テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしていた。

 ユーラスとの戦闘で劣性ながらも耐え続けるがユーラスが本気で止めにかかりに来る。

 その時カオスはどこからともなく祖父の気配を感じて…。


十三年の剣術

秘境の村 ミスト 十年前

 

 

 

「技を教えてほしいだと?

 なんで急にまた…。」

 

 

 

「俺はウインドラやミシガンを守れるくらいに強くなくちゃいけないんだ!

 それなのにウインドラは魔術も使えるし一緒に剣術もつけてもらってる。

 俺はどんどん引き離されちゃうよ!」

 

 

 

「人には人のペースがあるだろ?

 お前はお前のペースで力をつけていくのが最も最短な強者へのルートなんだぞ?」

 

 

 

「でも俺には剣術しかない!

 だったらどんどん剣術だけででもウインドラに追い付くくらい強くならないと!」

 

 

 

「何をそんなに焦ってるんだ?」

 

 

 

「ウインドラやザックは魔術を教えてもらえばすぐにそれを覚えられる。

 すぐに魔術が増えて対応が難しくなってくる。

 この間せっかくザックに一勝したのにまた追い抜かされて前と同じ状態に戻っちゃうんだ!

 そんなの嫌だ!

 ザックが強くなるんなら俺も強くならなきゃ!」

 

 

 

「………そんなことかよ。

 あのなぁ、ザックやウインドラが身に付けていってるのは技は技だがそれを使いこなせるかは本人の基礎次第だ。

 ザックなんかお前とかに威張り散らしたくて身に付けてるだけのスッカスカなもんだぜ?

 あんなもんお前が基礎を疎かにしなければいつだって勝てるようになる。」

 

 

 

「基礎って………、

 筋肉なんかつけたって魔術一つだけで吹き飛ばされるだけじゃないか!

 それだったら俺も先手必勝の何か凄い技を「カオス」!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「武術の道に近道なんてないんだ。

 地道に鍛え上げていってその都度己を見つめ直し限界の幅を拡げていくこと。

 その過程で急に強い技なんか身に付けたってそれに頼りっきりになって勝ち続けていけば人は強くなるための努力を忘れてしまう。

 楽して勝つこと………。

 それこそが最も人の努力を腐らせる一因だ。

 お前に教えられる技でマナを使わなくても使える技はある。

 だがお前が俺に追い付くくらい強くなるまで俺は一つもお前に技を教える気はないぞ?

 お前はただひたすら地道を行け。」

 

 

 

「そんなこと言って俺に技を教えたらすぐに強くなって追い付かれちゃうから教えたくないだけじゃないの?」

 

 

 

「ば~か、お前に教えたとしてもお前が使いこなすレベルに至ってないから教えられねぇだけだよ。」

 

 

 

「じゃああとどのくらい強くなったらいいの?

 おじいちゃんを倒せるくらい?

 それっていつ?」

 

 

 

「いつになるかは分からねぇし俺を倒した程度じゃあまだまだだな。

 王都に行けば俺なんかより強いやつは山程いる。

 そこで騎士になるからには俺なんか簡単にいなすくらいやってくれなくちゃな。」

 

 

 

「えぇ~!?

 大人になるまで無理だよ!」

 

 

 

「お?

 目標が出来たな。

 大人になってまだお前の知らない奴等を倒せるくらいにまで基礎を積みまくったらそしたら技を教えてやるよ。」

 

 

 

「………そしたらおじいちゃんはまだまだ半人前で技に頼ってるってことにならない?」

 

 

 

「俺は技は知ってるが技に頼ったところなんてみたことあるか?」

 

 

 

「………ない。」

 

 

 

「だろう?

 俺は技なんかに頼らずとも鍛えに鍛え上げた腕があるからな。

 技なんか必要としねぇんだよ。」

 

 

 

「それはここら辺のモンスターが弱いからじゃないの?」

 

 

 

「それもあるな。

 だからお前はまだまだずっと上を見上げて積んでかなくちゃいけない。

 王都付近のモンスターは俺より強い奴でも苦戦するんだ。

 お前には越えなきゃいけない壁が沢山ある。

 果てしない壁が連続して通せんぼしている。

 お前はそれらを越えるためひたすら訓練を続けろ。」

 

 

 

「………そんなに多くの壁が………。

 俺に出来るの?

 魔術も使えなくて剣術だけの俺が?」

 

 

 

「出来るって言ってるだろ?

 お前は俺の孫だぜ?

 俺の立つ地点には届く可能性もあるしそれを遥かに越えていく可能性もある。

 お前が諦めなければ俺より強い奴等にも勝てるようになるさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だからよ?

 お前は何がなんでも諦めるな。

 

 

 

 体質のハンデなんてものは先入観でしかない。

 お前が出来ないと諦めればそこで道は途絶えるがお前が諦めなければお前はどこまでも上っていける。

 俺の教えを信じてくれるなら俺はお前をどこまでも応援するさ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 北部 城前広場 カオスサイド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前のような泣き虫で才能のないバルツィエは不要なんだ!!

 消えてなくなれ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 地針衝ッッッ!!!」ゴォォォオォッ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 北部 城前広場 ウインドラサイド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カオスッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 北部 城前広場 アローネサイド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カオスさんッ!!!」

 

 

 

「………(カオス………。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 北部 城前広場 フェデールサイド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 王城前 アレックスサイド

 

 

 

「下らん嘘をつくものがいたものだな。

 兄の息子に孫などと………。

 あの程度で烏滸がましく、そして忌々しい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 北部 城前広場 カオスサイド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオッ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………

 

 

 

 そうか。

 

 

 

 やっと分かった。

 

 

 

 俺が感じていたこの違和感が。

 

 

 

 おじいちゃんは生き返った訳じゃない。

 

 

 

 おじいちゃんは最初からいなかったんだ。

 

 

 

 なのに感じていたこの懐かしさ…。

 

 

 

 この懐かしさは………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この目の前のユーラスから感じていたんだ。

 

 

 

 こいつの剣は………、

 

 

 

 おじいちゃんの剣に似ている。

 

 

 

 こいつの剣技は昔のおじいちゃんに近いんだ。

 

 

 

 だから俺はこいつと戦っているとおじいちゃんを思い出すんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おじいちゃん………、

 

 

 

 やっとおじいちゃんの考えが理解できたよ。

 

 

 

 おじいちゃんが全然技を教えてくれない訳が。

 

 

 

 俺の体質のこともあったんだろうけど。

 

 

 

 おじいちゃんは、

 

 

 

 ただ俺の我儘に付き合ってただけじゃなかったんだね。

 

 

 

 おじいちゃんは俺との稽古をテキトウにやっていたんじゃなかったんだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おじいちゃんは本気で俺を強くしようとするのを諦めたりはしてなかったんだね………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おじいちゃんの教えは………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バキンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ッッ!????」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 間違ってなかったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………!!??

 ……………………………ッゥゥうぅぉ、おォッ、俺の腕がァァァァァァァァァァッッッ!!!???」

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