テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしていた。

 カオスは自分が気を失っている間に仲間達がユーラスに吹き飛ばされたとレイディーから伝えられる。

 それを信じられずレイディーにあたるが………。


逃れられない敵

トリアナス砦 深夜

 

 

 

「………」

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」クルッ、ザッザッ

 

 

 

「待て。」

 

 

 

「………」

 

 

 

「どこに行く………?」

 

 

 

「………」

 

 

 

「………」

 

 

 

「……そんなの決まっているじゃないですか………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アローネ達を捜しに行くんですよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…猿達が生きている可能性は低いぞ?

 そんなことしてユーラスに見付かったらどうするんだよ。

 今アイツと遭遇しても殺されるだけだ。

 そんな折れた腕と手首じゃ剣すらまともに抜けまい。」

 

 

 

「………折れた腕ならもう治りました。」

 

 

 

「…何?

 そんな訳が………。」

 

 

 

「………」スッ

 

 

 

「………………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………………そんな馬鹿な………。」

 

 

 

「………これでいいでしょう…?

 それじゃ…。」

 

 

 

「待てってよ。」ガシッ

 

 

 

「………」

 

 

 

「……腕が治ったにしてもユーラスと対峙したらその腕でどうするつもりだ…?

 猿達が吹き飛ばされた辺りにまだ奴がいるかも知れねぇんだぞ?」

 

 

 

「………」

 

 

 

「お前の生死を確認しないことには奴もこの海道を離れねぇだろ。

 その辺を彷徨いてる筈だ。

 そんなところにお前がノコノコと出ていったら今度こそ奴はお前に止めを刺すだろう。

 …そんなことを猿達が望むと思うか…?」

 

 

 

「………アローネ達は………。」

 

 

 

「ん…?」

 

 

 

「………いえ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …さっきは生意気な口を聞いて悪かったです…。

 頭を冷やして考えたらレイディーさんには危ないところを助けてもらったのに………。」

 

 

 

「そこは………別に気にしてねぇけど………。」

 

 

 

「………けど…、

 レイディーさんの話には全部納得した訳じゃないんです………。

 ………俺は………、

 もう俺のために………、

 ………俺のせいで誰かが死ぬのは嫌なんです………。

 そんなのは………十年前のミストの村の皆だけで沢山なんだ………。

 俺のせいで犠牲になるんだったら俺は………、

 俺が死にたい………。」

 

 

 

「お前が死にたいって………、

 ……そんなのはなぁ………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 猿達もおんなじだろうがよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……アローネ達が………?」

 

 

 

「誰しも考えることは同じなんだ。

 お前があいつらを犠牲にしたくなかったようにあいつらもお前を犠牲にしたくなかった………。

 だからあいつらはお前を助けに向かったんだ。

 お前が一人で犠牲になろうとしてるのを止めたかったんだよ。

 あいつらはお前にばかり辛い仕事をさせてから命まで救ってもらった………。

 そんなお前だから………、

 あいつらもお前を見捨てきれなかったんだ………。」

 

 

 

「…どうしてこんな俺のために皆がそこまでして………。」

 

 

 

「お前は自分を軽く見過ぎなんだよ。

 もっと自信を持ちな。

 過去の一件で村人達から責められたりはしたんだろうがあんなもん客観的に聞いてみればお前がやったことは村を全滅の危機から救った偉業だ。

 お前が自分を認められなくてもお前を認めてくれる奴は少なからずいるんだよ。

 

 

 

 それがあいつらだったんだ…。」

 

 

 

「………」

 

 

 

「あいつらが認めているお前をお前は否定なんかするんじゃない…。

 それはあいつらの人格そのものを否定することになるんだぞ?

 そんなことは坊やだってしたくないだろ…?

 あいつらの気持ちも汲んでやんな。」

 

 

 

「………はい。」

 

 

 

「…あいつらが殺されたってのはアタシの早とちりだった…。

 アタシもあいつらが吹っ飛ばされたところを見ただけで死んだのは見ていない。

 心配なのは分かるぜ?

