テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ウインドラに監禁されてからカオスは丁度王都を訪れていたレイディーとミシガンに助け出される。
そして運命の日が始まる…。
王都レサリナス 北部 城前広場 アローネサイド
ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ………
「済まぬ!
お二人!
サタン殿は見付けられなかったでござるぅ…!」
「気にしないで下さい。
私達も頼りきりになってしまったので…。」
「この時間まで現れないってことは確実にトラブルに巻き込まれてますね。」
「そうでなければいいのござるが…。
何分サタン殿はカオス様にお顔がそっくりでござるからして、
バルツィエにでも因縁付けられてはいないか心配でござる!」
「「………」」
「先日のカオス様騒動ではバルツィエの一人が市民に向けて攻撃を仕掛けるなんて事件もござったので尚更怪我でもして動けないでいるのかが気にかかりますなぁ…。」
「バルツィエが攻撃を?」
「何でもバルツィエの敷地近くで騒がしくしていただけで攻撃されたらしいでござるよ。」
「その攻撃された方々はどうなったのですか?」
「…バルツィエの攻撃は一般人にはとても耐えられるようなものではないのでその者共は…」
「…酷い…。
そのバルツィエの方は何も処罰はされなかったのですか!?」
「残念ながらこの国はバルツィエが権力を握っている所以、
その程度のことなら風に流されてしまうのでござる。」
「そんなことって…。」
「この国ではそれが当たり前のように通っているのでござるよ。
バルツィエはそれほどまでに力を持ってしまった一団でござる。
王様ですらバルツィエのものであるからして。」
「そんな国は間違っています!
国の物事を一つの家だけでいいように動かしていい筈がありません!」
「そうは申されてもバルツィエに意見して無事だった者などおらんのでござる。」
「ではサタンは………
そんな方々が上にいる騎士団に襲われてしまったかもしれないのですね………。」
「まだそうと決まった訳ではないですよ。」
「どういった経緯でサタン殿が行方不明になったかは存じ上げませぬがまだ希望を捨てることはないでござる!
今日こそアルバート様が腐れ切ったバルツィエに裁きの鉄槌を下してくださるでござる!」
「それこそ確証のない願望だと思いますけど………。」
「カオスは………トーマスさんの仰るような登場はしませんよね?」
「それはないでしょう…。
こんな公の場で登場なんかしたらカタスさんに匿ってもらっている意味がありませんから…。」
王都レサリナス 城東 騎士団修練場
「ん?」
「どうした?」
「あそこ空いてねぇか?」
「あそこ?
………本当だ。
誰か中にいるんじゃないか?」
「そうだな。
ちっと見てくるわ。」
ガチャッ
「?
誰もいねぇぞ?」
「じゃあ誰か閉め忘れてったんだな。
ったく、鍵くらい閉めてけっての。」
「だよな。
………後で鍵借りてくッか。」
「そうしろ。
そろそろ式が始まるぞ。
先に行っとくからな。」
「待て待て。
俺も行くっての。」
王都レサリナス 城西 研究所 カオスサイド
ガチャリッ!
「おーし、前のまんまの暗証番号で助かるぜ。
おら、入るぞ?」
「アンタここ辞めたって言ってたのに入っていいの?」
「気にすんな、
ちょっと忘れ物を取りに来ただけだよ。
そのくらい許してくれんだろ?」
「忘れ物…。
ならいいんじゃない…?
ダメかな?」
「いいんだっての。
だいたいセキュリティを定期的に変えねぇここのバカタンがいけねぇんだよ。
そうしねぇからアタシみたいな忘れ物取りに来た奴が出てくるんだよ。」
「忘れ物って本当に忘れ物なの?」
「あぁ、
前に貰う筈だったワクチンを貰い忘れててな。
手持ちも少ねぇしその時の分をこうしてきっちり貰いに来たんだよ。
利子つけてな。」
「それって…
要は勝手に持っていくってことじゃないの?」
「そう思うんなら別に降りてもいいぜ?
アタシは一人の方が動きやすいしな。」
「ここまで来た以上私もやるわよ。」
「そりゃそうだよな。
なんせ後から入るところにはもっとすげぇ忘れ物があるんだからな。」
「素直に泥棒しに行くって言いなさいよ。」
「シィー!
