テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 騎士を目指す少年カオスはウインドラと森に行く約束をするが都合により断られてしまう。

 好奇心に突き動かされたカオスは1人で森に向かいそこで1人の騎士と出会う。

 その騎士はかつてアルバが救った騎士だった。


きっかけ

「アルバート=ディラン・バルツィエ?」

 

 

 

 その名前に僕は疑問を持った。

 

「どうしたんだい?君のお祖父様の名前じゃないのかい?」

 

 クレベストンが尋ねる。

 ところどころ似かよっているというかその名前の上下だけなら分かるのだが…。

 

「なんか違うよ?僕のおじいちゃんは()()()=()()()()()()って言うんだ。」

 

 

 

 名前が違うので人違い

 

 と言うにはこの2つの名前は重なるところがある。

 

 アルバート=ディラン・バルツィエ

 

 そしてアルバ=バルツィエ

 

 ファミリーネームが同じ時点で既に少なくとも他人の筈がない。

 

 クレベストンさんの言う通り同一人物なのだろうか?

 

 ………もしかしたらおじいちゃんはそのアルバートなんとかと言う人に成り代わった盗賊の類いかもしれない。

 

 相手は貴族とか言ってたしその貴族の名を名乗って………

 

 

 

 

 いや、やはりこの案はあり得ないし無意味だ。

 

 貴族に成り代わったと言うならこんな村で農業してる訳がない。

 それだったら他人の名を名乗らずに自分の名前で十分な筈だ。

 

 倉庫に置いてある剣も相場は分からないけど素人目にもそれなりにいい剣だと思う。

 盗賊だったらそんなものを売らずに残しておくだろうか?

 

 

 

「アルバ=バルツィエか、なるほど。」

 

 名前を聞いてクレベストンさんは1人で納得している。

 

「何か分かったの?」

 

「十中八九君のお祖父様は私の捜している隊長だ。名前を変えているのは地方によっては貴族を嫌う平民がいるからだろうね。」

 

 そうなのか、名前だけでも嫌われるなんて不便だな。

 

「けどそれならファミリーネームを変えないのは不味いんじゃない?貴族って有名なんでしょ?」

 

 名前だけ変えてもファミリーネームが一緒じゃ即バレしそうなもんだが。

 

「この地域はあまり王国の貴族の勢力とかは詳しくないんじゃないか?だからファミリーネームは変える必要ないと考えたんだろうね。ボウヤも貴族とかって他にどんな家があるか分かるかい?」

 

「貴族ぅ?………知らないなぁ。」

 

 言われてみると貴族についてそれっぽい名前とある程度の権力があるくらいしか知らない。関わりがないと情報なんて入ってこないからだ。

 

 

 

 

 ここまで聞いていてどうやらおじいちゃんは嘘つきだけど悪い人じゃぁなさそうだな。

 

 さっきまでおじいちゃんが何者で何を目的に僕にまで嘘をついてたのかは分からないけど、身元は王国の元貴族様だったらしい。

 

 どうして黙ってたんだろう。

 

 黙る理由、……貴族でも下の方過ぎて自慢にもならいから恥ずかしかったとかかな?

 

 なんだよそういうことだったら素直に言ってくれてもいいのに。

 

 けどそう考えると僕って実は一応どこかの貴族様の血筋になるわけだから、………僕も貴族!?

 やベーなぁ、今までにないくらいワクワクするぞ?僕が貴族なら騎士になるのももしかするとそう難しくないんじゃないないかな!

 

 頭のなかを夢でいっぱいにしてると

 

 

 

「ゴホッ!ガフッ!」

 

 苦しそうに咳き込む。そういえば長話してたけどクレベストンさんはさっきまで倒れてたんだ。休ませてあげないと。

 

「クレベストンさん大丈夫?なんだか苦しそうだけど村まで案内してあげようか?」

 

 騎士を案内するのはいけないことだとは思ってたけど緊急事態だし騎士を目指すものとして困ってる人を見捨てておけないよ!

