テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしていた。

 レサリナスから亡命することに決めたカオス達一行は急ぎ馬に乗って国境のシーモスに走る。

 それを追うバルツィエの追撃部隊。

 なにやら不穏な話をしているが…。


国境到着

グラース国道 夕方 カオスサイド

 

 

 

「日が落ち始めてきたな。

 今日中にはシーモスに辿り着きたいとこだが…。」

 

「馬に乗ってるからそんなに焦ることないんじゃないの?」

 

「馬があるってことはあっちも馬があるに決まってんだろ。

 スピードは同じだ。

 それにアタシ達はこの先の砦に付いたら先ずそこを落とさなきゃならん。

 その時間を考えれば速攻で進むしかないんだよ。

 行き先も一つしかないんだ。

 敵は直ぐに追い付いてくる。」

 

「っていってもそんな人達全然影も形も…」ヒュゥゥゥゥゥゥゥ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォオォオォンッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「!!?」」」」」」」」」」

 

 

 

「ほ~ら、

 追い付いてきたぞ。

 遠方からのファイヤーボール投火だ。」ヒュゥゥゥゥゥゥゥ…

 

 

 

ドゴォォオォオォンッ!!!

 

 

 

「スピードを上げろ!

 まだ奴等は見えないくらい遠くにいるだろうが狙える距離までには迫ってきている!

 このペースを維持して突き進むんだ!!」

 

 

 

「「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラース国道 夕方 フェデールサイド

 

 

 

「よし、

 そのまま休まず狙い続けろ!」

 

「なぁ、

 フェデール。

 もう少し近くまで行った方がいいんじゃねぇか?

 全然当たらねぇんだが…?」

 

「別に当てるのが目的じゃないさ。

 奴等にはこちらが来ているということを知らせているだけだ。」

 

「そんなの知らせてどうするってんだ?

 余計に奴等が必死こいて逃げ出すんじゃねぇのか?」

 

「逃げ出すってんなら好都合だ。

 むしろそれが狙いでもある。」

 

「…あんま追い詰めすぎてダレイオスまで逃げられたらどうするんだ?

 奴等の首一つでも持ち帰らねぇと奴等を撃ち取ったって証明ができなくなるじゃねぇか。」

 

「それをするには先に敵の数を減らさないといけない。

 だからこうしてファイヤーボールを部隊に撃たせ続けてるんだ。」

 

「?

 だからこれじゃあ距離がありすぎて当たらないって…。」

 

「この距離がいいんだよ。」

 

「距離がか?」

 

「奴等にも頭の切れる奴はいるだろうが見えないところから魔術を撃ち続けられれば奴等も敵がどのくらいで来ているのかは把握できない。

 俺の作戦ではこちらが一部隊で来ていることをあちらに気取られちゃいけないんだ。」

 

「数で圧してるんだから関係なくないか?

 あっちだってこっちの数が多いってことは分かってんだろ。」

 

「軍勢具合を知られたくないんだよ。

 少ないと判断されると逃げずに立ち向かってくる可能性がある。

 それだとただの乱戦になり最悪の場合こちらが敗北してしまう。

 それほどまでにカオスの戦力は大きい。」

 

「じゃあどうすんだよ?

 追い詰めて追い詰めて逃げられるだけじゃねぇか?

 ダレイオスまで逃げられたら手のうちようがねぇだろうが。」

 

「そこは考えなくていい。

 だったら挟み撃ちにすればいいだけなんだから。」

 

「どういうことだ?

 お前の部隊が先回りしてんのか?」

 

「俺の部隊はレサリナスで待機させてるよ。

 援軍なら………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ダレイオスからやって来るんだよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「奇策を狙いすぎて頭おかしくなったか?

 ダレイオスから誰が来るってんだよ?」

 

「お前ぇ………、

 今ダレイオスがどういう状況なのか分かってないのか?」

 

「ヴェノムの対応に追われて俺達に攻めいることができないってんだろ?

 そこをつくための開戦を昨日の式でとりあえず済ませたんだろうが。」

 

「そこまで言えば分かるだろ?

 誰がダレイオスから来るのか。」

 

「ダレイオス軍か?

 確かにこっちな方で火花飛ばしてたらダレイオスも砦の先を守りにくるだろうが…。」

 

「………もういいよ。

 俺の作戦にお前が口を挟まなくていいんだって。」

 

 

 

「………さっぱりだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シーモス砦 外壁 夜 カオスサイド

 

 

 

「………おかしい。」

 

「どうしたんですか?

 これからこの砦を制圧するんですよね?

