テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カーラーン教会にてウインドラに呼び出されたカオスは一人でついていくことに。
そこで話は拗れ戦闘になる…。
王都レサリナス 東北部 カーラーン教会
「カオスは大丈夫でしょうか…?」
「…なんとも言えませんね。
この間はあんな目にあわされたのにのことことついていくなんて…。」
「……少し前はなんだか心ここにあらずな感じでしたのがようやく戻ったと思ったのに…。」
「ボクがやっぱりついていけばよかったです…。」
「いえ、私達がここから離れますとそれこそこの間のような事態になった場合カオスの逃亡の足手まといになります。
………今はここでお待ちしましょう。」
「分かりました…。」
「…きっと大丈夫ですよね。
カオスはウインドラさんと話をするだけと仰っていましたから直ぐに戻ってきますよ。」
「………話し合いから拗れて争い事になってなければよいのですが………。」
王都レサリナス 城東 騎士団修練場 夜
キンッ!
キンッ!
キィィィンッッッ……!!
「………あれからウインドラ、
大分強くなったね。」ググッ…
「それはお前にも言えることだ。
村一番の出来損ないがこの俺に追い付くとは生意気な奴だ。」ググッ…
「…やっぱりそう思ってたか。
ヘヘッ…。」
「何がおかしい?」
「そんな風に馬鹿にされることは昔からしょっちゅうだったし悔しい気持ちはあるよ。
…だけど!」
キンッ!
「…!」サッ
ガスッ…!
「………」ツー
「ずっと下から眺めていた人達に追い付くってのは嬉しいものだね。」
「………言うようになったな。
だが!」タタッ
「!」
「『落雷よ、我が手となりて敵を撃ち払え!ライトニング!』」パァァッ…
ピシャァッ……!!
「…!」バンッ
「手数が剣術とその足しかないのなら勝機は俺の方にある。」バッ
「………何だよその盾?」
「お前相手に剣術勝負じゃ埒が明かないようだからな。
俺は俺の武器でやらせてもらう。」
「その盾で戦うようになったの?
けどそれでどうやって攻撃を…?」
「こうするんだよ。」スチャッ
シュッ…!
「…!?」バッ…
「…外したか。」
「………盾から槍が出るようになってるのか。
攻守一体の武器ってこと?」
「そうだ。
俺は王都に来てからこのガードスピアを手に入れた。
これこそが俺のスタイルに最も適合した武器だ。」
「………何が臆病さに拍車がかかるだ。
そんな槍で遠くから突ついて盾に守られて…。
チキンさに研きがかかってるのはお前じゃないか?」
「そう思うのならお前はこの武器の性能を理解してはいないようだ。」
「そんな受け身主体そうな武器に何があるって…「瞬迅槍!」」ズアッ…!!
「…ぉおッ!?」ガッ…!
「…よく防げたな。
この槍は見ての通り矛先の後ろについた盾で敵の攻撃を防ぐと同時に攻撃が出来る。
俺一人で特攻が仕掛けられるようになっているんだ。」
「その武器だけで単身で挑めるってことか。
臆病さからその武器を選んだんじゃないんだな。」
「当然だ。
これは対バルツィエ用に俺が編み出した武具だ。
この武器は更に…。
旋月刃ッ!」ブンッ
「よっと…!」バッ
「このように盾という硬い重りを持つことで槍の弱点である懐へ入られても押し返すことも出来る。
この武器に死角はない。」
「そうかよ、だったら…
魔神剣・槍破!!」ザザザザザッ!
「…!!」ガガガガッ!!
「こんな風に後ろに入られたらッ!」スッ
「神月烈破ッ!」ドスッ…!
「グアッ…ッハ!?」ガクッ…。
「死角はないと言った…。
この先端の重い槍を振り回している時点で気付かなかったか?
この槍は重心のバランスをとるために持ち手の石突きも重くしてある。
重みは立派な武器だ。
背後をとられたところでこの槍の脅威からは逃げられん。」
「………フゥ、
突進するだけじゃないんだな。」
「特攻をかけるのなら敵に背後を狙われることなども想定しなければな。
そういう点ではお前はまんまと策に嵌まったわけだ。
教科書のお手本そのままに向かってきてくれていい練習台だ。」
「………さっきからいちいち細かいとこまで気を回した戦い方をするなぁ。
そんなに攻撃されることが怖いのか?」
「逆に訊くが攻撃を受けないよう守りながら戦うというのは間違いなのか?