 

 それに剣も貰っちゃったしね!鎧は体に合わなくて断念したけど。

 

「あ、あぁすまないね有り難う。まだ名前を聞いてなかったね。ボウヤはなんてうんだい?」

 

「僕?僕はカオス!カオス=バルツィエだよ!」

 

「そうか、カオスと言うのか。大きくなったら騎士になりたいのかい?」

 

「うん!そして王国や村のみんな、世界中のみんなを守るんだ!」

 

「ハハハ、世界中かぁ、広いとこまでいくつもりなんだな。将来の有望な後輩君だ。」

 

「へっへへ!あっ、だけどおじいちゃんが言ってた騎士って本当に全部正しいのかな?おじいちゃん名前からいろいろ嘘つきみたいだし。」

 

 憧れの騎士像が曖昧になりそうで恐くなる。すると

 

「大丈夫だよ。アルバート様は昔から嘘つきだったけどあの人がつく嘘に人を傷付けるようなものはなかった。あの方がつく嘘は本の些細な悪戯ごころからだし、後から嘘がバレて人を傷付けるような嘘はつかない。そこはしっかりと弁えてる方だ。」

 

 クレベストンさんが僕の心の不安を悟り補強してくれる。

 

「えっへへ、有り難う!それじゃ行こっか!」

 

 僕達はそのままおじいちゃんのいる家に向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 クレベストンさんは朗らかに話をしてくれてたがどこか焦燥感が見える様子だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだカオス君、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

 

「聞きたいこと?なぁに?おじいちゃんのこと?」

 

「その村で密閉………、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?もし本当にアルバート様だったら少し長くなる話をするかもしれないから夜遅くまで話してるとご近所の方々に迷惑をかけてしまうからね。あとなるべく人目に付かないとことかがいいんだが。もし私が騎士だとバレるとカオス君も怒られてしまうんだろう?」

 

「あぁ~確かに!ん、と~……あるよ!ちょうど僕とおじいちゃんの家の地下に倉庫が!そこにおじいちゃんの剣も置いてあるんだ!」

 

「………流石アルバート様、()()()()()()()()()()()()。」

 

「ん?おじいちゃんがどうしたの?」

 

「何でもないよ、()()()()()()()()()()()()()()()()()。早くお逢いしたいなぁ。」

 

「もうすぐ逢えるよ。急ごう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時のクレベストンさんの妙なところに納得する会話は大分後になってその意味がようやくわかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村の入り口付近カオス邸宅前

 

 

 辺りはもう暗くなり始めようとしていた。

 

 

「ここにカオス君とアルバート様が住んでるのかい?随分と他の家から離れてるようだが…。」

 

「そうだよ?おじいちゃんは元々余所者だから家建てるのもみんなの近くに建てさせてもらえなかったんだって。ここに来たときは村でもしたっぱだったって言ってたし、なんせ騎士だったからね。」

 

「……。」

 

「だから殺生石の恩恵を受けるのも一番遠いこの位置にあるんだよ。」

 

「殺生…石?随分と物騒な名前の石だな。一体なんなんだいそれは?」

 

「村の御守りだよ。あそこの奥の方に村長の家があってその裏にあるんだ。この石の近くってモンスターが寄り付かないみたいでね?村を引っ越すときもこの石があったからここに移ってきたんだ。」

 

「……確かにこの付近は森林生い茂る危険地帯だから村を構えるなんて自殺行為だとは思ったがそんなものがあるなら納得だな。恐らく天然のホーリーボトルなんだろう。」

 

「ホーリーボトル?お酒?」

 

「いろんな街で買える薬品だよ。これを振りかけるとモンスターがよってこなくなるんだ。」

 

「なにそれ持ち運び出来る殺生石ってこと!?すごぉい!」

 

 そんなものまで外の世界にはあるんだな。騎士になるだけじゃなく他のことにもいろいろな期待ができそうだ!

