テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
そして開戦式でウインドラに倒されたと思われていたラーゲッツが復活しカオス等に敵意を抱く。
ラーゲッツは死亡していたかのように見えたのだが………。
ダレイオス
…………………………………………ザッザッッザッ
「「「「「………」」」」」
………どのくらい歩いたのかな………。
ダレイオスに着いてから街一つ見当たらない………。
………………
………いや、
ダレイオスに着いてから街にはいくつか着いていたんだ………。
着いてはいたんだけど………。
ダレイオス どこかの街
「………そっちはどうだ………?」
「………駄目………。
全然いない………。」
「こっちにもいません………。」
「カオスの方はどうでしたか?」
「………こっちにも人が一人もいないよ………。」
………こんな感じに“無人の廃都市”と化した街をいくつも五人で訪れて回っている………。
数日前のあの日から…………………。
トリアナス砦 流星群の降った翌日の朝
「そんじゃあアタシは行くわ。」
「………本当に一人で行っちゃうの?
レイディー………。」
「こんなヴェノムだらけの地で一人で旅をするとなると危ないのでは…?」
「だからってお前らと一緒に仲良く遠足ゴッコなんてしてられっかよ。
お前らはお前らでゆっくりとのんびり気長にこれからのことを考えればいいさ。
アタシは明確な目的がある。
アタシにしかできないことが。
お前らとつるんで旅をするってなったらどんどんその目的を達成できる日が遠ざかる。」
「言い方………。」
「最後まで素直になれないんだから………。」
「これがアタシだ。
このスタイルはずっと変えねぇし変えられねぇ。」
「………レイディー殿………、
レサリナスでの仲間の件……、
大変世話になった………。」
「別に礼なんて言わなくていい…。
結局は死なせちまった訳だしな………。」
「それでもだ………。」
「………レイディーさんはどこに向かう予定何ですか…?」
「………そうだなぁ……、
最初はこっちの王都を目指してみようかと思う。
ガキは………、
こっちにいたときは行ったことあったか?」
「いえ………、
ボクはナタムの村から出たことは無かったので………。」
「それさえできればお前ぐらいは連れていこうかと思ったんだがな。」
「ボクはカオスさん達に着いていくのでそれはちょっと………。」
「だろうな。
そう言うと思ってたぜ。
坊や。」
「………はい。」
「……殺生石の手掛かりはお前の中にあるんだ。
それなのにお前がその目の前にある手掛かりを掴もうとしないのはどうなんだ?
…お前が魔術を使う勇気さえあればこいつらを無駄な旅に付き合わせなくて済むんだぞ?」
「………それは分かっているんですけど………。」
「何も誰かを殺せとこそんなことを言ってるんじゃないんだ。
ただ魔術を使うだけ。
それだけの話だ。」
「………マナを枯渇させるだけなら魔技や武身技でもできますけど………。」
「お前のことだから体術系は得意なんだろ?
そんなもん何十回と繰り返してたらマナの消費も少なくなってくる。
それじゃ何時までたってもアイツは出てこねぇ。」
「マナを多く込めて撃ってればそのうち………。」
「戦闘においてマナをいかに少なく込めて術技を発動するのが上手い戦い方だ。
下手にマナを込めて術技を撃ちまくればその癖がつくぞ?
お前の長所を腐らせるようなことはするな。
………仲間を守りたいなら弱くなろうとするんじゃない。」
「………」
「お前はやっぱり魔術を使うしか無いんだよ。
魔術を全く使ってこなかったんならお前の技術力に影響は出ないし魔術のマナの消費率は高いから術技を使うなんかよりもよっぽど早くアイツを呼び出せる。
それでアイツから情報を聞き出せばすぐにでもお前の殺生石の力を元に戻す方法が分かるかもしれない。
なんなら明日明後日にでも終われるような目標だ。」
「………そう………ですかね………?」
「アイツを呼び出した時のことを心配してんのか?」
「…それは………ありますけど………。」
「安心しな。
お前には猿がついてるじゃねぇか。」
「アローネ………?」
「私………?」
「アイツの話では猿には“資格”とか言うのがあるらしい。
何の資格なのかは知らんが多少は融通聞かせていろいろと話してもらえるだろうよ。
だからアイツを呼び出した後のことは考えるな。
こいつらが上手くやってくれる。」
「………」
「………トラウマってのはなぁ………。
いつかは乗り越えなきゃいかん壁だ。
お前の目的の妨げになるのなら必ずだ。
分かったな………?」
「……………分かりました………。」
「………それでいい。
で、
お前はこれからどうするんだ?
猿。」
「私ですか…?
私は………。」
「カタスに黙って出てきたってんなら先にカタスにお前らの近況を伝えた方がいいんじゃねぇか?」
「それはそうなのですがカタスがどこにいるのか………、
それにもうマテオへと帰還なさっていると思いますし………。」
「ならダレイオスの街を回ってカーラーン教会を探して見たらいいんじゃねぇか?」
「え………?」
「アイツのこと聞いてねぇのか?
