テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ダレイオスへと亡命することに決めたカオス一行とバーナンとダリントンの部隊の残党は食料の確保のためレサリナスから北部にある砦までの間にある中継地点を襲撃することにする。
中継地点にはバルツィエの一人がいたようだが…。
中継地点 馬小屋 カオスサイド
「うわぁっ!?」ドサッ
「カオス!?
大丈夫ですか!?」
「…うん、大丈夫怪我はないよ。」
「それなら良いのですが…。」
「しっかりしろ坊や。
これくらいの相手に何手こずってやがる。」
「そんなこと言われても…。」
「見てみろよ他の連中を。
こんなんできねぇ男はお前だけだぜ?」
「仕方ないでしょ!?
初めてなんだから!
それに俺は一人で大丈夫ですよ!」
「そうはいかねぇ。
お前はこの部隊の主戦力なんだ。
疲労が溜まると後々問題になる。」
「けっ、けどこんなことをしてる方が正直疲れると思うんですけど…?」
「なぉに寝言言ってやがる。
これくらいできねぇと将来的に困ることになるぞ?
女ならまだしも男なら女の上に乗ることだってあるだろうし体力的には男があった方が「何の話をしてるんですか!?」ハハッ!すまねぇ。」
「………乗馬なんて生まれて初めてなんだから乗れなくてもいいでしょうが。」
「騎士になりたかった奴が馬にも乗れねぇってのは痛い話だと思うがな。」
「そういう環境じゃなかったんだよミストは。
カオスや私も未経験なんだよ。」
「せっかく馬小屋見つけたんだからそれを活用しようと思ったんだが乗れねぇ奴がいるなんて思わなくてよ。」
「レイディーは学者だったのですよね?
乗馬の体験はしたことがあるのですか?」
「アタシは研究所にいた頃に何度か遠方に行かされたからその時にな。
案外お手のものだぜ。」
「私もウルゴスの屋敷では父や母と一緒に乗馬したことがあります。」
「…できそうな奴ができなくてできなさそうな奴ができるってのもどうなんだ…。
坊や、
昨日のバルツィエの剣術盗んだように回りの奴見て技術を盗め。
剣術だと思えばできそうだろ?」
「これが剣術…?」チラッ
「ブルルッブルッ!!」
「……剣は勝手に動いたり鳴いたりしません。」
「そこをどうにか剣に置き換えて考えろ!
剣=馬だ!
ほら!
乗ってみろ!」
「はっ、はい!
よいしょっ…と!「ヒヒィ~ン!」うわっ!?」グワンッ
ドサッ!
「どうにも坊やが物真似できるのは剣術だけに限った話だな。
…本当に剣術以外には取り柄のない男だぜ。」
「カオス…。」
「もういい!
時間もねぇ!
坊やは誰か上手い奴の後ろに乗せてもらいな!」
「………スミマセン。」
「いいんだよカオス、
こんなことできなくても誰も気にしないから。」
「騎士の必需スキルなんだがな。」
「うぐッ…!?」
「レイディー!
そういうことは言わなくてもいいでしょ!?」
「人を慰めてるとこ悪いがお前も乗れねぇってだろ?
お前だって誰かに乗せてもらいな。」
「そうだけど……。」
「……ミシガン、
俺の後ろに乗せ「アローネさん一緒に乗せてくれない?」………。」
「…えぇ、いいですよ。
ミシガンなら私もご一緒しても構いません。」
「本当?
じゃあよろしくね!」
「………」
「おい、どうすんだ?
誰の後ろに乗せて乗るんだ?
余ってるのなんてアタシかガキくらいしかいねぇぞ?」
「え?
でもまだ他にもこんなに皆が…?」
「男同士で乗ったら流石に馬の負担が大きすぎる。
馬に乗るときはなるべく軽くしてやるのがいいんだよ。」
「…そういうことでしたら…。
タレス一緒に乗ってもいいかな?」
「いいですよ?
ではボクと一緒に乗馬しましょうか。」
「うん、
頼むよ。」
「こちらこそカオスさん。」
「ガキに捕まる大人なんてみっともねぇなぁ。
騎士の風上にもおけねぇぜ。」
「放っといてください!」
「よし!
