テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしていた。

 開戦式にて突如始まったウインドラとバルツィエ、ラーゲッツとの戦いでウインドラは勝利するが…。


ウインドラの限界

王都レサリナス 北部 城前広場 ウインドラサイド

 

 

 

「このぉッ………!!

 足を退けやがれッ!!

 フェデール!!」

 

「ん~?

 どうしよっかぁ…。

 無謀にも一人で粋がったウインドラ君にはこの先は必要かな?

 君がその特殊な魔力をどうやって手にしたかは気になるけど所詮はラーゲッツを殺すだけで手一杯みたいだしなぁ。」

 

「貴様らバルツィエはそういって何もかもを斬り殺すのか!!

 アルバさんは…!!

 アルバート=ディランは貴様らがそんなだから………!!」

 

「おぉ?

 ここでその名前出しちゃうの?

 いいのかなぁ。

 そんなこと言って…。

 君のその剣術はアルバートから直接学んだんだろ?

 道理で君の動きがバルツィエのものに近いわけだ。」

 

「アルバート=ディランは貴様らの暴虐を決して許しは「許さないとどうなるの?」!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「許さなかったからってどうにも出来ないんだろ?

 ほらほら皆に教えてやんなよ。

 君の義理のお父さんがどうなったかをさ。

 皆そこが気になってるんだよ?」

 

 

 

「!!

 フェデール何を!!?」

 

 

 

「正直に言いなよ。

 この場にアルバートじゃなくて君が来たことで察しはついてる奴もいるだろうさ。

 アルバート=ディランが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もうこの世にはいないってことをさ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 北部 城前広場 アローネサイド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アルバート様がいない………?」

 

 

 

「いない………、

 死んだってことか………?」

 

 

 

「アルバート様が………?」

 

 

 

「嘘だろ………?

 あの人が………。」

 

 

 

「俺達を残して………

 死んだ………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………何だか街の方達の様子が…。」

 

「どうしたのでしょうか?

 アルバート=ディランは元々そういう話だったのでは…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 北部 城前広場 ウインドラサイド

 

 

 

「見てごらんよアイツら。

 すっかり覇気が無くなっちゃったね。

 君達が希望を持たすようなことをするからあんなことになっちゃったんだよ?

 どうするのあれ。」

 

 

 

「フェデール!!

 お前はなんてことを!!」グググッ!

 

 

 

「何ってこれがお前達の作戦だったんだろ?

 潰すのは当たり前じゃないか。

 『アルバート=ディラン生存説の後押し』

 あれほどの男がそう簡単に死ぬ訳がない。

 きっとまだ何処かで生きている。

 だがそれを肯定する材料がない。

 ならそれを用意すればいい。

 それを用意すれば俺達バルツィエに反感を持つ連中を焚き付けて共にバルツィエを倒す為に立ち上がってくれる筈だ。

 数を集めればバルツィエにだって敵うだろう多分、

 ってね。

 

 残念だったねこうなって。

 このゲームは俺達の勝ちだ。

 後はバルツィエのワンサイドゲームにしかならないよ。

 君達の作戦は見事バルツィエ組が打ち砕いたってことだ。」

 

 

 

「畜生!!

 ここまで来て………!!」

 

 

 

「ここまで来てなんなのさ?

 バルツィエには俺を始めユーラスやダイン、ランドール、アレックス………

 他にも俺達の側にはセバスチャンとかもついてる。

 君一人じゃ到底捌ききれない猛者がゴロゴロいるんだ。

 ここで嘆いたところでいつか同じ結果が待ち受けてただけさ。

 早めに次に進めて良かったじゃない?

 次をやる機会はもうないけどね。」

 

 

 

「おのれぇ………!!」

 

 

 

「まぁ、君達が早めにことを起こしてくれてよかったよ。

 これからダレイオスを攻め込む前に国内の反乱者を清掃できて。

 おかげでダレイオスに勝利した後に控えている『世界統合計画』がやり易くてすむ。」

 

 

 

「何が世界統合計画だ!!

 そんなものはただの自分達を神格化してその他の人々をバルツィエに隷属させるだけのただの妄言だ!!

 そんなお前達に都合のいい世界を本当に作るつもりなのか!!」

 

 

 

「作るつもりなのかと聞かれたら作るつもりだけどそれがなにか?」

 

 

 

「!?」

 

 

 

「………この世界を手にするのは最終的に力を持つものだけさ。

 俺達にはその力がある。

 それを実行に移すのに何のためらいがある?

