テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしていた。

 レサリナスで騎士団と戦うカオス達だったが長期戦では不利と考えレイディー指揮のもと脱出を謀る。

 脱出する際レサリナスの西門へと向かいそこでカオスはブラムと再開しブラムがカオス達の脱出を助けるが…。


ウインドラとミシガン

グラース国道 北西部 カオスサイド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………よ~し、ここまでくりゃ安全だな、

 点呼をとるぞ~?」

 

「え?急にどうしたんですか?」

 

「一!!」

 

「え!?

 にっ、二?」

 

「さっ、三…。」

 

「……四。」

 

「五……。」

 

「六」「七」「八」「九」「十」「十一」「十「うっせぇ!!何人いやがるんだッつーの!?」二………。」

 

 

 

「………ダリントン隊は……一、二、三………二十人弱か。」

 

 

 

「………バーナン隊は………十五人………。

 三分の一以下か………。

 かなり死んでしまったな。

 それもほぼ味方同士の死闘で………。」

 

 

 

「そうかいそりゃあお辛いこったな。

 死んでったアンタらのお仲間にはご冥福をお祈りさせてもらうぜ。

 残念だったな。

 御愁傷さまさま~。」

 

「レイディーさん、何もそんなふうな言い方しなくても…!」

 

「何だ坊や。

 こいつらはお前を利用しようとしてた奴等だぜ?

 ついでに連れてきてやったが本来ならお前がこいつらをしばき倒しても文句は言えねぇ言わせねぇような立場の連中だ。

 こいつらに遠慮なんてする必要ねぇんだよ。」

 

「俺は別に文句なんて………。」

 

「何もねぇのか?

 こいつらのせいでお前も猿もこんなところまで来て追いかけ回されるハメになってんだぞ?」

 

「私の場合は国の騎士としてはそれが正当な措置だったので………。」

 

「俺は………ブラム達が俺を利用しようとしなくても出ていくつもりだったし………。」

 

「そうか…、

 人に文句も言え「私はあるわよ。」」

 

 

 

 

 

 

「ミシガン………。」

 

 

 

「………」

 

 

 

「………」

 

 

 

「………アンタ………、

 何でミストを出ていったの………?」

 

 

 

「………」

 

 

 

「何で何も言わずにいなくなったの………?」

 

 

 

「………」

 

 

 

「私達がどれだけ探したと思ってるの…!?

 それをこんなところでそんな格好して!

 一体今まで何やってたの…!?」

 

 

 

「………」

 

 

 

「何も言えないの………?

 その人達と一緒になってカオスのことを悪く触れ回ってたのに………?

 そのことについて何もないの?

 ………アンタは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何がしたくてこんなとこまで来たの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

「何も………ないの………?

 私に話すことなんて何も………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………俺は………。」

 

 

 

「…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………解放されたかったんだ………。」

 

 

 

「解放………?」

 

 

 

「………あの村にいる限り、

 あの村の決め事に従って生きる人生が待っていた。

 俺はそれが嫌だった………。

 

 父さんが死んで悲しかったが、

 俺にはそれがチャンスにも思えた。

 

 父さんさえいなければ俺にはあの村にいる理由はない。

 だから隙を見てあの村に来た騎士に混じって俺は念願だった騎士になりに来たんだ。」

 

 

 

「…!!

 村にいる理由は………ない?

 

 

 

 私は………?」

 

 

 

「………お前とは親同士が勝手に決めた仲だ。

 俺は………最初からそれが嫌だった………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!

 ………。」ダッ

 

 

 

「ミシガン!!

 ………ウインドラ、そんな酷い言い方しなくても………。」

 

 

 

「…取り繕っても仕方ない。

 これが俺がミシガンに対する俺の本当の気持ちだ。」

 

 

 

「…お姉さんの方は私が行きます………。」

 

 

 

「………どうしてあんな言い方を?」

 

 

 

「お前だって昔は俺に騎士を薦めていただろ。

 俺はそれを叶えたかっただけだ。

 願望だけで終わるような………

 そんな夢にはしたくなかった………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉さん!」

 

 

 

「………」

 

 

 

「…大丈夫ですか?

 あのウインドラさんとはカオスと同じでお姉さんとも幼馴染みでいらしたのですよね?

