テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 騎士を目指す少年カオスは村を襲撃するモンスター、ヴェノムに立ち向かう。

 その戦いは数日にもおよび村人も疲れが見えてくる。

 そんなときアルバはウインドラとともにヴェノムの潜む森へと向かい様子を窺いに行くが焦る村人たちを留めるためカオスは1人森へと突入するのだった。


歴史の始まり

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、!!」

 

 ここ連日は常に走りっぱなしだ。

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、!!」

 

 心の中ではもう走ることを止めたくて仕方ない。

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、!!」

 

 だけど今走らないと取り返しのつかないことになる気がする。

 

「ハァ、ハァ、ハァ、……ハァ、!!」

 

 だから辛くても泣きたくても走ることをやめられない。

 

 止めたら後で泣くことになると思うから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~、ついてねぇなぁこりゃぁ。」

 

 アルバは1人で愚直を溢す。

 

「かっこつけて出張ってみたがアイツら行かせないでよかったぜ。」

 

 安心したかのようなセリフを吐くが内心は途方にくれている。

 

「おかげでこんな化物に出くわしちまうんだからな…。」

 

 

 

 

 

 

 アルバの目の前には6メートルはある巨大なヴェノムがいる。

 

「こいつぁブルータルでも感染しちまったか?」

 

 このヴェノムを村に連れていく訳には行かない。

 

 ただでさえ村人達は疲れている。

 

 これ以上は穴は掘れないだろう。

 

 そこに来てこの巨大ヴェノムである。

 

 恐らく今まで掘らせていた穴では落としたとしてもこいつは出てくる。

 

「ったく、こういうやつが出てくることなんざ予測はついてたんだがなぁ。」

 

 今度こそお手上げである。

 

「すまねぇなぁ、カオス。ここで詰まされたらしい。」

 

 今までは村の中の使えるものを全て使って凌いできたがこのヴェノムは何をしても防ぎようがない。

 

 目の前の怪物の触手がアルバに迫る。

 

 

 

「………昔の夢なんざ見るもんじゃねぇな。諦めていたのによぉ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おじいちゃん!」

 

 

 

ドンッ!

 

 

 

ジュッ!

 

 

 

 

 

 横から別の何かがぶつかってきた。

 

 それによってアルバは触手をかすらせる程度ですんだ。

 

 

 

 

「何やってんだよおじいちゃん!避けろよ!?」

 

「カオス…。」

 

 そこには村に置いてきた筈の孫が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でこいつは何!?」

 

 カオスは祖父を襲おうとしていたヴェノムを見て苛立ちながらも問う。

 

「…恐らく、森の主にでも感染しちまったんだろう。ここまででかいのはそうとういろんな奴取り込んでるぞ。」

 

「森の主!?そんな奴がいたの!?」

 

「いたんだろうな。殺生石に守られて知ることもなかったが。」

 

 そうか、そんな奴がいたのか。

 

「出切ればヴェノムに感染する前に見たかったな。」

 

「バカ野郎…。そしたらこんなノロマじゃねぇかもしれねぇぞ?お前なんかすぐ追い付かれてパクっと丸飲みコースだ。」

 

「嫌な言い方するなよ…。」

 

 こんなときに冗談言う余裕はあるのか。

 

「こいつはどうすればいいの?」

 

「…俺1人だったら諦めてたんだがな…。」

 

「え?なに?」

 

「何でもねぇ。諦められねぇ理由が出来ちまったじゃねぇか畜生!」

 

「諦めさせる訳ないだろ!死ぬ気で考えやがれクソジジィ!」

 

 調子に乗って暴言を吐く。

 

 おじいちゃんが無事でよかった。

 

 そのことだけでここまで走ってきてよかった。

 

 後悔しないですんで本当によかった。

 

 

 

 

 

 

「カオス!こんなときになんだが俺はお前に戦う時いつも何に気を付けさせている?」

 

「本当にこんなときにだな!冷静に己の立ち位置を把握して状況を判断することだろ!?」

 

 急に日頃の訓練のお復習してなんなんだ。

 

「そうだいつもいつも言い聞かせてるんだがボアと同じで猪突猛進なお前には学習してもらえなくて手を焼かされてるわ。」 

 

「説教は後にしろよ!」

 

「バカ野郎今から大事な事言うんだから黙って聞いとけ!」

 

 なんなんだよ、何が言いたいんだ。

 

「このデカイの見てどう思う?」

 

「どう思うってデカイとしか…。」

 

「そうだデカイな。こいつ、村の穴に入ると思うか?」

 

「…どうだろう。」

 

「このサイズは流石に無理だ。穴から出てきちまうぞ。」

 

「じゃぁどうすればいいんだよ!」

 

「考えてみろ!」

 

「考えてみろって…」

 

 僕はコイツらのことを最近初めて知ったんだぞ?