 

「その殺生石ってのは具体的にどんなものか判明してるのかい?」

 

「多分何も分かってないと思うよ?触ると死んじゃうし調べられないんだ。僕もそれでひどい目にあったし…。」

 

「ひどい目……?そういえば出会ったときからいつまでたっても君の体内のマナが回復する様子が感じられないんだが大丈夫なのか?」

 

「実は僕、殺生石にマナを消し飛ばされてこうなっちゃったんだ。体的には問題ないんだけどマナが本の少ししか残ってないから魔術が使えないんだ。使うと今度こそ死んじゃうし。」

 

「恐ろしい石があったもんだな。その見恵みを受けてはいるが触れると命を失う石か…。」

 

 

 

 そんな村の世間話をしてると家の中からおじいちゃんが出てきた。

 

「何だ、玄関から話し声が聞こえるのにいつまでたってもは入ってきやしねぇから見に来てみれば見掛けねぇ奴と一緒だな。」

 

「あっ、おじいちゃん只今!」

 

「おう、お帰り。で、こちら………さんは……!?」

 

「この人はね森で「バッキャロー、村に騎士連れてきてどうすんだ!」」

 

ゴチンッ!!

 

 頭に拳骨が落ちる。スンゲー痛い。

 

「待ってっておじいちゃんこの人は…」

 

「待っても何もあるか!オメーこの村の成り立ち知ってんだろ!」

 

 ダメだ言うことを聞いてくれない、どうすれば。

 

「オメーが1人で王国に向かうってんなら構わねぇがなぁ、この非常事態に村に連れてきちゃこの村ももう「アルバート様!」」

 

 

 

 

 

 

「ご無沙汰しております!アルバート様!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そういってクレベストンさんはおじいちゃんの前で膝をつく。

 これは膝まずく、って格好でいいのかな。確か男の子が女の子にプレゼントを渡すときがこんな渡し方するって前におじいちゃんが…。

 

 また嘘だったのおじいちゃん?

 

 

 

 

 

「オメェさん、もしかして…。」

 

「はい!100年前にあの村であなた様にこの命を救われた騎士クレベストンです!ずっと他の隊員と各地をお捜ししておりました。今はアルバート様の後を継いで()()()()()()()()()()!」

 

 そういってクレベストンさんは静かに涙を溢す。

 

 大人でも涙は出るんだな。

 

「もう再会出来ることは叶わぬと諦めかけたときにアルバート様のお孫様に救って頂きこうして悲願を果たすことが出来ました!」

 

 お孫様って仰々しい態度にさらに拍車がかかったな。そんなにおじいちゃん見つけられたことが嬉しかったのかな。

 まぁ、なんでもよかったよ。

 

「……。」

 

「残された僅かな時間であなた様と再会を果たせたことを心から神に感謝します!」

 

「よせや、神さんは何もしてねぇだろ。オメェさんが頑張ったから果たせたんだろ。その悲願ってやつが。」

 

「相変わらずですねアルバート様は、1人1人のことを大切にして貰えるそんなあなた様だから私達は今日まで諦めずに捜してこれました。」

 

「たかが一言にどれだけ感激してるんだよ。そんな深いこと言ってねぇよ。」

 

 おじいちゃん照れてるな。照れてるときブスッとした顔で否定し続けるのがおじいちゃんの癖だ。

 

 

 

「私はこれでもう思い残すことなく旅立てます!」

 

 

 

 旅立てる?おじいちゃんを見つけるまで旅をしないとかそんなふうに考えてたのだろうか?上司を差し置いて部下が旅立てるかぁーみたいな?

 

 

 

 

 その一言を聞いておじいちゃんがクレベストンさんの体を見回し傷のあるところを凝視する。

 

 そういえば怪我人だったな。早く手当てをしてあげなくては。

 

 嬉しそうだが顔色も悪いし、よく見ると涙だけじゃなくて汗も凄い掻いてる。

 

 本格的に倒れそうだぞ?早く座れるところへ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カオス、今日はもう早めに寝ろ。もしかしたら明後日村で集会が行われるから朝早くに村長のとこにいって手伝いに行ってこい。」

 

 

 

 クレベストンさんを休ませようと手を引こうとした瞬間後ろからおじいちゃんにそう言われる。

 

「えぇ~!?クレベストンさんに休んでもらってからいろいろと騎士について聞きたいことあるのに~!」

 

「ばぁ~か、そんなん後にしろ~。今からおじいちゃんはこのクレベストンと積もる話があるからお前の時間はないんだよ。さっさと寝とけ。」

 

「えぇぇぇぇぇぇえ?」

 

 なんだよ自分が話したいだけじゃんか!

