テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
そして自分達の今の現状にも目を向けて………。
ダレイオス
「………俺達が魔法生物………?」
「ふ~ん?
そうなの?」
「あれ?
思ったより反応薄いね…。
人じゃないってだけで俺はちょっとショック受けてたのに…。」
「その魔法生物ってのになったのも私達が殺生石の恩恵を受けているからでしょ?
恩恵の大きさを考えたらそれくらいどうってことないでしょ。」
「まぁそう言えるけど…。」
「それに話聞く限り私達だけじゃなくてそのウルゴスの人達やミストの皆もそうなってるんじゃない?」
「…!
………確かめてはいないけど多分そうなるね………。」
「私達だけだったらちょっと恐ろしいとは思うけど皆が皆同じなら大丈夫でしょ!」
「ミシガンは明るいですね。」
「明るさだけは取り柄だからね!
それに魔法生物ってのになってたんだとしてもそれって世界がヴェノムに飲み込まれてもミストだけは無事ってことだよね?
なら皆でミストに帰ろう?」
「ちょっとその考えは………。」
「え?
何かおかしかった?」
「…これはあまりよく考えてないな………。
しかし………。」
「…ウインドラの方は受け止めづらいよね。
こんな話されてもすぐには………。」
「………」スッ
パシャッ
「………本当のようだな。
となれば………。」
「?」
「少し確かめたいことがある。
アローネ=リム。
お前は確か風属性の魔術が得意だったんだよな…?」
「?
そうですがそれが何か………?
それよりも私を呼ぶときはアローネでいいと…。」
「こういう癖なんだ。
………それでお前が使えていたのは風属性以外にもあったか?」
「一通りの六属性とも使えますが…?
こんなふうに………、
アクアエッジ!」
「?
あれ?
どうしたの?」
「変ですね………?
調子が悪いのでしょうか………?
ウインドカッター!」シュバッ!
「今度は出たね。」
「………別に調子が悪いと言う訳でもなさそうですね…。
………ライトニング!」
「ん?
もしかしてライトニングも出なくなってる?」
「………そのようですね………。
どうなっているのでしょうか………?」
「そうか………。
俺の考えが当たっていたか………。」
「アローネが風以外使えなくなったことに心当たりがあるの?」
「………魔法生物とはエレメントやゴーレムのような製造された命もあるがスライムのような自然生物もいる。
その自然に生まれたスライム等はマナが無くなると肉体ごと消滅するんだ。
俺達がよく知るヴェノムもその例だな。」
「それで…?」
「スペクタクルズは生物の特徴を読み取って情報を分析するアイテムだがアローネ=リムやお前達はこれまではギリギリで人の割合が多かったから他の術も使えていたんだろう。
………それがこの間の件で変質したマナの割合が人の肉体よりも多くなった。
その変化にともなって他の属性のマナを受け付けなくなったのかもしれん。」
「………どういうこと?」
「魔法生物は大半が一つの属性のマナで機能している。
俺達にもその変化が現れているんじゃないか?」
「…今まで使えていた属性の術が一つしか使えなくなったと言うことですね?」
「その通りだ。」
「………でも大抵の人って得意な属性の術しか使わないよね?
それって何か弊害あるの?
大したデメリットじゃないでしょ?」
「普通の民間人にとってはあまりないだろうな…。
だが俺達にとっては、
死活問題になる出来事かもな。」
「「「………?」」」
「さっき言ってた魔法生物がマナを失うと肉体ごと消滅ってとこさぁ?
私達も当てはまるのかな?」
「それは試してみないと分からんが………。
試すなよ?」
「分かってるわよ!」
「…カオス、
マナを枯渇させてはいけませんよ?」
「………うん。
そこは………大丈夫だよ。」
「……ハードルがまた高くなってしまったか………。
こればっかりは検証してみないことには先に進めないな…。」
「他の例があったらいいのですけど………。」
「マナを完全に失えば生物は死ぬ。
その後の肉体が残るか残らないかなんて考えても答えは出ないだろう。
今は俺達のことを少し知れただけでも前進だ。」
「いっそのことカオスさんがそこら辺のモンスターにファーストエイドをかけてみてそのモンスターがマナを使いきるまでいたぶってみてはどうですか?」
「「「………」」」
「タレス君………、
随分と苛烈なことを言うんだね………。」
「子供の発言とは思えんほど酷いな………。」
「ある程度は癒してきたつもりでしたが………、
まだこういう面が残ってますねぇ………。」
「そう都合よくモンスターなんて………。」
ガサガサッ……!!
