テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしていた。

 レサリナスから逃亡したカオス一行と謀反を企てた騎士団の残党はこれからのことを話し合うが満場一致でダレイオスへと亡命することにする。

 騎士団の残党にはダレイオスに対して秘策があるようだが…。


舵取り

グラース国道 北西部 夜

 

 

 

「皆さん!」

 

「おぉ、戻ったかガキ。

 でどうだった?」

 

「タレス?

 今までどこいってたの?」

 

「そうですよ。

 話にはでてきましたけど王都を抜けてから姿が見えませんでしたが………。」

 

「レイディーさんに言われて王都の様子を窺ってきました。」

 

「まさか一人で様子を見に行ってたのか!?」

 

「タレスダメですよ!

 昼間のあの騒ぎで私達はバルツィエにマークされている筈です!

 タレスだってあの場で戦っていたのですから見つかっていたら捕まっていたかもしれないのですよ!?」

 

「落ち着いてください。

 そのようなことはありませんでしたよ。

 今王都は戒厳令がしかれているらしく門から外まで出たら騎士団はあまり深追いはしてきませんでしたから。」

 

「それでも危ないことに変わりはないだろ!?

 レイディーさん!

 タレスになんてことをさせるんですか!?」

 

「なんてことって言われても斥候の遣いに出したとしか言えねぇな。

 どのみち必要な措置だった。

 誰か行かせなきゃならないんなら一番安全に遂行できる奴に行かせた方がいいだろ。」

 

「だったら俺が行きますよ!」

 

「カオス、

 それは得策ではないな。

 お前は昼間の件で最も注目を集めたんだ。

 お前が出張っていけば騎士団は総力をあげて捕らえに来るだろう。

 ………昼間仕留め損なったユーラス、ダイン、ランドールが復活していると思うからそこにフェデールまで加わったら流石のお前でも捕まってしまうだろう。」

 

「だけど俺昼間はあのフェデールっていう人と戦って対等に戦えてたぞ?」

 

「そうだな。

 そうとも言えるがあれは奴等がお前の力を把握していなかったからだ。

 例えお前がフェデールより強かったとしても昼間の様子を見る限りでは本の少し上というくらいだ。

 そこに他のバルツィエ隊長格が加わったらいかにお前といえどもやられてしまう可能性がある。

 一度お前の実力を体験したんだ。

 今度の奴等はお前を前にしても確実な対処をとってくる筈だ。」

 

「………」

 

「それにお前が行って奴等が過剰反応を起こしてお前を追い掛けてきたらどうするつもりだ?

 お前はともかく他の者はお前ほど素早くは走れないぞ?」

 

「それはそうだけど………。」

 

「アタシは別に坊やのスピード程じゃねぇが逃げ切れる自信はあるな。

 それより坊や擬き!

 その言い方だとお前らは足手まといじゃないように聞こえるぞ?

 お前らだってそんなに早く走れねぇだろうが。」

 

「…そうだが。」

 

「それに昼間お前とラーゲッツの戦いを拝見させてもらったがお前だってカウンタータイプのスタイルでスピードは精々パンピーに毛が生えた程度なんだろ?

 そんな奴が偉そうに語るなよ。」

 

「俺は貴女をフォローしようとしたつもりだったんだが…?」

 

「フォローなんか要らねぇよ。

 アタシが全部解説してやっから。

 ………と言うわけだ。

 アタシやこいつらと坊やじゃフェデール達を刺激しかねない。

 残るは女二人とガキだが三人の中で最も斥候に向いていたガキをアタシがチョイスさせてもらったわけだ。」

 

「それでしたら私でもよろしかったのですけど…?」

 

「馬鹿が。

 女なんか向かわせたら取っ捕まってお仕舞いだろうが。

 騎士団は大半が男なんだぞ?

 こいつらとは別の意味で刺激しちまうぞ。

 それなら対して刺激しない男のそれもガキを行かせるのが効率的なのさ。」

 

「確かにそうなのかもしれませんが………、

 あまりタレスをそういった危険な仕事を押し付けるのは止めてくれませんか?」

 

「あん?