敵の攻撃を喰らい続ければいつかは倒されるぞ。」
「そっちばかり守りながら攻撃を仕掛けてくるなんてフェアじゃないと思うんだけどなぁ。」
「お得意の騎士道精神か…。
それを言うならお前の親戚なんかはどうなってる?」
「………」
「この王都まで来れば嫌でも耳に入るだろう。
バルツィエがこの国でどういう奴等なのか。
奴等は権力を盾に従わない市民、市民、非統治の村を一方的に焼き払い全てを奪っていくクズ共の集団だ。
そんな奴等に比べれば俺の盾なんてまだ赦される方だろ?」
「…俺はアイツらとは違う!」
「そうだな。
お前は奴等とは違う。
騎士道精神をモンスター相手にも持ち出して一対一の勝負を挑むような愚か者のお前とはな。」
「…嬉しくないフォローをありがとう…。」
「フォローしたつもりはないが?」
「それでも卑怯者扱いされないだけまだマシさ。」
「負け犬根性にかけては本当に一級品だな。」
「そういう人生を歩んできたからな。」
「それならばなおのこと聞いておきたいことがある。」
「何をだ?」
「お前はその力、
何故手放そうとする?」
「!」
「お前は昔あの村で悲惨な時間を過ごした。
周りからは馬鹿にされ蔑まれ辱しめられそして力を手に入れた途端に忌み嫌われた…。
俺がお前の立場ならあんなクソな村の連中に義理立てなどせずにその力を俺の物として出ていっただろう。
…その力はずっとお前が誰よりも喉から手が出るほどに欲していた力なんじゃないのか?」
「………」
「ようやく人として一人前に慣れたというのにお前はそのヴェノムすら打ち払う力を手放していいのか?
お前が今まで受けてきた苦痛を思えばそれを我が物としてしまってもいいんじゃないか?」
「………何なんだよさっきから。
俺のことが憎いのかそうじゃないのか全然分からないぞ!?
お前は俺にどうしてほしいんだ!?」
「お前は………
その力で世界をとろうとは思わないか?」
「………はぁ?」
「別にふざけて言っているんじゃない。
至極真面目な話だ。
このヴェノムが蔓延している世界、
最終的に世界を手にするのは奴等に対抗する術を持つものだ。
その点ではお前はその候補と言えよう。
お前はその力で世界を救ってみる気はないか?」
「急にスケールが大きくなったな。
俺がこの力で守りたいのはミストの人達だよ。
もともとはあの村を守る力なんだから。」
「なら世界ごとミストを救えばいいだろう?」
「そんな大それたこと夢見る程子供のつもりはないよ。
ここまでで沢山失敗してきたんだ。
俺一人が力を使ったところで出来ることなんて本の些細なことだけだ。」
「あれほどの力を内包していて使う気はないということだな?」
「俺を何かに利用しようとしてるみたいだけど残念ながら俺はこの力を一人ではコントロール出来ないんだ。
そんな不確かな状態で宛にされてもお前達騎士団の邪魔になるだけだよ。」
「………お前の意思はよく分かった。
お前はどうあってもミストの奴等のことだけにしか動かないんだな。」
「人の出来ることには限界がある。
いくら強大な力を持ったところで俺一人では世界なんて救えないさ。
俺は自分という存在を理解している。」
「もしお前が動くというのなら民衆が味方につくかもしれんのだぞ?」
「不確定なことに巻き込むなんて出来ないさ。
そういうことは確実に出来ると分かってからおこさないと。」
「目の前で民や大事な仲間がバルツィエに襲われたとしたらお前は助けないのか?」
「そんなことがこれからおこるのか?」
「可能性はある。」
「………その時はその時になってみないと分からない。」
「そうか…。
また無駄話が過ぎたな。
そろそろケリをつけるぞ。」
「…何するつもりだ?」
「さっきまでの斬り合いでお前の動きは十分に馴れた。
昔から癖がそのままだな。」
「早いな。
こっちもお前の槍のスピードを掴んできたところだよ。」
「………ではこれはどうだ?」スゥゥゥ………
パァァァァァッ………!
「!!?」