 何か変なところでもありましたか?」

 

「砦には特別おかしなところは見当たらねぇ。

 グライドの野郎が留守だって分かってるんだ。

 この砦を制圧するのは容易だろうよ。」

 

「じゃあ何がおかしいんですか?」

 

「…追っ手連中が火の粉飛ばしてくるだけで一向に姿が見えない。

 夕方から撃ちっぱなしなんだからアタシらのことを発見してるだろうしそろそろ軍勢の一つでも出てきても不思議じゃない。

 なのに出てくるのはファイヤーボールのみ…。」

 

 

 

「様子を伺っているのではないか?

 昨日はカオスにこっぴどくやられた訳だしな。」

 

 

 

「それも考えられるがそれにしては到着が遅すぎる。

 ………アタシらはもう砦前まで来てるんだ。

 夕方に追い付いてきた速度を計算するととっくにアタシ達に追い付くどころか追い越していることになる。」

 

「軍隊が来てるんでしょ?

 私達と交戦する前に遠くから少しでもダメージを与えたいんじゃないの?」

 

「………」

 

「レイディー?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………いくら考えても分からん!

 あいつらの考えることなんてごり押しの力業しか見てこなかったんだからな。

 それでこれまでも勝ってきたんだ。

 奴等が直接攻めてこないのは連中にとって坊やを危険視しているからくらいしかこの状況を説明できん。」

 

「!?

 …俺が原因で…!?」

 

「カッ、カオスは別に悪くありませんよ!?

 カオスの力があったからこそ昼の中継地点を占拠できたのですから!」

 

「カオスさんはもうずっと休んでいてもいいくらいの働きをしてもらいました。

 後はボク達でなんとかしますよ。」

 

「アローネ…、

 タレス…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………そうしてもらいてぇとこだが逃げるくらいはしてもらわんといけないようだ。」ヒュゥゥゥゥゥゥゥ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォオォオォンッ!!!ドゴォォオォオォンッ!!ドゴォォオォオォンッ!!ドゴォォオォオォンッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「!!?」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「急げ!!

 砦の中に飛び込め!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラース国道 夜 フェデールサイド

 

 

 

「………奴等…、

 砦の門まで行ったようだな。」

 

「…忘れてたぜ。

 あそこは確かあの頑丈な門があったな。

 あれさえ破壊できなければここで俺達と門の中の兵士と挟み撃ちにできるって訳だ。

 お前の作戦もなんとなく理解してきたぜ。」

 

「………」

 

「どうだ?

 俺の推測が当たってんだろ?

 お前も単純なことしか考え付かないんだなぁ。」

 

「…門は突破されるだろうよ。」

 

「あぁん?

 何でだよ?

 流石にあの門を破壊なんて「カオスなら」?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「突破するだろうさ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シーモス砦 外壁 夜 カオスサイド

 

 

 

「!

 門が閉まっている!?

 これでは中には…!?」

 

「どうなってんだ?

 下調べしてこなかったのか?」

 

「ここの門はダレイオス側は常に閉まっているが反対にマテオ側の門は開いている筈なんだ。

 一体何故門が………。」

 

「!

 そうかグライドだ!!

 グライドの奴がここを留守にするから代わりにここの門を閉めてったんだな!?」

 

「そうか!

 普段はバルツィエ一人いれば守りは万全だがそれがいなくなって中の兵士達が守りを固めたんだな!」

 

「…バルツィエがいないからって甘く考えてたぜ。

 逆に今はバルツィエがいてほしかったなんて皮肉な話だ。」

 

「どうすれば……、

 このままでは来た道を引き返すしか…!」

 

「それは無理な話だ。

 魔術の手数からいって後ろには大軍勢が編成されている。

 引き返したところで袋の鼠、飛んで火に入る夏の虫って感じだ。」

 

「…万事休すか………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの門を開けてきたらいいんだね?」

 

 

 

「………坊やできるのか?」

 

「…あのくらいの門ならなんとか登れそうです。

 森にいたときは木登りも上手くなりましたから。」

 

「カオスさんだけでは危険です。

 ボクも行きます。」

 

「よし、

 なら二人で行ってこい。」

 

「「はい!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………本当に我らはカオス様達頼りで立場がないな。」

 

「………そんなことは俺達も同じだ。

 ダリントン隊もここにくるまでに何の役にもたっていない。」

 

「もしこの先我らが足手まといになるようなことがあればその時は………。」

 

「…貴様らも同じ腹積もりか。

 俺達もカオス様とウインドラさえ生き延びてもらえればこの命を喜んで溝に捨てる覚悟をしている。」

 

「仲間達の仇は………、

 グライド一人を討ち取れただけでも幸いだったな。」

 

「我等にはもとより仇をとれるような力はなかった…。

 騙す形にはなったがカオス様にはその機会をいただいてなんと御礼をいったことか…。」

 

「せめて最期の時が来たら存分にこの力!

 どれ程役立てるかは定かではないが惜しみ無く振るわせてもらいましょう!

 アルバート………、

 いや、カオス様のためにも!」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しみったれた話すんならもう少し遠くに行ってからやりやがれ。」

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