テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 騎士を目指す少年カオスは森で騎士クレベストンと出逢い、そこから祖父アルバの過去を知る。

 クレベストンをアルバのもとへと連れていったカオスだが2人はそのまま何処かへ行ってしまう。

 しかしその後2人の不審な行動を訝しく思うがカオスはそのまま眠りについてしまう。


誇り

村のとある???

 

 

 

 

「お前、大丈夫なのか?その傷。」

 

「今は平気ですけど、いずれは…。」

 

「そうか。」

 

「……。」

 

「すまなかったな勝手にいなくなってテキトーな隊長で苦労してたろ?」

 

「いえこうしてご無事な姿を一目見れただけでも私は…、このことをダリントンにも伝えてあげたいです。」

 

「あぁまぁ~、……アイツか。」

 

「隊長が生きていたと知ったらすぐにでも飛んでくるでしょう。私以上に隊長の捜索に力を入れていましたから。」

 

「よせって、その格好を見るに今はお前がお隊長なんだろう?」

 

「ダリントンも別部隊ではありますが同じく隊長職ですよ。」

 

「後続が出世していくなぁ、出世コースから外れた俺としてはもう関係ないがな。」

 

「……隊長。」

 

「何だ?」

 

「もうお戻りになる気はないのですか?」

 

「……。」

 

「隊長がいなくなってからは王都では表面上は平穏ですが裏ではバ(・)ル(・)ツ(・)ィ(・)エ(・)が非道の限りを尽くしていますです。」

 

「そうか…。」

 

「隊長の…、マテオの救世主とまで言われたあなた様さえお戻りになられればバルツィエは」

 

「今さら腰抜けが戻ったところでなんの歯止めになるってんだ?」

 

「隊長は腰抜けなどでは…」

 

「1度失った信頼を回復するのは不可能だ。もうお家騒動で俺に勝つ手段はねぇ。俺の席にゃとっくに誰か座ってんだろ?それに俺は現実に直面して折れたんだよ。」

 

「それでも王都の民はあなたを…。」

 

「最初から救世主なんていなかったんだ。いたのはもてはやされて調子に乗ってずっこけたバカな理想掲げた英雄志願者だ。」

 

「…。」

 

「俺に出来たのは最前線で戦うことだけだったろ?」

 

「私はあなたを尊敬していた。あなたこそがこの世界を救ってくれると。」

 

「こうしてこれから逝ってしまうお前1人さえ救えない俺にか?」

 

「…この世界に足を踏み入れてからはいつか来るものと覚悟しておりました。」

 

「………いつやられたんだ?この辺りにいたんだろ?」

 

「ワクチンは打ったつもりでしたが、どうやら手遅れのようです。少々やつらに使いすぎました。討ち漏らしはないとは思いますが…。」

 

「万が一って場合もあるな。ったく、守り神が死んだと思ったら最悪な悪魔が近くに現れたもんだ。これならドラゴンが来てくれた方がまだマシだぜ。」

 

「ゴホッ!」

 

「!」

 

「…どうやら限界が近いようです隊長。」

 

「そのようだな。介錯は必要か?」

 

「いえ、この場をお借りできるだけでも幸いです。ワザワザ隊長を私の血で危険にさらすこともないでしょう。」

 

「すまないな。」

 

「謝らないでください。私の最期が隊長の下で迎えられること私にとっては光栄です。」

 

「まさかこの部屋の最初の使用者がかつての部下のお前だとはな。」

 

「もしダリントンが訪れたら伝えてもらえますか?」

 

「なんだ?」

 

「私の最期はとても幸せなものだったと。」

 

「俺の口から出せる言葉にしてくれよ。」

 

「そこは譲歩してもらえますか?」

 

 

 

 

 

 

「それじゃあな、クレベストン=ケルク」

 

「短い期間でしたがお世話になりました。

 

アルバート=ディラン・バルツィエ様。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日のカオス宅

 

 

 

「起きろ~カオス。昨日言った手伝いに行ってこい!」

 