 だけどそんな状態のお前に捜索されてユーラスに捕まりでもしたら猿達にまた無茶させるだけだ。

 

 あいつらだって馬鹿じゃない。

 吹っ飛ばされて生きてるってんならユーラスに見付からないように身を潜めているだろ。

 そこへ戦えないお前が出向いてみろ?

 猿達はお前を全力で守りながらユーラスと戦うぞ?

 勝てない相手と分かっていても坊やを守りながら戦う。

 そうなったら坊やは猿達の邪魔にしかならない。

 だから…、

 

 

 

 お前は今は体を休めてマナが回復するのを待つんだ。

 マナさえ回復すりゃお前も飛葉翻歩で逃げれるだけの力は戻るだろ?

 猿達の捜索はマナが回復して夜が明けてからにしようぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………分かりました。」

 

 

 

「…じゃあ朝の予定も決まったしユーラスの野郎がここを探しに来ないとも限らねぇからどっか隠れられる部屋へ…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドドドドドドドドドドドドドッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「…!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『カオスゥ!!

 ムーアヘッドォォッ!!

 隠れてんのは分かってるぜ!!?

 出てきやがれ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ユーラス!!」

 

 

 

「もうここを突き止めやがったか…!

 坊や、

 早くどこか隠れられそうな部屋に行くぞ。」

 

 

 

「はい『さっさと出てこねぇとお前の大切な仲間を一人一人殺していくぞ!!』……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…アローネ達が…、

 やっぱり生きてたんだ…!!」

 

 

 

「猿達………!

 いやこれは………!?」

 

 

 

「助けに行かなくちゃ…!!」

 

 

 

「待て早まるな!

 猿達があいつの所にいるか見てからだ!」

 

 

 

「アローネ!タレス!ミシガン!ウインドラァァッ!!」ダッ!

 

 

 

「あっ!?

 おい!!

 ………!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あいつ…!!

 冷静さを欠いてやがる!!

 世話の焼ける奴め!!」ダッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユーラス!!」

 

 

 

「………よぉ。

 生きてやがったなカオス…。

 ゾンビ化したんじゃないかって心配したんだぜぇ?」

 

 

 

「皆は………!

 皆はどうしたんだ…!?」

 

 

 

「安心しな。

 四人とも生きてるぜ………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ズタボロにしてゾンビの群れの中に置いてきたがな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんてことを……!?」

 

 

 

「今頃ゾンビに食われてるかゾンビの仲間になってるだろうよ。

 見に行ってみねぇか?」

 

 

 

「……!」ダッ!

 

 

 

「おぉ!

 いいねぇ!

 そうこなくちゃ!」ヒョイッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…待っててくれ皆…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハハハッ!

 あんなに慌てちゃって…!

 どうせ間に合わねぇよ!

 行っても仲間の死に様しか拝めねぇっての!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………おいユーラス。」

 

 

 

 

 

 

「………よぉ、お前もいやがるよな…?

 あいつを連れていったのはお前なんだからあいつの側にいるのは当然だよな。」

 

 

 

「………どうして坊や………カオスを行かせたんだ………?」

 

 

 

「あいつは身を呈して仲間を見逃してもらうよう懇願するような奴だ。

 その仲間がまだ死の危険から逃れられていないことを知ると一目散に駆け付けるだろうと予測がつく。

 

 あいつが向かったのは仲間の元なんかじゃねぇ。

 これからレサリナスに戻るまでの帰途で…、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 より深い絶望を拝みに行っただけなんだよ。

 帰り道に助けたかった仲間が死ぬ場面くらい見せてやりたい俺の優しさが伝わってくるだろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………あぁ、

 伝わってきたぜ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっぱりバルツィエなんかに坊やは渡せねぇってな!」パァァ

 

 

 

 

 

 

「お前がカオスにワクチンを付与してヴェノムから救ったんだろ?

 ならお前をぶち殺してカオスには一切の救助の手をなくしちまうのもいいよな。

 

 

 

 蟻だろうが一匹でも取りこぼしちまうのは無性に気分が悪かったところだ。

 敵は殺り尽くしてこそ“真の勝利”だろ?」

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