happyend までは終われない   作:パッパパスタ

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3話目初投稿です


遅れてごめんナス


第3話 理想の手と覚悟と

 

16歳の夏、自分のどこかのネジが外れた。

 

 

 

 

はじめて自分が性的興奮を覚えたのは雑誌に載っていたモナリザの絵を見た時だった。すぐにモナリザの『手』だけを切り取り自室の壁に飾った。

 

しかしモナリザはがどれだけ美しかろうとしょせん絵。切り取って触ってみてもやはり紙だ。完全に自分のものにすることは出来ないしリアルな感触は得られない。だが幼少期はそれで満足していた。

 

 

中学生、高校生となっていくうちに段々と自分の衝動を抑えることができなくなっていた。町で美しい手を持つ女を見かけるたびにあることを思うようになっていた。

 

 

 

あの手を自分のものにできたらどれほど良い気分になれるのだろう、と。

 

 

 

それは高校の夏休み、図書館に勉強しに行こうと思ったときにその女に出会った。

 

とても美しい手だった。関節部分、指の長さ、手のフォルム。すべてが私の理想だった。すぐに自分のものにしたい。撫で回して、舐めまわしたい。自分のモノにしたい。

 

 

 

たとえ『殺して』でも手を奪いたい。

 

 

 

 

そこからというもの、自分は何かに取り憑かれたように綿密に計画を立てていった。

 

彼女が図書館に帰るときに後ろからついていき、彼女の家の場所を覚える。そして彼女の家の家族構成を調べあげる。父に母、犬。そして近所の住民との関係。それらをすべて考慮した上で計画をたてていく。

 

家から犬を含め全員が出払ったのを確認し、図書館で彼女のカバンから取った家の鍵を複製し、家へと侵入する。そして各部屋に盗聴器をしかけそそくさと家から退去する。

 

 

それから1年近く盗聴器で家庭音を聞き続け彼女の家族の行動をすべて知り尽くした。休日、夏休みの間彼女は8:00頃に目覚め朝食をたべ、歯磨きをし、少し勉強をしてから好きなテレビを見る。。母親は6:30に起き父親の弁当を作ってからもう一度寝に入る、父親も....といったふうにデータをつくっていく。

 

 

かの有名なシェイクスピアも言った。『慢心は人間にとって最大の敵だ』私に1ミリの抜かりも許されない。たった少しでも残してしまえば警察に足取りを追われ、私が目指している平穏な日々を過ごすことが出来なくなってしまう。

 

 

1年もの時間を費やした。春夏秋冬、彼女を含む家族の行動パターンをすべて知り尽くした。

 

 

そして彼女の手を手に入れるための計画の準備ができた。

 

 

 

1983 8/12 金曜 天気 快晴

 

 

今日は爪の長さが最高記録を更新

絶好調!!!

 

 

 

そして明日の午前2時、彼女の手を奪いに行く

 

 

 

 

 

────

 

杉本鈴美の親御さんに挨拶をするがてらマジックを披露した。

まぁマジックといってもスタンド能力を利用したちょっとした小ネタみたいなものだったが、意外に上々の反応だった。

 

母親には鈴美をよろしくお願いしますとか訳のわからないことを言われたが取り敢えずもちろん、とだけ返しておいた。

もうお母さん!と鈴美ちゃんは怒っていたが満更でもない感じに見えたのは自分の見間違いなのだろう。

 

話は戻って先程上々の反応だったと言ったが、1番良い反応をしてくれたのは意外な人物だった。

 

 

「ねぇねぇ、お願い!あと1回だけやってよ!!次こそタネをあばいてみせるからさ!」

 

 

予想以上に岸辺露伴(ショタ)に懐かれた。

やはり子供はこういうのが好きなのだろう。熱心に何度もせがまれる。子供の時はこんなにも素直な子供なのに何故にあんなひねくれた性格になってしまったのだろう。

 

「もう露伴ちゃんったら。もう夜も遅いんだからそこまでにしておきましょう? かくいう私ももう少し見ていたいのだけれども、ね」

 

と、お風呂から上がってきた鈴美ちゃんが露伴君にそう声をかけたがすかさず露伴くんから「えー」という不平の声がでる。

 

「明日でも見れるでしょー?ほんとマジックが好きなんだから」

 

そこで一緒にお風呂にお風呂に入ろうと誘った。お風呂場なら水はいくらでもある。そこで見せてあげるよと。

 

「ほんとッ!? じゃあお風呂いく!」

 

 

 

「んー...? やっぱ何回見てどうやってるのかわからないなぁ

 

自分がスタンド能力を使って動きを遅くすることを利用したマジックを間近で見ながら露伴くんがそう言った。彼の好奇心で光っている目を見て若干誇らしくなってきた。このまま育ってくれたらいい子なんだろうなぁと本当に思う。

 

 

「マジックなんてくだらないものだと思ってたんだ。どうせ種も仕掛けもあるしね。でもお兄さんのは本当にどうやってるのかわからないなぁ。お風呂場でしかも裸だし。もしかして本当に魔法?」

 

 

まさか。スタンドだよ。

とは言えず自分は笑うことしか出来なかった。

いつか君もできるようになるさ。ヘブンズ・ドアの能力ではできないと思うけどね。

 

「いつかできるようになる、かぁ。まぁでもマジシャンのように人にちやほやされる職業はごめんだね」

 

 

こいつ。

やっぱり前に言ったことは撤回する。いくら幼少期でも岸辺露伴は岸辺露伴だった。

 

 

 

 

「ごめんねー。私の部屋2人までしか寝れないからさ、1階の大広間で雑魚寝なんて。」

布団を敷きながら彼女はそう言った。俺も手伝うよ、彼女が運んでいた布団を受け取り床に敷きながらあることを考えていた。

 

前に杉本家の窓は3つと言っていたが正確には1階の部屋は、ということだ。トイレに行くと理由をつけてある程度家を見回った。

両親の部屋と鈴美の部屋は2階にあった。2階には窓が何個かあった。そのうちのひとつに簡単に外から鍵を壊してはいることのできる部屋があった。そして盗聴器の類。だいぶ前から予想はしていたがまさか本当にあるとは。逆にあってくれてよかった。

 

いやーここの窓立て付け悪いなぁ今日だけ鍵開けとこうかなぁとわざとつぶやく。これで吉良の入ってくる窓を絞りこめるはず。この窓が繋がっている2階のこの部屋は部屋の構造的に俺達がいる1階にしか繋がらない。

 

 

 

部屋に規則正しい2人が寝ている音が響く。

1人布団から抜け出し先程の部屋へ上がりながら吉良と戦う瞬間をイメージする。相手はただの素人。しかも今の奴は高校生、何も能力を持っていないやつに負ける要素はない。奴に会うのは俺だけでいい、それにここで仕留めればやつの『これから』の被害者を全員すくうことができる。これで吉良を向かい入れる準備はできた。

ポケットの中のあらかじめ用意していた小型ナイフに手をかけ、そっと取り出す。

 

さぁ、いつでも来い。




小説の文って文ごとに改行したほうがいいのかしら。賢い人誰か教えて。

この作品において岸辺露伴は事件のショックで幼少期の記憶を忘れてしまったという設定になります
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