この素晴らしい中二病に祝福を!   作:アホを極めたらこうなる

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刻印の…封印されし竜

「勇太……お前は一体何者なんだ?」

 

「い、いや、ただの一般市民ですよ!」

 

「そんなわけはない。テレポートと魔法無効化魔法まで使えて、おまけに謎の炎でジャイアントトードを倒せるときた。もう普通ではないだろう」

 

「そ、そうですか? 聞けばゆんゆんさんも、テレポートを使えるみたいですが……」

 

「ゆんゆんは一日一回しかテレポートは使えない。なのに勇太は二回も使って見せただろう。あの時点でおかしいとは思っていたのだ」

 

「そ、そうなんですか……」

 

 今俺は、絶賛尋問中。

 

 普通なら一回しか使えない魔法を二回使えたり、魔法無効化という普通なら考えられない魔法を使ったりしたから、もしかしてやばい人なんじゃないかと疑われているわけだ。

 

「とにかく! 俺はただの一般人です!」

 

 嘘は言っていない。ただちょっとダークフレイムマスターなだけだから。

 

「……本当なのか?」

 

「本当ですって!」

 

「うーん……」

 

 と、俺の言うことをまったく信じてなさそうなダクネスさんに、めぐみんさんが。

 

「そんなに気になるなら、カードを見せて貰えばいいんじゃないですか?」

 

「そうか、その手があったか! よし勇太、カードを見せてくれ」

 

「か、カード?」

 

「……もしかして、持っていないのか?」

 

「勇太は冒険者じゃないからな。カードはもってないぞ」

 

「そうか……それなら」

 

 あ、あれ? なんかよくわかんないけど話がどんどん進んで行ってるよ?

 

「ゆうた、なんだか悪い予感がする」

 

「……俺もだ」

 

 と、ダクネスさんが立ち上がって。

 

「それでは! 今からギルドへ向かう!」

 

 と宣言した。

 

 ギルドって……あのギルドだよな? クエストを受けたりご飯食べたりするところだよな?

 

 ……ちょっとわくわくしてきた。すっごい楽しみ。オラわくわくすっぞ!

 

「おい勇太、なにをにやにやしている」

 

「はっ! すいません、少し考えごとを……」

 

「そうか……もしそれが嫌味や愚痴だった場合、遠慮なくぶつけてくれていいぞ」

 

「そ、そうですか……」

 

 ダクネスさんって意外と優しいんだな、少し誤解してたかも。

 

「どんな言葉を浴びせてくれるんだろうか……!」

 

 違った。真正のドMだった。俺の認識は正しかった。

 

「とにかく! 今からギルドに向かう! ほら、カズマ達は着替えてこい」

 

「へいへい」

 

 そう言って各自自分の部屋に戻っていく。

 

 戻り際にカズマが、ごめんみたいなジェスチャーしてたから、おそらくこんな状況になったことに謝ってるんだろう。

 

 別にいいんだよカズマ。俺も行ってみたかったし。

 

 と、ここで六花が。

 

「ゆうたゆうた、邪王真眼でもテレポート使えるかも」

 

「……まじで?」

 

 まあテレポートっていったら中二病の時に憧れる能力の一つだからなあ……六花が使えるのも当然っちゃ当然だよな。

 

「カズマ達が来たら、一気にテレポートする」

 

「でも、一回行った場所じゃないとテレポートできないって言ってたぞ?」

 

「ふふふ……まあ見ているがよい」

 

 完全に中二病モードに入った六花を見て、俺は少し心配になるのだった。

 

 

 

 

「よし、んじゃあさっさと行くか」

 

「そうね、帰ってゼル帝の世話をしなきゃいけないものね」

 

 ゼル帝……怖すぎだろあいつ。なんで家で飼えるんだよ……。

 

「あ、あの、私がテレポートで送っていきましょうか?」

 

「お、いいのか?」

 

「はい。全然大丈夫ですよ!」

 

「ゆんゆんはぼっちですから、こんなところでしか見せ場がないですもんね」

 

「めぐみん酷い!」

 

 あ、ゆんゆんさんがいるから六花がテレポート使う必要はないのか。

 

「くっ……今回はお前に譲ってやろう……」

 

「え? えっと、ありがとうございます……?」

 

 ゆんゆんさんがめっちゃ戸惑ってる。

 

「それでは! テレポート!」

 

 足元に魔法陣が現れる。俺の時と同じなんだな。

 

 直後、俺達は光に包まれて。

 

 気づいたら、大きな建物の前に居た。

 

「ここがギルドだ。さあ中に入るぞ」

 

「ギルド……でっかいなここ……」

 

「ゆうた、ゲームの中に入りこんだみたい!

 

「ああ……そんな感じだな」

 

「俺も最初に来たときはそんな感じだったよ……そのあと現実を見たけど」

 

「……なにがあったのかは聞かないよ」

 

「ああ……ありがとう」

 

「なにをじゃれているんだ、行くぞ」

 

「ああ、はい」

 

 ダクネスさんに急かされてギルドの中に全員で入っていく。

 

 中には冒険者と思わしき人物たちであふれかえっていた。

 

「ゆうた、あの料理美味しそう……!」

 

「見てるだけでお腹が空いてくるよな」

 

「あれぐらいならあとでおごってやるよ」

 

「カズマ、私の分もよろしくお願いしますね」

 

「じゃあ私もー!」

 

「なんでお前らにまでおごらなくちゃいけないんだよ!」

 

「おごってくれないんだったら朝起きたら服がジメジメしてる呪いをかけるわよ」

 

「うわあ……陰湿すぎる……」

 

「なにを遊んでいるんだ、早くいくぞ」

 

 ダクネスさんに連れられて、受付のようなところについた。

 

