テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしていた。

 亡命を決めたカオス一行はシーモス砦を抜け海道まで来ていた。

 それでも依然として追ってくる追撃部隊。

 そして前方には………。


対岸の敵軍

シーモス海道 夜 カオスサイド

 

 

 

「でもレイディーさん!

 あの門の向こうに本当に昨日の他の騎士の人達が来てないだなんて分からないでしょう!?

 レイディーさんの言う通りのような作戦だなんてまだ分からないじゃないですか!?

 今の状況だって俺達にそう思わせといて向かってこさせる作戦なのかも…!」

 

「励ましてくれるのは有り難いがよく思い出せ…。

 さっきまでのグラースではアタシ達がそう判断すれば向かっていく可能性があるだろう。

 そこを大軍で襲えばいい話だ。

 その作戦でも通る…。

 だが今はどうだ?

 もし本当に大軍で来ていたのならこの状況まで追い詰めれば疲労している部隊と交代でアタシらに魔術を放つ筈だ。

 それをしないということは部隊が始めからそこまで多くはないと言うこと。」

 

「!?」

 

「…夕方からの遠距離放撃で逃げることに専念していたことと放撃の数の多さで敵の数を誤解してしまいましたね…。

 我々もそこを見落とすとは…。」

 

「アタシの先入観で先読みしちまったからこうなったんだ。

 お前らは悪くねぇよ。」

 

「レイディー殿………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それが何ですか!?」

 

 

 

 

 

「坊や………。」

 

 

 

「そんなこと今悔やんだってどうにもならないでしょう!?

 ならこれからどうするかですよ!

 相手の方が手段が多くある分いるんな罠を張れるとも思います!

 なら俺達はその作戦にあえて乗りましょう!」

 

「作戦に乗る…?

 カオス様、それは一体…?」

 

「…もう後ろを振り替えるようなことは止めましょう。

 相手が大人数だったとか小人数だったとかはどうでもいいんです。

 どうだったかなんて今日のことを考えればどこにも確かめようがなかったんです。

 ならここでは前を向くしかないんです!」

 

「前を…向くしか?」

 

「トラビスさん、

 本当にマテオはダレイオスとは内通してないんですよね?」

 

「えっ、えぇ…、

 これから戦争を仕掛けようとしていましたし内通しているものがいるのだとしたらそれは自国ごと自殺を謀るようなものです。

 そのようなことは決してないと…。」

 

「だったら!

 誰もダレイオスがどう動くかは分からないんですよね?」

 

「それはそうですが自国に魔術攻撃が飛んできたら普通は……。」

 

「…まだ分からないですよ。」

 

「はい?」

 

「まだ俺達が敵じゃないと報せることはできます!

 俺が先に行ってトラビスさん達がバルツィエとは敵対している勢力でヴェノム攻略の鍵を握っているって教えてくるんです!」

 

「坊や…!

 それはいくらなんでも無謀過ぎる…!

 ダレイオスがそれを信じるかなんて「俺行きますよ!」!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今はそれしかない筈です!

 引き下がれないこの状況で皆が助かるには俺がやらなくちゃいけないんです!」

 

 

 

「………頼んでもいいのか?

 お前だって危険な目にあうかもしれないんだぞ?

 万全の体力でない状態では例えお前か強かったとしても…。」

 

 

 

「それでも行きたいんですよ。

 俺が行って皆が助かる可能性があるのなら俺はそれに賭けてみたいです。

 ………それにダレイオスが警戒していると言ってもそんなすぐには大軍なんて用意できませんよね?

 ダレイオスとマテオで情報が交錯していたんじゃないのなら。」

 

 

 

「そうだと思うが…。」

 

 

 

「だったらそこまで危険はないんじゃないですか?

 舐めてかかる訳ではないですけどダレイオスは昨日のユーラスとかフェデールとかに昔圧倒されていたんですよね?

 それならダレイオスの軍が来たとしても俺なら死にはしませんよ。」

 

 

 

「………油断するなよ?

 急いでいるこの状況こそ何のドジを踏むか読めない。

 焦らずなるべく気付かれずに近付け。

 そして近場まで来てから交渉してくれ。

 坊やは足が早すぎるからバルツィエと勘違いされても仕方ないんだ。

 アタシらも坊やが先に行っている間に少しずつ進んでいく。

 そうすれば集中砲火もアタシらの方にしか来ないから坊やは安全に走り去れる。」

 

 

 

「!

 …そうでしたね。

 この技術もバルツィエのものでしたね。

 ………分かりました。

 俺行ってきます!」シュンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サササササササッ!

 

 

 

 

 

カッカオス!?オヒトリデドコヘ!?

 

カオスサン!ドウシタンデスカ!?ウマニハノラナインデスカ!?