 それがあのようにぞんざいに「幼馴染みなんかじゃない!!」!?」

 

 

 

「私とあいつは…!!

 私とウインドラは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 両親達が決めた婚約者だった………。

 けど私は………そんなの関係なく子供の時からウインドラのことを………。」ポロポロ

 

 

 

「………!

 お姉さんとあの方が………!?」

 

 

 

「………ウインドラにとって私は………鬱陶しい存在だったんだ………。

 私は………ずっと………村の皆が探すのを諦めても………きっとどこかで生きていてくれるって信じていたのに………。

 ウインドラにとっては………、

 私は………

 

 

 

 村の中に縛り付ける邪魔者だったんだね………。」

 

 

 

「お姉さん………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウインドラ………。」

 

 

 

「………」

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

「………」

 

 

 

「………もっと本気で殴り飛ばしてくれてもいいんだぞ?

 俺はそれくらいの迷惑をこの十年でかけ続けたんだ。

 そうしてくれた方がお前も………」

 

 

 

「…本当はそうしたいところだけどミシガンを見ていたらそんな気も失せたよ。

 俺以上にお前を叱ってくれる人がいるならそっちに任せるさ。」

 

 

 

「………すまん。」

 

 

 

「………本当のことを教えてくれないか?」

 

 

 

「本当のこと………?」

 

 

 

「お前が騎士を目指す切っ掛けになった根本だよ。

 俺が昔誘っただけじゃないんだろ?

 その前から何か別のこと言ってたしな。」

 

 

 

「………」

 

 

 

「………話す気がないんならいいんだ。

 そんな無理して聞きたいことでもないし………。」

 

 

 

「………俺は………。」

 

 

 

「ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は強くなりたかったんだ………。

 誰よりも強く………。」

 

 

 

「………それは前にも聞いたさ。

 そのもっと前のことを「俺は!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆を守れるくらいに強くなりたかったんだ!

 

 俺が皆を守れるくらい強ければ俺の母さんのようにモンスターに食い殺されて死ぬ人も出なかった!

 ましてやヴェノムなんかを恐れて王国に泣き寝入りするようなことも!!」

 

 

 

「…!」

 

 

 

「俺は………俺は皆を守れるくらい強くなって村を救いたかった………。

 

 十年前はその力が………俺にはなかった………。

 だから皆を死なせてしまったし………、

 お前が責任を感じて村を離れるようなことにもなった………。

 

 俺は………警備隊の副隊長の息子なのに何も出来なかった………。

 

 十年前のあの事件では俺は己の非力さを痛感したんだ………。」

 

 

 

「あの時は………俺達は子供だったじゃないか………。

 あの時は何もできなくても「俺の中ではしょうがないなんて言葉で片付けられなかったんだ!」」

 

 

 

「あの事件で感じた無力感はあの後村に居続けてもずっと晴れることはなかっただろう!

 

 あの事件を思い返す度俺は非力な自分が嫌になる!

 

 あの村で非力なままなぁなぁに過ごしていたならいつか必ず俺の母さんのような犠牲者が出てくる!

 

 その時になってまたあの事件のようなことを繰り返すことになるのは俺には耐えられない!

 

 だから俺は力を求めて騎士団とともにレサリナスへと上都したんだ!」

 

 

 

「………それがウインドラが失踪した本当の理由なのか。」

 

 

 

「………あぁ、

 俺は俺の目標へと到達するためあの村を捨てたんだ。

 一度何もかもしがらみから解き放たれて己を鍛え上げる時間が欲しかった………。

 アルバさんという例が俺が強くなる確信をくれた。

 それからの俺が村を捨てるのに迷いはなかった。」

 

 

 

「…じゃあミシガンのことは………?」

 

 

 

「………俺が何を言ったところで言い訳にしかならない。

 俺があいつを含めて村を捨てたのは事実だ。

 それだったらあいつの怒りをそのまま受け止めることが俺にできる唯一の贖罪だろう。

 

 もしかしたらあいつは俺が素直に訳を話せば許してくれるかもしれない…。

 ………本当だったらあいつから本気の一発を覚悟してたんだがな…。

 

 それがないのなら俺はあいつの怒りを風化させないように努める。

 

 

 

 あいつも俺も………、

 こんな俺を赦してはいけないんだ………。」

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