テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ユーラスと戦闘をすることになったカオスだがユーラスに木刀を破壊されてしまう。
その余波で髪ゴムもとれてしまい…。
王都レサリナス 北部 城前広場 カオスサイド
「………」ジー
「どうした?
自慢の棒切れ砕かれて自信喪失しちまったか?
そいつは悪いことをしたな。
だがそんな玩具で出てきたお前が悪いんだぜ?
バルツィエを舐めてかかるからそういうことに「違うよ?」!!」スゥ…
「ウインドラこれ借りるね。」スタッ
「構わん。
使え。」
「今のは飛葉翻歩………?
………そいつが使えるってことはどうやらマジでカオスらしいな。
ダレイオスにいる筈のお前が何故王都にまだいる?
それもそんな玩具で出てきて…?」
「いろいろと事情があってね。
実はダレイオスにすら行ってなかったんだ。」
「………ってことは教会の連中が匿ってたのか。
物好きな奴等だよな。
こんな爆弾抱え込んでからに。」
「カタスさん達には悪いけど大切な人達が目の前で傷つけられているのを見たら俺ももう黙っていられなくなったんだ。」
「物好きな連中は物好きな奴が好きなのかねぇ…。
くっさい友情ごっこ見せ付けるためにそこの雑魚を庇ってこうして自分の身を危険に曝してしまうなんてよぉ。
どうかしてるぜ。」
「一度ウインドラと手合わせしたから分かる。
ウインドラは雑魚なんかじゃない。
お前達なんかとは違う強くて立派な騎士だ。
それに一戦交えて疲労したところに連戦をしかけたお前達がウインドラを雑魚呼ばわりするなよ。
まともに戦ってすらいないくせに。」
「戦わなくてもそんなことは計れるんだよ。
そいつがラーゲッツと遊んでるところを見てたがバルツィエの剣術を参考にしてるようだが突きの出し方がまるでなっちゃいねぇ。
あんなとろくさい突きじゃ俺の剣と突き合わせても負ける要因が見当たらねぇなぁ。」
「お前の突きがどれ程のものだって言うんだ。
あんな軽い突きウインドラの突きに比べれば大した威力じゃない。」
「たった今棒切れを突き砕かれた奴のセリフじゃねぇなぁ。
台本通りに言い返すだけが演劇じゃねぇぞ?
少しは自分なりにアレンジを加えろ。」
「お前の戯れ言に付き合う気はないぞ。」
「監督の言うことは第一に受け止めねぇといけねぇなぁ…。
つったところで三流役者共には分からねぇかな?」
「分からないね。
お前達の自己中心的な話は何も共感できる所がない。
本当にお前達がおじいちゃんと同じバルツィエの血が流れてるのかすら信じられないよ。」
「おじいちゃんだぁ?
………お前………アルバート=ディランの?」
「孫さ。
何故か息子って話が触れ回ってるけど俺はおじいちゃんの息子じゃない。
おじいちゃんには俺のお母さんが娘にいて俺はその次の世代に生まれたんだ。」
「………道理でアルバートの血筋が出てくるのに時間がかかる訳だ。
二つも世代を跨いじゃそりゃ長くかかるよな。
フェデールの考察も案外宛にならねぇな。」
「お前達がどういう思惑で考えてたのかは知らないけど俺がお前達の敵だってことは確かだよ。」
「ふぅん?
でアルバートとその娘はどうしたんだ?
ここには来てねえみたいだが?」
「………亡くなったさ。
十年と十五年前に二人共それぞれね。」
「なんだ死んでたのかよ。
だらしねぇ。
もともといなかったが。
となるとアルバートの血筋はお前しかいねぇのか?」
「そうだ。
俺一人でお前達を倒しに来たんだ。」
「こりゃとんだ頭の中がハッピーな奴が出てきたもんだ。
たった一人で俺達バルツィエに挑んでくるなんてな。
どっかそこら辺にでも援軍を呼び集めて来るのかと勘違いしちまったぜ。」
「援軍なんていないから気にしなくていいよ。
いるのは俺一人しかいない。」
「人望もねぇのかよ。
…あったとしても俺達に戦争申し込むって知ったら逃げ出すだろうな。
お前もそういう口じゃねぇのか?
確かアローネとかもう一人ガキがいたってセバスチャンが言ってたしよぉ。
セバスチャンってのはうちの執事やってる奴のことさ。
セバスチャンがお前達がイクアダでガキと戦闘してるのを見てたんだよ。
それ聞いてラーゲッツの野郎はお前とやりあいたくて躍起になってたがな。
お前を殺して女をいただく腹積もりだったみたいだがカオスに会う前に死んでりゃ世話ねぇなぁ。」
「…アローネと一緒じゃなくてよかったよ。
そんな危ない奴のところには連れてこれない。」
「能天気なこと言ってるがお前がその服でここに来たところでそのアローネとか言う女の所在もバレてるんだってこと分からなかったか?
