テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

137 / 972
 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしていた。

 ユーラスとの戦闘でカオスが自分の技量が低いことを指摘され後に集まってきたバルツィエもそこを認める。

 戦況が悪いことにウインドラも不安を抱くが…。


疑われる出生

王都レサリナス 北部 城前広場 カオスサイド

 

 

 

「なぁ?

 お前って本当にアルバートの血筋なのか?」ピタッ

 

 

 

「………急にどうしたの?」

 

 

 

「お前があんまりにも弱すぎるから疑問に思ってよ。

 お前がアルバートの孫なのかどうか妖しくなってきた。」

 

 

 

「…俺はそう言った筈だけど…?」

 

 

 

「それが嘘臭いんだよなぁ!

 孫を偽るなんざ誰だって出来る。

 そこのカオス擬きにも出来るくらい「魔神剣ッ!」よっと。」ザザッ!!スッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これじゃあ証拠にならない?」

 

 

 

「ならねぇなぁ!

 そんくらいならバルツィエの血を持ってりゃ誰にだってできんだよ。」

 

 

 

「………何が言いたい?」

 

 

 

「お前ってよぉ?

 単に俺達バルツィエの誰かがどっか遠征行ったときにそこら辺の女を孕ませて出来ただけのガキなんじゃねぇか?」

 

 

 

「そういうことがあるのか?」

 

 

 

「あるぜぇ?

 例えばそこのラーゲッツなんか遠征行く度しょっちゅうだ。

 そいつの息子や娘なんかそこら中にいると思うぜ?

 なんならダレイオスにすらいるかもな。」

 

 

 

「お前達はその女の人の責任をとるつもりはなかったの?」

 

 

 

「あると思うかぁ?

 俺達ゃどっか行く時はワンナイトラブが基本なのよ!

 俺達の名を聞けば喜んで抱かれる奴もいれば震え上がってから体を差し出すような女が巨万といるんだ。

 いちいち責任なんかとってると嫁が百人越えちまうぜ。」

 

 

 

「…バルツィエってゲスの集まりなんだね。」

 

 

 

「英雄色を好むって言ってくれよ。

 ってかお前にもその血が流れてんだぜ?

 誰の血なのか知らねぇけど。

 もしかしたらそこにいるラーゲッツが父親だったりするのかもな。」

 

 

 

「俺にはお父さんもお母さんもいた。

 それはあり得ないよ。」

 

 

 

「再婚したってこともあるんじゃないか?

 親父の方はワザワザ身籠った女とくっつく変人かもしれねぇが。

 それか母親が親父にお前の存在を伏せて結婚したってことも考えられるぜ?

とにかくお前の存在はあやふやだ。

 アルバートの孫だとはとても信じられねぇ!

 アイツの力はこんなもんじゃねぇんだからよぉ!!」シュッ!

 

 

 

「…お前はおじいちゃんを知っているのか?」ガスッ!

 

 

 

「たりめぇだろ!

 今の俺達世代はアルバートとは従兄弟や再従兄弟関係だ!

 昔のアイツのこともよく知ってる!

 アイツはお前のような正義面したウザい奴だったぜ!

 とても素晴らしく着飾った奴だったよ!

 気取りすぎて俺達の評判を陥れる糞野郎としか感じなかったがなぁ!

 オラァッ!!」シュシュッ!!

 

 

 

「………!」ザシュッ!

 

 

 

「おぉッ?

 とうしたぁ!

 集中力切れてないかぁ!?

 ガード緩めるなって言ったよなぁ!?

 初弾貰っちまったぜ?

 疲れてきたんじゃないか?

 なぁ?」

 

 

 

「………少し早く反応しすぎただけさ。

 このくらい何でもない。」

 

 

 

「ハハハハハッ!

 もう強がりしか言えないんじゃねぇのかぁ?

 お前の魂胆は見えてるぜ?

 俺を挑発して喋らせたり走らせたりして疲れさせたところを狙ってくるんだろ?

 そうなんだろ?

 考えが浅はか過ぎるぜ!

 俺の本気はまだまだこんなもんじゃねぇんだからよぉ?

 スピード上げていくぜぇ!!」シュンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュシュシュシュシュシュシュシュシシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュュシュンッ………!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだぁこのスピードォ!!