 

 

ガツン

 

 

 

「いってぇ~!何すんだクソジジィ!」

 

「お前がいつまでも寝てるからだ。さっさと行ってこい。」

 

「はぁ~い!あれ?クレベストンさんは?」

 

「アイツなら疲れたから休みたいって寝てるぞ。起こしてやんなよ?」

 

 なぁんだ、朝くらいちゃんと挨拶したかったんだけどなぁ。

 

「それじゃぁ行ってきま~す!」

 

 僕はクレベストンさんとまた話がしたかったので早めに手伝いを終わらせるため村長の家に向かった。

 

「……。」

 

 ふと家を出て視線を感じ振り替える。

 

 おじいちゃんが窓から僕を見ていた。

 

 …? 

 

 まぁ、いっか。

 

 僕はそのまま気にせずに歩きだす。

 

 

 

 

 

 

「悪いなカオス。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村長邸宅

 

 

「すみませ~ん!」

 

 村長の家に着いて家の住人を呼ぶ。中から

 

「あれカオスどうしたの?」

 

 ウインドラが出てくる。

 

 ミシガンを期待してたんだが。

 

「ウインドラじゃんか、何してるの?」

 

「何って昨日言ってたろ?村長が何かやるらしいからその手伝いって。ミシガンは畑に行ったよ。」

 

 そういえばそうだった。

 

「んじゃぁ僕と同じだね。」

 

「ってことはカオスも?」

 

「うん、おじいちゃんに言われてさ。」

 

「アルバさんかぁ、なら納得だね。」

 

 アルバさん……か。

 

 昨日はそれが本当の名前じゃないことに驚かされた。

 

 しかも貴族だと言う。どうせ貴族でも大したことなさそうだけど。

 

 

 

 

 そうだ!

 

 

「ねぇウインドラ、昨日ねあの後森に行ったんだよ。」

 

「え?でも昨日はやめとくって。」

 

「なんか急に行きたくなったんだよ。今日はなんかありそうだなー、って思ってさ。」

 

「カオス、あんまり無茶してると本当にケガするよ?」

 

「ごめんって前にも聞いたよそれ。」

 

「その様子見る限りじゃぁ、ケガはしてなさそうだけどどうしたの?」

 

「とくにそういったことは無かったよ。けど代わりに凄いもの発見しちゃったんだ。」

 

「凄いもの?」

 

「ここだけの話なんだけど、本物の騎士様がいたんだ!」

 

「本物の………騎士様!?」

 

「ちょっと、声大きいよ!」

 

 慌てて周囲を確認する。

 

 

 

 

 ………聞いている人はいなさそうだ。僕らは声をひそめながら

 

「………本物の騎士様だよ。鎧って言うの着ててこんな長い剣も持ってた。前におじいちゃんの倉庫で見せたことあるやつに似てるの。」

 

「なんで、こんな村に騎士様が来てたの?」

 

「なんでも人を捜してたら森に迷い込んじゃったみたいで、倒れてたんだ。介抱してあげたんだけどそれで話を聞いてたらビックリ!なんとその捜してた人がおじいちゃんだったんだ。」

 

「アルバさんが?」

 

「そう、だけど最初はなんか話が違ったんだけど、聞いていくうちにおじいちゃんしかいなくてでも名前が違ってて、でおじいちゃんに会わせてみたら、おじいちゃんの名前アルバじゃなかったんだ。」

 

「え?アルバさんがアルバさんじゃない。」

 

「そうなんだよ、なんでもアルバートなんとかバルツィエって名前らしくて平民の出っていってたのにおじいちゃん貴族様だったんだ。」

 

「アルバさんが貴族!?」

 

「僕も最初は驚いたよー。まさかおじいちゃんが僕にいろいろ隠してるなんて思わなかったからさ。もしかしたら昔から聞いてた騎士の話も嘘なんじゃないかと思ったくらいだよ。」

 

「そりゃぁ、そう思うよね。」

 

