テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
レサリナスからダレイオスへと亡命することにしたカオス一行はシーモス砦に辿り着くが遂に追っ手に追い付かれてしまう。
それでもひたすら前進する一行だったが…。
シーモス砦 門内部 夜
「ふぅ………、
慌てて門を閉めて正解だったな…。」
「なんか遠くで魔術の光が上がってるから何事かと思いきやこっちの方目掛けてファイヤーボールが飛んでくるんだもんなぁ。」
「一体何事だぁ?
山賊でも暴れてるのか?」
「それにしてはファイヤーボールの数が尋常じゃねぇぜ?
きっと王都で噂されてる反逆者でもこっちに攻撃してきてんだろうよ。」
「マジか!?
反逆者にしては多すぎねぇか!?」
「バルツィエと渡り合おうってんだ。
あんくらい数集めてなきゃ話にならないだろ。」
「その反逆者達が何でこんなとこでドンパチ始めてんだよ?
こっち来てもダレイオスか海しかないぜ?」
「ケンカしようとして返り討ちにあったんじゃないか?
それで逃げてきてけど追い付かれたってとこだろ。」
「ヒィ~!
危ねぇなぁ。
グライド隊長がいない間にやべぇトラブルが舞い込んできたもんだぜ。
グライド隊長大丈夫かなぁ…?」
「あの人もバルツィエなんだ。
どっかで遠回りしてレサリナスに行ったか、
もしくはあの中で暴れてるんじゃないか?」
「あの退屈退屈言ってた人ならそれもあり得るかもな。
暇で俺達残して遊びに行くような人だし。」
「そうだな。
グライド隊長が戻ってくるまではここで俺達は待機しとけばいいだろ。」
「そうするか。
この門さえ守っとけば魔術は飛んできても中に人なんて「ゴメンよ!」…!?」ゴスッ!!
「!?
おい!
どうし「孤月閃ッ!」グァァッ!?」ザスッ!
「タレス!
急いで門を!!」
「はい!!」
ギギィィィィッ!!!!
「開けましたよ!!」
「でかした!
坊や!」
「皆急いで中の方へ!!」ダダダダダダッ!!
バダァァァァァンッ!!
ドゴォォオォオォンッ!!
「あっぶねぇ………、
危機一髪だったな。」
「もう直前までファイヤーボールが迫ってきてましたね。」
「この分だと私達の直ぐ近くまで近づいてきてたんじゃない?
ファイヤーボールが見えてからもうそこまで来てるんだよ。」
「………坊や!
そっから奴等の方は見えてるか!?
どのくらいの規模の軍団が見える!?」
「………」
「どうしたぁ!?
返事しろ!!」
「…それが………。」
「…直接見た方が早いか。
どれどれ………。」タタタッ
「………あのくらいです。」
「………?
………少ねぇなぁ。」
「多分昨日のレサリナスで見た限りだと一つの部隊の人数くらいにしか見えませんね…。」
「………あんなもんか…?
昨日のあれであの人数しか派遣してきてないってのはどういうことだ?」
「…あのくらいなら俺達で倒せそうじゃないですか?」
「………止めといた方がいいだろ。
そう思わせて誘き出す罠かもしれん。
きっとあの周辺の奥から他の大部隊が待ち構えている筈だ。
アタシらが向かっていってそこを囲んで集中砲火かましてくる作戦なんだろ。」
「なら俺が一人で「それも駄目だ。」」
「いかに坊やと言えども今日お前はバルツィエとも戦った後だ。
それに馴れない馬にも乗って体力も落ちてきてるだろ?
一日中動きっぱなしなんだ。
自分の体力には自信あるんだろうが不測の事態ってのはこういう時起こりやすい。
無理に戦おうとするな。
捕まって連れていかれたら何もかも終わりだぞ。」
「俺はまだやれますよ。」
「だったらその体力はあいつらじゃなくてこれから向かうゴールにいる奴等に使ってくれ。」
「ゴールにいる奴等…?」
「このシーモスまではマテオの領内だがここから先の一本道はマテオでもダレイオスでもない地帯だ。
一本道は両国を繋ぐ唯一の道だからこの場所を取り合って未だどちらのものとも言えない状態が続いている。
つまりこの先に進めばダレイオス軍が待ち構えていることもあり得るんだ。
坊やにはこの先を突破するのに残りの体力を使ってくれ。」
「…前後に敵がいるってことですね。」
「そうだ。
ここで無用な戦闘をするよりかは一気に駆け抜けた方がいい。
ここさえ抜ければ奴等も追ってはこれまい。」
「分かりました。
そう言うことなら俺は前だけに集中します。」
「いい判断だ。
そんじゃ先ずはこの中にいる奴等を叩きのめさねぇとな。
ゆっくり占領している時間はない。
ここを切り抜けて一本道の門を開いたら直進してダレイオスへと駆け込むぞ!