積み荷は全部積んだか!?」
「はい!」
「進路はこのまま真っ直ぐで間違いないな!?」
「はい、
私が先導します!」
「人数は全員いるな!?」
「全員確認済みです!」
「後のやり残しは無いな!?
じゃ出発「待ってください!」何だ?何が残ってる?」
「まだやり残したことがあります。」
「ウインドラ…?」
「………何をだ?」
「あいつらの始末です。」チラッ
「あいつら?」
「「「「「「「「「「」」」」」」」」」」ボロッ
「…そうだったな。
積み荷に気をとられてそいつらのこと忘れていた。」
「俺がやります。」ザッザッ
「あぁ…。」
「何をするつもりなんだ?
ウインドラ。
まさか殺すって言うんじゃないだろうな?」バッ
「………」
「この人達は俺がもう気絶させたんだ。
手錠をしてあるし縄にも縛ってるから抵抗もできない。
これ以上のことをするなんて必要ないだろ?」
「………安心しろ。
殺す訳じゃない。」
「?
じゃあ何をするんだ?」
「ここに置きっぱなしにしておくと人目につきやすい。
せめてこいつらを人目につかないように草をかけて隠しておくだけだ。
そうすれば追手がここへ来たときにこいつらを捜す時間が稼げる。」
「!
そうかそういうことなら俺も手伝うよ。」
「…助かる。」
「このくらい草をかけとけば直ぐには人が中にいるって気付かないよね?」
「上出来だ。
これならいい具合だと思う。」
「そっか。
でも窒息したりとかは流石にないよね?」
「この程度の草で窒息なんかするわけないだろ。
それより急ぐぞ。
皆を待たせている。」
「あぁ…。」
「「「「「「「「「「「」」」」」」」」」」」モッサリ
「………すまないカオス。」
「おし!
じゃあ出発するぞ!」
「「「「「「「「「「はい!!!」」」」」」」」」」
「じゃあアタシらから先に向かう。
擬き案内よろしく!
後の奴は殿は任せたぞ?」
「分かった。」
「………」
「では俺が先に行くからついてきてくれ。」
「はい。」「……」「カオスさん捕まっててください。」「…うん。(ウインドラが先に行くのなら心配はいらないよな。)」
「トラビス準備はしてある。
いつでも燃やしてくれ。」ボソッ
「………」コクッ
中継地点 馬小屋 数分後
「………、
んっ、んん?
なんか重てぇなぁ?
何だ?
ってブハァッ…!?
何だこの草!?
何でこんなもんが俺の上に!!?」ゴソゴソ
「んん?」「何ですかグライド隊長?」「いてて…。」「おい!踏んでる踏んでる!!」「何だ何がどうなった!?」「あの盗賊はどうなった?」「ぶわ!?草が口に入った!!」「ちょっ!動くな痛いだろうが!」「体が拘束されてんぞ!?」
「お前らも一緒かよ…。
道理で暑苦しいわけだ。
(そんなことよりあの盗賊………。
いきなり襲ってきやがって何だったんだありゃあ…。
あんな強い盗賊は聞いたことがねぇぜ。
俺も最前線張ってるといえ滅多に強い奴と戦わねぇから腕が鈍ってる上に油断していたからやられたがありゃあ相当の大物だな。
今度見つけたら問答無用で叩き斬ってやる…。)」
「………何だか煙たくないですか?」
「………本当だ。
何か焦げ臭いような…?」
「どこか燃えてるんじゃないか?」
「何が燃えてるって言うん………、」
ボォォォォォォォオオォォォッ!!!
「「「「「「「「「「!!!?」」」」」」」」」」
パキパキッガダンッ!!
「たっ、隊長!!
火が…!?
火が燃えてます!!?」
「馬鹿!
燃えてんのはこの小屋だ!!
ここは…!?
馬小屋の中じゃねぇか!!?
どうしてこんなところに俺達がいるんだ!!?」
「あの盗賊の仕業でしょう…!
とにかく火を消さないと…、
……何だこりゃあ!?」グッ
「縄が一人一人に縛られている上にそれを全員に繋げられていて身動きがとれません!!」
「んだと!?「うわっ!?」うおっと!?