「でしょ?でもその騎士様クレベストンさんって言うんだけど騎士の話は本当みたいだったよ?そんときは安心したなぁ、」

 

「アルバさんにもいろいろあるんだね。それでアルバさんは何故そんなことを?」

 

「ん?」

 

「どうしてアルバさんは偽名…、というよりそんな愛称みたいな名前を名乗ってたの?」

 

 

 

 訊かれてから僕はその理由をまだおじいちゃんから訊いていないことに気付いた。

 

「訊くの忘れてた…。」

 

 あのときはクレベストンさんとおじいちゃんが本当に知り合いだったことに驚いてたし、おじいちゃんに早く寝ろって催促されてから長くは喋ってなかったな。

 

 クレベストンさんのインパクトが強すぎておじいちゃんにかんじんなことを訊くのが頭から抜けていた。

 

「そこ大事だろ?カオス」

 

「う…、だって昨日はほんとうにいろいろありすぎて優先順位がごちゃごちゃになっちゃってて…。」

 

「帰ったら訊いて教えてくれよ?あとそのクレベストンさんのことも。」

 

「そうするよ。今は手伝いを終わらせることにするか。」

 

 僕はまだおじいちゃんとクレベストンさんの2人がどんな仲だったのかまだよく知らない。

 

 口ぶりからするとおじいちゃんが上司でクレベストンさんが部下みたいな感じだった気がする。

 

 

 

 深く考えても分からないや、後で教えてもらえばいいんだ。

 今は作業を終わらせよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だったんだろうなぁ、今日の仕事。」

 

 終わってみてから今日したことを振り返ると何かおかしい。

 

 ウインドラも呼び出されてたみたいだから2人して待ってたら大人達が集まってきていた。

 

 そのメンバーのほとんどが警備隊の人達だった。

 

 それも恐らくおじいちゃんを除いて村中の全員だと思う。

 

 最近何かを警戒してるって話だったからよほどのことなのだろう。

 

 そして今日やった作業といえば村を囲う塀の補強作業だった。

 

 今まであった塀は大人より少し高いくらいの塀だ。

 質も木材で出来てたし、子供の僕から見てもボアなんかが突進しただけで突発されそうな塀だ。

 不思議とそんなことは今まで1度もなかったが。

 多分殺生石があるからそんなことをするモンスターもいなかったのだろう。

 

 何故今になって塀を補強するのだろうか。

 

 殺生石さえあればモンスターは近寄ってこないという話の筈である。

 むしろ今までの簡易的な塀ですら不要な程に。

 

 あるにこしたことはないがこれから塀を補強するようなことでも起きるというのだろうか。

 

 

 

 僕の村は比較する対象がないので分からないが穏やかな村だと思う。

 

 みんなが畑仕事をして、みんなでお喋りなんかして、帰ってご飯を食べて寝てまた起きる。

 

 そんな日常をずっとずっと続けている。

 

 毎日毎日同じことを繰り返し繰り返し続けている。

 

 

 

 だから今日みたいないつもしない仕事をするのはなんだか新鮮だ。

 

 昨日から僕は新鮮続きだ。

 

 

 

 そう、僕はもしかして近々何か大きな事件でも起きるのかと期待していた。

 

 僕は同じことの繰り返ししかしない村に退屈していたんだ。

 

 

 

 その退屈な時間こそが本当に大切なものだと気付くにはまだ僕は幼すぎたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス宅

 

「ただいま~!」

 

 ……

 

 …あれいないのかな。

 

 出掛けてるみたいだ。

 

 返事がないってことはクレベストンさんもだろう。 

 

 おじいちゃんは大丈夫だと思うけどクレベストンさんは出歩いても大丈夫なのだろうか?

 

 ケガをしていたからモンスターのいる森に行ったとは思えない。

 

 なら村の中?

 

 けど見馴れない人が歩いてたら村のみんなは妖しく思うだろう。

 

 そこにおじいちゃんがいて昔の知り合いだー、とでも言えばみんなは騎士としか思わないんじゃないか?

