テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
レサリナスでユーラスを撃破したカオスに続けざまダインとランドールが襲い掛かる。
カオスはそれらすらも打ち破るがフェデールがカオスに対して…。
王都レサリナス 北部 城前広場 カオスサイド
「カオス様…?」
「私の部下が行った貴方様への傷害行為は後程私の方から厳罰を与えておきます。
今はどうかこれで剣をお納めください。」
「………戦わないのか?」
「とんでもない。
貴方様は我等と同じくバルツィエのもの。
剣を交える必要がおありでしょうか。」
「そこの人達は俺に向かってきたけど…?」
「それは貴方様のお顔を拝見して始め、我々の知るカオス=バルツィエ様と結び付かなかったためそこの反逆者共の手の者かと誤解してしまったのでしょう。
そんなことがある筈はないというのに。」
「………確かに俺はこの人達とは無関係だけど…。」
「こうして貴方様が我々の前にお出になられたのも貴方様が正式なバルツィエの剣士だと言うことを表明されようとなさったからなのでしょう?
我々は貴方様を心より歓迎致します。
ようこそ我らが街へ。
遠方より御足労いただき深く感謝いたします。」
「歓迎か。
それは変な話だな。
俺がバルツィエって言ったらって殺そうとしてきたのに。
ここにきて手のひら返しだなんて虫が良すぎるよ。」
「………そのことについては申し開きもございません。
しかし、先程の華麗な剣技を拝見し貴方様が我らバルツィエの名を騙る不敬な輩ではなくあのお方の御孫様だと確信がつき、このように謝罪させていただきました。」
「俺がおじいちゃんの孫って分かって戦わないのか?」
「その通りでございます。」
「………戦わないにこしたことはないけど、
おじいちゃんの孫だからってそんなこと関係ないと思うけど。」
「いいえ、大変重要なことでございますよ。
カオス時期当主。」
「当主?」
「何も間違ってなどございませんよ。
貴方様は我らがバルツィエの時期当主でございます。
そう貴方様は………
我等が王…
アレックス様の御子息なのですから。」
王都レサリナス 北部 城前広場 フェデールサイド数分前
「セバスチャン、指示を頼みたい。」ピッ
『畏まりました。
どのように致しましょうか?』ザザッ…
「今広場にカオス=バルツィエが来ている。
民衆がそれによって興奮状態だ。
そこで………
奴を此方側に引き入れる。」
『はい?
その様なことが可能なのでございますか?』
「今ユーラスの野郎とカオスが戦ってるんだ。
奴がユーラスをかなり追い込んでる。
此方に招き入れられたら即戦力として数えられるくらいには役に立ちそうだ。」
『いえ、そうではなく…。』
「味方に引き込めるかどうかってことだろ?
いいんだよどっちでも。
目的はそこじゃねぇ。
引き込めた場合は儲けものだが引き込めなかったらなかったでも今から俺がやる芝居を大衆が見ればカオス=バルツィエがあちら側なのかが揺らぐ。
そうなれば例えカオスがユーラスをうまく倒したところで大衆が波に乗らなくなってくる。
だからセバスチャン。
セバスチャンは民衆の中に何人か部下を紛れ込ませてカオスが不利になるような煽りを入れさせてくれ。
それだけでいい。」
『………承りました。
その様に手配いたします。』
王都レサリナス 北部 城前広場
「フェデールが………、
騎士団長がカオスに跪いている………?」
「何故カオスに………?
敵同士ではないのか?」
「まさか戦わずに降伏か?」
「カオスの強さに恐れをなしたか!?」
「あれだけの強さを見せ付けられればフェデールでも勝てないと思ったんじゃ………」
「………これはフェデールの演出だったんじゃねぇのか?」
「演出?」
「だってそうだろ!
今日だけで何回信じられないようなことが起こった!?
