テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしていた。

 開戦式にてウインドラの危機を救うためカオスが広場へと赴きユーラスを突き飛ばす。

 大衆も突然のカオス参上に戸惑うが…。


VSユーラス開始

王都レサリナス 北部 城前広場 カオスサイド

 

 

 

 

 

 

「イッテーなぁ。

 人の取り込み中に後ろからどついてくるとかせこいことしやがってぇ…。」スクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「………!」」

 

 

 

「それで?

 お前誰?

 見たところ教会の奴みたいだけど何してんの?

 今良いところだったんだけど?

 何で邪魔するの?

 え?」

 

 

 

「………ダニエル君、ウインドラ

 下がってて…。」

 

「う、うん…。」

 

「カオス、こいつはバルツィエの…!」

 

「分かってる。

 ずっと見てたから。」

 

 

 

「カオス…?

 お前が?

 ………まぁ~たカオスかよ。

 何人いるんだよカオスが。

 どうせお前らが用意した偽物だろ?

 カオスがこんなとこにいる筈ないだろうが。

 カオスは今ダレイオスにいるんだぜ?」

 

 

 

「偽物も何も俺にはカオスという名前以外にはないけど?」

 

 

 

「はいはい、

 そんなこと言って教会の連中は優しいねぇ。

 そんなゴミをかばっちゃって。」

 

 

 

「こいつは俺の友達なんだ。

 庇うのは当然だよ。」

 

「………カオス?

 この人は………サタンさんじゃないの?」

 

 

 

「ハハッ!

 段取りはしっかりしとけよ!

 さっそく嘘が露見してんじゃねぇか!

 サタン君?

 カオスじゃねぇじゃねぇかお前の名前!?

 嘘つきたいんならもう少し上手くやれよ!

 ボケがッ!」

 

 

 

「カオス、今更退けとは言わない…。

 奴はユーラス=オル・バルツィエ。

 バルツィエの中ではそこまで強くはない方だがさっき俺が倒したラーゲッツよりかは実力は上だ。

 俺と実力の差が少ないお前では厳しい相手だぞ?」

 

「そうなのか?

 俺にはそこまでラーゲッツと変わらない気がするけど。」

 

「油断するなよ。

 お前が倒したニコライトのように生易しい相手ではない。

 気を抜くと一瞬で殺られるぞ。」

 

 

 

「こんなところで作戦会議たぁ、随分余裕だなぁ。

 フェデール!

 こいつら纏めて俺がいただくぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…どうしたってんだフェデールは?

 まあ何か文句言ってきたところで俺に一発ぶちかましたサタンだけは貰っていくがな。」チャキッ

 

 

 

「…!」ギュッ

 

 

 

「は?

 なんだそりゃあ。

 そんな木の棒構えて俺とやり合おうってのか?

 舐められたもんだなぁこのバルツィエが。

 イクアダのガキとそこのラーゲッツがやられたからって俺達のこと見誤ってねぇか?

 そんな棒切れで俺が倒せるかよ。」

 

 

 

「カオス、

 奴の言う通りだ。

 バルツィエ相手に木刀など無謀すぎる。

 あそこにある俺の剣を貸して「瞬迅剣ッ!!」」「!!」シュッ!!ガスッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピシッ………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「木刀にヒビが…。」

 

 

 

「…お前マジックアイテムでも装備してるのか?

 俺の突きを受け止めて砕け散らねぇなんてその棒切れ結構マナ込めてたんだな。

 それも後一回受け止めりゃ折れちまいそうだが。」

 

 

 

「早い…!?

 ラーゲッツよりも…!?」

 

「ウインドラ、

 ダニエル君を連れてここから離れてて。

 守りきりながらはキツそうだ。」

 

「分かった。」

 

 

 

「馬鹿がッ!

 逃がす訳ねぇだろ!

 お前ら三人とも俺の獲物なんだからよぉ!!」スッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッッ………………!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………!

