テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしている。

 カーラーン教会で教皇カタスティアの保護を受ける三人はそこでカタスティアの心の内を聞かされる。

 それはどこまでも暗い孤独の過去であった…。


定まらない逝く末

王都レサリナス 東北部 カーラーン教会

 

 

 

「………カタスさんがどういう考えでいたのかは分かりました。

 ですがカオスさんには目的があって旅をしているんです。

 ここにいるだけでは目的は果たせませんよ?」

 

「そのことについてはもうカオスには話は通してあるわよ。」

 

「カオス?」

 

「この間少し話してね。

 お世話になってるしそう呼んでもらった方がいいかなって。」

 

「そうですか…?」

 

「カオスさん、何か窺っていますか?」

 

「………殺生石の件なんだけどここにウルゴスの時代の資料があるからその中から調べてみようと思うんだ。」

 

「!

 殺生石のことが書かれている資料があるんですか!?」

 

「それは私にも分からないけど…。

 量が多くてまだ全てに目を通した訳ではないの

 カオスのような事例は聞いたことがなかったから私もそこまでは自信ないわ。

 でもこの国にはない欠損症の書があるくらいだからこの国の知識よりかは遥かに進んでいる筈よ。

 地下に置いてあるから自由に見ていいわよ。」

 

「………それならすぐに脱出する必要もないですけどもしここにいることが敵に知られでもしたら安全とは言えなくなりますよ?

 そうなるとボクらはここにいない方がカタスさんも危険な目にあうこともありませんよ。」

 

「もしそうなったら大丈夫よ。

 私が戦うから。」

 

「カタスさんが?」

 

「こう見えても私は戦えるのよ?

 アインスの時からアローネよりも強かったんだから。」

 

「そうなの?」

 

「カタスは秘密で冒険者をしていたというのもありますがそれよりも王族の血の方が濃いですから。」

 

「王族って強いの?

 王族が戦うなんて聞いたことないけど…。」

 

「ウルゴスの王族や貴族層は代々強い戦士の血を家系に取り入れるならわしで千年の歴史が続く中で誕生した者達は皆生まれながらにして平民の方達と一線を引く魔力を持っていました。

 カタスの御兄弟はその歴史の中でも最優クラスとされていたのです。」

 

「もう昔の話だけどね。

 この教会の中にいる限り私が守ってあげられるわ。

 物理的にも権力的にもね。

 だから安心なさいな。」

 

「…それは心強いですがボクは………。」

 

「タレスさんはダレイオスの出身なのよね?

 どこに住んでいたの?」

 

「ボクは………ナタムという今はもうバルツィエに滅ぼされた村の出身です。」

 

「そう…。

 ならダレイオスが母国といっても宛があるわけではないのね。

 …そんなにマテオにいることが安心できないかしら?」

 

「………はい。」

 

「それなら貴方は二つの道をが選べるわ。

 ここにアローネやカオスと残って過ごすか、

 ………どうしてもダレイオスに帰りたいというのなら今度私が船で送っあげる。」

 

「船が使えるんですか?」

 

「カーラーン教会は一応中立の立場なの。

 私は一年の大半はこのレサリナスにいるけど何度かダレイオスに行く予定がある。

 今度行くのは三日後だけど数日滞在したらすぐに戻ってくるの。

 その時に私の同行者として船に乗ることができるわ。

 行き先はダレイオスの首都だからそこからどの街にも行くことができる。

 北から回るよりかは早いし安全よ。

 タレスさんはどうしたい?」

 

「急にそんな選択肢を言われてもすぐには…。」

 

「そうよね。

 こんなこと言われてもすぐに答えは出せないわよね?

 なら今回は私だけで行くわ。

 私が帰ってきたときにに答えをいただけるかしら?」

 

「…」

 

「焦らなくていいのよ。

 時間は沢山ある。

 それこそいつだってダレイオスには帰れるわ。

 あちらに渡っても私のもとを訪ねてくれたらマテオに戻ることも出来るし、

 それに………教会の伝で仕事もあるしなんなら私の養子に迎え入れることも可能よ。」

 

「!」

 

「カタスさんの養子…!?」

 

「私はこういう仕事をしてるからそういった手も使えるの。

 私の養子になるのなら例えここでダレイオス人だと知られても危険はないわ。

 マテオで仕事をしてもらっているダレイオス人もいるのよ。

 ダレイオスの仲間はここにも多くいるの。

 それならタレスさんも寂しくないでしょ?」

 

「………ボクは。」

 

「すぐに答えは求めてないわ。

 よく考える時間も必要よね。

 今度いい返事を期待しているわよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カオスさん………。」

 

「どうしたの?」

 

「カオスさんは………ボクにここに残って欲しいですか?」

 

「…タレスはどうしたいの?」

 

「………分かりません。

 カオスさんはどうですか?」

 

「………俺にも分からない…。

 タレスを本来の場所に帰すつもりだったけど…。

 その村が無いんじゃ…。」

 

「カオスさん…。」

 

「………この街で現実を見たら努力じゃどうにもならないことがあるって分かって、俺は俺の考えに自信を持てなくなって…。

 それなら誰かに頼ることも一つの道なんじゃないかって思い出してさ。」

 

「カタスさんの条件は魅力的ですが…。

 それに頼りきるのもどうかと…。」

 

「分かってるさ。

 …だけど分からずに闇の中の答えを突き進むよりかは光明が見えてきそうで…。

 それもいいかなって。」

 

「………人任せですね。」

 

「そうかもね。

 だから俺達は代わりに何か他のことで助けにならないか探すのもいいんじゃないか?」

 

「ボク達に出来ることって何かありますかね?」

 

「それは今後探していけばいいよ…。

 今は無闇に迂闊なことは出来ない。

 俺達を狙う人達がいなくなった後それについては一緒に考えよう。」

 

「………はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アローネ。」

 

「何でしょうか?」

 

「カタスさんはどうしてあんなに俺達に献身的につくしてくれるの?」

 

「…それは今日の話の通りですよ。

 元王族で人の為に何かをすることを生き甲斐にしていた彼女の人格と数百年の寂しさから来るものなのでしょう。

 私が感じていたほんの数十日の孤独感なんて彼女に比べたら烏滸がましいにも程がありますね。」

 

「…アローネは俺達と一緒にいても孤独だった…?」

 

「そんなことは…!