バーナン会長が捕まったと思ったらそれを助けにダリントンが現れてラーゲッツやフェデールを押し退けた直後に会長が助け出される……のかと思ったら会長は殺されダリントンはユーラスの変装だったじゃねぇか!?」
「………それだけじゃねぇぞ。
あのカオスとかいう奴。
あぁしてバルツィエの隊長を三人も倒すなんて現実的に考えてあると思うか?」
「それは………アルバート様のご子息だからじゃあ…?」
「強いのもアルバート様のご子息だったらそれくらいは………。」
「………そう解釈してしまうのも無理はないが俺はあれが全部仕組まれたことのように思えるね。」
「仕組まれただって!?」
「確かにあのカオスは強かった。
だがユーラスとの最初の方は防戦一方で負けそうになってたが突然流れが変わりはじめただろ?
不自然すぎやしないか?
強かったんなら始めからぶっ飛ばせてた筈だろ?
まるでピンチをよそおってそこから逆転するヒーロー劇みたいに!」
「ヒーロー劇………?
!
劇と言えば…!?」
「あのユーラスが関わってるならそういうことも有り得る。」
「けどカオスはどっか遠くの村の出身なんだろ!?
そんで手配書もあるんだぞ!?
カオスは騎士団とは敵対関係にある筈だ!
これが作為的なものだったとしても彼は関係してない筈だ!」
「手配書事態は騎士団が発行してるんだぞ?
そんなものはどうとでもできる。」
「そうだが………
何のために…?」
「ダリントンをヒーローのように見せてから実際はユーラスだったというような俺達国民に絶望劇を見せるような連中だぞ?
あの手配書話はあいつらのことだからまだ何か俺達に更なる絶望を突き付けたいんじゃないか?」
「まだ何かあるのか………!?」
「俺達を絶望させるようなことなんて他に何が………!?」
「………あれ見れば分かるだろ?
絶望はもう目の前にあるぞ。
救世主のように現れたあのカオスが本当は………
名前の通りバルツィエの仲間だったって事実がな。」
「カオスがバルツィエ側だって…!?」
「そんな嘘だ………。
だってさっきダリントンの部下を助けに入ったんだぞ!?」
「それを言うならユーラスもあそこの子供を助けたぞ?」
「それはダリントンに変装してたからであって…。
第一、あの偽騎士はラーゲッツを殺したんだぞ!?
あの死体の傷を見るに心臓か肺は貫いている!
バルツィエの作戦だって言うならラーゲッツを殺してまでするような作戦なのか!?」
「ラーゲッツは日頃街中でも暴れまわる問題児だからなぁ。
バルツィエもこの機に乗じて殺したんじゃないか?
あのラーゲッツにはユーラスの変装を伝えてなかったようだし…。
バルツィエの奴等ならそれくらいするだろ。」
「!?
………アルバート様がいなくなった後捜しもせずにあっさりと死亡扱いする奴等なら………。」
「それにラーゲッツを殺したのは偽カオスだ。
対してカオスは三人もバルツィエを倒したが誰も殺しちゃいない。
あそこまで圧倒したにも関わらずだ。
これはもうカオスがバルツィエ側と結託している証拠だろ!?」
「で………でもそうなるとあのカオスと偽カオスの関係はどうなるんだよ!?
さっきは知り合いみたいなやり取りをしてたぞ!?」
「………ってことはだ。
あいつら全部が演出なんじゃねぇか?」
「でもあいつはダリントンの部隊の………。」
「そのダリントンは死んでたんだ。
部隊もダリントンとバーナンの奴等が入り交じってメチャメチャ。
そんな中にバルツィエの手先がいても誰も気付けねぇ。」
「それはないだろ!!
自分の部隊の奴だぞ!?
気付かない訳がない!」
「じゃあなんだと言うんだ!
あいつらは一体誰が味方で誰が敵なんだ!?」
「バルツィエ側は全員が敵なのは分かっている………!!
だがあの二人は………!?」
「誰かあの二人を知らないのか!?
あれだけの強さを持つ二人のことが!?
誰か真実を知るものはいないのか!?」