テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしていた。

 遂に追撃部隊から強力な一撃を受けカオス一行は吹き飛ばされる。

 生き残った騎士達はカオス達には逃げるように促すが…。


逆転の発想

シーモス海道 深夜

 

 

 

「お前は何をするんだ?」

 

「…アタシはお前らと一旦はぐれる。

 後ろの擬きのお仲間だけじゃ心配なんでな。

 ちょっくらお助けしに行ってやるのさ。」

 

「レイディー!

 貴女が一人が行ったところでどうにかできるのですか!?」

 

「………少なくともお前らが生き残る可能性をあげることはできるだろうさ。

 本の一パーセントくらいだろうがな。」

 

「だったら俺達と一緒に行きましょうよ!?

 そんな上がったかどうか分からないような差なら一緒にいた方がマシですよ!」

 

「………間違えた。

 アタシが生き残る可能性が上がるんだわ。」

 

「レイディーさんの…?」

 

「前にも話した通りアタシは自称逃亡のプロだ。

 お前らといるよりかはアタシが一人でいた方がアタシの生き残れる確率は上がる。

 だからこうするんだ。」

 

「そんなこと言ったってうしろにいるのはユーラスとあのフェデールですよ!?

 レイディーさん、フェデールにやられていたじゃないですか!?」

 

「お前こそ何を見ていたんだ?

 アタシはあのフェデール相手にも逃げ回った女だぞ?

 昨日のアレはちょいと油断しただけだ。

 一度奴の太刀筋を見た。

 今度はもう奴の剣には当たらない!」

 

「…こんな二十メートルに満たない狭い道で上手く攻撃をかわせるのか?」

 

「アタシを誰だと思ってる!

 アタシは氷の魔術使いだぞ?

 その気になれば海を凍らせてフィールドを作るくらいお手の物さ。」

 

「ですがレイディー…、

 相手は大人数いるのですよ?

 海を凍らせてもあの大人数のファイヤーボールで氷を溶かされたら………。」

 

「単純に氷と炎で考えるなよ。

 アタシは氷を作りながら氷の上を走れる。

 とろくさい火の粉が飛んできて氷を溶かしてもその頃にはアタシは水平線の彼方さ。」

 

「………確かにお前だけならそれで逃げ切れそうだな。」

 

「そうだぜ、

 心配なのはスピードの遅いお前らだ。

 さっきの魔術で馬を軒並み狩り尽くされちまったんだ。

 更には負傷者二名を抱えての逃避行………。

 全滅するとしたらアタシらが同行していることの方がまずい………。」

 

「「「………」」」

 

「それによぉ?

 お前らヴェノムが効かねぇんだろ?

 それならうまいことヴェノムの群れの中に紛れて身を隠すんだ。

 アタシがいるとアタシだけがその作戦に参加できねぇ。

 アタシはお前らと違ってヴェノムが効いちまうからな。」

 

「だから一人で行くんですか…?

 敵の懐へと…。」

 

「今いる全員が生き残るために最善の策を考えるのは当然のことだろ?

 

 この作戦に欠陥が生じるとすれば三つ……。

 アタシがさっさと殺られてお前らが見つかるか、

 アタシが上手くやって時間を稼いだものの海を渡航中にマナが切れないか、後は………アタシとお前らが上手くやったとしても奴等がお前らが入っていった後のヴェノムの群れをどうするかで成功か失敗かが決まる。

 ヴェノムの中に入っていったとしても奴等がヴェノムを前に迎撃してきたらとにかく逃げるしかない。

 そうなったら坊や………、

 お前がヴェノムを払い除けて四人を守れ。」

 

「…俺が………この四人を………?」

 

「私もウインドカッターで援護を「馬鹿」!」

 

「身を隠せって言ってんのに魔術みたいな目立つ攻撃技を使ってどうする?

 坊やを回復させたのはこいつが一番強くて早くて静かに目立たぬようにヴェノムに対処できるからだ。」

 

「………!」

 

「………そうと分かったら猿は坊やからガキを引き取ってやんな。

 そしてさっさとこの海道から離脱しろ!