 ………いえ、取り繕っても仕方がありませんね。

 貴方達には何度かそういうところもお見せしてしまったのですから。」

 

「…ゴメンね。

 アローネをウルゴスに送り届けるって約束してたのに出来なかったよ。」

 

「カオスが謝る必要はありません。

 これは私の心の中の問題だったのですから…。

 それに無いものを求めても仕方ありませんよ。」

 

「………変わったねアローネ。

 この街に来るまではあれほどウルゴスに帰ることに失着してたのに。」

 

「ウルゴスはもういいのですよ…。

 アインスがもう無くなってしまったというのは、

 …正直ショックですがそれほど落ち込みはしませんでした。

 スケールが星一つ分の文明なのでぼんやりとして頭で整理しきれないからでしょうか…?」

 

「混乱してるのかな?」

 

「………何にしてももうウルゴスのことはいいのです。

 私にはウルゴスのことを共有するカタスがいたのですから。

 ウルゴスが無くても私はカタスがいてくれるだけで心を落ち着かせることが出来ます。

 彼女が私をアローネ=リム・クラウディアと証明してくれました。」

 

「?

 アローネはアローネだろ?」

 

「私一人では何の信憑性も持たない夢物語を語る女でした。

 私の中だけにしかない世界を説いて誰が信じますか。」

 

「俺は信じていたよ?」

 

「そうですね、

 カオスは出会った始めから私のことを信じ続けてくれていましたね。

 どこにあるともしらない国を共に探していただいて…。

 それももうこの街に来てようやく果たすことが出来ました。」

 

「カタスさんのおかげだね…。」

 

「はい。

 私はやっと貴方にウルゴスの存在を証明出来て嬉しく思います。

 ずっと信じて付いてきてくれた貴方にウルゴスがあったことを伝えられて…。

 これからは貴方の目的に専念できますね。」

 

「?

 アローネは手伝ってくれるの?」

 

「何を当たり前のことを聞いているんですか?」

 

「だってアローネの目的はもう解決………じゃないか。

 解消したじゃないか?

 後は俺が殺生石について調べていくだけで…。」

 

「そんな水くさいことを言わないでくださいよ。

 私もお手伝いしますよ?

 ここまでカオスにはいろいろと助けられてきたのですから今度からは私がカオスの助けになります。」

 

「…有り難う。

 ならこの街にいる間はよろしくね。」

 

「この街にいる間?

 カオスはここで殺生石の手懸かりを探さないのですか?」

 

「勿論探すよ。

 その間にもカタスさんのお手伝いをするし。

 だけどもしここで見付からなかったら何処か別のところも行ってみようと思うんだ。

 それこそダレイオスとかにも。」

 

「ダレイオスですか。

 危険ではないのですか?」

 

「危険………だとは思うけどね。

 それでも探さないとミストに戻れないから。」

 

「そうですか…

 それならその際は私もお供しますよ。」

 

「!

 アローネはここに残りなよ!?

 せっかくカタスさんに出会えたんだからまた外に行かなくてもいいじゃないか!?」

 

「いいのですよ。

 カタスに会いたくなったらまたここへ戻るだけですから。

 それにカタスのお手伝いもしないとです。」

 

「俺についてくることがカタスさんのお手伝い?」

 

「カタスが先ほどタレスに仰っていたじゃないですか。

 教会のお仕事でダレイオスに渡ることもあると、

 私もこの教会に入ります。」

 

「アローネが教会の仕事をするの?

 でも貴族のお嬢様がそんなことしていいの?」

 

「そんなのはここまでの旅で冒険者をしていたのですから今更じゃないですか。

 それに私なんかよりも王族だったカタスが働いているんです。

 そちらの方が大きな問題でしょう?」

 

「確かに…。」

 

「ですがそんなのは関係ないですよ。

 私達は“元”王族と貴族なのですから。」

 

「明るく話せることかな?」

 

「それもそうですね。

 と言うことでダレイオスに渡る時は私の同行者として行動してもらいます。

 それならカオスも安全に旅が出来ますよね?」

 

「それはそうだけど…、

 わざわざ俺だけの目的でアローネをつれ回すのはちょっと…。」

 

「それだけではありませんよ?

 私にも仕事のお手伝いの他に目的はあります。」

 

「ダレイオスに何かあるの?」

 

「………私は私やカタスのようなウルゴスの生き残りを探したいと思います。」

 

「!」

 

「カタスの話では私のように何処かに埋まってしまっている人達が大勢いると思うんです。

 その人達を見つけてあげないといけません。」

 

「………考えただけでも難しそうな話だね。」

 

「カオスの問題も負けていないと思いますけど?」

 

「そっか、

 それもそうだね。

 もしここで俺の目的が達成できたらアローネの同胞探し俺も手伝うよ。」

 

「そうなりますとカオスの方が私に付き合わせているようで心苦しいのですが?」

 

「アローネだけじゃないよ。

 カタスさんのためでもあるんだ。

 だから心配しないで。」

 

「カタスの…。

 それならば仕方ありませんね。

 早速明日からにでも資料探しを始めましょうか。」

 

「あぁ!」

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