 

 分類的にはスライムなんだろうが普通のスライムと違って水は押し飛ばせるだけで効かない、風で切っても再生する、地で突き刺しても同じ、雷と火を受け付けない液状の体。氷で冷やしても即熔ける。

 

 魔術自体が効かないのか。

 

 なら物理攻撃は……いやもっとダメだろう。

 

 斬った剣が溶けるのは確認済みだ。

 

 ましてや他のものを使ったところで同じ結果だろうな。

 

 ならどうすればいい。

 

「……。」

 

「そんなに難しく考えるな。何もこっちの攻撃が全てじゃねぇ。相手の習性が弱点に繋がることもあるんだ。」

 

 相手の習性?

 

 スライムであらゆる生物に感染して増殖してとても強い酸性の体で魔術が効かない物理攻撃が効かない獲物に真っ直ぐ突き進むため誘導しやすい他には分裂するくらいしか…………分裂!?

 

「そうか分裂か!?」

 

「よし、先ずは及第点だな。」

 

「それって何点なの?」

 

「ヒント言うまでこんな簡単なことに気付かなかったから30点だな。」

 

「低くない?」

 

「これから上げるんだよ。じゃあ、分裂させるにはどうすればいい?」

 

「どうすればって…」

 

 どうすればいいんだ?

 

 こんなデカイんじゃぁ風で斬ったりも出来ないし…

 

「木に誘導してぶつけるとか?」 

 

「木が溶けて終わるだけだろうな。」

 

 じゃあどうすればいいんだ?

 

「まだまだお前には戦眼は早いってこったな。とりあえず今回は俺が答えてやる。次からはお前が1人で考えてみろよ?」

 

 どうしたんだ?

 

 こんな状況で勉強している余裕があるのか?

 

「カオス、こいつを引き付けてろ。その間に俺がストーンブラスト、アクアエッジ、アイシクルで土の山を作る。」

 

「土の山!?」

 

「コイツらは最も近くにいる奴に直進していくんだ。そこを利用してコイツには俺の作る山で自分で自分を斬ってもらうのさ。」

 

「でも山が溶けたりは…」 

 

「それで溶けきってたらコイツらはもとよりこうして地面を這って移動すらできねぇよ。」

 

 確かに言われてみればそうだ。

 

「一応は軽く地面も溶けてはいる。だが原理は分からねぇが生物に比べてコイツの酸が大して働いてないようにも見える。意識的にか無意識か使う酸を分けてるんだ。」

 

 そんなとこまで観察するとは…。

 

 僕は落とすことしか頭になかった。

 

 おじいちゃんへの道は果てしなく遠いことをまた改めて認識し直した。

 

「始めるぞカオス!」

 

 僕達はそれぞれの役割を果たすことにする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、ハァ、ハァ、これくらいでハァ、いいだろう…。」

 

 僕達はあれから作戦通りこなし、ジャイアントヴェノムを4つまで分裂させた。

 

「このくらい分裂させとけば後は大丈夫だね!おじいちゃん!」

 

「あぁ、ハァ、ハァ、そうハァ、だな…。」

 

「おじいちゃん?」

 

 疲労困憊な時に偵察と魔術の連続使用で苦しいのだろうか?

 

「ハァ、ハァ、……ッフゥー、大丈夫だ。コイツら連れて…村へ戻るぞ…。」

 

 息を調えてはいるが顔色は優れない。

 

 早く休ませてあげなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれからしばらくして村につく。

 

「カオス!アルバさん!」

 

 ウインドラが出迎えてくれた。

 

 

 

「おいアイツら帰ってきたぞ…?」

 

「ヴェノムも一緒だ。早く空いた穴に落とせ!」

 

 村人達もなんとか気力を繋いだらしい。

 

 僕たちの代わりにヴェノムを引き付けてくれた。

 

 正直助かる。

 

 村に付いた途端緊張の糸が切れたのか今にも倒れそうだ。

 

 

 

 

 

 

ドサッ

 

 

 

 

 こんな風に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 森で1晩中走り回ったおじいちゃんと僕は村に付いてから直ぐにでも休もうと村の中に入ろうとした。

 

 だが村に入る直前でおじいちゃんが倒れた。

 

 体力の限界が来てしまったのか。

 

 

 

 

「おじいちゃん!?」

 

「アルバさん!」

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ…」

 

 僕は倒れたおじいちゃんの体を抱き起こす。

 

 だが

 

「あつっ…!」

 

 抱き起こそうとした体からはとても人の体温とは思えないほどの熱が伝わってきた。

 

 なんだこれはおじいちゃんの体で何が起こっているんだ?

