僕は、
半年前から一年生として
田舎の、山瀬高校に入学した。
一人暮らしだ。
朝家を出る
ただ独りでノートを取る
家に帰る
寝る
それだけであった。
僕は、ここからも
必要とされていないらしい。
高校で途中から入ってきた
僕は、まるで異端者として
映ったのだろう。
異端者、僕は何処でもそうだった。
一人の女子高生を除いて。
「おはよう、瞬クン!」
彼女は、市原香菜
「おはよう、、、
ございます」
彼女だけはなぜか、
毎日僕の名前を呼んで
くれる。
不思議だったし、
何よりも怖かった。
どうして、彼女だけ?
「今日は、いつもより、
顔色悪いよ?大丈夫?」
どうせ上辺だけの心配だろ。
でもそれでも何故か嬉しかった。
何故だろう?
「大丈夫です」
僕は、そうしか答えられなかった。
「体調が悪くなったらいつでも言って
いいからね。
保健室連れてってあげるから」
彼女はそう言うと、微笑み、
僕の肩を叩いてくれた。
彼女が、
カナさんが去ったあとも
まだ、彼女の優しい匂い
に包まれていた。
なんか、彼女の前では、
僕のすべてが筒抜け
であり、僕も彼女なら
僕のことを理解してくれる
きがした。
同時に、
カナさんから
嫌われたく無いとも思った。
でも、それらは、
結局、ただの異端者に対する
ただの好奇心なのだろう。
『人は、死ぬ為に
生きている。
だから、生きることに価値はない』
昔の学者が言ったことだ。
生きることに価値はない。
俺、はもう疲れた。
明日、✢のう
放課後、学校の屋上で。
次の日
カナさんに
最期の挨拶をする。
「おはよう、カナさん」
カナさんと僕は初めて言った。
少し緊張した。
どうせ最期なのだから、
それ名前だけは、言いたかった。
「あ、おはよう瞬クン。
今日は、私より早く
おはようって言ってくれたんだね」
かなさんは、少しだけ黙り、
下を向いた。
「何か辛いことがあったら、
いつでも言って。
解決はできないかもしれないし、
時間の無駄かもしれない。
でも、迷惑なんかじゃないし、
あなたのこともっと知れるから
、、、ううん
何でもない」
かなさんは首をふると
足早に去っていった。
放課後、
「まだ掃除してくれてたんだ。
私の仕事なのに。いつもありがとう」
この高校では、掃除など黒板消しは
任意である。
つまり、
やりたければやっていいし、
やりたくなければやらなくていい
僕は、ただやることがないから
やっている
友達と遊びもしない、
ゲームもしない。
何もしない。
そんな人生だ。
なのに彼女も何故か掃除をする。
教室で僕と二人だけで。
たまに彼女のことを意識して
照れることもあるが、
今はもうない。
一時間後、僕は
居なくなるのだから。
僕が、帰ろうと教室を
出ようとしたとき、
何故かかなさんに呼び止められた。
いつもと違う
「瞬クン。今日は、
ずっとボーッとしてたね。
寝不足なのかな?今日は、
早く寝てね」
彼女はいつもの様に微笑み
手を振った。
やはり、いつもとあまり
変わらなかった。
僕は、屋上に行った。
夕方で、誰ももいなく、
静かだった。
屋上には、半分だけ、
フェンスがあるが、
もう半分にはない。
いわば、自殺ようなの
かもしれない。
僕は、フェンスによりかかり、
心の準備をした。
行くか、
決心したその時、
「何してるの?」
かながいた。
かながドアから
僕のもとにやってくる。
僕は、後退りしようとしたが
フェンスがそれを遮った。
「今日は寝るんじゃなかったの?」
すごく重い声だった。
いつもとは真逆。
こんな声出せるんだ。
「星を見るのが日課でさ、
ここから見るときれいなんだよ」
嘘だ。星座も何もわからないし
日課ですらない。
星が光るのはただの核融合反応。
ただの物理現象に感動など
したことがない。
かなはニッコリした。
「そうなんだー
そんなにきれいなら、
独り占めするなんてずるいなー
私にも教えて欲しかったなー」
いつもの甘い声に戻った。
というより、
いつもより甘い
カナは、僕の右隣のフェンス
に肘をついた。
仕草が可愛い。
「今日、曇りだよ」
うそがこんなにも早く
バレるとは思ってなかった。
しばらく沈黙が続いた。
「本当のこと、話して」
僕のことは、
カナに何もかも、
お見通しなのか?
カナはゆっくりと無表情
で近づいてくる。
「言って、怒らないから」
女性とこんな間近で目が合うのは
今までなかった。
「✢のうとしてた」
僕は、
何故か申し訳無さそうに言った。
「いいよ、✢んで。」
一瞬見放された気がした。
こんなこと言わなそうなのに。
「✢ぬことで瞬クンが
幸せになれるんなら、
いいんじゃないかな?
生きることは、義務じゃなくて
権利なの。
だから、✢んでもいいんだよ
(私には止める権利すらない)」
再び、沈黙が流れる。
カナに
何故か優しさを感じた。
「でも、私は、寂しいなー」
「え?」
僕は不思議そうにかなを見つめる。
「だってもう瞬クンに
会えないんだよ!!」
すごく力強い声だ。
「いつも照れながら挨拶してくれたり、
私の仕事なのに手伝ってくれた、
可愛い瞬クンに会えないて嫌なの」
僕は何も言い返せなかった。
人は、みんな見えない糸で繋がっているのか?
「だから、キスして。
優しい瞬クンを忘れないために。
あなたは、✢んでも
私の心の中では永遠に生き続けるの」