テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしている。

 カタスティアの好意で使わせてもらっている書庫でアローネの過去の姿を知る。

 そこでマテオの建国にウルゴスの民が関わっていることを疑う。


衝突する剣

王都レサリナス 東北部 カーラーン教会 地下倉庫

 

 

 

コンコンッ

 

 

 

「はぁーい?」

 

 

 

「お忙しいところ失礼します。」ガチャッ

 

 

 

「?

 牧師さん、どうしました?」

 

 

 

「今教会の入り口に騎士ウインドラ様という方が来られてましてカオス様をお呼びです。」

 

「「「!!」」」

 

「ウインドラ……!」

 

「カオスの友人の方ですね…。

 何しに来たのでしょうか…?」

 

「これだけの騒ぎを起こしたのにカオスさんを呼び出すなんて何を考えているか…。」

 

「………ウインドラは悪くないよ。

 俺が恨まれているのも仕方ないんだ。

 アイツがしたことは俺の自業自得なんだよ。」

 

「…ですが。」

 

「…牧師さん、ウインドラは何て言って来たんですか?」

 

「ウインドラ様はカオス様とお話がしたいそうです。

 先程のご様子ですと剣などの武器はお持ちではないようでしたよ?

 お一人で来られました。」

 

「そうですか…。

 ………俺ちょっと行ってくる。

 二人はここで待ってて。」

 

「カオスさん!

 これは罠ですよ!

 行ってはいけません!」

 

「そうです!

 またこの間のような目にあわされるかもしれませんよ!?」

 

「分かってるよ。

 けどウインドラが会いに来たのなら行かなくちゃいけないんだ。」

 

「どうして!?」

 

「それが俺のミストの人達に対する贖罪………というほどのものではないけど、俺はミストの人からは逃げちゃいけないんだ。

 ウインドラが呼んでるなら応じないと。」

 

「また同じ目にあわされるかもしれませんよ!?

 それでもいいんですか!?」

 

「ここで会わなかったらウインドラ………騎士団は俺を捕まえるためにこの教会の中まで乗り込んでくるかもしれない。

 そうなったら匿ってもらってるここの人達にも迷惑がかかるよ。」

 ウインドラにはもうここにいることが知られてるんだ。

 犯罪者なんかに肩入れしてるのがおおやけになったらカタスさん達もどうなるか分からない。」

 

「カタスに………。」

 

「ですがカオスさんが捕まってしまうかもしれませんよ?

 カタスさんが帰ってきたときになんて言うか…。」

 

「大丈夫だよ。

 ウインドラは話をしに来たんだろ?

 明日は例の開戦で騎士団も忙しかったみたいだし今日一人で来たんなら直ぐに捕まるなんてことはないと思う。」

 

「ではこのタイミングで何しに…?」

 

「ウインドラはどうもこの街に俺がいるのが目障りらしいんだ。

 だからそのことで話があるんじゃないかな。」

 

「わざわざ明日の行事の前にですか?」

 

「昨日の今日知られたばかりだからね。

 不安の芽はなくしておきたいとかじゃない?

 ………とにかく行ってみるよ。」

 

「………お気をつけて。」

 

「ボクが一緒について行きましょうか?」

 

「いや、アイツは俺だけを呼んでるんだ。

 二人じゃないと話せないことなのかも。

 それにあっちが一人なのにこっちが二人なんて話しづらいだろ。」

 

「では影から何かあったときのために見張っておきます。」

 

「本当にいいって。

 二人は俺が帰ってくるのを待ってて。

 じゃあ行ってくる。」ザッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 東北部 カーラーン教会前 夜

 

 

 

「「………」」

 

 

 

「……………来い。

 ここでは人目につく。」

 

 

 

「………分かった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 城東 騎士団修練場

 

 

 

「………ここは?」

 

 

 

「ここは騎士団が日頃訓練する場だ。

 寄宿舎も近くにある。」

 

 

 

「…!