 

 

 

 まさか

 

「ヴェッ…ヴェノムに感染してるんじゃないか!?」

 

 村人の誰かがそう言う。

 

「ソイツから離れろ!お前らも感染するぞ!?」

 

 

 

 そんな筈はないだろう。

 

 おじいちゃんはずっと僕と一緒にいたんだ。

 

 おじいちゃんがヴェノムに触ったとこなんて見てないぞ!?

 

 触ったとこなんて……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 あのとき…!?

 

 僕がおじいちゃんを突き飛ばしたときまさか触っていたのか!?

 

 けどあの後特にそれらしい様子を見せなかったから触れなかったんだと思っていたのに何で!?

 

「ハァ、ハァ、カオス……俺から…ハァ、離れろ…。」

 

 おじいちゃんが今にも死にそうな声で言う。

 

「待って!嫌だよおじいちゃん!何でだよ!?さっきまで元気だったじゃないか!?」

 

「アルバさん!?しっかりしてください!貴方からはまだ父さんのことを聞いてないのに!」

 

「ハァ、ハァ、悪いなウインドラ…ハァ、ハァ、今の俺がそのままハァ、ハァ、ラコースそのものだったよ…ハァ、ハァ、。」

 

「!!」

 

「おじいちゃん!風邪何だろう!?ただ疲れて倒れただけなんだろう!?早くベッドに連れていくからね!?」

 

 僕はおじいちゃんに肩を貸して連れていこうとする。

 

 ウインドラも反対側から手伝ってくれる。

 

 

 だが

 

「離せって……ハァ、ハァ、言ってんだろ…。」

 

 

 

 

 

ドンッ

 

 

 

 

 

 おじいちゃんに僕とウインドラは突き飛ばされてしまう。

 

 

 

ドサッ

 

 

 

 そして再びおじいちゃんが倒れる。

 

「おじいちゃん!何するんだよ!?早く休もうぜ!?意地張ってないでさ!?」

 

「……。」

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ。」

 

「そんなに息があがるほど疲れてんなら部屋でグッスリ眠れよ!連れてくからさぁ!」

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ。」

 

「別に風呂入ってないから臭うとか気にしない増加僕は!」

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おじいちゃん…?」

 

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな…。

 

 どうしてだよ…。

 

 あれほど後悔しないように頑張ったじゃないか。

 

 子供だから出来ないからって言い訳しないって。

 

 僕は人に比べて出来ないことが多いから誰よりも頑張らなくちゃって。

 

 おじいちゃんを迎えに行ったのだって必死だったんだ。

 

 

 

 どうしてあのとき…後1秒早く助けられなかったんだ。

 

 どうしてあのとき…後1秒が届かなかったんだ。

 

 僕が……いろいろ足りないせいでおじいちゃんは……………。

 

 

 

 こうして涙が出たところで何も戻りやしないのに……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ、ハァ、カオス。」

 

「!!」

 

 おじいちゃんが僕を呼ぶ。

 

「おじいちゃん!」

 

「ハァ、ハァ、気に病むなよ…?これは別に…ハァ、ハァ、お前が悔やむ必要なんかねぇんだ…ハァ、ハァ、。」

 

「だけど!」

 

「ハァ、ハァ、本当はあのときお前に助けられなかったら……ハァ、ハァ、あの場で……俺は終わってたんだ。ハァ、ハァ、」

 

 え?…

 

「あの時点で俺はなハァ、ハァ、…生きる自信を無くしちまってたんだハァ、ハァ、」

 

「……。」

 

「あんなハァ、ハァ、バカでけぇハァ、ハァ、ヴェノムを見て俺はぁっ…ガハァ!!」

 

 おじいちゃんが血を吐く。

 

 その血からは蒸気が沸く。

 

「ハァ、ハァ、お前が現れたからハァ、駆け付けてくれたからハァ、ハァ、ハァ、ハァ、助かった…!」

 

 なんだ?

 

 僕はただ駆けつけただけだ。

 

 何かしたわけじゃない。

 

 むしろ何も出来なかったのに。

 

 こうして目の前で苦しむおじいちゃんに何もしてあげられないのに。

 

 

 

 

 

 

「俺はハァ、ハァ、騎士になりたかったんだ…ハァ、ハァ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 騎士…?

 

 突然何を言って…?

 

 おじいちゃんは騎士だったのではないのか?