 さっきまでの俺はただ軽く歩いてただけなんだよ!

 このスピードに反応が追い付いてこれるかァッ?

 この速度を維持しながら十分は走り続けられるぜ?

 それまでお前の体力がもつかなぁ?

 そらそらそらッ!」シュシュシュッ!!

 

 

 

「くっ…!?」ガスッ!ガスッ!ガスッ!

 

 

 

「この調子で一気にフィニッシュだ!

 それまでに最後の散り様をどうするかよ~く考えて決めときな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 北部 城前広場

 

 

 

「…決着が近いみたいだな。」

 

 

 

「もうカオスもお仕舞いかぁ…。」

 

 

 

「何だったんだろうな。

 アルバート伝説は…。」

 

 

 

「もうバルツィエを止められる奴なんて誰もいないんだな…。」

 

 

 

「あのカオスもよく頑張ったけど………。」

 

 

 

「ユーラスのスピードに対応出来なくなっていってる…。

 ここからの逆転は不可能だ。」

 

 

 

「マテオがバルツィエの完全支配下に置かれる前にいい決闘を見られてよかったよ………。」

 

 

 

「やっぱり願うだけで叶うことなんてないんだな。」

 

 

 

「カオスには………、

 もう何もなさそうだね………。」

 

 

 

「アイツはよくやったさ…。

 こんな大衆の前によく出てきてくれた…。

 俺達の為にバルツィエと戦ってくれた………。

 もういいんだよ頑張らなくて…。」

 

 

 

「せめて最後の時は苦しまずに彼が逝けますように………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 北部 城前広場 カオスサイド

 

 

 

「そろそろ幕引きの時間だ!!

 楽しい楽しい夢のような時間はもう終わりだ!

 次に会うときは天国でまたお会いしようぜカオス!

 俺の天国行きは当分回ってこないがなぁ!!!」シュシュシュシュ!

 

 

 

「………」ガガガガッ!

 

 

 

「最後くらい何か辞世の句でもねぇのか?

 あるなら聞いといてやるぜ?

 忘れねぇようにメモっといてやってもいいぜ?」シュシュシュシュ!

 

 

 

「………」ガガガガッ!

 

 

 

「何もねぇのかよ?

 最後まで黙りとか詰まらねぇ奴!

 とっとと殺してやろうか?

 あぁん?」ピタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」ツー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………アッッッッッッハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!

 何泣いてんだよお前ェッ!!

 今更死ぬのが怖くなって泣いたってどうにもなんねぇだろうがぁ!!

 死ぬと分かって我慢の限界が来たのかぁッ!?

 役になりきれねぇ三流だなぁテメェはよぉ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 北部 城前広場 ウインドラサイド

 

 

 

「カオス…!

 だから俺があれほど………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 北部 城前広場 フェデールサイド

 

 

 

「おいおい泣いちゃったのかよカオスは!」

 

 

 

「泣くぐらいなら最初から出てくるなし…。」

 

 

 

「ざっ、様ぁみろですね!

 兄さん達に逆らうからそういう目に遇うんですよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(こんなところで終わってしまうのか?

 カオス…。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 北部 城前広場

 

 

 

「カオスが………泣いている。」

 

 

 

「きっとここに出てくるだけでも相当緊張してたんだろうな。

 それがユーラスに決着を突き付けられて決壊したんだろう。」

 

 

 

「あんな怪物達に立ち向かって行っただけ凄い奴だよ彼は。」

 

 

 

「俺達は………お前のその勇気を乏したりはしない………。」

 

 

 

「有り難う………、

 カオス………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 北部 城前広場 アローネサイド

 

 

 

「………カオスさん!

 諦めちゃダメだ…!!

 まだ…!

 まだどうにか出来る方法が…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カオスが………感泣してる…?」

 

 

 

 

 

「………え?」

 

 

 

「カオスが………何か………

 ………何かを思い出して泣いています………。

 あの涙はそういう涙です。」

 

 

 

「この場面で何を…!?

 ………殺される前に昔の記憶のことでも思い出しているのでしょうか…?」

 

 

 

「昔………?

 ………そう。

 …カオスは昔を思い出しているんですよ。

 昔お祖父様と過ごした日々のことを………。」

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。