いいか!!?
お前ら!!」
「「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」」
シーモス砦 外壁より離れた地点 夜 フェデールサイド
「あ”!!?
おい!!
奴等門の中に入っちまったぞ!?
どうするんだ!!
おい!!」
「慌てるな。
これも予定通り範囲内だ。
ここから奴等を追い詰めていくぞ。」
「本当に大丈夫か!?
中の奴等だけじゃ一本道の門こじ開けられちまうぞ!?」
「…うるせぇなお前。
黙って俺の指示に従うこともできねぇのか?
俺が予定通りって言ってんだからこれでいいんだよ。」
「お前………、
カオスを生け捕りにするためにわざと逃がそうとしてるんじゃねぇよな?」
「………」
「お前の口舌だかなんかあったらしいが俺はそんなの関係ねぇ。
カオスを討ち取れるタイミングがあったらいつだって…!?」
「お前が俺の指示に従えないのならお前を殺してお前の部隊を直接俺が指揮してもいいんだぞ?」
「………!?」
「わざわざ機会を作ってやってるのにそれをあぁだこうだと横でごちゃごちゃ文句を言うなら俺がその生意気なことを言う口にこの剣を捩じ込んでやる。
それでいいか?」
「……わっ、悪かったよ。
もう何も言わねぇ………。」
「………、
お前は部隊に砦の中と砦の向こう側………、
できるだけダレイオス近くにファイヤーボールを飛ばすよう指示しろ。
そうすれば後は俺がお前らを門の中へと飛ばす。
そこからはお前がカオス以外を皆殺しにしていい。」
「…了解………。」
シーモス砦 門内部 夜
シンニュウシャダ!!
ソウインゼンリョクデシンニュウシャヲハイジョニカカレ!!
「魔神剣ッ!!」ザザッ!!グワッ!?
マジンケンダト!?
バルツィエノヒギヲツカッテクルゾ!フヨウイニチカヅクナ!
「切りがない…。
次々と敵が…。」
「一々構わなくていい!
進路にいるやつだけを撃退しろ!」
「はい!」
「カオス!
あまり技を使いすぎるな!
今日のお前は戦いすぎだ!
俺達の後ろに下がっておけ!」
「でも!」
「俺達を信じろ!
お前には及ばないが俺達だって戦える!
集団の最大戦力はここぞと言うときに働いてくれればいい!」
「その通りですカオス様!
雑用は我等の仕事です!
貴方様はお下がりください!
ここは我等だけでも!
せいやぁっ!!」ズバッ!ウワァッ!?
「………あまり殺しすぎないでね………。」
「敵の出方次第だ。
俺達もただで殺られる訳には…!!」ヒュゥゥゥゥゥゥゥ!!
ドゴォォオォオォンッ!!ドゴォォオォオォンッ!!ドゴォォオォオォンッ!!
ナンダ!?ソトカラファイヤーボールガ!?ウワァッ!!
タイヒ!タイヒーッ!!
「奴等め…、
この砦の部下共を捨てやがったな…。」
「!?
あいつらこの中に仲間がいるってのに…!?」
「アタシらに侵入を許した時点でここにいる連中は奴等の中では殉職扱いなんだろうよ。
こうなったら奴等は砦の騎士団もろともアタシらを消すつもりだ。」
「…!?
なんて酷い奴等だ…。」
「国の軍隊の最優先事項は任務遂行だ。
任務遂行のためなら部下を見殺しにもする。
そうして国ってのは大きくなるんだ。
敵の作戦は特別珍しいことでもない。」
「!
………俺達が来たからここの人たちは……。」
「アタシらも生き残るためだ。
敵と味方に分かたれたこの状況で敵のことを考えてる余裕なんざねぇよ。
坊やは味方のことだけ考えとけばいい。
この状況で考えることと言ったらこの飛来してくるファイヤーボールをどう利用するかだ。」
「敵の攻撃が無差別的に放たれる以上これはチャンスです。
この攻撃を受けて砦の中の騎士も混乱しています。
押し通るのなら今が好機です。」
「今日は運の良いことが続きまくってんな。
この調子ならそのままダレイオスまで渡れそうだ!
気を引き閉めて一気に突っ走れ!!」
「「「「「「「「「「オォォォォォォォォォォォォォォォォォオォォ!!!!!」」」」」」」」」」
「(………いくらなんでも運が良すぎる。
昼間のグライドの件は偶然だろうがこの砦までの流れ……、
アタシらにとっては都合が良いことが起こりすぎている……。
何か………、
何か悪い方向に誘われているような気がしてならねぇ………。
本当に何事もなくダレイオスへと渡れんのか…?)」