 これでは退避できない!?」

 

「…バルツィエの連中は人の回りを旋回するのが好きなんだなぁ。」

 

「暢気に言っている場合じゃないぞ!

 このスピードは………、

 俺でも見切るのが難しい!!」

 

 

 

「せっかくの獲物をそう易々と逃がすかよ!

 お前らは三人とも俺が殺すんだ!

 一匹も逃がさねぇぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カオス。

 済まない。

 俺達の巻き添えにしてしまう形になってしまって…。」

 

「?

 どうして謝るんだ?

 まだやられた訳じゃないだろ?」

 

「だがこいつユーラスにはとても俺達では敵いそうにない。

 今のうちに謝っておきたかった。」

 

「別にいいさ。

 俺が勝手に飛び込んで来ただけだし。」

 

「その事じゃない。

 ………この戦闘を見ていたのならもう気付いているんだろ。

 俺達がお前の存在を利用していたことに。」

 

「…それならさっき知らされたよ。

 君達が俺の名を国中に広めた理由も。」

 

「本当だったらお前の代わりに俺が各地でバルツィエに対する反抗的な擬装工作を行う予定だった…。

 お前の名を借りたのはどうしても信憑性が欲しかったからだ。

 お前の名前ならミストが王国管轄になった時に村長が住民名簿に登録していたから決して架空の人物ではなく実在する人物だということも踏まえて都合がよかった。

 俺達は『カオス=バルツィエ』というバルツィエの対抗勢力を作るためにお前を犯罪者に仕立て上げてしまったんだ…。」

 

「…犯罪者かぁ。

 元より俺はミストでは犯罪者みたいなものだから気にしてないよ。」

 

「昔のあれはお前には何の非もない。

 あのおかげでミストは全滅から逃れられたんだ。

 アルバさんにすらあの状況は時間稼ぎしか出来なかった。

 お前はあの村の生き残った住人にとって命を救われた大恩人だ。」

 

「そんなふうに考えてたの?

 この間はこの街から追い出そうとしていたのに?」

 

「あの時は俺達の作戦にとってお前がこの街にいることが非常にまずかったんだ。

 俺がここで『カオス=バルツィエ』となる前にお前が現れてしまっては俺がカオスを名乗っても街の住人には疑われてしまう。

 だからお前を急いで追い出すことにしたんだ。」

 

「それで俺がもし捕まってたらその作戦破綻してたんじゃない?」

 

「イクアダで駿足のバルツィエを倒したようなお前にこの街の住人や賞金稼ぎ共が捕まえられる筈ないだろう。

 俺の計算ではバルツィエの屋敷からも一番遠いところで通告したからな。

 お前が無事街を出られる可能性は十分にあった。」

 

「けどこの街の門は検問しかれてたぞ?

 あそこを突破出来るとは思えなかったけど。」

 

「あの騒ぎの前まではあの検問は街に入ってくるものだけにしかしてなかったんだ。

 出ていく分には何も言われなかっただろう。」

 

「あの一瞬でそこまで考えてたのか。

 ウインドラはやっぱり凄いな。

 昔からそうだったしな。」

 

「…俺など回りと比べて少し能力が高かっただけだ。

 騎士になった今でもそれは変わらない。

 お前のように剣術一本で突き進むような生き方をする奴にはとてもとどかなかった。

 ある程度何でも出来たからこそ俺は一つの道を極めることも出来ない半端者になってしまったんだ。

 俺はお前がずっと羨ましくて嫉妬していた。」

 

「ウインドラが俺に嫉妬だって?」

 

「お前のように家族に強い祖父を持ち、好きに剣術を学べる環境。

 そしてお前がその方向に向かって突っ走っても誰も何も止めたりはしないあの村の住人との関係性。

 俺の辿ってきた道はお前の真っ直ぐな道と違って酷く蛇行した長く険しい回り道だったよ。

 結局俺はお前には慣れなかったな。」

 

「………君が俺になる必要はないだろ。

 君は君なんだから。」

 