 

 おじいちゃんのことだからそんな危ないマネはさせないだろうが。

 

 

 

 それにしてもおじいちゃんとクレベストンさんもいないと退屈だなぁ。

 

 せっかく帰ったらおじいちゃんの名前のことや貴族だったときのこととかをクレベストンさんに検証してもらいながら話を訊こうと思ったのに……。

 

 散歩でもしてこようかな。

 

 

 

 退屈解消に外出しようとしたらあるものが目に入る。

 

 

 

 

 昨日貰ったクレベストンさんの剣だった。

 

 

 

「そういえばこれ持ってきちゃってたなぁ。」

 

 昨日クレベストンさんは僕にあげるとは言ってたけど、流石に道案内をしただけでこんな騎士の魂みたいなものを頂いてもいいのだろうか?

 

「ん~、家の中にあってもよごしちゃいそうだなぁ。」

 

 仮に本当に貰えたなら大事にしたい。

 

 僕にとってはこれが初剣となる。

 

 木刀とは違うこの鉄の重みに心の底から込み上げてくるものを感じる。

 

 

 

 やっぱりこれは返そう。

 

 これがないとクレベストンさんはあんな短いナイフだけで帰ることになる。

 

 本当は凄く強いのかもしれないけどそれでもナイフだけでは心許ないだろう。

 

「よし!…とは言ったもののこの剣どこにおこうか。」

 

 大切な預かりものをこんな生活感溢れる空間に置いておいても汚したり最悪壊してしまうかもしれない。

 

 良い置き場を探しているとふと庭の地下倉庫を思い出す。

 

 あそこなら大してものも多くないし、おじいちゃんの剣だって置いてある。

 僕もおじいちゃんもそんなに行くことがないから安全だ。

 

 

 

 よしあそこにしよう!

 

 僕はクレベストンさんから渡された剣を地下倉庫に持っていくことにした。

 

 

 

 

 

 

 庭に出て地下倉庫の前に来る。

 普段は地下に雨水が浸水しないように小屋があってその中にいきなり階段が出てくる。

 たまにこの階段をころげおちるときがある。

 

 

 

 そういえば昨日おじいちゃんとクレベストンさんはこ(・)こ(・)に(・)入(・)っ(・)て(・)い(・)っ(・)た(・)筈(・)だ(・)。

 

 この倉庫の小屋の扉を開けるとき決まって

 

 

 

 

ガチャン!。

 

 

 

 

 この音だ。

 

 昨日聞いた音はこの音である。

 

 昨日は何故か音をたてないように静かな開け方をしていたようだが。

 

 

 

 扉を開けると中から金(・)属(・)で(・)出(・)来(・)た(・)階(・)段(・)が(・)出(・)て(・)く(・)る(・)。(・)

 

 この倉庫はここから部屋まで全部金属で出来ている。

 

 恐らく地下に空間を作るために耐久性を考えて頑丈にしたかったんだろう。

 

 昔おじいちゃんが魔術を使いながら1人で作ったといっていた。

 

 

 僕はクレベストンさんの剣を持って階段を降りる。

 

 

 

 

 結局昨晩は何をしてたんだろうなぁ。

 

 ここに下りてきてから随分長くいたみたいだけどワザワザこんな場所で長話しなくてもいいのに……。

 

 

 

 あっ、今思い出したけどクレベストンさん言ってたな。

 

 この地下倉庫みたいなとこで話がしたいって。だからここに入っていったんだろう。

 

 目的は剣だけじゃなかったみたいだ。

 

 ここで今までを語り合ってたんだな。

 

 長い間離れ離れになってた知り合いだもんね。

 

 

 

 

 

 

 そうして考えているうちに目的の倉庫の空間に辿り着くが様子がいつもと違うことに疑問を覚える。

 

 

 

 何でおじいちゃんは剣を部屋の外に出してるんだろう。

 

 これも目的の1つの筈だ。

 

 一目見てから語り合ううちに邪魔になったのだろうか?

