テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしていた。

 カオスを指令通りに連れ帰るユーラスであったがその道中カオスの態度にイラつきユーラスがマナを封じられたままのカオスをいたぶり始める。

 手も足も出せない状況にカオスは………。


危ぶまれる救出

シーモス海道 深夜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドサッ!

 

 

 

「ぐっ…!

 いきなりっ……何をするんだ…!?」

 

 

 

「こうすればおれの鬱憤が晴れるのと同時に吹き飛んだ分だけ早く進めるだろ?

 俺の歩くスピードは変わらねぇがお前と話をしながら帰るよりかはマシだ。

 こうすっと石蹴りみたいで楽しみながら帰れるしな。」

 

 

 

「……!

 ……俺は吹き飛ばされて痛い思いをしなきゃならないけどね…!」

 

 

 

「俺はそれでもいいぜ?

 別に俺は痛くねぇし。」

 

 

 

「そりゃお前は「ストーンブラスト。」がっ…!?」ズドドドドドドドッ……………ドサッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「普通の奴なら死んでるとこだがお前ならそう簡単には死なねぇからな。

 お前だけにできる特別な運搬方だ。

 死ぬギリギリまでこれで運んでやるぜ。

 

 なぁに俺の部隊と合流するまでの辛抱だ。

 お前が正式にバルツィエになるまでのちょっとしたサービスだと思えばいいもんだろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………こういう特別扱いは嬉しくないな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドドドドドドドッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………やっぱあぁなるか。」

 

「………惨い。

 レイディーが仰っていたのはこのことだったのですね…。」

 

「バルツィエならカオスさんをあのように扱うのも頷けます。」

 

「……!

 今すぐカオスを助けてあげたい…!

 けど…!」

 

「抑えるんだミシガン。

 今助けに行ってもさっきの二の舞になる。」

 

「そうだぜ?

 先ずはアイツらにバレずにアイツらの部下達に奇襲をかけることが先決だ。」

 

「…ですがこの方法で気付かれたりはしないのですか?

 こんな遮蔽物もない海の上を渡ったりなど…。」

 

「それはこの暗さと奴の警戒心レベルが低いことを願うしかねぇな。

 仮にアタシらが追い掛けてくるとしたら陸を渡ってくると思って後ろばっかり警戒するだろうしな。」

 

「それにしても凄いなレイディー殿のソーサラーリングは…。

 魔技のアイスニードルを海中で放つことによって海を凍らせるだけでなく魔術光も抑えることができるとは………。

 魔術で海を凍らせていたら発動時の光でこの暗い中では即居所がバレてしまっていただろう。」

 

「アタシがいたからできる作戦だ。

 感謝するなら金くらいなら受け取ってやるよ。」

 

「金って………。」

 

「今は持ち合わせがそうないんだ。

 後に必ず………。」

 

「冗談だっつーの。

 真に受けんなよ。」

 

「…レイディーの冗談は冗談なのか分かりません。」

 

「…それにしてもユーラスが使う魔術がストーンブラストで助かりましたね。

 地属性のストーンブラストでは発動時の魔術光以外では光など放ちませんから。」

 

「そこもでかいな。

 奴自身の魔術がばかでかい範囲で砂埃を巻き上げるから視界を自分で塞いでくれてるのも作戦の成功率に大きく貢献してやがる。」

 

「…では今のうちに早く本隊の方へと奇襲をかけに行きましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………しかし本当にカオスの手錠の鍵をユーラスの部下が持っているのか…?」

 

「ユーラスは………、

 フェデールが持ち帰ったと言ってましたけど………。」

 

「持ってるだろうぜ…?

 ………持ってなきゃ困る………。」

 

「困るって………、

 確証もないのにこんな作戦決行して良いのでしょうか?」

 

「どうして鍵がユーラスの部隊にあるって思うのレイディー?」

 

「お前らは敵の流す情報を鵜呑みにし過ぎだ。

 …手錠ってのは殺傷能力こそないが装着されれば協力な武器になる。

 バルツィエの連中のマナすら封じ込める程にな。

 坊やもそれで半日抗えなかっただろ?」

 

「……そうだな。」

 

「だとしたら手違いで自分に嵌めちまったとしたら鍵が近くにねぇと不味いだろ?