「俺達の作戦ではそうも言ってられなかった。

 バルツィエの力を恐れてあちら側につく人々の勢いを止めるためには俺がカオスになりきるしかなかった。

 このままバルツィエに流れが傾けばバルツィエは『王』を越えて『神』にのしあがるだろう。

 そうなってしまえばこの世界の人々は奴等に死を望まれたら自ら進んで死を受け入れねばならなくなる世界になってしまう。

 奴等の粗暴性を考慮したらそれだけはなんとしても阻止せねばならない!」

 

 

 

 

 

 

「ウインドラは…、

 俺が背負っていたものよりももっと大きなものを背負わされていたんだな。」

 

「…そうだったんだが俺にはとても背負いきれるようなものではなかったらしい。

 こうして利用するだけ利用して差し伸べてきた手を払い除けた俺のために駆け付けてくれた友を死なせてしまうのだから。」

 

「何悟ってんだよ。

 まだ戦えるぞ?」

 

「だがこのユーラスはどう見ても昨日のお前のスピードよりも早い。

 直接お前と対決した俺だから分かる。

 お前がまだユーラス程の練度に達していないことも。

 もう少し時間さえあればお前だけでも逃げられただろうに………。」

 

「そうだなぁ。

 確かにこいつは俺よりも走るのが上手いみたいだね。」

 

「………一か八か。

 俺がユーラスの剣の突きを受けて奴の動きを止めてみる。

 意識が持てばいいが………。

 お前はその隙にこの少年を連れて逃げろ。」

 

「それだと俺が何のために出てきたか分からなくなるだろ。

 俺は君達を死なせたくなくて出てきたのに。」

 

「この際だ。

 俺がやろうとしていたことをお前が引き継いでくれ。

 お前さえ生きていればこの国の人々にもまだ希望が湧いてくる。

 だからお前を死なせる訳にはいかない。」

 

「俺だってウインドラを死なせるつもりはないぞ。

 お前は絶対にミストに連れ帰るんだ…。」

 

「…死ぬ前にミストにもう一度だけ帰ってみたかったが未来の英雄カオスを守って死ねるのなら本望だ。

 それでお前への仕打ちへの償いとさせてくれ。

 

 カオス、生き延びることが出来たら力を付けてまたバルツィエに挑んでくれ!

 そうしてお前は世界を救うんだ!

 そうすればお前はアルバさんを越えた存在になれる!

 その為ならこの命!

 喜んで…」ゴンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………何をするんだカオス。」

 

「ウインドラ………

 お前さっきから覚悟しすぎ!

 どれだけ絶望してるんだよ!?

 まだ俺がやれるって言ってんだろうが!!?」

 

「だからユーラスには今のお前じゃ勝てないって言ってるだろ!?

 お前はさっさと逃げのびて修行して強くなってから出直してこい!!」

 

「そうしたらお前が殺されるだろうが!!」

 

「どこまでも緊張感の無い奴だな!?

 そうしないと三人とも死ぬって言ってるだろ!?」

 

「だから俺が守るって言ってんだろ!?」

 

「俺と力が変わらないお前には守りきれるなんて思えないんだが!?」

 

「ハンッ!

 昨日は俺がウインドラをボコボコにしたじゃないか!

 それで負けた人に力が変わらないなんて言われたくないんだけど!?」

 

「何がボコボコだ!?

 お前が俺を攻撃したのは最後の一発以外だけだっただろう!?

 それ以外は全部俺がお前をボコボコにしてたと記憶してるが!?」

 

「たった一発で負ける騎士とかどんだけ弱いんだよ!?

 そんなだからこんな奴のスピード見せられただけで戦意喪失しちまうんだな!?

 相変わらず精神がついてこない奴だねぇお前は!」

 

「昔の俺と「もういいよ!!」」

 

 

 

「後は俺がやる!

 お前は隅っこで震えてていいぞ?」バッ

 

「カオス!

 止めろ!

 俺がユーラスを引き付けるから「大丈夫だって言ってるだろ!!」!」

 

 

 

「俺は………

 必ず勝つから!!」

 

 

 

 

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