テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
追ってきたユーラスに仲間の命を盾にとられウインドラが倒れてしまう。
そしてカオスもユーラスについていくことを決意。
その時ミシガンが…。
トリアナス砦 深夜
「ミシガンがウインドラさんのお父様を………?」
「……私のせいでラコースさんは………。」
「何言ってるんだよ。
ミシガンはラコースさんが………、
亡くなった時眠っていたじゃないか。
ミシガンがラコースさんをどうやって殺したんだよ?」
「………私が………。」
「…ミシガン?」
「………………………、
………私があの事件の日、
ヴェノムが襲ってきて恐怖で気を失ったりしなければお父さんも早く逃げられたし私とお父さんを助けに来たラコースさんもヴェノムに感染なんてしなくてすんだんだよ………。」
「えっ………。」
「私がいけなかったの………。
私が………、
気弱で守ってばかりいたからあんなことになって………。」
「カオスもそうでしたけどミシガンもその当時は子供だったのですよね…?
それなら大人の方ならそうするのは当然「アローネさんに何が分かるの!?」!?」
「子供だったからなんなの!?
カオスもウインドラも子供だったのに村の人達を助けようと駆けずり回ってたんだよ!?
そんな時に私はずっと最初から最後までその場にいながら何もしてない!!
私はお父さんの背中でずっと気絶していただけ!!
私だけ何かしていた記憶もない!!
好きな人達が大切な人を失った中で私だけが何も失ってない守られ続けて甘えていた!!
だからウインドラも私のことを嫌って村を出ていったの!!
私のせいでラコースさんを失ったから!
だから………!!」
「「………」」
「………どうして………、
………どうして私は………、
いつも重要な場面で気を失ってるの………?
今だって私がちゃんと起きてさえいればウインドラがこんなことには………。
こんなんだからウインドラも私に失望して………。」
「………それは………違うぞ………ミシガン。」
「…!」
「ウインドラ…!」
「意識が回復したのですね!
でもまだ喋っては…!」
「……俺は………、
お前を………失望してなど………いない。」
「ウインドラ、
まだ喋らない方がいい。
ユーラスに気付かれたら…。」
「………いや、
……言わせてくれ。
ゲホッ………。」
「まだ駄目だって!」
「………ミシガン………。」
「………何…?」
「………すまなかった………。」
「…どうしてウインドラが謝るの…?
ウインドラがそんな重体になったのは私を庇ったからでしょ…?
私なんかを庇ったから…。
………私が謝らないといけないのに…。」
「…こんな怪我………どうってことはない………。
お前達が………治療魔術を施してくれたおかげで大分………、
……楽にはなった………。」
「当たり前でしょ…?
私が負わせた怪我なんだから私がウインドラを治さないと………。」
「………お前の治療魔術は………、
昔から………よく効くからな………。
…懐かしい………。
昔はよくお前にかけてもらっていたな………。」
「………ウインドラがしょっちゅう怪我して帰ってくるから………。」
「………そうだったな………。
…あの頃は………カオスと………。」
「(俺はミシガンのファーストエイド二、三回くらいしかかけてもらったことないけど………。)」
「………それよりも………、
…俺は………お前に失望して………村を出ていったんじゃない………。」
「…じゃあ………何で村を出たの………?」
「………」
「………はっきり言っていいよ…?
…私が嫌いだったか「そうではない」」
「………俺は………強くなりたくて村を出たんだ………。
お前を守れるぐらい強くなるために………。」
「………え?」
「決して………お前を嫌いになった訳でも………、
父さんが死んでお前を恨んだ訳でもない………。
強くなって………お前を………
………ミシガンを何者からも守れるようにと………、
村を出て騎士になったんだ………。」
「………どうしてそこまで私のことを………?
私はウインドラの………、
ラコースさんが死ぬ切っ掛けを作ったんだよ…?
