「早く、キスしてくれない?」
カナは、冷静な表情になっていた。
...
...
...
「ね〜え〜瞬ク〜ン。
人間《ヒト》ってなんで自殺しちゃ
いけないんだと思う?」
なんでやろうとしている人にいう?
「死ぬことが、道徳に反しているから?」
「フフッ、可愛い」
カナが微笑む。
狂気に満ちた笑み。
夕焼けの紅色を合わせると、
カナの可愛さは不気味へと変化
した。
...
...
...「(なんだよ)」
僕ができる反撃は、
心の中で叫ぶのみだった。
「自殺したときの死体を
片付けるのが
メンドウなだけだよー♫」
自分の血管が
締め付けられた気がした。
こんな、可愛くて、
つい一時間前の僕と天使のような
笑顔を見せてくれたカナとは、
違う。魅了的な魔女、死神?
死神がゆっくりと近づいてくる。
足が、ウゴカナイ!
膝がノバセナイ?
「どうしたのー?
いきなりしゃがんで?」
死神の『美しい顔』が近づいてくる。
「目、つむっててあげるから、
チューしてごらん♪」
カナの暖かくて甘い吐息。
なんで、こんな近くに
女神と死神がいるのだろう?
「わかったよ」
僕はほっぺにキスをした。
やらかくて気持ちいい
一瞬だけ気を失いそうになった。
、、、
、、、
、、、
「ふざけてるの?」
死神の声がした。
「え?」
身体が凍りついた。
「キスって大好きな人の
唇と唇でするものってわかるよね?」
「スイマセン」
「私の事大嫌いなの?
それとも、瞬クンのことだから、
私が可愛くてつい唇でやるのが
恥ずかしかったんだよね。」
「うん」
うなずくしかなかった。
「ありがとう。実はさっきのキス
嬉しかった。
じゃあ、私がキスしてあげる。」
チュッ
今までの苦しみが流れてゆく。
俺は、今まで何をしていたのだろう?
「あろがとう。美味しかったよ。
それじゃあ、一緒に死のうか?」
「どうしてカナさんも?」
「あなたがいないとつまらない
から。」
カナは僕の手をつかみ、
屋上の端まで連れて行く。
「堕ちたくなったら
いつでもいいよ♪」
死ぬのが怖くないのか?
カナのぬくもりで溢れている
手を握りしめる。
高い。俺は、飛び降りるのか?
怖い!
怖い!
恐ろしい!
足が震える。
冷静に考えれない。
ボクトカナイナクナッチャウ!
僕は、カナに抱きついた。
その衝撃で二人とも倒れる。
「ごめんなさい!
ごめんなさい!
ごめんなさい!」
「大丈夫だよ!
瞬クンは悪くない。
悪いのは、、、、」
カナは僕の頭を撫でた。
「ごめんね。もっと前から
こうしていればよかったのに。
寂しかったんだよね」
カナは僕を包み込んだ。
生きたい!
どうせ人はいつか死ぬ。
だから人生なんか、
命なんか"無価値"だ。
だけど、
カナと生きていきたい。
生きることはなんで辛いのか?
孤独だから?いや、孤独でなくても、
辛いのだ。
恋人がいても辛いだろうし、
いなくても辛い。
金があっても辛いし、
なくても辛い。
人は、いつでも辛いのか?
死ぬと楽になる?
どうせ死ぬのだから、
死ぬまで待ってみるのもいいかも
しれない。
苦痛を耐え抜いたあとにあるのは、
天獄か?それとも、、、