………マジか!?
じゃあ全員で動くぞ!
一旦入り口の方へ向かうぞ!!」
「はっ、はい!!」「分かりました!急ぎましょう!」「いっせーのぉ!!」ズリズリ
「遅ーぞ!!
もっと早く動け!!」ズリズリ
「これが精一杯です!!」ズリズリ
「奴め!!
姑息なことをしやがる!?」ズリズリ
「…ここまで来たら足で………」ドンッ
「早く開けろ!!」
「それが…!
開けようとしているんですがロックがかかっているようです!!」
「周到に塞いでんのか!!
畜生!!
もういい魔術でぶっ飛ばせ!!」
「はい!
ストーンブラスト!!
………!?」
「どうした!?
早くそのドアを破壊しろ!!」
「まっ、魔術が発動しません!!?」
「何だと…!?」
「おい、お前のその縄の下のって拘束用の手錠じゃないか!?」
「ほっ、本当だ!?
お前らにも付いてるぞ!?」
「これで魔術が使えないのか!
このままじゃ火が回って……!?」
バキバキバキッ!!!
ドスゥゥゥンッ!!!
「「「「「「「「「「!!?」」」」」」」」」」
「………いっ、嫌だ!!
こんなところで焼け死ぬなんて…!?」
「俺達が何したってんだ!?
ただ見張りしてただけだろ!?」
「ゲホッゲホッ!
煙が充満してきた…!」
「グライド隊長!!
助けてください!!」
「喚くな!!
俺だって手錠されてんだ!
俺も魔術が使えねぇんだよ!?」
「じゃあどうするんですか!?」
「アクアエッジ!アクアエッジ!
出ろよォォォォォッ!!!?」
「こんな縄があるからァァァッ!!」
「何か縄を斬れるものは…!?
剣があっ………!?
………鞘から剣が抜かれている!!?」
「やべぇよ!?
馬小屋に縄を斬れるようなものなんて…!?」
「見回せ!!
どっかに何かある筈だ!!
そいつで先ず俺の縄を斬って俺を解放しろ!!
そうすれば俺が一発で小屋を吹っ飛ばす!」
「手錠はどうするんですか!!?」
「それは………、
どうにかする!
命令だ!
俺の縄を最優先に斬れ!」
「アンタ…、
一人だけ逃げるつもりなんでしょう!?
自分の縄だけ斬らせてドアを蹴破って俺達を見捨てようとしてるんだろ!!?」
「隊長!!
見捨てないでください!!
俺達まだ死にたくありません!!」
「ならさっさと縄を斬れるもん探せよ!?
誰が最初でもいいからよォ!!?」
「そんなもんないって言ってるじゃないですか!!?
ここにあるのは馬のエサと糞くらいしかないんですよ!!?」
「どうすることもできないじゃないか!?
こんな終わり方はあんまりだァァァァァァァァァッ!!!?」
ガラガラガラガラッ!!
ドサドサッ!!ボォォォォォォ!!
「ウァァァァァァァァァァ!!?
火が、火がァァァァァァ!!!?」ボォォォッ!!
「うわぁっこっちに寄るなぁッ!
ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!!?
ア”ヅイィィィィィィッ!!?」ボォォォッ!
「止めろ!!
止めろォォォォッ!!
ア”ア”ア”………!?」
「どんどん燃え移ってくぞ!?
そいつらから離れろ!」
「できねぇって言ってんだろうが!!」
「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!!」
「暴れるなこっちに…ぬぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ボウッ!
「アクアエッジ!!
アクアエッ…ぶわァァァァァァ!!」
「何とかしろよ!?
誰か…、
誰か助けてくれぇぇぇぇぇぇぇ!!!?」
俺が何したってんだよ。
俺は最高貴族バルツィエの騎士だぞ?
そんな俺がこんな仕打ちを受けて良いわけがねぇ。
こいつらならともかく俺はこんなそこらの虫を潰すような殺され方して良い筈がねぇ………。
俺はまだ戦争すら始まってねぇのにこんな惨めな死に方をしていいわ………………。