どこで誰が聞いてるか分からねぇんだからこんなとこで泥棒なんて言うなよ。
アタシ達はアタシ達の忘れ物を取りに来たって体を装おっときゃいいんだよ。」
「そんなの、なんか泥棒される側が不公平だわ。
泥棒をするなら堂々とするって言わないと。」
「どこの世界に泥棒を公言する奴がいるんだ!?」
「………どうしてこうなった。」
王都レサリナス 城東 騎士団修練場物置小屋 少し前
「!?」
「んあ!?
………お前は?
こんな所で何してやがんだ………?」
「!
その声は………レイディーさん!?」
「よう、久し振りだな。
そっちは………新しい趣味の真っ最中か?」
「そんな訳ないでしょう!?
捕まってるんですよ!
騎士団に!」
「そうみたいだな。
でも何でこんなとこに放置されてんだ?
ここは騎士団が物置に使ってる小屋だぞ?」
「それは………。」
「まぁ、大方坊やのことだから入ったはいいが中にいることに気付かれずに鍵かけられて出られなくなったって落ちか?」
「捕まったって言ってるじゃないですか!?
そんな子供みたいなことしませんよ!」
「そんくらいその有り様を見りゃ分かるって冗談だよ。」
「まったく………。」
「中に誰かいるの?」
「え………?
ミッ、ミシガン!?」
「え!?
カオス!?」
「なっ、何でミシガンがここにッ!?」
「こっちのセリフよ!」
「おうおうおう!
坊やこの野郎!
よくもアタシにこんなじゃじゃ馬当て付けしてくれやがったな!
おかげでアタシはあの村からここまで大変だったんだぞ!?」
「誰がじゃじゃ馬よ!?」
「お前だよお前!」
「人をじゃじゃ馬呼ばわりする悪い口はこの口かァァァッ!!」ガッ
「ぐおぉぉぉっ!!?」メキメキッ
「…相変わらず痛そうな技だね。」
「それで?
何でカオスはこんなところにいたの?
それも一人で。
アローネさんはどうしたの?」
「…一先ずここを離れない?
落ち着いた場所で話すよ。」
「それもそうね。」
「オオォォッ!?」バシバシ
「いい加減離してあげなよ…。」
王都レサリナス 城西 研究所 カオスサイド現在
「で?
坊やは何で一人で捕まってたんだ?」
「そうだよ。
何があったの?」
「そのことについて話す前に二人は何で自然にここに入ったの?
落ち着ける場所でって言ったよね?」
「あぁん?
んなもんここに用事があるからに決まってんだろ?
さっきの話の流れで分かれ!」
「いや、何となく分かってはいるんですけど…。」
「私達はこれからここにあるワクチンってのを取りににいくんだよ。」
「ふぅ~ん、
盗りにね…。」
「何か含みのある言い方だな。
誰のおかげで自由になれたと思ってんだ?」
「それは…、
助かりましたけど…。」
「そう思うんなら坊やもキリキリ働け。
とにかくあるだけかっぱらうぞ。」
「盗みに加担するのはちょっと…。」
「今更罪状が一つ増えたくれぇ気にするなよ。
大物賞金首が。」
「うぐっ…!?」
「そう!
それだよカオス!!
どうなってるの!?
旧ミストで騎士団のちょい邪魔した程度でどれだけ大事になってるのよ!?
また何か悪いことでもしたの!?」
「したような、しなかったようなぁ~かな…。」
「何それ!?」
「あの手配書見たんならあれが相当おかしなこと書かれてるって分かるだろ?
俺達が何かする前にもうあの手配書はあの額だったんだよ。」
「ん?俺?」
「…そこはつっこんでほしくないかなぁ。」
「まぁ、いいわ。
なんか妙にかっこつけだしたのはともかくアンタがこの国でとんでもなく注目を集めてる人物だと言うのもここまでの道中で知ってるから!」
「………ミシガンの方は何で村を出たの?
ってか出てよかったの?」
「………いいのよ。
私のことは。」
「…村長に許可取ってないのか!?」
「取れるわけないでしょ!?
アンタを連れ戻しに行こうだなんて言ったって反対されるだけだし!!」
「そりゃそうだろ!
俺はあの村では追放者なんだから!!」
「そんなのアンタが勝手にそう振る舞ってるだけじゃない!」
「そうするしかないだろ!?」
「そう考えてるのはアンタだけよ!」
パンッ!!
「「!!?」」
「………落ち着けお前ら。
ここで言い争ってると人が来ちまうだろうが。」
「「スッ、スミマセン…。」」
「話は後だ。
とにかくここでの目的を果たしてから外で続きをしろ。
今は政でここも手薄になってんだ。
旧交を温めるのはサクッと仕事を終わらせてからだ。」