テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カオスはアローネを誉めるがアローネは………。
ダレイオス 深夜
「………少年には辛い過去を思い出させてしまったようだな………。
マテオに何故ダレイオス人がいるのかと疑問を持ったが少し考えたら事情は一つしかないよな………。
それもあの作戦での被害者だったとは………。」
「あの日のことは思い出のように深く記憶に刻み込まれているので忘れたりなんてできませんよ………。
あの奇襲からボクの人生はバルツィエに狂わされ続けてきたんですからバルツィエが無くならない限りボクは………。」
「少年………、
いや…タレス君だったね。
君にはカオスの件を含めても悪い気分にさせてばかりだな………。
本当に申し訳ない………。」
「いいんですよ………。
ボクだって職業だけでウインドラさんを憎むべき敵と一括りにしてたんですから………。
ボクからも謝ります………。」
「………そうか………。
ではこれからのことよろしく頼む。」
「こちらこそ………。」
「二人のことどうにかなったね。」
「お二人ともカオスの友人なのですからこうなるのも必然でしたね。
二人はともに話せば分かってくださる人達ですから。」
「やっぱりアローネのおかげだったじゃないか。
アローネが仲裁してくれたから二人は分かりあおうって気になったんだよ。」
「…そう思いますか?」
「だってそうじゃない?
俺だったら衝突を避けるために自分で仕事をしようとしてたもん。
それだと話をするのを引き伸ばしてただけだろうし。」
「………私なんてカタスの真似事しかできない何の力もない小娘なのですよ?
私は………、
クラウディアの家の力が無ければ貴方達どころか自分の命すら守れない無力な民でしか………。
私に力があれば………ウインドラさんのお仲間の方達も入寂することも………。」
「………それはどうにもならなかったんだよ。
俺達にはあの場を無傷で乗り切ることなんてできなかったんだから………。
アローネが一人で悔やむこともないよ……… 。」
「ですがカオス………。
私は己の無力さをとりとめもなく呪いたい………。
貴族であった頃の私はこのような逃避行を強いられることなど無かった………。
貴方達を危険から守ってあげられることも昔の私なら一声でできた筈なのに今私はどうしようもない無力さを感じます………。
今の私は………本当に貴族で無くなってしまったことを自覚しました………。」
「別に貴族とかじゃなくたってアローネはアローネのままでもいろんな人の役に立ってると思うけど………?」
「私が………ですか?
ですが私はレサリナスからは誰の役にも………。」
「アローネは気負いすぎだよ。
ウインドラの部隊の人達のことは残念だったけど失敗ばかりに目を向けてもどうにもならないよ。
それよりも俺はアローネが今までいろんな人の助けになってきたところを見てきたからアローネが落ち込むことなんてないと思うよ?」
「………?
私は何かしましたか?」
「タレスを盗賊団から救ったりタレスの声が出せるようにしてあげたじゃない。
それとかカストルとかでもギルドでヴェノムのクエストを受けたりとかさ。」
「…あれはカオスの功績ではありませんか。
それにカストルはそういう仕事の一環でしたし三人で受けたものではありませんか………。」
「それでもタレスの件はアローネがいてくれたから助かったんだよ。
カストルのことも仕事だったとしてもギルドの人喜んでたじゃない。
あと、
リトビアでは封魔石に触れて俺が暴走した時にアローネが止めてくれた………。
あの時のことは間違いなく俺はアローネに救われたんだ。」
「あの時の………。
今思い出せばあの暴走は殺生石のあの方が封魔石の中のヴェノムに反応して暴走していたのですね………。」
「ほら!
こんなにアローネは皆を助けてるんだ。
落ち込む必要なんてどこにあるの?」
「………」
「アローネもいろいろ考えすぎてこんがらがってきてたのかもしれないけど俺はアローネがそんなに溜め込むことなんてないと思うな。
アローネにはいつだって明るくいてほしいし。
落ち込むよりかは顔をあげて空でも眺めてスッキリしようよ?
あの綺麗な星空でも見上げてさ!」
「………“星”?」
「旧ミストにいた頃は辛いことを思い出したりして泣きたくなったりした時とかは夜に星空を見上げて一人で黄昏たりなんかしてると辛いこともなんだか和らげてくれるような気持ちになるんだ………。
って言ってもあの頃の辛いことと言ったらミストで俺が消してしまった人達のことばかりだったんだけどね。
忘れちゃいけないことだからそこはちゃんと忘れずに覚えておくよ。」
「………」
「どう?」
「………………、
………………綺麗な光ですよね………。」
「でしょ?」
「………あの光を眺めていると確かに私の不安な心も癒されて行くような気がしますね……。」
「そうだよ。
不安になったらいつだって夜に輝く星空を眺めればいいんだよ。
手配書騒動で旧ミストを出てからはゆっくり眺める暇もなかったけどこうして何も追われることのない時には星空を眺める時間にあてるのも悪くないんじゃないかな?
星は夜になればずっとあそこで輝いてるんだから………。」
「………有り難うございますカオス。
カオスに励ましてもらえて少し気が張れたと思います。」
「どういたしまして。
仲間なんだから支えあって当然だよ。」
「…これからも私はまた気を落とすようなことがあるかもしれませんが………、
………その時は、
また私の話し相手になってもらえますか?」
「勿論!」
「………ところでカオス…?」
「ん?
とうしたの?」
「………一つだけ質問をしてもよろしいでしょうか………?」
「?
いいけどどうしたの…?」
「………その………。」
「………?」
「
………………この時代では普通の事象なのでしょうがあの空にある光は………、
先程カオスは“星”と呼びましたよね………?」
「そうだけど…?」
「………と言うことは………、
あの空にある“星”というのは他の惑星………、
と言うことなのでしょうか?」
「………?
え………?」
「ですからあの光はこのデリス=カーラーン以外の惑星があると言うことなのでしょうか………?
太陽以外にもあんなに数えきれない程の惑星が宇宙には存在するのですね………。」
「んん!!?
違うよ!?
星は星でもあの星は惑星とかそんなんじゃないよ!?」
「はい?
ですがカオスが先程からあの光を星と………?」
「星って言ってもざっくりとそう言ってるだけであの全てが惑星とかじゃないよ!?
まぁ、惑星もいくつかはあるんだけど………。」
「惑星があるのですか!?」
「アローネは“太陽系”って知らない?」
「太陽系………?」
「俺も詳しく知ってる訳じゃないけどね。
俺達のいる宇宙には太陽系と呼ばれる太陽の周りを回ってる惑星があるんだけど太陽から近い順番で水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星っていう惑星があるらしいんだ。」
「この宇宙に八つも惑星が…?」
「そう。
ここからじゃ見えないんだけどね。
宇宙にはその星々以外にも大きな岩みたいな隕石ってのが漂っててそれらがあの空に光ってるやつさ。」
「隕石………。
レイディーがこの前の岩をそう呼んでましたね………。
………その隕石と惑星はどれほどの大きさなのでしょうか………?」
「昔見た本では隕石は大小様々だったけど惑星はこのデリス=カーラーンと同じくらいの惑星もあれば何十倍って大きさの物もあるらしいよ。」
「このデリス=カーラーンに並ぶ星が他にも………?」
「アローネのいた時代………、
アインスではあの星については誰かに教わったりとかしたこと無かったの………?」
「私のいた時代ではあの星について習うことはありませんでした………、
そもそもアインスでは夜空にあのような光輝く星などありませんでしたから誰も星についてなど知るよしも無かったのだと思います………。」