 ってことは…!」

 

 

 

「安心しろ。

 今日は俺以外は来ないことになっている。」

 

 

 

「………そう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カオス、今すぐこの街から出ていけ。」

 

 

 

「………やっぱりその件か。

 この間も言ったけど俺はまだこの王都でやることがあるんだ。

 今出ていく訳にはいかない。」

 

 

 

「この街にいる限り俺はお前を見逃すことはないぞ?

 それでもか?」

 

 

 

「それでもだ。

 俺は殺生石に力を返さなくちゃいけないんだ。

 その返す方法が見つからないと分かるまでこの街からは出られない。」

 

 

 

「俺に負い目のあるお前への命令でもか?」

 

 

 

「あぁ、

 今はな。

 ………今は少しだけ待っててくれないか?

 殺生石に力を返す方法がないと分かれば直ぐにでもここを引き上げるよ。

 それまで「それでは駄目だ。」」

 

 

 

「お前が一秒でもこの街にいることは許さない。

 即刻消えてもらいたい。」

 

 

 

「ウインドラ………

 ………俺が見えなくても近くにいること事態許してくれないんだね。」

 

 

 

「そうだ、

 お前がこの街にいては俺も気が散って作戦に集中出来ない。

 明日の朝までには出ていってくれないか?」

 

 

 

「………悪い………。」

 

 

 

「………」

 

 

 

「俺は………

 どうしても殺生石の手懸かりだけでも見付けなきゃならないんだ。

 可能性が少しでもあるならそれにかけたい。

 例え君に嫌われようとも…。」

 

 

 

「どうあっても曲げないか?

 それを。」

 

 

 

「どうあっても曲げることは出来ない。

 それが俺の出来るミストへの償いの最初の一歩だから…。」

 

 

 

「そうか………。

 なら致し方ない。」ザッ

 

 

 

「…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「言って聞かないなら俺が直接叩き出してやろう。」チャキッ

 

 

 

「………武器を持ってなかったから話し合いだけだと思ったんだけどここに置いてから教会に来たんだね。」

 

 

 

「当たり前だ。

 剣を持っていけばお前が誘いに乗ってこない可能性があるからな。」

 

 

 

「そんな用意しなくても俺は君からは逃げないよ。」

 

 

 

「どうだかな。

 ミストから逃げ出したお前のことだ。

 元ミストの俺からも逃げ出していたかもしれん。」

 

 

 

「こうしてついてきたじゃないか。」

 

 

 

「そうだな。

 その点は俺の作戦通りかそれか…、

 

 

 

 お前が昔のまま成長しないお人好しの馬鹿だったかだな!!」ブンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガキィィィィンッ………!!!

 

 

 

「結局君とはこうなるんだな………。」

 

 

 

「十年ぶりに剣を合わせるんだ。

 お互いどれだけ腕を上げたのか確かめてみようじゃないか。」

 

 

 

キィィンッ…………!

 

 

 

「こんな形で君と剣は合わせたくなかったよ。」

 

 

 

「お前が素直にミストへ帰っておけば俺も剣を抜くことはなかったがな。」

 

 

 

「言っただろ。

 帰れないって…!」スッ

 

 

 

「…!」ブンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィィンッ…!

 

 

 

「…飛葉翻歩か。

 お前もバルツィエの血筋なだけはある…。」

 

 

 

「凄いね。

 修得して日は浅いけどこれ初見を止められたのは初めてだ。

 そう軽々と対応出来る技じゃないと思うんだけどな。」

 

 

 

「ここを何処だと思っている。

 バルツィエの総本山だぞ?

 そんな技は日頃奴等の悪行を観察していれば嫌でも目が馴れる!」ザンッ!

 

 

 

「クッ…!?」スッ…

 

 

 

 

 

 

「………逃げるのが上手いな。

 その技を覚えてから余計に臆病さに拍車がかかったんじゃないか?」

 

 

 

「そうだね。

 俺はずっと逃げてきた。

 ミストの人からも………

 君からも………

 でも!」タッ

 

 

 

キィィィィンッ………!