どうせその女も教会にいるんだろ?
お前が死んだらその女も教会捕まえに行くんだぜ?
…俺はお前らには興味がねぇが。」
「イクアダでのニコライトやこの間のラーゲッツの様子見た限りじゃバルツィエは俺を殺したくて仕方ないんじゃないの?
お前は違うのか?」
「俺はそこまでお前に積極的にはなれねぇよ。
セバスチャンの話だとイクアダのガキにようやく勝てたらしいし今の飛葉翻歩を見ればお前がよくてラーゲッツと同じくらいか…それより下だってことが分かる。
さっきも言ったがお前はそこの騎士より弱いから作戦に参加させてもらえなかったんだろ?
そんな補欠にどう興味持てってんだ。
お前もそこらの騎士と変わらねぇ雑魚だってのによ。」
「まだお前には俺の全てを見せてないけど?」
「見なくても分かるさ。
そこの偽物を強いなんて言っちまうお前の力量ぐらい。
フェデールじゃねぇが相手の口々にする情報には気を配ってんのよ。
だからお前がラーゲッツと同等の偽物よりかも弱いってことが認識できる。
もう一つ追い討ちをかけるならそこの偽物君はしっかり俺達を勉強してきてたぜ?
お前はさっきの棒切れで挑んでくる辺りまともに俺達の情報も知らされてねぇんだろ?」
「………確かにお前達については何も知らない。
知っているのはお前達がこの国でどういう奴等なのかっつことだけだ。
だけどそれだけで俺が戦うには十分だ。」
「俺達バルツィエが世界を支配しようとしてる悪者とでも聞いてたか?
そいつぁ間違いだぞ?」
「間違い?」
「人ってのは欲がある生物だ。
それぞれ欲しいものは違うだろうが欲は平等に誰しも持っている。
俺達も欲があるんだ。
世界が欲しい。
そして今まで消えてった国やダレイオスの奴等も同じく世界が欲しい。
だが世界は一つしかない。
ならどうする?
戦うしかねぇだろ?
戦って世界を勝ち取るだけなのさ。
俺達もアイツらも。
バルツィエはそうして戦ってきただけの一団になっただけだ。
どこの誰とも変わらない普通の人だ。
ただちっとばかし人より負けないってだけで。
お前らゴミ虫共はそうして勝ち続ける俺達を妬む敗北者達の集まりなんだよ。
俺達を妬むあまり剣を向けてくるどうしようもない負け犬共。」
「お前達は………、
同じ国に住んでる人をそんなふうにしか見てないんだね。」
「同じ国なんて言うがもとは違う国の連中の方が多いぜ?
俺達に負けて吸収された国の哀れな負け犬共が行き場を失ったから慈悲深い俺達がワザワザこの国の住民として生かしてやってんのさ。」
「生かしてやってるだって?
飼い慣らして遊び道具に使っているようにしか見えないんだけど?」
「見る角度変えりゃそういう一面も見えてくらぁな。」
「………お前達は一度敗北者の気持ちを知るべきだ。」ギュッ…
「お?
もうやんのか?
まだ話しててもいいんだぜ?
力で勝てないお前らが口でならバルツィエに勝てるかもしれねぇんだぜ?
せっかく勝てるチャンスをお前の方から棒に振っていいのか?」
「これ以上お前達とは話していたくない。
おじいちゃんとの騎士の思い出が汚される。」
「そうかい?
アルバートはどんなふうに俺達のことを綺麗にまとめて話してたか興味あるなぁ。
それぐらいやる前に教えてくれねぇか?」
「…お前達のことは………
一言も話には出なかった。」
「あのおっさん………、
俺達のことを汚点扱いしてやがったんだな。
異端なのはあのおっさんの方だったのによ。」
「………最後に俺からも一つだけ聞いておきたいことがある。」
「命乞いならもう間に合わないぞ?」
「お前達は………どうして俺を殺そうとするんだ?」
「そんなことかよ。
決まってんだろ?
バルツィエに汚点は要らねぇんだ。
俺達から逃げ出すようなアルバートのような汚ならしい地を持った汚点は。
お前らの作戦通りにいきゃ俺達の株を下げるためにバルツィエのお前を野に放ったんだろうが俺達がお前を消して解決すれば汚名は返上出来るんだよ。
それだけだ。」
「そうだったのか。
納得がいくな。」
「じゃあおっ始めるか?
カオス。
お前の最後の時間を…
お仕舞いにしようや!」