テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ダレイオスへと亡命中追撃部隊ユーラスからの魔術がカオス一行に炸裂。
カオスはマナが枯渇しその一撃を止められずダリントン隊とバーナン隊の騎士達が…。
シーモス海道 深夜
パラパラパラ………
「こんなもんか?
呆気ねぇ…。」
「……まだ……、
終わり………じゃ………ないぞ。」フラァ…
「そう……だ、
我等は………、
まだ………戦える………。」フラァ…
「ここで………、
バルツィエを………。」フラァ…
「………そうかい、
まだ…、
遊んでくれるのかい?」
「アローネ、タレス、ウインドラ、ミシガン、レイディーさん、
皆起きて………。」
「………ぐっ…?
カオス………か?」
「………いっつつ…………、
………坊やか………。
…!
今どうなってる…?」
「ウインドラ、レイディーさん!
………よかった………、
今トラビスさん達が後ろの追っ手を引き受けてくれています。」
「トラビス達が………?
………なら俺も助勢に向かわんと…!」
「…!
待ってウインドラ!」
「…どうした…?」
「トラビスさん達は………、
俺達にダレイオスに向かえって………言ってた。」
「………俺もか?」
「………うん。」
「…そうか…。
………だがトラビス達だけではバルツィエは止められないだろう。
俺も加勢しにいく。
ダレイオスにはお前達だけで行ってくれ。」
「何言ってるんだよ!?
トラビスさん達は決死の覚悟で後ろの奴等の足止めを引き受けてくれたんだよ!?
それなのに君が助けに行ってどうするんだよ!?」
「………アイツらは俺の家族だ。
十年前に俺が騎士になった時から俺を支えてくれた家族なんだ。
その家族を置いて先になど進めない。
ここで家族が死を選ぶというのなら俺も共に死のう。」
「………」
「どうしてそうなるんだ!?
ミシガンはどうするんだよ!?」
「ミシガン…!
………気を失っているのか………。」
「まだミシガンと仲直りしてないよね!?
そんなんで勝手に死なれちゃミシガンが怒るよ!?」
「………ミシガンが気が付いたら彼女に伝えてくれないか?」
「………何をだよ?」
「俺は………、
村の………、
村長や俺の親父達の勝手に決めた許嫁ではなく、
俺の意思でお前を選びたかった………と。」
「ウインドラ………。」
「……湿っぽく終わりたくはなかったがこれが最後と思えば自分の気持ちが素直に口にできるな。
ではカオス達者で「待て。」…。」
「こっ恥ずかしい時世の句を読んでるとこ悪いがちょっといいか…?」
「レイディーさん…?」
「…何だ、
俺はもう「周りをよく見てみろ。」………周りを?」チラッ
「「「………」」」
「………気絶した奴が三人ここにはいるよな?」
「………そうだな。」
「………」
「そしてここには目が覚めた奴が三人いるわけだ。
………何が言いたいのか分かるよな?」
「………しかし俺は………、
トラビス達の所へ向かわねば「更に!」…今度は何だ?」
「坊やの腕………。」
「カオスの腕………?」
「…!」サッ
「………カオス、
見せてみろ。」
「………」スッ
「!
………これは………、
腕が折れているじゃないかカオス!?」
「………さっき吹き飛んだ時にね。」
「これでは………。」
「これじゃあ坊やでもこいつらを二人も抱えて進むのはキツいだろ?
アタシは猿くらいなら肩を貸してやってもいいが流石に二人は無理と言わせてもらう。」
「…それはそうだな。」
「坊やはそのガキを背負いな。
そんくらいなら出来るだろ?」
「えっ、えぇまぁ…。」
「…!
では俺が………。」
「擬きはゴリラに肩貸してやれよ。」
「俺がミシガンを………、
だが俺は………彼女に酷いことを言ってしまった………。
その俺なぞにミシガンは触れてほしくはないだろう………。」
「れっ、レイディーさん!
アローネとミシガンを代わってあげてくれませんか!?」
「ふざけたことぬかすんじゃねぇ!
命がかかった逃亡劇繰り広げてんだぞ!?
それを気まずいからの一言で選り好みしてんじゃねぇ!」
「「………」」
「それに擬きはそのゴリラに罪の意識があるんだろ?
だったらそれを少しでも償えるいいチャンスじゃねぇか。」
「レイディーさん………。」
「だが俺はトラビス達にも「ウインドラ!」…!?」
「トラビスさん達は………、
今必死の思いで俺達のために敵を食い止めてくれているんだ…。
その覚悟を無駄な犠牲にしちゃいけない………。」ポロポロポロ………
「カオス………、
お前が泣くようなことなんたないんだぞ………?
