テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ダレイオスへと亡命することになっていたダリントン隊とバーナン隊の騎士達は追撃部隊ユーラスの手によって全滅させられてしまった。
残っているのはカオス、アローネ、タレス、ウインドラ、ミシガン、レイディーの六人だけとなったが…。
シーモス海道 深夜
「ユーラス隊長、
女が逃げますがよろしいのですか?」
「放っておけよ、
殺せたら殺しとけって指令だ。
どうせアイツ一人じゃ何もできねぇよ。
カオスがいなけりゃ大衆も湧かねぇだろ。
カオス一人抑えりゃいい。」
「ではカオス様の追跡ですね。
それなら先ずはヴェノムを排除します。」サッ
「お前らじゃ時間が掛かりすぎる。
俺が殺る。」
「ユーラス隊長自らですか?
ではワクチンをどうぞ。」
「ワクチンなんか使ったらヴェノムが全部死滅するだろ。
そうなったらカオスが逃げやすくなるだけだ。」
「ですがユーラス隊長の魔術でヴェノムを攻撃してしまっては海にヴェノムが巻き散ります。
そうなると海洋資源が汚染されてヴェノムの蔓延化が急速に進んでしまいますよ。
今のご使用した魔術でもかなりのヴェノムが海に…。」
「そんなもんどうってこと………、
あぁいや………、
それもそうだな。
お前らは困るんだったな。
仕方ねぇ。
ワクチン使うか。」プスッ
「………」ザンッ
「………」ズリズリ
「………フゥ」スタスタ
「………二人共大丈夫?」
「…お前こそ人の心配してるが剣のキレが落ちてきてるぞ。」ズリズリ
「俺は………。」
「カオスも本調子ではないのでしょう?」
「そうだけど…。」
「レイディーが時間を稼いでくれているんだ。
今は無理をしてでも前に進むしかない。」
「………そうだね。」
「レイディーは………無事に逃亡できたのでしょうか?」
「………」
「………分からん。」
「…先程まで後ろで魔術の攻防が続いていましたが今は音が聞こえなくなりました…。
ということは………。」
「「………」」
「…レイディーはバルツィエに「アローネ」…。」
「レイディーさんは無事だよ。」
「カオス…、
ですが…。」
「音が聞こえなくなったのはレイディーさんがもう十分に俺達が逃げ切れたと思ったのかそれかマナが少なくなって予定通りに逃げているところなんだよ。」
「………だといいのですが…。」
「囮を買って出てくれたんだ。
俺達はダレイオスへと辿り着かねばならん。
この群れももうじき抜ける。
そしたらダレイオスで彼女を待つとしよう。」
「………はい。」
ア”ア”ア”………
「………魔神剣ッ!」ザザッ!
ア”!………ア”ア”ア”…
「…あれ?」
「…どうしたカオス?
ゾンビ程度なら一撃で倒せただろう。」
「…そうなんだけど。」ザンッ
「…ア”ア”ア”…」ガシッ
「うわっ!」ドサッ
「カオス!」
「ウインドカッター!」ズバッ!
「ア”…!」ドサッ
「………あっ、有り難う………。
アローネ。」
「いえ………、
カオス…?」
「………」
「…どうやらお前も限界のようだな。
マナを残り全て使いきったようだな。」
「………そうみたい。」
「…では私が代わりましょう。
タレスをお願いします。」スッ
「………分かった。」
………俺は何をしているんだ。
俺には戦う力しかないのに………。
その戦うことすらできなくなるなんて………。
こんなんじゃあの頃と何も変わってない………。
「………ダレイオスの砦が見えてきたな。
あそこまで行ったらマテオのバルツィエも追い掛けては………!?」
ジジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!
「「…あいつは!?」」
「……ジャイアントヴェノム………!?」
ガガガガガ…………ガシャァァァァァァァンッ!!!
ジュゥゥゥゥゥゥ!!!
「………今度はダレイオスの砦の門が開いたな。
門を開けてくれたのは感謝したいところだが………。
そこを退いてほしいな。」
「ジュゥゥゥゥゥゥ!!」
「………通行料が必要らしいな。」
「そんなものはありません!