 

 

 

サキニダレイオスマデイッテクルヨ!

コノママジャミンナガアブナインダ!

 

 

 

アブナイッテナンナノ~!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勇敢なか方ですね…。

 カオス様は。

 かつてのアルバート様を見ているようです。」

 

 

 

「そうだな。

 ああいうところはやっぱり血なのかもな。

 アルバートの現役時代そっくりそのままだ。」

 

 

 

「アルバート様と言えば………、

 

 

 

 レイディー殿もアルバート様のような指揮の取り方をなさっていますね。」

 

 

 

「!

 ………アタシのはアルバートの昔の頃を思い出して真似ているだけだ。

 天然の坊やとは違う。」

 

 

 

「流石はアルバートファンクラブ会長と言ったところでしょうか。」

 

 

 

「元だ元。

 最近まではバーナンが受け継いでいたみたいじゃねぇか。」

 

 

 

「…あれは会員達を利用して民衆にバルツィエ以外の障害を抑えさせるものでした。

 真にファンと言えるものでしたらそのような作戦を計画すること自体がファンクラブ失格です。

 貴女のように直接アルバート様のお力になれるような努力など…。」

 

 

 

「…!

 ………知ってるのか?

 アタシが何をしようとしてるのか。」

 

 

 

「レイディー殿がファンクラブを去った当時の者達の話では薄々知っている者達もいるそうですよ…。」

 

 

 

「そうか……。

 まぁ九十年手探りから始めて漸くこの大陸が終わったところだ。

 手馴れてきたとはいえまだちっとかかるぜ?」

 

 

 

「そうですか…。

 では貴女の研究が無事終えられることを心よりお待ちしております。」

 

 

 

「お前らはお前らの計画が成功することを祈ってろよ。

 アタシは誰の応援も要らねぇ。

 アタシが一人で勝手に進める研究だからな。」

 

 

 

「………貴女は………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 貴女とカオス様が二人揃えばかつてのアルバート様を越えられるやもしれませんね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………ハァ、ハァ………、

 

 

 

一日中走りっぱなしだなんてあまりミストの森でもしたことないよ…。

 

 

 

走り続けることには馴れていたつもりだったけどこれは体力が持たないかもなぁ…。

 

 

 

……っこの飛葉翻歩でずっと走り続けたことなんて一度もなかったな。

 

 

 

便利なんどけどスタミナを消耗しやすいなこれ。

 

 

 

道理で昼間からあまり動いてないのに息が切れる訳だ。

 

 

 

今度からはペースを考えて………、でも馬より早く走れるとしたらこれくらいしかないからなぁ。

 

 

 

………もう少し頑張ってみるか。

 

 

 

俺の力がまた人の役に立てる。

 

 

 

それだったなら俺ももう少しだけ頑張れる。

 

 

 

ミシガンやウインドラ、タレス、レイディーさん、騎士団の皆………、

それにアローネ……。

皆のピンチなんだ。

 

 

 

俺一人なら魔術攻撃なんて大したことないけど皆にはそれが致命傷になるかもしれない。

 

 

 

つくづく殺生石には助けられてばかりだな俺は。

 

 

 

………いつかミストに返すことになるけど今だけはまだ俺の仲間のために俺に力を貸していてくれ。

 

 

 

皆の命を守るために………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ならぬ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…今………夢の声が………聞こえたような………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゾワッ…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何だこの感じは…?

 

 

 

何か嫌な物が近付いて来ている気がする…。

 

 

 

どこから………?

 

 

 

…違う。

 

 

 

これは近付いて来ているんじゃない…。

 

 

 

俺の方が近付いていっているんだ。

 

 

 

この感じは………ダレイオスの方から…?

 

 

 

ダレイオスの方から何か嫌な感じがする…。

 

 

 

何だろうこの感じは…。

 

 

 

ダレイオスの人に気付かれた…?

 

 

 

けどこの感じはとても人の出す殺気なんかじゃない………。

 

 

 

これは………どこかで………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだ………忘れていた。

 

 

 

この殺気はよく感じていた殺気じゃないか。

 

 

 

もう十年も浴び続けてきた殺気なのにどうして気付かなかった!

 

 

 

…この一ヶ月まともに奴等と遭遇することなんて無かった。

 

 

 

だから久し振りの遭遇で勘が鈍ったのか。

 

 

 

剣術の稽古はやっていたけどこいつらとはまともに遭遇してなかったな。

 

 

 

それだけレサリナスの周りが安全だったと言うことか。

 

 

 

いつもなら大量に来ても問題ない相手だ。

 

 

 

なのにこの時間に追われている状況となると最悪の敵にすら見える…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フェデールの作戦の本当の狙いはこいつらだったのか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ア”ア”ア”………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴェノム…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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