テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
謀反を企てていた騎士団との話でカオス達のことを聞いた騎士団がその力を自分達にもと求めてきた。
それをやんわりと断るレイディーだったが…。
グラース国道 北西部 深夜
「…もう時間が遅いな。
今日はもう寝るぞ?
明日は明朝には発つからな。」
「それでは私共が見張りを致します。
皆様はお疲れでしょうのでご就寝なさってください。」
「いいのですかお任せしても?」
「昼間は私共は皆様に助太刀いただいてこれといった活躍がなかったのでこのような雑事は引き受けましょう。」
「おう、悪いな。
じゃ任せた。」スタスタ…
「………」
「どうしたカオス?
お前は寝ないのか?」
「………少し風にあたってから寝ることにするよ。」
「…そうか…。」
「………」
「それではボクも手伝いますよ。」
「いえ、
ここは私共だけで結構です。
タレスさんもお体をお休めください。
…摂行の任も疲労は激しいですから。」
「…それでは………。」スタスタ
「………じゃあ私も寝るねカオス。
お休み…。」スタスタ
「お休み………。」
「……では参りましょうか。」
「…アローネは寝ないの…?」
「私もカオスと一緒です。
まだ少し眠気が浅いので…。」
「…そう………。」
………………………………………………………………
「………風にあたりに来ましたけど今日はそこまで風が吹いていませんね…。」
「…そうだね………。」
「…それで今回はカオスは何が気になっているのですか?」
「え?」
「先程のお話で何か気になることがあったのでしょう?」
「………アローネはお見通しだったんだね。」
「カオスのことはよく見ていますし以前と同じようなお顔をしていらしましたから…、
このくらいのことなら分かるようになりました。」
「そう………、
けどアローネもそうなんじゃない…?」
「お気付きでしたか…。」
「俺もアローネのこと見てたからね…。」
「あら?
そうだったのですね。
気づきませんでした。
ですが私の件はそこまで深いものでもないのですよ?」
「ふ~ん?
………じゃあアローネの方から言ってみてよ。」
「はい、
では………、
私が気になったのは“アスラ”という言葉についてです。」
「アスラ…?
アインスで聞いたことがある言葉だったの?」
「…アインスではアスラとは“魔人”という意味の言葉でお伽噺などでよく使われている言葉なのです。」
「魔人………かぁ。
非生物といいなんだかおだやかな言葉じゃなさそうだね。」
「そうですね……。
大半の書物では悪役として登場する物語が多かったですから。」
「魔人って言うくらいだからね…。」
「はい…、
これもカタスの言う星の記憶と言うものなのでしょうけど………、
私の方はそのくらいですね……。」
「特に深く追求するようなことじゃないの?」
「…アインスのことに関してはもうそこまで疑問には思いません…。
時代が変わってしまったのですから考えても答えはでないのでしょう………。」
「そっか…………、」
「…ではカオスの方は?」
「俺の方は………………………。」
「言い出しにくいことでしょうか…?
カオスにとっては今日の出来事はとても色々なことが起こりすぎて困惑してしまうことなのでしょうが………。」
「そんなんじゃないんだ………、
バルツィエとのことはそこまで大したことだとは思ってないよ。
イクアダでニコライトと戦ったりしたときからこんな形になるとは思ってたし………。」
「それでは………ウインドラさんとのことですか?
彼と同行することになったことでしょうか?
それともミシガンと彼の…?」
「それも気になることだけど………、
それも違うんだ…。」
「?
では気になることとは今後のことでしょうか…?」
「………いや、
気になっているのは………
俺達のことなんだ………。」
「私達?」
「………」
「………と言いますと、
………!
私達の旅のことでしょうか?
ダレイオスへと向かうことになったのでこれから先のことが「違うんだ。」…?」
「………」
「……それほどまでに言い出しにくいことなのですか…?」
「…アローネ、
俺さ………、
前にトーディア山脈でタレスと…………。」
「タレスと…………?」
「…………………、
………アローネ、これを俺に使ってみてくれない?」スッ
「…?
これは………スペクタクルズ………?
………そういえばカオスは以前に私にこれを使用しましたね。
私はモンスターではないと言うのに………。」
「………」
「これがどうなさったのですか?
これで調べても図鑑には非登録生物としか検出されないと思うのですけど………。」
「………試しにやってみるだけでいいんだ。
もしかしたらかん考えすぎだけなのかもしれないし………。」
「…?
それでは………。」パシャッ
「………」
「………やはり非モンスター生物ですから図鑑にアップされるようなことは………」
「(………)」ホッ…
「………!
これは………?
魔法生物………?」
「!?」
「………どう言うことなのでしょうか………?