 自分に使用しないとしてもだ。

 バルツィエは国こそ支配しちゃいるが常日頃命狙ってる奴等がわんさかいるんだ。

 そんな連中がどこに潜んでいるとも分からない状態で手錠だけ持ち歩いてるなんざ無用心だろうが。

 鍵は必ず近くにある筈だ。」

 

「それで奴の部下を叩くという作戦なんだな…?

 しかし…。」

 

「ユーラスが直接持ってる可能性もあるのでは…?」

 

「本人が持ってる可能性も捨てきれないが手錠嵌めてすぐお前らに手錠の鍵は自分が持ってるぜ?なんて言う馬鹿たんがどこにいる?

 そんなこと言ったらお前らが躍起になって奪おうとするだろうよ。」

 

「………そう………ですね。」

 

「アイツは殺しを楽しむことも好きだがそれ以上に人の気を逆立てるのも好きな奴なんだよ。

 アイツか部下のどっちかに鍵があると見てもいいだろう。

 アイツの性格の悪さを考慮してだけどな。」

 

「…レイディーさんといい勝負ですね。」

 

「ガキ、

 文句があんならテメェだけ海に突き落とすぞ?」

 

「アンタの普段の行いがそう言わせたんでしょ。

 子供にムキになってどうすんのよ。」

 

「こんな時に戯れは止してください。

 カオスが大変なんですよ。」

 

「…どのみち鍵を探すのなら両方ともぶつかるんだ。

 先ずは奪いやすい方から片付けるのが良策だろ?」

 

「ユーラスの部隊が鍵を持っていたとしてそこからユーラスがカオスを吹き飛ばしたところを取り返すんだな…?」

 

「今できる作戦はそれっきゃねぇ。

 部下が持ってなかったとしたら鍵はユーラスの手にある。

 その場合は………手錠の鍵は諦めて坊やだけかっさらうぞ。」

 

「ユーラス達が海の上まで追い掛けてきたらどうするんですか?」

 

「それは心配ねぇよ。

 一昨日の戦闘で部下達の戦闘力見たろ?

 アイツらじゃ話にならねぇ。

 戦場にバルツィエばっか出てっから経験が全然だ。

 ユーラスに関しては奴は氷の魔術は使えねぇだろう。」

 

「自信もって言い切りますね。

 根拠でもあるのですか?」

 

「バルツィエの連中は火力重視スタイルだ。

 得意系統の属性以外はてんで鍛えようとしないんだ。

 フェデールみたいな例外もいるがユーラスやダイン、ランドール、ラーゲッツが自分の属性以外を使っているところなんざ見たことねぇよ。」

 

「…言われてみれば彼等は一つの属性魔術しか使っていませんね…。」

 

「お前みたいな何でも屋は滅多にいねぇんだよ。

 武器と同じだ。

 使いやすいスタイルオンリーで事足りるんだよ奴等は。」

 

「じゃあ海に逃げればあいつら追ってこれないってこと…?」

 

「そういうことになるな。

 今あいつらはユーラスの指示で攻撃してこねぇだろ?

 奴等ももう勝った気でいやがる。

 今なら横っ腹からキツいもんお見舞いできるぜ。

 あいつらは多分だが火属性だけの人員で固めてる筈だ。

 あいつらさえ倒せばアタシらが海に逃げたとしてもファイヤーボールで氷を溶かされることもない。」

 

「鍵を探すのと追っ手からの追跡と追い討ちを防ぐ効率的な作戦と言う訳だな。」

 

「理想はそうだな。

 上手く運べばそうなる。」

 

「何か問題点でも…?」

 

「奇襲をかけるにはかけるがその間アタシらの使える技が限られてくる。

 ファイヤーボール以外は武身技のみだ。

 だがそれだと時間がかかりすぎる。

 

 

 

 猿、

 ファイヤーボール使えるのはお前だけだ。

 お前が奴等を多く仕留めるんだ。

 やれるか?」

 

 

 

「…それでカオスが救えるのなら。」

 

 

 

「…よし!

期待してるぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (………この作戦…。

 上手くいったとしてもユーラスをどう撒くかが問題になってくる。

 アタシの計算なら奴も海の上まで追ってはこねぇだろうが万が一陸での戦闘になったらカオスが封じられている今こちらに勝ち目はねぇ。

 

 それに……奴が鍵を握っていた場合この作戦自体が無駄な徒労に終わる。

 両軍共に消耗はしているがユーラスは未だ無傷…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 勝負を決するなら短期だってーのに不利な条件が多すぎるぜ……。)」

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