 お前達劣等種だって俺達が他国を侵略するとき喜んで戦場に送るじゃないか。

 行って帰ってくるか分からない場所へとね。

 そんな場所にお前達を代表して行ってやってるんだ。

 多少権力の幅を広げても文句は言わせないよ?

 それにこの国が今まで平和だったのも俺達のおかげなんだ。

 俺達がいなかったら今頃マテオはヴェノムに支配されていただろうに。」

 

 

 

「だからと言って貴様達の都民への暴力や誘拐を見逃せと言うのか!!?」

 

 

 

「そこは目をつぶってほしいな。

 俺やアレックスだってちゃんと他の馬鹿共には言ってあるんだよ?

 あんまし人様に迷惑をかけるなって。

 でもさぁ、なまじ権力のある家に生まれて好き勝手やってきた連中だからさぁ、

 俺達も抑えきれないんだよ。

 分かる?

 この苦労が?

 お前達の方こそちょっかいかけられないように気を付けて欲しいなぁ。」

 

 

 

「それが出来ていたら今頃お前らに殺されたりするような人は…!!」

 

 

 

「ほら?

 お前らだってちゃんとしてないだろ?

 だから馬鹿共にいいようにされちゃうんだよ。

 俺達ばかり責めないでほしいねぇ。

 肉食モンスターが肉を前にして食らい付かない訳ないだろうが。」

 

 

 

「バルツィエなぞの自分勝手な理屈でぇッ!!」

 

 

 

「………君とこれ以上押し問答しても仕方ないね。

 勝負は付いているんだから。

 君もダリントンに会いたくなってきたんじゃないか?」

 

 

 

「……!?」

 

 

 

「じゃあ民衆に君との決着を見せつけてやろうぜ?

 やっぱり俺達バルツィエが絶対的に無敵だったってさ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 城西 研究所外 カオスサイド

 

 

 

「…!!」バッ

 

 

 

「カオス!?

 まさか行くの!?」

 

 

 

「行くに決まってるだろ?

 ウインドラが殺されてしまう。」

 

 

 

「でもカオスが行ったってあんな化け物染みた人達には………!」

 

 

 

「それでも行くんだよ!

 目の前でウインドラが…!

 親友が殺されようとしてるんだ!

 ここでじっとしてなんていられない!」

 

 

 

「でもぉ………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カオス。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………レイディーさん?」

 

 

 

「行くのか?

 あの中に。」

 

 

 

「…はい。

 俺はウインドラを見捨てることなんて出来ない。」

 

 

 

「あのやり取りを見てお前がどういう背景で賞金首になってそれを知って………、

 それでも行くのか?

 アイツらはお前を利用してたんだぞ?」

 

 

 

「それでも行きます。

 俺を利用してたとしてもウインドラがやろうとしてたことは街の人達のためだった。

 アイツは俺と昔目指していた騎士そのものだったんです。

 そのために俺を利用してたんなら俺がアイツに腹を立てるようなことは何もありません。」

 

 

 

「………いいのか?

 ここで出ていくとお前が一度拒否した対バルツィエ用の対抗馬にされちまうんだぞ?

 あんなに大勢の奴等の前に出ちまったらもうお前は英雄に祭り上げられちまって二度と平穏な世界から帰ってこれなくなる。

 それでもか?」

 

 

 

「それでもです。

 俺にとってそれがどういうことなのかいまいち理解出来てないですけど俺は今行かないときっと後悔する。」

 

 

 

「決意は固いか………。

 なら最後にもう一つ聞かせてくれ。」

 

 

 

「………何ですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………お前は逃げないか?」

 

 

 

「…逃げる?」

 

 

 

「お前は………あの場を納められるかどうかは分からねぇがこれから英雄に祭り上げられてバルツィエの対抗馬にされてそれが窮屈になって逃げ出したりしねぇか?

 もし途中で嫌になったりして逃げ出すようなら………あの友人は諦めてくれ。

 そんな半端な奴が出ていってあの………、

 あのアルバートが未だに生きていたと信じていた信者共に余計な期待を抱かせないでくれ。

 ………長い間期待だけさせて放置されるのなんて残酷だ。」

 

 

 

「レイディー………さん。」

 

 

 

「お前が出ていってどうしてもプレッシャーに耐えられないのなら戦いの中で死んでくれ。

 いい加減なところで抜け出されても今のアイツらのように振り回されるだけだ。

 そんな思いはアタシだけで十分だ。」

 

 

 

「………」

 

 

 

「………お前が選ぶ選択肢は二つ…。

 ここで何事もなく隠れてやり過ごすか、

 今出ていって逃げずに戦い続けて戦場で死ぬかだ。

 どっちを選ぶ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は………。」

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