テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
仲間達がカオス奪還の策を練るうちにユーラスとカオスはシーモス海道を進む。
ユーラスはカオスの潔さを不審に思うが………。
シーモス海道 深夜
「………お前が化け物ってのには同意してやろう。
この俺のストーンブラストを直撃して無傷だったんだからな。」
「無傷って訳でもなかったよ。
ちょっと痛かったかな。」
「………ちょっとかよ。
あれでも市街地一つ分消し飛ばす威力を集約させて撃ったんだがな…。」
「そんなものあんな広場で撃つなよ。
あの場には一般の人達だっていたんだから。」
「別に構いやしねぇだろ?
民衆なんて国に忠誠を誓ったっつー建前があるんだ。
俺達の為に巻き添え食って死ねるなら本望だろ。」
「そんな訳ないだろ。
そんな忠誠だってお前達がそうしろって言うから仕方なく従ってるだけなんだろ。」
「そうだとしても従うしかねぇんだよあいつらは。
俺達がいなけりゃとっくにマテオなんて国は滅んでんだからよ。
さっきのダレイオスの砦見ただろ?
マテオとダレイオスでこうもはっきりと俺達がいるかいないかで違いがまるわかりじゃねぇか。
この世は持ってる奴等が支配する世界なんだよ。」
「…そうなんだとしてもお前達みたいに人を人とも思わないようなやり方は間違っている。
もっと…別の………人との接し方だってある。」
「そうは言うけどなぁ。
俺達は俺達のやり方で国を治めちゃいるが例え俺達でなくても力を持てばこうなるんだぜ?
たまたま俺達が力を持ってただけで仮にバルツィエ以外の力を持った勢力が上に立てば俺達と同じ政策を取るだろうぜ?
奴隷制度知ってっだろ?」
「…奴隷がなんだってんだよ…?」
「あの制度は今まで消えてった国でもあったしそれを受け継いでマテオでも残った。
マテオを実質的に支配してんのはバルツィエだがバルツィエができる前からそういうのは根強くあるんだよ。
…綺麗事なんか訴えたところで人は汚れた種族だ。
一度でも汚れた奴が上に立てばそれを上塗りした奴が次々と上に立っていく。
人の歴史ってのはそうした繰り返しの歴史の中に組立ってんだ。
バルツィエはそこから先に進まないように歯止めをかけてんだな。
お前も後々は俺達と同じに染まるんだから光栄に思うこったな。」
「お前らなんかと同じ血が流れてると思うとどうしようもなく嫌になるね。
今すぐ別の血と入れ換えたいよ。」
「そんなふうに言う奴は初めてだな。
他のゴミ共はどんな手を使ってでも家と繋がりを持とうとする奴等だらけだって言うのによ?
嫌がったってお前にはどうすることもできねぇだろ。
そんなに嫌なら本当にそこらにいるゴミ共の血を抜いてお前の血と交換してやっても良いぜ?」
「………」
「素直に受け入れとけよ。
バルツィエに入りゃ何だってできるようになるんだからよ。
逃げる気がねぇんならどう足掻いたってお前は俺達の一員になるしかねぇんだからな。
………たくよぉ。
フェデールの野郎も余計な仕事押し付けてきたもんだぜ。
なんだってこの俺をぶっ飛ばした野郎を生け捕りにしてこいなんて命令してくんだか………。」
「………そんなこと俺は知らないよ。
……どうせ一昨年の時に一番俺にやられてたとかそういう理由じゃないの?」
「…ご名答だぜ。
この俺に赤っ恥かかせただけのことはある。
よく分かってらっしゃるなぁ本人様はよぉ…?」
「あの広場のことを思い出したらアンタからアンタ達の計画が狂いだしたんだろ?
アンタがダリントンって人に成りきって登場してから死んだ振りするまでは良かったけどその後声を上げたりなんかするからあの場でバーナン隊とダリントン隊を全滅させられなかったんだろう?
他にもアンタがでしゃばる度に上手くいったことなんて無かったんじゃないの?」
「………」
「だからこんな所まで俺達を追わされるんだよ。
アンタが「偉そうな口叩くのはそこまでにしねぇか?」」
「自分の立場分かってねぇのか?
おいよぉ?
お前は今この俺の捕虜として捕らえられてんだぜ?
そんなお前がこの俺を苛立たせるようなこと言ってっとどうなるか分からねぇのか?」
「…殺されたりでもするのか?」
「捕虜だって言ってんだろうがよ?
ムカツクが俺がお前を殺る訳にはいかねぇんだよ。」
「…なら「だが」…。」
「………バルツィエの先輩として生意気な後輩にバルツィエの流儀を今のうちに叩き込んでやるのもいいかもな…。」
「…そんなことしなくていいよ。
お前なんかから教わることなんてろくでもないことだろうし。」
「だから!
断れる立場にねぇんだよ!
お前は!
俺の教育を黙って受けやがれ!」
「………何するつもりなんだよ。」
「……お前と話してると段々腹が立ってきたなぁ…。
話題が暗いし反抗的だし………。」
「…暗くて悪かったなぁ…。」
「…一昨年は恥をかかされるしこんな所まで来るはめになるし帰りはダルいし………、
なぁ?」
「何だよ?」
「お前もよ?
連れていかれるならさっさと連れていかれたいと思わねぇか?
こんな何もない暗い海なんか眺めて歩くよりかはもっと早く帰れる方法を思い付いたんだが…。」
「………そうだね。
そんな方法があるならやってみてもいいけど。(それならもうアローネ達の方にこいつが向かうことは無さそうだな。もう大分時間は経ったしアローネ達もこいつが引き返しても見付からないところまで逃げ切れただろうし。)」
「我ながらナイスな方法を思い付いたぜ。
これならお前と嫌味な話をすることもねぇし帰るのも早まるしお前の相手して溜まったストレスも解消できる…。
ついでにお前にも流儀をご教授できるおまけ付きだ。
一石で何鳥も落とせるお得な方法だぜ。」
「………何か嫌な予感がするんだけど…、
普通に連れていってくれた方がいいかな………。」
「もう切符は切っちまったぜ?
お前はもうこいつに乗ることしかできねぇんだ。」
「…で?
どんな方法なんだそれは。
お前が俺を担いで走っていくとかか?
それとも引きずって行くのか?」
「それだとお前が楽をするだけじゃねぇか。
ふざけんな。」
「…引きずるってのは割とそうなんじゃないかって思ったけど違ったのか?」
「引きずるにしてもそれだと俺に負担がかかるのは変わらねぇだろうが。
俺の方法は至ってシンプルだ。
俺に負担がかからずお前が逃げることもない。
むしろやればやるほど逃げられなくなっていくな。
そして………、
魔術が効きにくいお前だからこそできる裏技だぜ?」パァァッ…
「………魔術…?」
「ストーンブラスト!!」ズドドドドドドドッ!!
「うあぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
「んあ?
………あぁわりぃ………、
手錠でマナを封じてりゃお前でも魔術は効くんだな。
そこを見落としてたぜ。」