テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしていた。

 ユーラスを振り切って仲間達の元へと駆けつけたカオス。

 しかしそこには瀕死の重症を負って倒れ伏す仲間達と失明しながらも意思を保つアローネの姿が………。


目覚める何か

シーモス海道 深夜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………………どう………なったんだ………?

 

 

 

………痛みは…………感じない…………。

 

 

 

………俺は…………ユーラスに胸を剣で貫かれて………どうなったんだっけ………?

 

 

 

………それから…………今は………何が………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………思い出せない………。

 

 

 

…自分が何をしていたのかも………。

 

 

 

………俺は刺されてからどうしたんだ………?

 

 

 

気を失って………?

 

 

 

………気を失ったんだよな………?

 

 

 

………気を失って………皆はどうしたんだ………?

 

 

 

ユーラスに殺されたのか………?

 

 

 

俺が………、

 

 

 

皆を守れなかったから………?

 

 

 

俺が弱かったから………?

 

 

 

………俺にマナが足りなかったから………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………俺はやっぱり誰かを守れる存在にはなれなかった………。

 

 

 

騎士だとか戦士だとか………、

 

 

 

形を変えて誰かを守る存在にはなりたかったけど俺じゃあ何者にもなれなかった………。

 

 

 

少しばかり強そうな相手を倒したからと言って俺一人じゃ皆を守ることなんてできなかったんだ………。

 

 

 

誰かを敵に回すってことはその敵の味方が全て敵に回るってことだ………。

 

 

 

俺じゃそんな沢山の相手を一人で相手になんてできなかった………。

 

 

 

 

 

 

そんなこと………、

 

 

 

始めから考え付いていたってよかったことなのに………。

 

 

 

俺はそのことに気が付かなかった………。

 

 

 

力は強いだけじゃ駄目だったんだ………。

 

 

 

使い方も戦術もあってこその強さだ………。

 

 

 

俺一人を攻め落とす方法なんていくらでもある………。

 

 

 

俺が最強の強さを持っていたとしてもそれは一対一の単純な力比べだけの話だ………。

 

 

 

工夫さえすれば俺は誰にだって負けるし誰にも勝てなくなる………。

 

 

 

慢心なんて………、

 

 

 

自分からは遠いことだと思ってたのに………、

 

 

 

本の少しの間に俺は随分と自分の力に溺れていたようだ………。

 

 

 

俺なんかが誰かを救える筈なんてなかったのに………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺なんかが世界を変えられる筈もなかったのに………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジュゥゥゥゥ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………この感触は………?

 

 

 

………あぁこれは………。

 

 

 

…これは…………ヴェノムか………。

 

 

 

ヴェノムが………俺に覆い被さってるのか………。

 

 

 

無駄だよ………。

 

 

 

お前達じゃあ………、

 

 

 

俺は殺せない………。

 

 

 

俺には殺生石の加護が………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………?

 

 

 

………………おかしいな………。

 

 

 

俺にはヴェノムの酸性の体が効かない筈なのに………?

 

 

 

今ヴェノムが………俺の体を溶かしている感触がある………?

 

 

 

俺の体はヴェノムに侵されない筈なのにどうして………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…そういえばミストの森でもマナを枯渇させてからヴェノムに触ったことなんてなかったなぁ………。

 

 

 

これまで一度もマナを枯渇なんてさせたことなかった………。

 

 

 

マナを枯渇させた時の俺は………ユーラスの魔術を受けて普通に痛かったな………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………そうか………、

 

 

 

今の俺は………、

 

 

 

普通の人以下のマナしかないから魔術も食らうしヴェノムも………殺生石のマナの無くなった俺を侵食できるのか………。

 

 

 

………ということは俺はこのままヴェノムに食われるか………、

 

 

 

最悪ヴェノムになって皆を………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………いや、

 

 

 

俺がこんな状態なら皆ももうユーラスに殺されているか………。

 

 

 

俺がヴェノムになってもアローネやタレス、ミシガン、ウインドラ、レイディーさんを殺すことはないのか………。

 

 

 

………なら誰も殺す心配はないのか………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………だったら………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…最後の最後くらい………魔術を使ってみても良かったかもな………。

 

 

 

誰も仲間を殺す心配が無いのなら今ここで魔術を………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………そんな力はもうどこにも残ってなんていないけど………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………結局、殺生石ってのは何だったんだ…?