アイツはマテオとダレイオス両方に教会の支部があるんだよ。
本部はマテオにあるがな。
カタスはそこを定期的に巡回してんだ。
迷える子羊とやらを救うとか言ってな。」
「!
確かにそう仰ってました!
………そのことを失念していました…。
………では私はカタスに会いに行きます。
会って私達がいなくなった理由を報告しないと…。」
「そうしとけ。
アイツは人一人が失踪したくらいで大騒ぎする奴だからな。」
「レイディーはカタスのことをよくご存知なんですね……。」
「………昔はアイツには沢山世話になったからなぁ……。」
「どういったご関係だったのですか…?」
「レサリナスを出たときに話してたろ?
ただの学生と何でも知ってる歩く参考辞書の関係だった。」
「カタスが参考辞書………(汗)」
「…それだけじゃねぇな……。
あっちがどう思ってるかは分からんがアタシにとってカタスはファンクラブを立ち上げる仲間だったり、
学問の先生だったり、
………アタシがレサリナスを飛び出るまでの唯一の親友だったり………かな………。」
「レイディーに親友と呼べる方がいたのですね…。」
「あいつだけはアタシにとっても特別だ。
あいつだけはアタシよりも上だと認められるやつだ。
素直に尊敬できる女だな。
こんなアタシと一緒にいてくれたからな。」
「………本当に意外ですね………。
レイディーにここまで言わせるなんて………。
カタスの人柄の良さは私も熟知していましたが………。」
「なぁにが熟知だ。
アタシの方があいつのことをよく理解してるっつーの。
食う寝る以外は基本的にカタスと一緒にいたんだぜ?
カタスが公務の時は流石に一緒にはいなかったが…。
お前なんかどうせカタスのストーカーかなんかだったんだろ?」
「フフッ…。」
「何笑ってんだよ?
ここは張り合うところじゃねぇのか?」
「貴女になら………、
いつか私達の………、
ウルゴスのことをお話してもいいかもしれませんね…。」
「………こいつ、
自分がカタスと同じ国出身だからって偉そうに………。
………いつかアタシもウルゴスって国に行ってカタスの過去を調べあげてやる。」
「それだとレイディーの方がカタスのストーカーみたいですね………。」
「………そうだお前ら。」
「何ですか?」
「このダレイオスにいる最中にあの殺生石のことを解決できたらミストに戻るんだろ?」
「その予定だけど…?」
「マテオに帰る道は見ての通り粉砕しちまったからよ。
帰るってんならずっと西の荒野に向かえ。」
「西の荒野?」
「長い旅にはなるだろうがそれが安全ルートだ。
西の荒野の果てまで行けばそっから海に出る。
その海さえどうにかして越えちまえばマテオの反対側………、
お前らの村のミストに着く。」
「「「!」」」
「マテオの南東側の大陸はダレイオスも攻め込むには不向きだってんでダレイオス軍も手薄だ。
地図上だと断崖絶壁らしいがそこはお前らでなんとかしろ。」
「そこをどうにかできたらミストに帰れるの!?」
「だからそこを越えたらミストに着くんだって言ってんだろ。
………だが西の荒野に行く時は気を付けろよ?
あそこは何十年か前に何があったか知らねぇが大きな“爆発”があって無人地帯だ。
“放射能”ってのが今でも辺り一面に残ってて病気になりやすくなるってんでまともな人は寄り付かない。」
「放射能?」
「………発癌性が高まるって噂の化学物質だそうだ。」
「ちょっと!
そんなところに行かせようとしないでよ!?
本当に病気になったりでもしたら「そこは考えなくてもいいだろう。」…え?」
「数年前に騎士団でも放射能にまみれた洞窟を発見してな。
その洞窟探索の途中で放射能に汚染されていることが分かったんだがその洞窟を探索していたのがちょうど俺達だったんだ。」
「!
ウインドラ大丈夫だったの!?」
「その時にいた他の隊員は後に検査をしたら放射能を浴びて陽性だったんだが………、
俺からは何の異常も検査で示さなかった。」
「何ともなかったの…?」
「不思議なことにな…。
その隊員と俺との違いはカオスから受けた光の違いくらいだった。
だから俺からは陰性の反応しかでなかったんだろう。
あの光を浴びてからの俺はまったく体調を崩したりすることが無くなったからな。」
「………そういえばミストの村の皆もあの事件から風邪を引いたりする話も聞いたことない………。」
「お前達………、
今やアタシもその範囲かもしれねぇが細菌やそういった病原菌からの抵抗が完璧に強くなってんな。
むしろ効かないレベルだ。
最強にして最凶のヴェノムウイルス食らっても平気なんだからそれも当然か。
ヴェノム以下の病魔を受け付けない体になってやがる。」
「………それでもそんな汚さそうなところ………。」
「そんな体質になったお前らにしか通れねぇルートだ。
仮に戦争が開始しちまったらマテオはダレイオスの人里しか襲わねぇ。
お前らの通り道には関わってこねえからそこを通って帰るしか方法はねぇんだよ。
そこさえどうにかしちまえばお前らは念願のミストへと帰れるんだ。
だからお前らは戦争が始まる前に何としても殺生石………、
あの変なのをどうにかしろ。」