スナックワールド トレジャラーズ エメラルド   作:アメデス

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ゲーム版「スナックワールド トレジャラーズ」を、マイキャラ視点で描きます。
ゲーム版のネタバレが多いけどオリジナル要素も多いです。CP要素もありあり。
基本的に主人公はピノキオver3.0と一緒にいる予定ですが、それは第4章からになると思います。
さーて今日も遅筆な大冒険の始まりだぁ〜




第1章 悪い夢から醒めて
第1話 夢と現実


「ええ、少なくとも……、私はあなたを愛していましたよ、ミノリ。」

 白い体から伸びる影が私を覆うと、彼はそんな風に囁いた。

「だから……、だから、ここでさよならです。」

 こんな形で別れるの、絶対にやだってば。ねえ、聞いてよ。私、まだ……!

「きっと、どこかでまた会えます、だからそれまでは」

 崖から落ちていく感覚と共に、遠くなっていく空が目に映った。

 

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「…う、うーん」

 は、と気がつくと私はふわふわのベッドの上にいた。慣れない優しい香りと、窓から吹く暖かい風に包まれて。

 ここはどこだろう。来たことのない場所だ。待てよ、私はここに来たことがない。それは認める、来たことはないだろうけど、私が今まで“来たことがある場所”って、具体的に、一体、どこだ?

 

 頭がぼんやりしていて、今はちょっと思い出せないだけかもしれない。もしかしたらここは、夢の中なだけで、夢の中の私は“思い出せない私”なのかもしれない。そうであってほしい、そうであってくれ、全部全部夢であってくれ。お願いだから。

 ふと視線を感じ、部屋の扉の方に目をやると、金髪の女の子が心配そうにこちらを見つめていた。

「……あの」

 彼女はとても小さい声で私に話しかけてきた。

「……」

 …かと思えば、申し訳なさそうに俯いてしまった。

 

「君が私を助けてくれたの?」

 私は、至極自然な質問を彼女に投げた。投げたつもりだ。だってそうだろう。ふと気がついて、1番最初に目にした人間に、そう聞くのは別にRPG的流れとしては何もおかしくないはずだ。……RPG?

 

「……」

 少女は何も言わずに小さく一度、こくんと頷いた。すると少女は、着ている青色のワンピースのポケットから、何やらスマホを取り出した。

 あ、あのスマホ、私は知ってる。通称「フェアリポン」。妖精が運営しているという会社、「フェアリーエレクトロニクス社」が製造した万能ツール。タッチ1つでなんでも検索できちゃうし、知り合いを撮影して「スナック登録」すれば、いつでも呼び出せちゃう優れものなのよね。…って何だこの説明口調。知ってる事が嬉しくってつい、色々考えちゃったよ。

 そんな事を考えている間に、その金髪の女の子は取り出したスマホの画面をずい、と私の方に向け、画面の再生ボタンをタッチした。その画面にはなんと、どこかの森の中で気絶している私の姿が映し出されていた。画面の中では、金髪のその子が私を見つけて、森を抜けこの街、そして私たちが今居るこの部屋があるこの宿屋まで、彼女が私を連れてくる一部始終すべてが動画として撮影されていたのだった。

 つまり、今見せてもらったこの動画でわかるように、彼女が私をここまで連れて来た…いわば命の恩人、って事なんだろうけど。

「今の動画を見る限り、あなたが私を助けてくれたんだね。お礼言っとく。ありがとう。…だけど。」

 腑に落ちない点が、一つ。

「貴女が撮影してるなら、どうして貴女がこの動画に映ってるの?それとも、別の誰かがこれを撮影したの?」

 一瞬、金髪の子はきょと、としたが、片手を口元に持ってきて、くすくす、と小声で笑うと、再びポケットから何かを取り出す素振りをした。

 何を出す気だろう?と眺めるのも束の間、彼女のポケットから出てきたのは、ズバリ……、自撮り棒だった。

 なーるほど、自撮り棒を使って自撮り……。それなら納得。そして、抜かりないのね、キミ……。

 自撮り棒を見せた後、金髪の少女が私を見て微笑んだが、その微笑み方は、あまい金平糖たちが瓶の中でころころとする様子に少し似ていた。

 




シンデレラちゃんだよ。
ジェニファー山本さんは多分次回出て来ます。
話の筋はGOLDやりながら追っていく形になると思いますはい。
3DS版1周しかしてないからうろ覚えだし…。

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