それぞれの夢   作:羽沢ちゅぐみ

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さて、今回は真面目な内容にする
うん、前書き書いてる時はまだ書く前だけどきっと真面目な話になってるはず
見てくれている人こんな話でも読んでくれて本当にありがとうございます


胸中

「ど、どうしたんですか?」

 

急に真面目な顔になった友希那に私に緊張が走る。

先程までとは違ういつものクールな友希那だ。

 

「ずっと何かを1人で考えているでしょう?時折見せる不安そうな顔がとても気になるの」

「べ、別に私は...」

「隠さなくてもわかるわよ、羽沢さんは顔に出やすいからすぐにわかるわ」

 

すべて見透かされているような気がした。この人には敵わない、

 

「羽沢さん、何を悩んでいるのか話してくれない?私でよければ貴女の力になるわ」

 

友希那が手を差し伸べてくれている。その手は私の目の前まで来ているのに後一歩が踏み出せない。

 

「あ...」

 

友希那が息を呑む音が聞こえた。私の頬に涙が伝うのがわかった。なぜ自分が泣いているのかわからない。だが1度溢れ始めた涙は堰を切ったように零れ止めようにも止められなかった。

 

胸が痛い これ以上友希那にこんな惨めな姿を見せたくない

 

子どものように泣きじゃくる私を友希那は何も言わず抱きしめてくれた。とても暖かかった。そのぬくもりに甘え私はしばらく友希那の胸で泣いた。

 

 

「もう、大丈夫です...ぐすっ...すみません」

 

ひとしきり泣き、しばらくして私はどうにか落ち着きを取り戻した。友希那はずっと何も言わず頭を撫でてくれていた。

 

「いいのよ、とりあえず顔を洗ってきなさい。待っててあげるから」

「うぅ...友希那さんも付いてきてください...」

 

友希那の袖を引っ張りながら言った。完全に子どもだ、私。

けれどそんな私に嫌な顔せず友希那は「いいわよ、行きましょうか」と言い付いてきてくれた。

 

洗面所の鏡で見た私の顔はまあ酷いものだった。目の周りが腫れとてもじゃないけど蘭ちゃん達には見せられない。友希那の親御さんは既に寝ていたようで出くわすことは無かったのが幸いだろうか。

 

部屋に戻った私はベッドの脇に座ると何かを言われる前に話し始めた。

 

「私は、昔からなんの取り柄もない普通の娘でいつもみんなの背中を見て育ってきました。特別悪いところも無いけど、秀でて良いところもない。小さい頃から習ってるピアノも下手ではないけど上手くもならない。本当に普通の娘なんです。でも...Afterglowのみんなと居るうちにこのままじゃダメなんじゃないかって考えるようになってきて...

私は蘭ちゃん達みたいに何か得意なことや魅力的な所があるわけじゃない、それが...嫌で....」

 

私はそこで押し黙ってしまう。これ以上喋るとまた泣き出してしまいそうだったからだ。上手く伝えられたかわからない、だがこれが今の正直な気持ちだ。

 

「そう...羽沢さんは自分に何の魅力もなくてそれが嫌で変わりたいって思っているのね」

「......はい」

「それは違うわ、羽沢さん。貴女は自分は何も無いと思っているかもしれないけれど良い所は沢山あるわよ」

 

友希那は諭すように私に言ってくれた。

 

「いい所なんて、ないです」

「あるわよ、あこや紗夜が言ってたわ、羽沢さんとお菓子を作る時とても丁寧に教えてくれるって。それに美竹さんもよく貴女の事を話してくれるわ、歌っている時に少しタイミングを間違えたら1番に羽沢さんが言ってくれるって。他の人たちからも貴女の話は沢山聞いてるわ。良い所、あるじゃない。自分で気づいていないだけで魅力的なところ、羽沢さんの良い所はいくらでもあるわ」

 

その言葉に私は涙を堪えきれなかった。友希那にそう言ってもらえることが嬉しかった。

 

「だから羽沢さん、そんなに自分を責めないで。不安なんて誰にでもあるわ。それを一人で悩まないで。頼れる人は周りに沢山いるんだから」

「ぅ...ぐすん...はい...」

 

ずっと泣いてばかりな私に友希那はずっと優しく接してくれる。なんだか今日は友希那に甘えてばかりだ。

 

「私も悩んでいた時期はあったわ」

「友希那さんも、ですか?」

「ええ、そうよ。むしろ私たちRoseliaのメンバーみんな何かしらの不安を抱えていた時期はあったわ」

 

意外だった。私たちの中では完璧とまで思っていたから不安があるとは考えもしなかった。

 

「私たちだって同じ人間なの、だから嫌なこと不安なこと、悲しいこと嬉しいことはあるわ。けれどそれに左右されていたら頂点なんて目指せない。悪い所はお互いにカバーしあって完璧を目指すの。それがRoseliaよ」

「お互いに...」

「ええ、そうよ。だから羽沢さん、少し話が逸れてしまったけれど、もう二度と自分に何も無いなんて言わないで。良い所は沢山あるんだから」

「...はい!」

 

私は涙を拭いて返事をした。胸の中がスッキリとした気分だ。

友希那も優しく微笑んで頭を撫でてくれる。

なんだか恋人同士のようで少し小っ恥ずかしいがとても嬉しい。

 

「もうこんな時間ね、そろそろ寝ましょうか」

 

時間を確認すると既に深夜1時を過ぎていた。

 

「そうですね、お布団ありますか?」

「ええ、あるわよ。羽沢さんは床に敷いて寝る派かしら?」

「はい、昔からなのでそっちの方が落ち着いて寝れます」

 

本当はベッドで寝ているがそう言った方が気を使わせなくて済むので敢えて私はそう言った。

 

「わかったわ、なら準備するから手伝ってくれる?1人じゃ少し大変だから」

「もちろんです!」

 

こうして私たちの長い一日は終わった。




少し長くなっちまいましたがとりあえず友希那さんとのお泊まり回はここまで かなー?
次は絶対Afterglowのメンバー出します
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