テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
始めはカオスとの繋がりで共に行動していたメンバー達だったが接していくうちに確執が見えてきて………。
ダレイオス 深夜
「………俺はカオスのようになりたかったんだ………。」
「俺のように?」
「ウインドラさんがですか?」
「あぁ、
カオスは昔から無茶なことばかりしていた。
自身のハンデをものともせずひたすらに前だけを見て走り続けるやつだった………。
俺もそうなりたくてカオスのように自身を甘やかさぬ環境において強くなる道を選びレサリナスへと向かった。」
「………」
「始めの頃は強さだけを求めて騎士に志願し鍛練を繰り返す毎日だった。
それだけで充実していた………。
敵国ダレイオスのことや王都で暴れまわるバルツィエのことも最初は気にもしなかった………。
俺にとって騎士団は強さとミストに常駐する任務にさえ着くことができればどうでもよかったんだ………。
………どうでもよかったんだが………。」
「ダリントンさんとその他の部隊の方々と交流していくうちに貴方の中でミストのカオス達以外にもダリントンさん達が大切な方々に変わっていったのですね…?」
「父さんから聞いていた話ではカオスの祖父アルバさんのような騎士はごく珍しい方で大概は腐ったような連中だと聞いていたから俺は当初配属された時は回りの騎士達を信用はしてなかった…。
こいつらもどうせ自分のためだけに騎士になって対した目標もなくただ生きていくだけの金を稼いでいるだけの奴等なんだと………、
………だが違った………。
あいつら………、
俺の仲間達は………、
本物の騎士達だった………。」
「本物の騎士?」
「あいつらが騎士として働いていたのは全員が家族や恋人達………果ては故郷をヴェノムもしくはバルツィエの脅威から救うためだった………。
ヴェノムが蔓延るこの世界では誰もがヴェノムから逃れる術を欲している。
唯一その術を持つバルツィエはあいつらの故郷の弱みにつけ込みいいように振る舞っていた。
バルツィエに憎しみを持つ者もいた………。
その憎しみを抱えた上であいつらは………、
バルツィエと交戦しバルツィエからワクチンの製造方法を入手しそれをマテオ、ダレイオス関係なく世界に広めようとしていたんだ………。
例え最期にバルツィエの怒りを買って殺されようとも世界中のヴェノム災害に苦しむ村や街の人々を救うために………。」
「「「………」」」
「…結果として俺達は戦力としてダレイオス軍にワクチンを持って交渉しに行こうとはしていたがワクチンを研究し量産できる機関があるのならどこだろうとワクチンを渡してそれを世界中に送り届けるつもりだった…。
泣き言に聞こえるかもしれんがこれは本当だ。
今なおヴェノムに苦しむ世界各地の村を例外なく救おうとあいつらは必死だった………。
ちっぽけなミストの村一つが助かればそれでいいと思っていた俺はあいつらの志の高さに感化されいつしかあいつらの希望に賛同し同志として協力を惜しまなくなっていった………。
そして最終的には、
バルツィエに取り込まれてしまったクリスタル王妃を奪還しマテオとダレイオスの平和協定までどうにかしてこぎ着けようとしていた………。」
「ダレイオスと……平和協定?」
「世界を掌握しようとしているのはバルツィエだ。
クリスタル王妃はそれに利用されているだけなんだ。
あの方がバルツィエから離れられればバルツィエを内乱罪で追放することもできた筈だ………。
………今ではそれも叶わぬ妄想まで墜ちてしまったがな………。」
「………すぐには無理ですけど……。」
「む?」
「………ウインドラさんやこの間亡くなった人達はカオスさんを陥れようとしていたのですぐに貴方に心を開くことはできません………。
………けどウインドラさん達にはウインドラさん達なりの大勢の人達のためにやったことだと思います………。
カオスさんも気にしている様子はないので貴方のことはとりあえず騎士ではなくカオスさんの友人として見ることにします………。」
「………今はそれで一歩進めたということにしよう……。」
「ところで私達ダレイオスへと来ましたけどタレスはダレイオスで行きたい場所とかは無いのですか?」
「行きたい場所ですか…?」
「タレスの故郷は………、
………スミマセン………。」
「いいんですよ。
ボクの故郷はもう無いって知ってましたから……。
………行きたい所は………急には出てきませんねぇ………。
ダレイオスは広いですし、
多くの部族が縄張りを主張して衝突したりしてましたから他の部族の村なんかには行きたいとは思いませんからねぇ………。」
「カタスさんがそんな話してたね。
ダレイオスは複数の部族が纏まってできてる国だって。」
「ダレイオスにはどのような部族がいらっしゃるのですか?」
「そうですね…。
ダレイオスには大きく分けて“九の部族”があります。」
「九の部族………?」
「(九………。)」
「はい。
森や草原に住居を構える“アインワルド族”、
海で漁をして暮らす“ミーア族”、
知的好奇心旺盛な“クリティア族”、
温暖な気候を好み火山地帯に住む“ブルカーン族”、
逆に雪原のような寒い地方に住む“カルト族”、
警戒心が強く渓谷のような岩壁の多い場所に家を建てる“アイネフーレ”、
山等の高い場所で生活する“フリンク族”、
他の部族にはない褐色の肌を持つ“ブロウン族”、
最後の種族は“スラート族”と言って他の部族とは違いあらゆる環境に適応する能力が高いと言われている部族です。
ですのでスラート族はこれといった場所が定まって住んでたりはしません。」
「(………)」
「結構多いんだね………。
タレスはどの部族になるの?」
「ボクはアイネフーレ族出身です。
ボクの村はダレイオスの北東側に位置するため数年前のマテオからの奇襲によって村は滅びたようです………。」
「数年前と言うと………、
バルツィエによるダレイオス偵察の際の話になるのか………。」
「ウインドラさんはご存知なんですか?
その時の作戦を?」
「話だけは聞いたことがある。
俺がまだ士官学校にいた頃だがあの頃はまだマテオでも戦争をするかしないか定まってなかった時期でな。
早くに戦争への突破口を開こうとしたバルツィエが十数人かそこらでダレイオスへ渡りダレイオス人の奴隷を確保してくることによってダレイオスをマテオが攻め込むに至ってダレイオスがどの程度の戦力で対抗してくるのかを量るものだったらしいぞ…。」
「それじゃあボク達の村は………。」
「…その時の戦果ではダレイオスは攻め込んでも難なく勝てる相手だと当時から現在までバルツィエの軍を仕切っていたフェデールが他の政治家達に報告した。
それによってマテオはそこからダレイオスに戦線を開く準備を着々と進めていったんだ………。」
「フェデールがタレスの村を襲ったの!?」
「そうなるのだろうな。
あの当時その作戦を決行したメンバーのリーダーとして報告書を提出していたようだしな。
思慮深いフェデールが直接作戦に参加しその手で結果を残したのなら政治家達も黙らざるを得なかったのだろう…。
その作戦自体は政治家達の反対を押し切って強行したものだったが結果を持ち帰ってきたバルツィエには逆らうこと自体が無意味だ。」
「フェデール………、
やっぱりボクの記憶違いでは無かったんですね………。」
「………フェデールと会ったことがあったんだね…?
タレス………。」
「それはありますよ………。
なんたってあの人は………、
ボクの村を襲ってきたメンバーだったんですから………。
……あいつにボクのお父さんとお母さんは………。」ポロポロ………