 

 中にはこの剣以外には何もない広い空間だというのに。

 

 

 

 昨日はあれからクレベストンさんを見ていない。

 

 おじいちゃんは寝ているから起こすなと言っていたが今になって思えば、何処で寝ていたのだろうか?

 

 家のなかにはいなかった気がする。

 

 とするとこの中だ。

 

 ここにこうして剣が置いてあるのも中で寝るためにどかしているだけとかそんな理由からか。

 

 仮にそうだとしたら家から近いようでこの遠い空間で1人でか?

 

 布団とかも中にはなかった筈だ。

 

 ここにいるのかは定かでは……いや、これを見ればここにいるとしか考えられない。

 

 確信を持って言える。

 

 

 

 

 

 

 クレベストンさんはこの中にいる。

 

 

 

 

 

 

 この倉庫の扉は室内含めてとても硬い金属を使っていて扉自体も何故そこまでして作ったのか分からないような厚みをしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 今その扉の取っ手に何重にも重ねた鎖が巻き付いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この扉は押して中に入るタイプのものである。その取っ手に鎖が巻きついて、扉の壁のフックに繋がっている。

 

 これでは中に人がいた場合、閉じ込められて出られない。

 

 

 魔術もダメだ。この扉は火の魔術で加工してあるので扉を熱せれば扉は溶かせるだろうがそれは解放してある状態でのことだ。

 

 このスキマ1つない空間の内側で火の魔法を使ったら一気に酸素がなくなってしまう。

 

 使わなくても時間の問題でもある。いずれ酸欠になって最悪の事態になる。

 

 

 

 こんな鎖は今まで見たことがない。

 

 そこのフックですらこんな使い方だと初めて知った。

 

 もう中に誰かがいるとしか思えない。

 

 ……何だか怖くなってきてる。

 

 

 昨夜の語らいで何かがあったのだ。

 

 クレベストンさんとおじいちゃんとの間に大きな何かが。

 

 普段はものぐさだけどやるときはやるおじいちゃんで怒ったりするのもたまにある程度だけど、まさかここまでするとは思わなかった。

 

 一体何があったのだろうか?

 

 紳士的な人に見えたがおじいちゃんの逆鱗に触れるような何かを言ってしまったか。

 

 

 

 

 

 ……中を見てみよう。

 

 そうすれば真実が見えてくる。

 

 

 

 

 

 

 僕は鎖を外す。

 

 随分と長い鎖だ。

 

 ここまでする必要があるのだろうか?

 

 中にいる人が閉じ込められてからどれだけ時間がたったのか分からないがこんなところにいたら肉体的にも精神的にも死んでしまう。

 

 鎖を外し終わる。

 

 そして扉を開けようとして体が固まる。

 

 

 

 

 

 

 閉じ込めていたということはこれを開けてしまってもいいのだろうか?

 

 いくらおじいちゃんでも怒ったくらいで人を閉じ込めるのだろうか?

 

 本当は中にクレベストンさんはいなくて別の何かをここに閉じ込めていただけなのかもしれない。

 

 きっと今頃どこかでおじいちゃんとまた話でもしてるんだろう。

 

 自分はただ考えすぎてただけで扉を開けてみれば何てことはない肩透かしをくらうだけだろう。

 

 

 

 

 

 僕はそう自分に言い聞かせてこの正体の分からない恐怖を振り払おうとした。

 

 この扉の向こうには最悪の事態なんておこってない。

 

 あるのは森で捕まえた珍しいモンスターかなにかだろう。

 

 鎖までかけて扉を閉めていたのはおじいちゃんとクレベストンさんが2人がかりで捕まえて運んだからだろう!

 

 と、次々とそれらしい理由を考えて。

 

 

 

 

 

 

 

 

ギギィ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 重苦しい空気に鈍い音が響いて扉を開ける。

 

 そこで僕が見たものは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 胸から血を流して死んでいるクレベストンさんだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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