カオスのことを調べたら………モンスター図鑑に魔法生物と表示されるのですが………。」
「やっぱりか………。」
「やっぱり………?
カオスはこの結果を予見して………?
………まさか!?」
「………」
「そうだったのか。
お前ら魔法生物だったのか………。」
「「!?」」
「それなぁ…、
普通の奴に使っても“生物”としか出ねぇんだわ。
そんなことは再確認しなくても分かりきったことだしな………。」
「レイディーさん…!?
もう眠ったんじゃ…?」
「さっきの話の途中お前らの様子が変だったからいい時間だったし一旦他の連中には散ってもらったんだ。
………しかしアタシとしたことがとんだミスを犯したな…。
こんな摩訶不思議生物達を真っ先に調査し忘れていたとは………。」
「……この検出はどう言うことなのでしょうか…?
カオス、
あの時の検出では私も魔法生物と表示されていたのですか?」
「………うん。」
「……それでカオスが魔法生物に反応を………。」
「さぁてどう言うことなのかねぇ…。
お前らが魔法生物かぁ………。
坊やや擬き、ゴリラ、ガキの件に関しては坊やの中に潜む“別の何か”を検知していると見るが猿に関しては判断に困る。
お前だけは原因が別だからよぉ…?」
「………私達は永き時を越えて人としての性質が変化してしまったのか、
…やはり私達も………ヴェノムなのでしょうか………?」
「アローネ………。」
「………そうじゃねぇだろう。」
「はい?」
「お前の言う“達”ってのはカタスのことだろうが少なくともアタシの知る限りじゃカタスにはそんな兆候は見られねぇ。
お前らが魔法生物だって言うんなら考えられる可能性は三つ。
一つはゴーレムやエレメントと同じ無機物型か、
こいつはねぇな。
お前らはちゃんとした肉体がある。
二つ目はヴェノムか。
これも違う。
肉質的には近いところもあるがお前らには感染性もねぇし人としての形も保っている。
とすれば三つ目………、
お前らはただ単に
人の進化した先の生物ということなんだろうよ。」
「人………の先?」
「永き時を越えたかなんか知らねぇが人類………、
哺乳類にも数多くの種類がいる。
そいつらは全部時代が変わるごとに様々な進化をしてきたんだ。
そん中でお前らのように今の人類から先に進んだ奴等も出てくるだろうさ。
お前らはそういう生物なんだろう………。」
「別に進化した人類………。」
「どんくらいの時間越えたのかはきいてみたいところだが………、
聞いたところでそう人に話せることでもないんだろ?
お前らのいた時代にもヴェノムはいたらしいじゃねぇか。
その時代からヴェノムと関わってきたんならどこかしらでそうした世界に対応するように進化したのかもな。
それでヴェノムに対して強い力を得た。
そんくらいが考えられるものだろう。」
「………」
「カタスはどこで力を得たかは知らんがお前って坊やの村近くにいたんだろう?
そしたらどっかで殺生石の力を浴びてそうなったかもしれん。
あんな岩はそうそこらにねぇからな。」
「レイディーは………カタスから私達のことを聞いていたのですか?」
「聞いてねぇよ。
聞いたのはミシガンからお前らがどうしてたかだ。
後はお前らの会話からそうしたことだと察した。
アタシは想像力と解釈力には自信あんだ。」
「そうですか………、
レイディーは………、
私達は“人”だと思いますか………?」
「そりゃあ………
人だろうよ。」
「…それは何故…?
私達は貴女方とは違う力を持つのに………。」
「“人”の定義なんざ個人の考え方次第だ。
アタシにとって人はコミュニケーションがとれるならそれで十分。
人類の先にいこうが後にいこうがそれさえできるなら別に何だって構わねぇ。」
「「………」」
「お前らがこうして一緒にいても脅威性を感じることはねぇな。
会話はできても一方的に従えさせようとするクズの集団もこの国にはいるからな。
あいつらの方がよっぽど“人”と呼べるような思考判断じゃねぇよ………。」
「………」ポカーン
「どうした…?」
「………貴女が私にそんな慰めるようなことを仰るので驚きました。
貴女でもそういうことを言えるのですね…。」
「…柄にもねぇこと言っちまったな。
忘れろ。」
「…レイディーさんはたまにこういうことを言うときがあるみたい。
カストルで別れた時もそうだったよ。」
「…カオスが貴女を悪い人ではないと仰っていたことがようやく理解できた気がします。
レイディーも人に親切にすることがあるのですね。」
「…恥ずいこと言ってんな。
明日はすぐ出発するんだ。
早く寝ろよ。」スタスタ
「照れなくてもいいのに………。」
「あれがレイディーさんの良いところなんじゃないかな。」
「………そうですね………。」