞ……」
と、声が聞こえたので、びくびくしながら顔をあげると。
「カズマ、こいつらは誰なんだ?」
「右が勇太、左が六花だ」
「ど、どうも……」
と、俺が挨拶すると。
「カズマの客人だったのか。すまない、急に出てこられたものだからびっくりしてな」
と、優しそうな笑みを浮かべて。
「私はダクネス。クルセイダーを生業とするものだ」
「本名はララティーナな」
「言うな!」
ララティーナ……。
「あ、富樫勇太です。勇太って呼んでもらって大丈夫です」
「そうか、では私もダクネスと呼んでくれ。よろしく、勇太」
「よろしくお願いします」
と、たちあがって握手。うん、切られなくてよかった……。
すると、六花が立ち上がって。
「我は邪王真眼の使い手、小鳥遊六花!」
あああああああ!? 六花さん!? 俺ダメって言ったよね!? 切られるよ!?
「じゃおう……?」
ほら、めっちゃ戸惑ってるじゃん!
と、俺が六花を止めようとしたその時。
「ふふふ……いい名前じゃないですか」
と、やってきた少女が一人。
「わが名はめぐみん! 紅魔族随一の魔法の使い手にして、爆裂魔法を操るもの!」
………………あれ?
「邪王真眼とやら……その力、見せてもらおうか!」
ああ……このめぐみんって人、中二病だ……。って!? めぐみん!? いや、きっとあだ名だな。そんな名前の人、いるわけないし。
「つかぬ事をお聞きしますが、本名はなんて言うんですか……?」
「本名ですが?」
「え?」
「本名ですが?」
「本名!?」
いや……え? めぐみん? そんな名前の人いるのか? いや待て、ここは異世界だ。どんな名前の人でも、異世界なんだから仕方ないよな、うん。
「おい、私の名前に文句があるなら聞こうじゃないか!」
「ありません! ありませんから!」
むむむ……と疑っているめぐみんさん。
「まあ実際こいつの名前はおかしいからな」
「カズマまで言うんですか!? 私はこの名前に誇りを持っているんですよ!?」
「なあ、親の名前言ってくれないか?」
「え? 親の名前ですか?」
そうカズマが聞くと、不思議そうな顔をしながら。
「母はゆいゆい、父はひょいさぶろー!」
と、カッコよく決めてくれた。
「な?」
「な? ってなんですか!?」
「……うん、いいと思うな」
「なんですかその微妙な反応は!?」
「……六花はどう思う?」
と、苦し紛れに六花に話を振ると。
「変」
と、ばっさり切り捨ててくれた。
「なっ! いいでしょう、そのじゃおうなんちゃらと爆裂魔法、どっちが強いのか勝負です!」
「邪王真眼の名をなんちゃらと言ったのは許せない。いいだろう、決着をつけてやる!」
話の流れが意味不明すぎる……と、俺が困惑していると。
「なになに? 喧嘩でもしてるの?」
と、青髪の人が顔を出した。
「ああ、いまめぐみんと六花の戦いが勃発してるところだよ」
「へー……だれ?」
「ちょっといろいろあって、エリス様に連れて行ってって頼まれた人」
「エリスが!? なにを勝手に人間を送り込んでるのよ……」
「人間を送り込んでたのはお前もだろうが」
「私はいいのよ私は」
「カズマ、こいつはアクアだ」
「ちょっと無視しないでよ!」
と、アクアさんがこっちを見て。
「私は高貴な女神、アクア! 何を隠そう、アクシズ教の崇める神、アクアなのよ! あなたにはカズマの知り合いということで、特別にアクアって呼ぶ権利を与えるわ!」
ああ……この人も中二病なんだな……。異世界は中二病だらけなのか?
そんな俺の心を読んだのか、カズマが。
「こいつは本当の女神だぞ。エリス様とは違ってアホだけど」
「アホってなによアホって!」
実際の女神に会ったことのあるカズマが言うんだ、女神なのは間違いないんだろう。
「でもさ、なんで女神様がここに居るわけ?」
「俺が引きづり込んだ」
「え?」
「だから、俺が引きづり込んだって」
「ええ……?」
「特典なにがいいってこいつに聞かれたから、じゃあお前って」
「そんなことできるんだ……」
「まったく役にはたたないけどな」
「ちょっと!? いろいろ役に立ってるじゃない!」
「たとえば?」
「えーっと、洗濯とか!」
「ほぼ俺かめぐみんかダクネスで回してるだろうが!」
「たまにやってるじゃない! たまに!」
「たまにだから役に立ってねえんだろうが!」
「仲いいんだな」
「「よくない!」」
やっぱ仲良いじゃん……。とは口に出さず。
俺達がこんなことをしていると。
「いいでしょう、見せてあげますよ!」
と、めぐみんさんの声。
「幸いにも詠唱は完了しています、今すぐにでも爆裂魔法を放てます!」
「楽しみ!」
「そんな目で見られたら、もう全力で放つしかないですよ!」
六花とめぐみんさん、仲良くなったんだなー。
「さあ見ててください! これが爆裂魔法です!」
と、カズマがやばっと呟く。
「ちょ! おいめぐみんやめろ!」
「残念ながらもう待てません! いきますよ……!」
「みんな私の後ろに!」
と、ダクネスさん。急にどうしたんだ?
「勇太も早く!」
「あ、ああ」
「早く!」
「うおっ」
俺がアクアさんに引っ張られてダクネスさんの影に入った瞬間。
「エクスプロージョンッッッ!!!」
とてつもない爆風と小石が飛んできた。
「なんだこれえええええ!?」
「これ爆裂魔法」
「やばすぎでしょ!? ……ってか六花は!?」
「「「あ」」」
やばい、めっちゃ心配になってきた……。
「ダクネスさんは大丈夫?」
「絶対に大丈夫だと保証できる」
「へえ、クルセイダーとか言ってたし、防御力高いんだな」
「それだけじゃないんだよ……」
「え?」
どういう意味なのか分からず、ダクネスさんを見ると。
「ああ……この刺激、たまらん……!」
声が出なかった。顔赤いし。なんか喜んでるし。
「なあカズマ、これって……」
「そう。こいつはドMだ」
中二病よりもやべえ奴だったああああ!?
「俺のチームはさ……頭の悪い女神と、爆裂魔法しか使えない魔法使いと、ドMのクルセイダーっていう構成なんだよ」
「ええ……?」
もうなんか、先行きが不安でしかない。
これから先、俺達はどうなるんだろうか……?
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
今回はキャラの挨拶やらいろいろ詰め込んだ結果、いつもより長くなってしまいました。
更新頻度についてですが、週一・二回更新を目標にやっていきたいと思います。早く書き終われば速くなったりしますが…結局私の気分次第ですね。適当でごめんなさい。
では、次回も読んで頂ければ幸いです。