 

 

 

「ハァ、ハァ、当然、王都でハァ、ハァ、騎士には、慣れたんだハァ、ハァ」

 

「俺はハァ、ハァ、昔から、ある騎士に憧れてハァ、ハァ、それを目指していたハァ、ハァ、。」

 

「ハァ、ハァ、フぅッ、グゥゥゥ!!その騎士は俺の、ハァ、ハァ、師匠でなハァ、ハァ、いろんなことを教えてもらったハァ、ハァ。」

 

「そのうちぃ…ハァ、…ハァ、いろんな武勲を、ハァ、ハァ、取ったりして順調に、ハァ、ハァ、進んでたんだ。ハァ、。」

 

「だが…ハァ、ハァ、あるときからハァ、ハァ、ヴェノムが溢れだしてハァ、ハァ、街や村をハァ、ハァ、救えねぇ時があった。」

 

「ハァ、ハァ、悲しくてなハァ、ハァ、俺の力が足りないばっかりにハァ、ハァ、死なせちまってハァ、ハァ」

 

「そして、ハァ、ハァ、俺は…ハァ、ハァ、盾となって臣民を守るとハァ、誓ったのに、ハァ、」

 

「ハァ、いつの間にかハァ、ハァ、感染した臣民をハァ、斬ることの方がハァ、多くなった。」

 

「ハァ、ハァ、俺は英雄だハァ、なんだと持て囃されていたが実際はハァ、ハァ、その英雄と言ってくれるハァ、ハァ、臣民をハァ、斬り殺す殺人鬼ハァ、ハァ、だった。」

 

「ハァ、ハァ、俺は皆ハァ、ハァ、の期待に応えたかったハァ、ハァ、皆の信用をハァ、ハァ、裏切りたくなかったハァ、ハァ、。」

 

「ハァ、ハァ、そうしているうちになハァ、ハァ、昔なりたかったハァ、ハァ、俺がハァ、俺の中からいなくなってたハァ、ハァ、」

 

「何もかもハァ、虚しくなってなハァ、ずっと逃げることばかり考えてたハァ、ハァ。」

 

「悪かったなハァ、ハァ、貴族だったこと黙っててハァ、ハァ、俺はこんな半端者だからよハァ。」

 

「ハァ、ハァ、名前の件だってそうだ。ハァ、ハァ、嘘の名前で通してハァ、ハァ、」

 

「俺はハァ、昔の自分とハァ、ハァ、別人になりたかったんだハァ、ハァ。だから名前をハァ、ハァ、変えようとした。」

 

「ハァ、けどもし名前を変えたことをハァ、ハァ、昔の俺を知ってるハァ、ハァ、奴が知って訪ねてきたらハァ、ハァ、思うと怖くて、変えきれなかった。」

 

「結果ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、本名を弄ったハァ、ハァ、だけの偽名になったんだ。」

 

「ハァ、ハァ、なんてことはない!只の臆病者を100年続けてたんだよハァ、アッハハッハッハっ!」

 

「お前がハァ、俺に憧れて騎士をハァ、目指すっつーんならハァ、ハァ、ハァ、止めとけ…。半端者が移る。」

 

「ハァ、ハァ、だがら!ハァ、お前はッ!ハァ、そのままのお前になれ!他の誰でもない!お前だけのその真っ直ぐなお前に!」

 

 

 

「おじ…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前なら世界を、……バルツィエを変えられるかもな……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おじいちゃんは僕に僕が嘘だと気付かない嘘をつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大抵はそのあと他の人からそれが嘘だと知らされる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 名前の件だってそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まんまと今までの人生まるごと騙された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これも嘘だったらよかったのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうして世界は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんなにも僕に冷たいんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうして世界は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんなにも僕を孤独にするんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんな世界に生まれて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕は何をしたら幸せになれたんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウインドラが何か言ってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうでもいいや

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ほっといてくれよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕のことなんか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 誰?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕とおじいちゃんを暗い世界に閉じ込めるのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 けどもういいや

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 このまま溶けて消えてしまいたい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんな僕とおじいちゃんに残酷なこの世界から

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 消えて、しまい、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『また…ヴェノムが暴れだしたようじゃな。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『また…ワシが屠らねばならぬのか。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都の某所

 

『……何のようだ?』

 

「よう、久しぶりだな、元気にしてたか?」

 

『……』

 

「こっちは今明け方なんだがそっちはどうだ?」

 

『…こちらも先程朝をむかえた。』

 

「そうか、前は大分ずれてたのにな。」

 

『…そんなことを確かめるために態々連絡をよこしたのなら切るぞ。』

 

「慌てんなよ、せっかちな弟だな。」

 

『……』

 

「私達が探していたものが見つかったぞ。」

 

『!』

 

「どうやらこっちの方にいるみたいだ。それも私の国にな。今朝がた反応があった。」

 

『……』

 

「永年探していたものが見付かったのに無愛想なやつだなお前は。」

 

『…今どこにある?』

 

「これから捜索させるからそれまで待っとけよ。それかこっちに来ねぇか?」

 

『…お前が持ってこい。』

 

「どんだけ偉そうな弟何だろうな姉に向かって持ってこいとは。」

 

『……』

 

「これでようやく計画を前進させられるんだ。有り難く思えよ?」

 

『……取り逃がすなよ。』

 

「分かってるよ、ずっと探していたんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの()()()の精霊をな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

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