 

 

 

「………君はどうなんだ!」

 

 

 

「何がだ?」

 

 

 

「…確かに俺はあの日村の人が怖くなって村から逃げ出した。

 それでも村の人達を守るため村の外から戦ってきた。

 それが最善だったとは言わない。

 もっと他に償いの仕方はあっただろう。

 けど!

 ミストの人に!

 ミシガンに何も告げずにいなくなった君はどうなんだ!!

 君こそ自分のことに決着も付けられずに逃げ出した腰抜けなんじゃないか!?」

 

 

 

「…!」

 

 

 

「泣いていたんだぞ!?

 ミシガンがッ!!

 ウインドラを探しても探しても見つからなくてッ!

 森で死んだか!

 もしくは自分のことが嫌いになって何処かに行ったんじゃないかって!!

 何度も俺の所に来たッ!

 一人でずっとだッ!!」

 

 

 

「………」

 

 

 

「俺にはもう家族は一人もいない…。

 いるのはこの国の人達から嫌われる親戚連中だけだ。

 …君は違うだろ?

 君はお父さんがいなくなっても村長やミシガンがいた。

 一緒にいてくれる家族がいた。

 支えあって生きてく家族が…。

 それを…、

 お前は裏切ったんだッ!!」

 

 

 

「お前が俺を責めるのかッ!?

 村にヴェノムを招きあの日全てを破壊したお前がッ!!?」

 

 

 

「責めるさッ!

 これだってミシガンへの償いなんだッ!!」

 

 

 

「…!?」

 

 

 

「お前が俺のせいで出ていったんなら俺はお前をミシガンの所へ殴り倒してでも連れていって謝らせないといけない!

 

 

 ウインドラッ!

 これで俺が負けたら大人しく捕まるなり出ていくなりしてやるさ。

 ただし!

 俺が勝ったらお前を引き摺ってでもミストへと連れ帰る!」

 

 

 

「俺をあの村へと連れ帰るだと?」

 

 

 

「そうだ!

 そしてお前をミシガンの元へ連れていく!

 そこでお前はミシガンに謝罪するんだ!

 長い間家出して御免なさいってな!」

 

 

 

「何が家出だ!

 俺はあの村を捨てたッ!

 あの村に俺の帰る家などないッ!

 この俺に全てを押し付け!

 縛り付け!

 自由を奪うような一人じゃ守ってもらうしかない女のいる家などッ!!」

 

 

 

「ミシガンのことをそういう風にしか見てなかったんなら益々お前を連れて帰りたくなった…。

 昔のままの記憶しかないお前に今の彼女を見せてあげたいよ!」

 

 

 

「要らん気遣いだ!

 俺があの女の元へ戻ることなどないッ!」

 

 

 

「だったら無理矢理にでも帰らせるまでだッ!

 今のお前がそうしているように!」ブンッ

 

 

 

「甘いッ!」ガツッ!

 

 

 

「!」

 

 

 

「この十年で力を付けたのはお前だけじゃない…。

 俺は誰にも敗けぬようにここへと来たんだ。

 俺を連れ帰るなどとほざいているがこの程度では勝ちを譲ることは出来んな。」

 

 

 

「もともと譲る気なんてないだろうが。

 全力で撃って来てるのが剣から伝わって来るぞ?」

 

 

 

「それはお前にも言えることだ。」

 

 

 

「敗けられない理由があるからな。」

 

 

 

「………ここらで昔話は勝敗が決するまでお預けといこうか。

 今はそんな話よりも目の前の敵に集中するとしよう。」

 

 

 

「まだまだ言いたいことはあるんだけどな。」

 

 

 

「それはお前を倒した後に聞いてやろう。」

 

 

 

「聞いてくれるのは有り難いけどその勝敗は間違ってるぞ。

 …この勝負、

 勝つのは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「この俺だッ!!」」

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