ぐえええええ……と声をあげながら倒れていくカエル。
ひええ……我ながらこの炎、かなりの火力だな……。
「ガンティンクル!」
まさか妄想が現実になるときが来るなんて思ってもいなかった。……死んでよかったとまでは言わないけど、めっちゃうれしい。
「ガンティンクル!」
「すごいです六花! かっこいいです!」
めぐみんさんはカズマから魔力を分けてもらったらしく、六花の所で目を輝かせている。
「ガンティンクル!」
そんなめぐみんさんの反応に気を良くしてか、必殺技を打ちまくって遠くの山を破壊して……。
「ってえええええええ!? 六花何してんの!? 山が穴だらけじゃねえか!?」
「我が邪王真眼の前では巨大な山でさえ無力。よって邪王真眼は最強!」
「意味わかんねえ! マジで意味わかんねえ!! とにかく環境破壊はやめろ、ここらへんが穴だらけになるぞ!?」
「強大な相手を前にして、それを倒す衝動が抑えられようか! いや抑えられない!」
「どっかでめぐみんさんも同じこと言ってたよな! もしかしたらあっちで人が歩いてるかもしれないんだぞ!?」
「その時は私が腕によりをかけて蘇生してあげるわ!」
さらっと言ってのけるアクアさん。まあ確かに異世界だし、蘇生魔法とかあってもおかしくはないけど……。
「人に攻撃当たったらそれこそ犯罪じゃねえか……つうかまじでシャレにならないからやめてくれ……」
「むう、ゆうたがそこまでいうんなら……」
と、やっと折れてくれた六花が手を振ると、右目に再び眼帯が装着された。無駄にかっこいい。あとで俺もやってみよう。
「はあ……色々あったけど、とりあえず家に案内するよ……」
と、カズマが言う。やっとかと思いつつ、「おっけー」と返事をする。慣れていないせいなのかは分からないけど、能力を使ったあたりから体がだるくなった。……闇雲に使うなってことなんだろうか?
と、そんなことを考えていると六花が、
「ゆうた~」
とこっちに歩いてきた。
「どうした? なんかふらふらしてるけど」
「ちょっと疲れ……体内の魔力値が減って活動限界が近づいてきてる。これ以上動くことはできない」
「動けないのか? 大丈夫なのか?」
「だ、だから……」
「だから……?」
「その……おんぶ」
「おんぶ!?」
六花のまさかのおんぶ発言。うん、意味わからん。
いやでも六花目に見えて疲れてるし……なんかふらふらしてるし……。まあそりゃあ邪王真眼解放して必殺技ポンポンだしてたら疲れるよなあ……。
悩んだ末、俺が出した結論は。
「はい、早く乗ってくれ……」
もう考えるのをやめることだった。恥ずかしいとか言ってられないね、六花疲れてるもんね!
「し、失礼します……」
と、六花がなぜか敬語で言ってから、俺の背中に収まる。
「よいしょっと……な、なんだよ」
俺が六花を背負って立ち上がると、カズマ達がにやにやしながらこっちを見ていた。
「カズマさんカズマさん、あの人たち見せつけてくるわよ」
「そうだな、きっとあっちではいちゃこらしてたんだろう」
「ラブラブですねえ……」
「ふふふ、幸せな家庭を築くんだぞ」
「うるさいですよ! っていうかダクネスさんだけ話ぶっ飛んでんじゃないですか!」
「いいんだぞ、今ぐらいから将来のことを考えていても損はない」
「いやそうですけど! そうなんですけど違うんですよ!!」
「そうだな、式場はきれいな湖のほとりなんてどうだろうか?」
「話が進みすぎて意味わかんねえええええ!!」
六花も背中で「あうう……」と縮こまっている。
「式のときは俺も呼んでくれよ」
「カズマも泊めてくれよ……!」
と、もはや悲痛な叫びになってきたところで。
「ねえカズマ、もう帰りましょ? 早くお風呂に入りたいのよ」
「ああ、それもそうだな。んじゃ行くか」
と、開始早々に大変なことになっていた俺達は、やっと前に進み始めたのであった。
カズマ達の家に着いたときに思った感想。
「でっか……」
「そうか?」
「いやでっかいよこれ……日本じゃ考えられないようなでかさ」
「まあ、この屋敷はちょっとだましたみたいなところあるから……」
と、アクアさんのほうを見るカズマ。
「な、なによ! もう解決したじゃない!」
どうやらアクアさんが元凶らしい。……が、詳しくは聞かないでおこう。なんかそのほうがいい気がする。
ドアを開けて中に入ると、それはそれは立派な光景が広がっていた。
「なんというか……ザ・異世界って感じだな。暖炉とかもあって、雰囲気がめっちゃいい」
「だろ? 手に入れるのは大変だったんだぜ?」
「そうですよ。カズマが私をトイレ中に中から引きづり出したんですから」
「え……それまじ?」
「マジです」
マジなのかよ……と、いつの間にか俺はカズマに変なものを見るような目を向けていたようで。
「違うからな!? あれは大量の人形が襲ってきて、めぐみんだけを置いて行くわけにはいかないという俺の善意からの行動なんだからな!?」
「に、人形……? まあいいや、善意何だったら……」
いややっぱよくない。変態っぽい。
「それに俺はロリコンではないからな」
「ロ、ロリ……」
と、そのお言葉がめぐみんさんの逆鱗に触れたようで。
「いいでしょう……この家ごと爆裂魔法で吹き飛ばしてあげますよおおおおお!!」
「お前今日もう撃ったから使えないじゃん」
「あ……」
そうだった、カズマが言うには爆裂魔法は一日一回だったな。一瞬焦りかけた……。
「で、では明日にでも吹き飛ばしてあげますよ!」
「じゃあ俺はお前を鎖で縛って詠唱できないようにさるぐつわ噛ませて毎朝ドレインタッチで魔力吸いに来るけどいいか?」
…………鬼畜だ。
「うわああああんやめてくださいよおおお!」
「はいはい分かった分かった。ごめんな勇太、騒がしくて」
「い、いや大丈夫……」
めぐみんさんが不憫すぎる気がするけど、何も言わず黙っておこう。それが一番だ。
と、背中から寝息が。
「あ、六花寝た」
「うわ、リア中してるなあ……」
とカズマが言ってくる。いやいやカズマさん、女の子三人組と同居してるあなたのほうがやばい気がしますが……。
「とりあえずソファに寝かしつけておこう」
とダクネスさん。お言葉に甘えてソファに六花を寝かせると、六花が小声で「ブラックサンタ……」とか言ってた。どんな夢見てんだ!?
「カズマーお腹すいたー」
と、いつの間にかお風呂に入ってパジャマに着替えていたアクアさんがそういうと。
「そうだな、それじゃあ夜ご飯にするか」
とカズマ。
てきぱきと準備しながら会話している四人を見ると、すごく仲がいいんだろうなとうかがえた。
そんなことを考えて、俺はちょっと安心するのだった。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
サブタイトルについてなのですが、すごく適当に付けております。なので、サブタイトルと内容がかみ合ってない場合もあると思います。その時は、ペンネーム通りアホだなと思っていただければ……。
それでは、次回も読んで頂ければ幸いです。