それぞれの夢   作:羽沢ちゅぐみ

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どうも ちゅぐみちゃんです 皆さん大雨の被害は大丈夫だったでしょうか 自分の家は無事ですがシャツが1つ風に飛ばされ世界一周の旅へと出ていってしまいました
それでは今回もゆっくり読んでいってね


秀愛

「失礼しまーす...友希那?入るよ...?」

私たちが病院へ着くと看護師さんの案内でつぐみちゃんの病室へと通された。病室内は静かで開け放たれた窓から風の音だけが聞こえてくる。

つぐみちゃんの寝ているベッドの側に友希那は座っていた。夕陽に照らされたその顔は暗く、感情が無い。目の下には黒いクマができていてその目は、ただ想い人の顔をじっと見つめている。毎日見ているはずの私の幼馴染なのに、まるで全く知らない別人を見ているように感じられる。

「湊さん、お話があります」

紗夜は友希那の方まで歩み寄ると厳しい顔で言った。だが友希那はチラリとこちらを見ただけで何かを言う気配はない。あこと燐子は私の後ろからじっと様子を見ている。

「湊さん、貴女は私たち...Roseliaを見捨てる気なんですか?」

紗夜は私が予想していたことよりもかなり厳しい言葉を投げかけた。しかし友希那はその言葉にも何も反応しない。

「何か答えたらどうなんですか?Roseliaのリーダーは貴女なんですよ?」

紗夜は必死に説得しようと様々な言葉を投げかける。しかしその言葉はどれも届かない。次第に紗夜の声に嗚咽が混じりはじめる。

「あこは友希那さんに憧れてこのRoseliaに入ったんです!かっこいいRoseliaが、友希那さんが、みんなが大好きなんです!だからRoseliaが無くなっちゃうなんてあこ、絶対に嫌です!!」

「私も...!Roseliaが大好きです!けど...友希那さんがいない...Roseliaなんて、Roseliaじゃありません!お願いですから...目を覚ましてください!!」

あこも燐子も気持ちをぶつけるが友希那は見向きもせず無表情のままつぐみちゃんの顔をじっと見ているだけだった。そんな友希那の様子に私の中で何かが切れる音がした。

パァン!!!

病室内に乾いた音が響いた。気づいたら私は友希那の頬を思いっきり引っ張たいていた。

「ねぇ...いい加減にしなよ友希那、なんでこれだけ紗夜達が言っても何も言おうとしないの...?」

私の目から頬へ涙が伝う。私はそれを拭おうともせずじっと友希那を見る。

「答えなよ!!友希那ぁ!!」

私は友希那の胸ぐらを掴んで無理やりこちらへ顔を向けた。こうして向き合うのは初めてのような気がした。

「...よ」

友希那が何かを呟いた。しかしその声は私の耳には届かなかったが、確かにもう一度友希那は言った。

「私だって逃げたい時くらいあるわよ!!貴女達のことを忘れてたことなんて1度も無いわ!!練習にだって何回も行こうと思った!けど...ダメなの...羽沢さんの側にいないと、不安で不安で仕方ないのよ...今にもこの世からいなくなったらって考えると...夜も眠れないの...」

友希那の目から大粒の涙が零れた。私は友希那をそっと抱き寄せる。

「友希那、私たち仲間じゃん、もっと頼ってよ。気持ちはわかるけどさ、私たちだって何も連絡もなかったら心配だよ?」

「湊さんが羽沢さんのことを心配してるのと同じです。湊さん、ずっとこのままでは何も変わりません。今は羽沢さんの分まで、貴女が頑張らなくてはいけないのではないですか?」

私と紗夜の言葉に友希那は泣きじゃくりながら頷いた。

「友希那さん...良かったです」

それを見て燐子はにっこり微笑んだ。あこも嬉しそうな顔を見せた。

そして私たちは眠っているつぐみちゃんの様子を見る。いつも羽沢珈琲店で接客をしてくれているから話す機会はあるしライブにも来てくれているのでよく見かけるがそこで見る彼女より頬が明らかにやつれている。

「お医者さまは、何て診断したのですか?」

「私には伝えられてないわ...ただこのまま起きない状態が続いたら、手術も視野に入れると...」

それは手術をしたら目を覚ますものなのか疑問にも思ったが原因がわからない以上信じるしかないだろう。友希那は眠っている彼女の手をぎゅっと握った。

「つぐちん...大丈夫だよね?絶対起きるよね...?」

あこはいつもの元気はどこに行ったのか今日はとても大人しい。

「あこ、大丈夫よ。絶対起きるわ」

友希那はあこにそう言ってまだ涙の跡が残っているが優しく微笑んだ。

「失礼致します。時間ですので今日はご退室お願いします」

ドアがノックされ看護師さんが促した。私たちは荷物をまとめて病室を後にした。

 

 

「...はい、わかりました。ではそのように...はい、失礼します」

「らーんー!誰から電話だったの?」

「うん、ちょっとね。つぐみのことで病院からだよ」

「あら、その事なら私に任せたんじゃなかったの?」

「こころに任せてたら勝手なことしそうだから、親友を変な実験台にされても困るし」

「そんな事しないわよ。蘭の友達に変なことしたら怒るんでしょ?」

「当たり前でしょ。まあ話は終わったからいいよ、ありがとう、こころ」

「蘭の笑顔が見れるなら私はなんだってするわよ!私は蘭が大好きだからね!」

「ふふ、私も大好きだよ」




今回はここまーで かなり駆け足になっちゃったけど大丈夫かな?

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