 何でだよ。」

 

「タレスは………、

 俺達と出会うまでずっと奴隷のような生活をたらい回しにされてきたんです。

 今でこそ声が出せるようになってからは普通の生活ができるようになって戦ったりすることもできると思いますけどなるべくタレスにはそういうのからは遠い世界にいてほしいんです。

 もうすぐダレイオスに帰れるんだから………。」

 

「カオスさん………。」

 

「………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 甘いな坊や。」

 

 

 

 

 

「甘い…?」

 

「もうそんな同情抱いてる状況じゃない。

 そのガキ一人の事情なんて四の五の言ってるときじゃないんだ。

 使えるものは全て有効的に使う。

 そうしないと生き残れない。

 そんな状況におかれてるんだよアタシ達は。」

 

「!」

 

「そんなときにそんな感情で動かれちゃ全員が被害を被るだけだ。

 さっきの話聞いてたろ?

 お前やアタシが斥候なんかしたら即座に捕まってこいつらも捕まる。

 はい!終わり!

 ………それだけなんだよ。

 選択ってのは一つ間違えただけで全てが狂う。

 一つ一つ丁寧に選んでいかなきゃならねぇ。

 そんなときにガキが可哀想だからさせたくないなんて言ってられるかよ。

 こちとら命がかかってんだ。

 動ける奴等は全員動かす。

 そこには大人も子供もない。

 マテオもダレイオスもない。

 集団で動いていてそこに使える手がある以上使う。

 そうしなければ後で使わなかったことを後悔することになる。

 お前らは別に後悔してもいいってんならやらなくていい………なんてことは言わねぇぞ?

 アタシがこの集団に所属しているのに最善の方法をとらないということにはさせない。

 アタシがいる以上我が儘なんて許さねぇ。」

 

「レイディーさんは………人の事情というものが考えられないんですか!?」

 

「考えたところで所詮他人事………。

 考慮した上で選択肢を消すような理由にはならん。

 人生なんて人それぞれだ。

 逐一こういったことがあってこれはできないんです~、なんて報告受けてちゃできることなんざ無くなってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いいか?

 この世の中できることの範囲が広い奴が勝つんだ。

 そんな世界でただでさえ人員も能力もない集団が生き残るためには泥水すすってでも生きようとすることが必要なんだ。

 上品な物だけ求めたって手に入らなければ何の意味もない。

 アタシ達は今泥水すすらなくちゃならねぇんだよ。

 もうすぐ帰れるから?

 タレスにはもう酷いことはさせたくないから?

 俺が引き受けるって?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バッカヤローがッ!!

 もうすぐだなんだじゃねぇんだよ!!

 もう少しで帰れるならもうさせたくないだ!?

 

 ちげぇだろ!?

 もう少しで帰れるから後本の少しの努力を見せやがれ!!

 そうすりゃ誰も犠牲にならずにすむ可能性が高まるんだよ!

 あくまで可能性の話なんだ!

 絶対じゃねぇ!

 絶対じゃねぇなら少しでも可能性をあげることに貢献しやがれ!!

 このアマちゃん共が!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「………」」」」

 

 

 

「………話は以上だ。

 ガキ、

 少し時間やるから休んだら情勢を話してくれ。」スタスタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何なんですかねあれは………。

 ちょっといい人だと思ったら………。」

 

「そこはレイディーですから………、

 割り切るしかないですよ。」

 

「………スミマセン、

 ボクのことでこんな空気にしてしまって………。」

 

「タレス君は何も悪くないよ。

 悪いのはレイディーの態度だから。」

 

 

 

 

 

 

「あの人は俺達の変わりに場を纏めてくれているんだ。

 本来なら俺達の隊長………ダリントンがしなければならない役を引き受けてくれている。

 それもこんな立場の違う人同士の集まりを嫌われ役を買って出て一纏めにして………。

 彼女は………とても素晴らしい人だな。」

 

 

 

「「「………」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………それは考えすぎなんじゃないかな………。」

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