テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
謀反を企てていた騎士団の話を聞く途中ヴェノムが魔法生物であるということを聞く。
それを聞いてカオスは…。
グラース国道 北西部 深夜
「ヴェノムが魔法生物………ですって?」
「ん?
坊やらあんだけの距離歩いてきてスペクタクルズをヴェノムに一度も使ったこと無かったのか?
そんくらいパッと調べられるだろ?
図鑑にセットしてみりゃ分かるぜ。
あいつら魔法生物のカテゴリになるんだ。
見た目は無形のスライムと大差ないのにな。」
「………」
「…つっても坊やらはヴェノム相手にも特に苦戦しねぇから使う意味もなかったのか。」
「?
カオス様達はワクチンをお持ちなのですか?」
「いやちげぇよ。
この際だから言っておくがこいつらな、変な体質しててな。
ヴェノム相手にもワクチン無しでぶちのめせるんだよ。」
「!?
それは真ですか!?」
「えぇ、
………本当です。
私達もどういう原理でこの能力を得ているのかは把握できてはいませんが………。」
「私は違うけどね。
感染はしないけど………。」
「黙っていたが俺もそうだ………。」
「ウインドラも………?」
「俺やミシガンは昔ある光を浴びてな。
それからヴェノムに対して耐性ができているようなんだ。
それ以上のことは分からん。」
「ある光とは…?」
「それは………。」
「………こいつらの村に昔特殊な岩があってな。
それに触れると生物のマナをまるごと吸収して殺しちまう恐ろしい化け物岩だったんだ。」
「?
そんな岩がこの世にあったのですか?
王都でもそのようなものは聞いたことがありませんが………。」
「こいつらの村で発見されたのが初だろうからな。
その岩の周辺にはモンスターやヴェノムが寄ってこねぇからこいつらはそこで静かに暮らしてたんだよ。」
「それはまるで封魔石のようですね…。」
「効能としては違うんだろうが効果だけ見るならそれだな。
…その岩がある時能力を発揮しなくなってそんでこいつらの村にヴェノムが押し寄せてきたんだ。
その時にその殺生石が最後の力を振り絞って発光したんだ。
それによって村のヴェノムだけを全滅させた。
その光を浴びてこいつらはそれからヴェノムに対しての能力が付いたようだ。」
「「「「………」」」」
「そのようなことが………、
では皆さんの戦闘技術が高いのもその光の影響で?」
「そういう訳じゃねぇな。
こいつらの能力は精々ワクチン要らずな点とマジックアイテムを必要としねぇくらいだ。
戦闘技術の高さはこいつらの練度が高いだけだ。」
「ですがそれですとレイディーさんとタレスさんだけはその能力はお持ちでないと?」
「アタシはそうだがガキはこいつらと同じだぜ?」
「?
タレスさんはダレイオスご出身なのですよね?
その光を浴びた現場に居合わせていたのですか?」
「…ボクはカオスさんとアローネさんに助けられてからこうなりました。」
「!?
その力他の者にも反映させられる方法があるのですか!?」
「そっ、それは………。」
「その方法があるのなら我々には大きな力になる!
是非とも我々にもその方法をお教えください!」
「えとぉ………。」
「止めときな。
ガキに関してはたまたまその殺生石のところに連れてかれて運よく能力が得られただけの話だ。
その能力はもう譲渡するのは不可能なんだよ。」
「レイディーさん…?」
「ですが我々もその殺生石というもののところに行って…。」
「確かにその能力は魅力的だが得るためには殺生石に触れなきゃならねぇ。
ガキはヴェノムに感染した時たまたまその近くにいてワクチンが無かったからヴェノムを打ち消せるかどうか試しに触らせてみただけだ。
結果力を得たがそれが最後だったみてぇで対に殺生石は死んじまった。
もうあの岩にはヴェノムを殺す光を放つ力もマナを吸収して殺す力も残っちゃいねぇ…。」
「…そうですか………。
ならば諦めるしかありませんね。」
「レイディーアンタさっきから何をムグッ!?」パッ
「これからヴェノム逆巻くダレイオスに向かうから保険が欲しいのは分かるが仮にこいつらの能力が手に入るとしても方向が真逆だ。
今は放っておくしかねぇ。
現地に行って能力が得られなかったアタシが言うんだ。
そう旨い話はなかなか来ねぇさ。」
「…いえ、私共にとっては貴女方が昼間に居合わせたことだけでも幸いです。
これから共にダレイオスへと渡っていただけるのですからこれより先を求めすぎるのは騎士として立つ瀬がありませんね。」
「…しっかり心得てるじゃねぇか。
で話を聞いてるとお前らダリントン隊とバーナン隊はアルバート=ディランの武勇伝から『カオス=バルツィエ』の広告とワクチンの製造情報を調べる班に分かれて動いていて何もしてない余った奴等が注意を引き付けていたって訳だな?」
「そうです。」
「………バーナン隊の方は上手くいっていたようだがダリントン隊は成果を上げられなかったようじゃねぇか。
それでよく昼間の作戦を実行に移せたな。
バルツィエの奴等は大々的にワクチンで脅しをかけるようなことはしてねぇが逆上させてそれをされたら作戦が途切れるんじゃねぇのか?」
「…結果的には昼間の件で作戦を急ぐことになってしまいましたので………。」
「………ダリントン隊がやはり足を引っ張っているのではないか。
それでよくこちらを非難できたものだな。」ボソッ
「貴様「また水ぶっかけられてぇか?」………いえ。」
「バーナン隊も挑発するようなことは言うな。
お前らの確執はよく分かってる。
今はそっちの方を水に流せ。」
「…分かりました。」
「………けどさレイディー。
今バルツィエがワクチンで強迫しないとか言ってたけど何でバルツィエの人達はそうしないの?
そうしたらバルツィエの人達に逆らえる人なんていないんじゃないの?
…私達を除いて………。」
「………アタシもそれを考えたことはあるがどうにも奴等はその手を使おうとしない。
…最終手段としてとっているだけなのか、貴族としての最低限のラインを守っているのかどっちかだと思うが…。」
「でもボク達がカストルで緊急でワクチンが必要になったときに騎士団の人達に分けてもらうようお願いしに行ったら不遜な態度で断られましたけど…。」
「遠方のしたっぱとかにはそういう奴等もいるだろう。
しかしな?
王都近辺の連中だけはその手を使わないように命令されてるみてぇだぞ。」
「その話は俺達の部隊も知っている。
ワクチンで足下を見るようなことをして余計に反感を食らうようにしないためではないか?」
「あの外道連中がそこまで考えてんのかねぇ…。」
「反乱を抑えるのはあくまでも力だけで十分ということではないか?
現にこの国ではバルツィエに反感を抱くもの達はいてもそれを行動に移すものなどいないのだから。」
「まぁそうなんだがよぉ………。」
「…何かそうしない理由があるとするならば国としての商業の流れを止めさせないようにするためかもしれない。
奴等も物資が遠方とのやり取りで滞るのは困るだろう。
物資を得ている以上はどこかしらにワクチンの素材を入手する経路がある筈だが………。」
「その線が妥当なのかねぇ………、
もっと別の理由がある気がするが………。」