 金髪のお姉さんがいて……てかめっちゃ美人じゃん。今の所美人にしかあってないんだけど……。

 

「すまない、冒険者カードの発行をお願いしたいのだが」

 

「カードの発行ですね? ……では、発行する方のお名前を教えてください」

 

「富樫勇太です」

 

「我は邪王真があうっ!」

 

「おい」

 

「……小鳥遊六花」

 

「え、えーっと……トガシユウタさんと、タカナシリッカさんですね」

 

 と、お姉さんが紙に何かを書き込んで。

 

「では、こちらへどうぞ~」

 

 すぐ横の水晶のようなものに案内された。

 

「ここに手をかざすと、かざした人のステータスが書かれたカードが生成されます」

 

「へえ……」

 

 まさにゲーム、ライトノベルの世界。水晶に手をかざすとか一生無いと思ってた……。

 

 隣では六花が目を輝かせている。早くやらせろって言いたげだな。

 

「六花からやるか?」

 

「や、やる」

 

 と、六花が一歩前に進んで。

 

「我が力、ここに現出せよ!」

 

 そう叫びながら水晶に手をかざした。案外間違ってないからツッコめない……。

 

 カチカチカチ……と、水晶の周りの歯車が回り始め、ゆっくりと水晶本体も輝き始める。

 

 めちゃくちゃかっこいい! 特にこの歯車の所、中二心をくすぐられる……!

 

「はい、終了です。では確認させていただきますね……」

 

 と、ピシッとお姉さんが固まって。

 

「ど、どうしたんですか……?」

 

「こ……これは…」

 

「これは……?」

 

「すごいですよリッカさん!! いいえ、すごいなんてものじゃありません! もはやバケモノレベルですよ!」

 

 と、お姉さんが興奮気味に六花に言った。

 

「どれどれ……ってなんじゃこりゃああああああ!?」

 

「か、カズマ?」

 

「とんでもないなこれ……ほらアクア見てみろよ」

 

「なっ!? バカエリス、ちょっとやりすぎなんじゃないの!?」

 

「すごいですよ六花! さすが邪王真眼です!」

 

「ふ、ふふふ……これが邪王真眼の力だ……」

 

 どうやらやばいらしい。六花とめぐみんさんはぴょんぴょんしてるし、アクアさんはエリス様に怒ってるし、ダクネスさんは唖然としてるし。

 

「えーっと、どの辺がやばいの?」

 

「ああ、二人に説明しないとな」

 

 と、カズマがポケットからカードを出して。

 

「これはさっきうちの駄女神から盗んだかーそなんだけど、ちょっとこれを見てくれ」

 

「そうそうさっき私から……って私の!?」

 

「うるさい。まあこの駄女神は駄女神だけど、こんなふうにステータスが一般人よりもかなり高いんだ。しかもカンストしてる」

 

「カンスト……さすが女神」

 

「んで、六花のがこれ」

 

 見ればどのくらいすごいかなんて一目瞭然だった。

 

 アクアさんに一歩届かない、そんなステータスだった。

 

 六花は一般人だから、普通アクアさんに追いつきかけるなんてありえないことだろう。さすがエリス様、たぶん強めに設定してくれてたんだな。

 

「これが……神にも届く我が力……」

 

 六花が目をキラキラさせながら中二台詞を言いまくっている。テンション爆上がり中なんだろう。

 

 と、ダクネスさんが。

 

「ほ、本題は勇太だ。さあ勇太、頼むぞ」

 

「は、はい……」

 

 右手を水晶にかざすと、六花の時と同じように水晶が光り始める。

 

 俺はどんな感じなんだろう……さすがに六花よりは弱いだろ。個人的には魔力高かったら嬉しいな……。

 

「はい、では確認を……」

 

 またもやピシッと固まるお姉さん。

 

「だ、大丈夫ですか……?」

 

 無言で俺にカードを渡してくる。

 

「あ、ありがとうございます……」

 

 六花とほぼ同じ。俺のほうが体力と知力が高いかな?

 

「勇太はどうだった? ……おお、お前もなかなかバケモノだな……」

 

「本当ですね……」

 

「私とお友達になってください!」

 

「…………」

 

 ダクネスさんはまたもや唖然としている。ゆんゆんさんも友達になってくださいって……友達になってください!?

 

「了解。ゆんゆんはこれから第二のサーヴァント。よろしく」

 

「さーばんと? よくわからないけど、よろしく!」

 

 なんだ、六花と友達になりたかったのか。

めぐみんさんからぼっちって言われてたけど、あんなに積極的なんだしぼっちではないな。

 

「ゆ、ゆうたさん……あなたは一体何者なんですか……?」

 

「? どういうことですか?」

 

 と、お姉さんが俺のほうを向いて。

 

「歴史上の人物には、たくさんの英雄がいました。一人で竜を相手にしたもの、国一つ分の魔力を持った魔術師、大蛇を倒した英雄」

 

 国一つ分ってすごいな……。てか大蛇って日本にもそんな話無かったっけ?

 

「そのなかに、竜を自らに封印したものがいました」

 

 中二病じゃねえか! とツッコミたくなる心を抑えるんだ……。

 

「その竜を封印したものの冒険者カードには、竜の刻印が入っていたとの言い伝えがあります」

 

「は、はあ……」

 

「もう一度、カードをよくご覧になってください」

 

 みんなでカードをしっかりと見てみると。

 

 全員が息をのんだ。

 

 俺のカードの裏には。

 

 大きく、大きく。

 

 黒い竜の刻印が入っていた。




ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

このあとがきについてなんですが、次回から適当になにか書いていきたいと思います。本編とは全く関係ないのでご注意ください。

それでは、次回も読んで頂ければ幸いです。
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