俺達はもとより死ぬ覚悟をしていたのだから………。」
「そんなこと言うなよ…。
お前は………皆十年前に死んだと思ってたんだぞ?
俺だってそうだ………。
だから生きててくれて嬉しかったのにそれをお前は………、
簡単に死ぬだなんて………。」
「………失言だったな………。」
「………そうだよ馬鹿野郎。」
「死ぬ覚悟ができてんならいつだって死ねるだろ?
なら今は生きてアタシらに協力しろ。
今アタシらに欲しいのは敵を足止めする兵士じゃねぇ。
お前の肩を貸してほしいんだ。
それくらいできるよな?」
「………」
「ウインドラ、
一緒に行こう?
俺も二人を背負ってとなると絶対に追っ手に追い付かれるし前にいるヴェノムとも戦えないんだ。」
「………………、
そこまで言われては仕方ない。
俺も手伝おう。」
「ウインドラ!」
「………急ごう。
トラビス達が後方を塞き止めてくれている間に…。」
「………今度こそ虫は沸いてこねぇよな?」
「「「「「「「「「「」」」」」」」」」」シーン………
「手間かけさせやがって雑魚が…。」
「ユーラス隊長!
カオス様が見付かりません!」
「あぁ?
そこら辺にぶっ倒れてねぇか?」
「いえ!
どこにも見当たらないようです!」
「………あの化け物が消耗しているとはいえこのくらいでくたばる筈がねぇ…。
どっかそこら辺にいねぇか?
海とかに隠れてるかもしれねぇ。」
「はっ!
ではそのように捜索させます!」
「………こいつらがここにいてカオスが見つからねぇってことは………、
一つしかねぇじゃねぇか。
カス共めが…。」
「………」ズリズリ
「カオス………、
もうじきダレイオスが見えてくる。
それまで頑張ってくれ。」
「……うん。」
「………さぁて、
この辺でいいか………。」
「レイディーさん?」
「急にどうした…?」
「おらいつまで寝てんだ猿!
とっとと起きやがれ!」パシン!パシン!
「ちょっ…!
レイディーさん!?
そんな無理矢理起こそうとしなくても…!?」
「怪我人を雑に扱うんじゃない!
下手に動かして大事になったらどう責任をとるんだ!?」
「知るか!?
アタシだって怪我人だ!!
怪我人が怪我人に苦労かけさせんじゃねぇ!!」パシン!パシン…バシン!!
「「あ」」
「………んっんん…?
………痛いんですけど………?」
「アローネ!
気が付いたんだね!?」
「………カオス………?
顔を叩かないでくださいよぉ………?」
「それは………、
俺じゃないんだけど………。」
「?
ではどなたが………?」チラッ
「おうアタシだ。」
「!
レイディー!
人を起こすのならもう少しマシなやり方と言うものが「アローネ=リム。」…はい?」
「手荒なお越し方をしてしまったのはすまないが目が覚めたのならミシガンに治療魔術をかけてやってくれないか?」
「ミシガンの…?」
「………調べたところどこにも負傷は見られなかったが魔術で吹き飛んだ衝撃でどこか体の中をやられているかもしれん。
念のため治療魔術を施しておきたい。
頼めないか…?」
「…それでしたらお安いご「待て待て待て!そいつにかけさせるために起こしたんじゃねぇんだよ!」…。」
「何を言うんだ!?
ミシガンは動かすと危険な容態かもしれんのだぞ!?
こうして目を覚まさないとなるとどこか深刻なダメージを受けてしまったせいだろう!
女性は男性よりも華奢なのだ!」
「紳士的な考えだがとりあえず待て。
治療魔術なら後でかけてもらえ。
今治すべきは………、
坊やだ。」
「俺………ですか?」
「カオス………は意識はあるぞ?
ここは怪我人を回復させるのが先ではないか?
やはりミシガンから…。」
「余計なマナを消費するなよ。
まだ逃げ切れた訳じゃないんだぞ?
ゴリラを治療するなら安全を確保してからだ。」
「安全を確保してもミシガンが死んでしまっては何もかも無意味だ。
それに意識があるものが四人もいるんだ。
ヴェノムが現れても二人は戦える。」
「あー………、
ちげぇ。」
「「「え?」」」
「戦闘できるのは一人だ。
アタシは………、
ここで別行動をとる。」