「「「「!!」」」」
「さっそくお出ましのようですね………。」
「こんな時に空気読んで出てこなくても…。」
「ヴェノムなのでは………?」
「ガルルッ……!!」
「………ただのウルフの群れのようだな。」
「カオス………、
使えますか?」
「…………」
「………ですよね………。」
「検証はしてみたかったがそれ以外でも出てきてくれて有り難い。
そろそろ持っている食料が底をつきそうなんだ。
非常食の補充はしないとな!
………それに!!」ダッ!
ザクッ!
「キャインッ!!?」
「確かめたいことが一つある!!」
………………、
「全部倒し終わったかな………?」
「………こいつらは使えない個体だったか………。」
「ん?
何が使えないって…?」ガササッ!
「ガルルッ!!」パァァッ!
「!?
まだ残ってた!!」
「ガウッ!!」パシャシャッ!!
「ウルフのアクアエッジです!
ウインドラさん!
ミシガン!」
「危ないミシガン!」ガバッ!
「へ?」
ドサッ!
バシャシャッ!
「大丈夫!?
二人とも!!」ダッ!
ザンッ!
「キャインッ!?」
「………うわぁ……。
服がずぶ濡れになっちゃったけど平気だよ。」
「………」
「…ちょっと………、
ウインドラ………?
服とかも透けちゃってるしそろそろ退いて欲しいんだけど………?」
「………ぐっ……」ガバッ…
「…えっ!?
そんな勢いよく退かなくても「ぐあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああぁぁぁぁぁぁッッッッ!!!??」!!?」バチバチバチバチバチッ!!
「「「!!?」」」
「どっ、どうしちゃったのウインドラ!!?」
「うぉぉああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぉッッッッッ!!!」バチバチバチバチッ!!
「ウインドラ!?
どうしたんだ!?」
「ぐぅ…………。」ガクッ…
バタンッ……。
「ウインドラ!!」
「しっかりして!?
ウインドラァッ!!」
「ミシガン!
とにかく彼に治療を!!」
「うっ、うん!
分かった!」
「「『癒しの加護を我らに!
ファーストエイド!!』」」パァァッ!
「………ふぅ、すまない二人とも。
助かった。」
「どうしちゃったのウインドラ!?
自分の雷で感電しちゃったの!?
あんなただの水なんてなんともなかったじゃない!?」
「…まさかあのウルフの魔術……。
何か特殊な力が込められてたのかな?」
「ダレイオスで生き残るようなモンスターですから何か未知の属性の攻撃だったのかもしれませんね………。」
「ダレイオスにそんなモンスターがいるなんて聞いたことはありませんが………?」
「………さっきの魔術………。」
「ん?」
「…さっきの攻撃は恐らく並のモンスターの術程度くらいの威力しかなかっただろう……。」
「え…?」
「では何故ウインドラさんはあそこまでダメージを受けたのでしょう…?」
「………これがデメリット“その二”ということなのだろうな。」
「デメリットその二…?」
「俺達が見た目は人のままだが魔法生物に種が変わったんだったな………。」
「…そうだけど…?」
「………魔法生物と言うのはな………、
体のほぼ全てがその属性そのもので構成されている。」
「ほぼ全て…?」
「!
………と言うことは!?」
「察したか………。」
「何々!?
何なの!?」
「今の俺達は………、
それぞれが得意系統の属性で体が構成されているようだ。
とすると相反する属性の攻撃を受けると極端にダメージを受けてしまう………。
そうなってくると通常のモンスターと対峙したときそいつが自分と相反する属性の魔術を使ってきたら絶対にその魔術を避けなければならなくなった。
……俺達は今まではなんともなかった攻撃がこれからは一撃で致命傷を負うほどのダメージを負ってしまう体になってしまったんだ……。」