それなのにどうして………。」
「…お前を守ること………、
それが………俺の役目だからな………。
許嫁になった時から俺の………。」
「…ウインドラは………私との許嫁が嫌だったんじゃないの…?」
「…確かに嫌だった………。」
「…嫌なら「あの許嫁は………」…。」
「………あの許嫁は………、
…俺が村の同期の子供達の中で優れていたから村長に選ばれたんだ。
……優れていなかったら俺は……お前の許嫁にすらなっていなかった………。
俺の意思ではなくそんな仕事の能力のような決められ方だったから嫌だったんだ………。
…お前との仲を………そんな味気のない繋がりだけのものにしたくはなかった…。」
「………!」
「…お前との許嫁は最初は嬉しかったが………、
それも後になって考えたらそういう理由で選ばれたのならいつ俺よりも優れた奴がでてきてもおかしくはない…。
贅沢で我が儘な悩みだと我ながら思うが…。
カオスが………マナを失っていなかったらお前の許嫁になっていたのはカオスだっただろうな………。」
「………」
「…だからお前に落ち度なんてないんだ。
お前を憎んだりしたことなど………一度もない…。
一度とたりとも……。」
「…じゃあどうして何も言わないで村を出ていったの…?」
「…誰かに村を出ていくことを伝えたら絶対に引き留められると思ったからだ…。
そうなったら俺は強くなるチャンスを失う………。」
「………強くなるだけなら村でだって………。」
「それでは駄目だったんだ………。
あの事件のヴェノムのような脅威がある以上、
村での修練など限界がある……。
強くなるには………村の外の………、
アルバさんのような人達がいる世界に出なければならなかった………。」
「アルバさん………?」
「………あの事件で父さんと一緒にアルバさんも亡くなった…。
俺が強くなるにはどこか強い人達がいる場所で教えを乞う必要があった………。
それで誰にも言わずに村に来た騎士団についていってレサリナスまで来たんだ…。」
「どうしてそこまでして………。」
「………相応しくなるためだ………。」
「……?」
「………………、
強くなって………ミストに戻って………、
………お前に相応しい男になるためだ………。」
「…!?」
「…子供の頃のままの俺では不甲斐なさすぎてお前には相応しくない…。
お前のような美しい花を………、
他の何物かに散らされそうになるような俺では………。」
「………」
「………昨日は突き放すようなことを言ってすまなかった………。
あれは………両親の決めた話ではなく俺が俺の気持ちだけでお前と一緒になりたかったからあぁ言ったんだ………。
俺が………お前のことを………、
心の底から好きだったから………。」
「………」
「だから好きなお前に対して俺はどうしても紳士的でありたかった。
“誰かに決められたこと”で話を進めたくはなかった………。
強くなることとお前との仲を一度零に戻してから一からお前とのことを始めたかったんだ………。
それでお前にも何も言わずに飛び出したんだ………。
本当につまらない心配をかけた………。」
「………言ってよ。」
「………」
「…だったら……そう言ってよ………。
回りくどくて………全然分かんなかったよ………。」ポロポロッ
「…すまない。」
「もう……、
そんなことを伝えるのに十年も遅れちゃって………、
まったく………。」
「…時間をかけすぎたな………。」
「そうだよ………。
もうお互いこんなに大きくなったのに……。
もし私がウインドラのことを忘れて他の人と結婚とかしてたらどうするつもりだったの………?」
「その時は………諦めてお前が幸せになることを願うだろうな。」
「…何でよ…?
それじゃアンタが鍛えてきた意味が無くなるじゃない。」
「ミシガンが選んだ男だったなら………、
きっと……俺なんかより相応しいんだろう……。
こんな…待たせ男なんかよりも………。
そんな時が来たならミシガンとその男を含めて俺がミストの皆を守るだけだ…。」
「…その人がまたお父さんとかが決めた許嫁でどうしようもないロクデナシだったら………?」
「………そんな男だったなら………、
俺がお前をそんな男から奪いにいく。
奪いに行ってお前を俺が一生守っていく……。」
「………クサすぎるでしょ。
もう………。」