退いてくれないのでしたらそこを押し通るだけです!」
「………待て!
アローネ=リム。
あの大きさのヴェノムは一人では危険だ。
あそこまで成長したヴェノムはバルツィエの………、
アルバート=デュランですら苦戦する程だった。」
「………小さいときのこと覚えてるんだね。
おじいちゃんがあれに殺られたって………。」
「…俺にとっては忌まわしい記憶だ。
あいつを前に俺はアルバさんを置き去りにして逃げてしまった…。
強さを渇望する俺が子供の時とはいえアルバさんを置いて敵前逃亡など………!」
「…おじいちゃんはウインドラを逃がしたって言ってたよ。」
「…そういうことにしてもらってたのか………?
…だが今度はそうはいかない!
今の俺にはこいつを倒す術がある!
このワクチンで今度は俺がお前を倒すぞ!
ジャイアントヴェノム!!
あの時の個体とは違うだろうがもう俺はお前から逃げない!
貴様を倒して俺の悪しき記憶を払拭してやる!」
「カオス!
タレスとミシガンをお願いします!」
「二人とも………。」
「ジュゥゥゥゥゥゥ!!」
「………くっ…!
ワクチンがあってもこのサイズではなかなか削りきらないな………。」
「以前の時はここまでは苦戦しなかったのですけど…!」
「お前達の攻撃がワクチンよりも有効性があるようだがダレイオスから次々ヴェノムが集まってきてはこいつに吸収されていく…!
この流れを絶ちきらねば………!」
「でもどうすれば………!?」
「………!
………いかん、
ワクチンが………切れる………。」
「「……!?」」
「…まだ最後のワクチンが残ってはいるが……、
こいつを失うのは………!」
「…でしたら私が海を凍らせて皆で遠回りしてダレイオスに…!」
「そうするか………、
氷属性は得意なのか…?」
「…魔術は使えますが得意という程では………。」
「…だったらあまり遠くの沿岸には行けそうにないな。
砦を迂回する程度でいい。」
「えぇ。」
「カオス、
話が決まった。
ミシガンとその子を連れて海を渡るぞ。」
「うっ、うん………。」
ザリッ、ザリッ、ザリッ……
ジュゥゥゥゥゥゥ…ボチャンッジュゥゥゥゥゥゥ!!
「………慎重に進め。
氷の上は滑りやすい上に表面しか凍らせてない。
滑って氷に衝撃を与えたら海に落ちるぞ。」
「ヴェノムも追い掛けてこようとはしていますが氷と接触しても氷を溶かして海に落下していきますね。」
「………この周域の海鮮資源が気になるところだがこうもヴェノムが蔓延しているとなるとこの辺り一帯は既に死んでいるようだな…。」
「…ヴェノムがいるのに逃げ出すなんて………。」
「追われている身なんだ。
今は駆逐してはいられない。」
「……ヴェノムを倒す力があるのに俺は………。」
「それを言うのでしたら私もですよ………、
………でもこのヴェノムの数………、
ダレイオスは既にヴェノムで滅びているのでしょうか…?」
「…それは………ない………、
………と言いたいところだがダレイオスの情報はマテオでも出陣することが許されているバルツィエが全て掌握していた………。
俺達もダレイオスがここまでの状況に陥っていたとは思わなかった………。」
「それじゃあ…、
俺達はどこに向かえば………。」
「……そうだな。
先ずはダレイオスの王都に「ジュゥゥゥゥゥゥ!!」!?」
バキンバキンバキン!!ジュゥゥゥゥゥゥ!!
「…ジャイアントヴェノムが!?」
「あのサイズのくせに氷に乗ろうとしているのか!?」
「あの大きさでは私の氷が割れてしまいます!」
「それだけではない!
津波が起こるぞ!?」
「急いで陸に…!」ズドドドドド!!
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!
「ジュゥゥ………!!」プシュゥゥゥ……
「ジャイアントヴェノムが…!?」
「見つけたぜ?
カオス!」