 行け!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レイディーさん!」

 

 

 

「…何だ?

 時間はあまりねぇぞ?」

 

 

 

「……有り難うございました………。」

 

 

 

「礼なんてされる覚えはねぇ。

 アタシは最有力な作戦を考えただけだ。」

 

 

 

「…それだけでも俺達には非常に大きな力になりました………。

 レイディーさんを見てると………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まるで昔のおじいちゃんを見ているようです。」

 

 

 

 

 

 

「………!」

 

 

 

「それでは俺達は行きます…!

 ウインドラ、アローネ急ごう!

 レイディーさんの作戦が失敗しないためにも!」ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………坊やのお墨付きまでもらっちゃ…、

 アルバートの真似もいいレベルまで来たってことだな。

 奴を越える日も近いのかもな………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰を越える日が近いって?」

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

 

「どこのどいつを越えるのか知らんがそんな日は来ねぇよ。

 お前は今日ここでこの…、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユーラス=オル・バルツィエに埋められちまうんだからなぁ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ユーラスか。

 お前が来たってことはだ。

 

 ………他の擬きの仲間達は………。」

 

 

 

「殺した。」

 

 

 

「………そうかよ。

 ぼっちでこいつら相手しねぇといけねぇのかよ…。

 一人じゃキツいぜ…。」

 

 

 

「心配しなくてもお前も直ぐに奴等の後を追わせてやるよ。

 俺の手で一瞬だ。」

 

 

 

「………お前と………部下だけなのか?」

 

 

 

「ん?

 そうだが?」

 

 

 

「騎士団長様はどうした?

 奴も来てんだろ?」

 

 

 

「フェデールの奴なら来てないぜ?」

 

 

 

「来てない訳ねぇだろ。

 さっきのトラクタービームは奴の魔術だろ?

 そこら辺にでも隠れてんのか?」

 

 

 

「…この場は俺一人で足りるんだよ。

 フェデールの野郎は俺達を送って早々に帰宅した。」

 

 

 

「………つーことはバルツィエはお前一人なのか?」

 

 

 

「あぁ。

 俺と部下達さえいればお前らを全滅させられるしな。」

 

 

 

「………そうか、

 そいつぁ………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 助かるぜ!」パァァッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………本当にレイディーは一人で大丈夫なのでしょうか…?」

 

「…なんとも言えないが昨日の彼女とフェデールの戦いを見る限りだと彼女は一人でいたときの方が戦いやすいだろう。

 地面を凍らせて戦うのなら俺達がいても足を滑らせて邪魔になるだけだ。

 彼女のように滑りなれていないと俺達が敵のいい的になる。

 俺達に気を散らして戦うよりかは彼女に任せた方がいい。

 俺達は………万全な状態とは言いがたい………。」

 

「いえ、そうではなく………、

 レイディー一人で逃亡を謀ったのではないかと………。

 彼女もそのようなことを仰っていましたし…。」

 

「そこは心配いらないんじゃないかな?

 レイディーさんあぁ見えて面倒見もいいし昨日もそんなに悪い人じゃないって思ったでしょ?」

 

「そうですね…。

 前の時の印象ではそうは感じませんでしたが昨日は本当に別人のようでした…。」

 

「…人目では相手の人格など量れるものではないな。

 人の良さそうなものでも腹の内では悪事を企むものもいるしその逆もある。

 彼女は後者なのだろう…。」

 

「悪分っていても心は優しい人………、

 レイディーはそうでしょうけど外も中も人に害を及ぼす方はこの世には大勢いますから…。」

 

「…その筆頭はバルツィエだな。

 奴等が誰かに善行を働くところなど見たことがない…。」

 

「………」

 

「…すまない。

 カオスのことではないんだ。

 カオスやアルバさんはバルツィエとは違う人種だ。

 お前達はそのままでいてくれ。」

 

「カオスは私やタレス、騎士団の皆さんをお助けしました。

 彼等とカオスは別ですよ。」

 

「………有り難う。」

 

 

 

「………見えてきたぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「ア”ア”ア”ア”ア”………」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴェノムの群れだ………。」

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