私と蒼の物語 作:月姫
つまらない駄作ですが批評を頂けると嬉しいです。
井戸で水をくみ、食器と釜を洗い終えた私は布団を干すために部屋へと向かった。
布団を庭に運び、物干し竿で干しながら私は過去を思い返す。
私は生まれた時に母を無くし、父親が1人で私のことを育てた。
父は私を育てるために私を母方の祖父母(父方の祖父母は既に鬼籍に入っている)に預け、必死に働きいていた。
私はそんな父の背中を見て育ち、子供の頃から父親に楽をさせたくて勉強をしてきた。
小学生の頃から塾に通い、地元の私立中学に入学。
そして中学卒業と同時に東京の進学校に入学し、そのまま某有名大学へと進学。
大学卒業後は某大手製薬会社に務める。
別に父が私に、「進学しろ」だの、「大手企業に入れ」だの言った訳では無い。
父は私にいつも一言、「母親の分まで生きろ。」そう言っていた。
私が就職してから5年が立った時に父が亡くなった。
原因は麻薬中毒者の暴走運転による交通事故だった。
それから2年後、幼い私の面倒を見てくれた母方の祖父が、その一月後に祖母が亡くなった。
二人とも癌だった。
こうして私は働く理由を失い、仕事を辞めて祖父の遺産の山に引っ越すことにした。
(ちなみに父や祖父母への仕送りは一銭も使われておらず、父と祖父母の遺言状にはその全てを私に譲渡すると書かれていた。)
上司と同僚、後輩に会社を辞める旨を伝えると皆残念がっていたが、私の意志が固いことを知ると笑顔で送り出してくれた。
同僚や上司、後輩とは今でも手紙をやり取りする仲だ。
ちなみにそれが4ヶ月前の出来事。
そしてこの私、
「ふぅ……ここに住み始めて4ヶ月前も経つけど布団を干すのは疲れるわね…」
この歳で疲れるのはおかしいと言うかもしれないが、あいにく中高大と私は文化部だ。
これが運動部だったらここまで疲れてなかったのかもしれないが、どの道製薬会社勤務なのであまり変わらなかったかもしれない。
ちなみに布団を干し終えた私は特になんの予定も無く、のんびりと部屋で本を読むだけである。
これで私が結婚をしていたらもっとやることがあるのだろうが残念ながら私は独身だ。
顔は悪くないと思うので相手を探せば結婚出来る気はするが、おそらく私は一生独身を貫くだろう。
何故かって?友達付き合いをするだけでも疲れるのに結婚したらもっと疲れるでしょ?
まあそんなことはどうでも良いのでとりあえず家の中に入ろう。
春とはいえまだ外は寒い。
そして私が家の中に入ろうとすると…
「ねえ…聞こえるお姉ちゃん………?」
………空耳だろうか?
今私の耳に子供と思わしき年齢の声が聞こえた。
しかし辺りを見ても誰もいない。
「……私、この年で耳の病気かしら?………後で病院行きましょ…」
私は空耳だと思い、家の中に入ってしまった。
玄関の横にいた、半透明の少女の姿に気がつくことが無く……
「僕の姿は見えないみたいだけど、声は聞こえたんだ…嬉しいな………。」
風が吹き、桜の花びらが散った。
うーん…なんかセリフが全然無い説明臭い文章になってしまいましたね…。
主人公、五十鈴薫の容姿はご自由にご想像ください。
黒髪黒目で長めの髪ということだけ言っておきます。
批評お待ちしております。