 

 

 

………どうしてこんな力があるんだ………?

 

 

 

………どうしてこんな力を俺が持てたんだ………?

 

 

 

…教えてくれよ………。

 

 

 

………………夢の中の声………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………もうどうでもいいか………。

 

 

 

………俺の人生はここで………、

 

 

 

………ヴェノムに飲み込まれて終わるんだから………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…ごめんね皆………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………ごめんね………、

 

 

 

アローネ………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ワシにまで到達しおったか………。

 じゃが貴様らなぞにワシは穢されはせぬぞ………?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐぅぅっ!!」ギュゥゥゥッ

 

 

 

「どうした?

 もうお前だけしか残ってないんだぞ?

 ムーアヘッド。

 最後のデザートにとっておいてやったんだ。

 もっと美味そうな声を聞かせてくれよ?

 そんな磨り潰したような声じゃこの俺は満足しねぇぜ?」

 

 

 

「テメェを満足なんか……!!

 させるために苦しんでじゃ……!

 ねぇ!!」

 

 

 

「ハハハッ!

 まぁそうだよな!

 それでどうやって死にたい?

 お前を殺すことは確定してんだ。

 最後の死に方くらい選ばせてやるよ。

 ただ出血死するのを待ってるのも長く感じるだろ?

 このまま窒息死するのもいいし剣で斬り殺してやってもいい。

 

 

 

 ………後はそこのそいつらのようにヴェノムに感染してゾンビになって死ぬのもあるぞ?

 そいつらもそのうち起き上がってゾンビになるんだ。

 お仲間と仲良く同じ運命を辿るのも友情的でよくねぇか?」

 

 

 

「………フフッ。

 そうだな。

 それもいいかもな…。

 じゃあ………」スッ

 

 

 

「あぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全部お断りさせてもらおうか!!」ザスッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐあっ!?」ザシュッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フフッ!

 甘いんだよ!

 ユーラス!

 片腕を無くしはしたがアタシにはまだもう一本腕が残ってること忘れてねぇか!?

 片腕さえありゃ懐に入ってテメェを斬りつけることもできるんだぜ!?

 氷の魔術は火や風の魔術と違って氷が残る!

 これでお前も猿と同じように目が…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~、痛ぇっ………。

 どうしてくれんだよ?

 

 

 

 顔に傷ができたんじゃねぇかこれぇ………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………手元が狂ったか…。

 目を狙ったんだが目の下に一本線書いただけだったか………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………この俺が与えてやった選択肢を蹴るとはなぁ………。

 慈悲のつもりだったんだが余計な話だったか………。

 つまらねぇことをしたなぁ?

 

 

 

 だったら俺がお前の運命を選んでやるよ…。

 お前は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴェノムに食われてくたばりやがれ!!」ドスッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガフッ…!?」ドサッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジュゥゥゥゥ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐぁぁぁぁぁっ…!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだぁ?

 ヴェノムの感触は?

 触り心地抜群だろぉ?

 お前もすぐに同じ肌になれるぜ?」

 

 

 

「ぐぅ!!

 お前ェェッ!!!」ジュゥゥゥゥ

 

 

 

「素直に楽な死に方を選んどけばそうならずに済んだのになぁ?

 無駄な抵抗で地獄を味わうこともなかっただろうよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(くそッ………!

 ここまでか………!?

 アタシには………まだやらなければいけねぇことがあるってのに……!)」ジュゥゥゥゥ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」スクッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?

 カオスはもうゾンビになっちまったのか?」

 

 

 

「(坊や………?

 お前はゾンビにならないんじゃ………?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」フラァ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一歩遅かったみてぇだな。

 もう少し早ければお前お仲間に食われることなくゾンビになれたのになぁ。」

 

 

 

「(………止め……ろ。

 アタシは………まだ………、

 死ぬわけには………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………駄目だ………、

 意識が………………霞む………………。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………ファーストエイド………。」パァァ……

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