 

「もう!今日のとこは譲っとくけど明日は僕の番だからね!クレベストンさんも覚えといてよ?」

 

「あぁ、絶体に忘れないよ。」

 

「よぉ~し、じゃぁちょっくらこの近くの穴場で昔話で花でも咲かせてくらぁ。」

 

 そういっておじいちゃんとクレベストンさんは背中を向けて何処かに行ってしまう。

 

 

 

 

 

「はぁ~、明日が待ち遠しいな!クレベストンさんになに聞こうかなぁ?あぁぁぁ!!」

 

 おじいちゃんとクレベストンさんが何処かに歩いていった後、家の中で僕は本当に世界には騎士がいてしかもその騎士がおじいちゃんの知り合いで部下だったことに興奮してベッドで悶える。

 

 礼儀正しくて剣を持っていて臣民を守る。そして格好いい!

 

 いろいろクレベストンさんから聞いておじいちゃんがたくさんの嘘をついてる可能性が浮上してきたが騎士のとこだけは真実のようだ。

 

 僕の夢は守られたのだ!

 

 早く明日になってお手伝いを終わらせたら戻ってクレベストンさんの話を聞きたい。そしておじいちゃんがどんだけ嘘ついてたかチェックするぞ!もう騙されてやらないんだからな!

 

 

 

 けどクレベストンさんは一体いつまでいられるのだろうか?

 前に世界地図を見たことあったけどここから前の村までも半日はかかる。

 さらにそこからいくつもの街を通ってようやく王都だ。 そうとう時間がかかる筈なのによくここまで来れたなクレベストンさんは。村だってあるかどうか分からなかっただろうに。

 戦争中って聞いてるけど今は暇なのかな?

 

 

 

 まぁ、それだけおじいちゃんを必死に捜してたってことでいいかな。

 命救われたって言ってたし。

 形見くらいは見つけたかったのかもね。

 それなら貴族って言ってたからお屋敷とかで貰えなかったのかな?

 おじいちゃん不在で潰れちゃったとか。

 

 

 

いくら1人で考えても答えは返ってこない。待ちきれなかった僕は明日の支度をしてもう寝ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 そしたら庭の方から

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャン…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ベッドの上で、ほんの微かにだったが外の庭の方で音がした。

 

 「ん?まだ出ていってから10分もしてないのに戻ってきたのかな?」

 

 音には聞き覚えがあった。だからその音でおじいちゃんが帰ってきたと思った。

 

 クレベストンさんが体調悪そうだから帰ってきたのかな?

 

 それならなんで家に入らないんだろう?

 

 何か用事でも…。

 

 

 

 

 

 

 

 あ、なるほどそういうことか。だからねぇうんうん。

 

 アレを見せにいったんだろうなぁ。だから戻ってきたんだ。

 

 そういえばクレベストンさんも森で昔なくしたーって言ってたしせっかくの再会の記念にでも見せてあげてるんだろう。

 

 そういうことなら大丈夫か。

 

 元々アレはおじいちゃんのものだし。

 

 捜してた人と物だから帰るまえに見ておきたかったんだなクレベストンさん。

 

 

 

 ……それにしても長すぎないかなぁ?いつまで掛かってるんだ?

 

 また感激して長話してるんじゃないか?涙もろそうな人だったし。

 

 ベッドの上で庭の音に耳を澄ませていたがいっこうにもう1度鳴る筈の音が聞こえない。

 

 なんだか落ち着かないなぁ、それほど長く話すことがあるものだろうか?

 

 

 

 そんなふうに思考をこらしてると僕はいつの間にか眠ってしまっていた。

 

 

 

 

 この日はいつもの仕事に加えて、嬉しいことがたくさんあった。

 

 それで気分は高まっていたが体の方は疲れが限界だったのだろう。

 

 クレベストンさんが明日話してくれる王都についていろいろ知りたいと思った。

 

 行く行くは自分が勤めることになる街はどんなものがあってどんなことが普段起きるのか、想像が出来ない!

 

 

 

 

想像が出来ないことは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これから起こると言うのに……。

 

 

 

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